マイホームの年間維持費はどれくらいか?
- 将士 飴本
- 5月16日
- 読了時間: 8分
更新日:8月5日
目次

1: マイホームの年間維持費について
1-1: 年間維持費の平均と内訳
マイホームの維持費は「月々の住宅ローン以外」にもさまざまなコストがかかります。全国平均で戸建てなら年間20万〜40万円、マンションなら30万〜60万円が一つの目安です。
【表1】戸建て・マンションの年間維持費(目安)
項目 | 戸建て(円/年) | マンション (円/年) | 主な内訳 |
固定資産税・都市計画税 | 80,000~160,000 | 80,000~180,000 | 課税評価・エリアで差 |
火災・地震保険 | 15,000~25,000 | 15,000~25,000 | 5年/10年更新が主流 |
修繕・メンテナンス | 50,000~120,000 | 10,000~60,000 | 外壁・屋根・設備・共用部積立金 |
管理費・共益費 | 0 | 60,000~180,000 | 管理組合・セキュリティ費用など |
合計 | 200,000~400,000 | 300,000~600,000 |
1-2: 維持費がかかる主要な項目
固定資産税・都市計画税
火災保険・地震保険
修繕費・点検・メンテナンス費
マンションの場合:管理費・修繕積立金・駐車場代
【プロ視点コメント】
「“マイホームは買って終わり”ではなく、維持してこそ資産価値を保てる。予防保全を意識したメンテナンスが後々の出費を抑えます。」
\➡ 関連記事:新築一軒家、実際にかかる費用とその相場を徹底解説
1-3: 一般的な維持費のシミュレーション方法
まずは“毎年必ず発生する費用”を洗い出し
次に“10年単位で必要な大規模修繕”を見積もる
ライフステージ変化(子どもの独立、リフォーム)も加味し「将来の維持費カレンダー」を作成
2: マイホーム(戸建て・マンション)の違い

2-1: 戸建てとマンションの維持費比較
戸建ては自己管理が基本、修繕計画や費用の自己責任度が高い
マンションは管理組合・修繕積立金で計画的に費用が分担される
10~15年に一度の「大規模修繕」がある点は共通だが、マンションの方が管理費が高め
【表2】戸建てとマンション維持費の比較ポイント
比較項目 | 戸建て | マンション |
修繕計画 | 自己管理 | 管理組合主体 |
管理費 | なし | 月5,000~20,000円 |
修繕積立金 | 任意・自己積立 | 強制(積立金) |
セキュリティ | 自己対策 | 管理会社導入で安心 |
2-2: 物件タイプ別の共通点と違い
両者とも「火災保険・税金・修繕費」は共通
マンションは共用部負担、戸建ては外構・屋根・外壁が主な維持ポイント
戸建てはリフォーム・増改築が比較的自由だが費用管理は自己責任
2-3: 選び方のコツと注意点
維持費は**「現役時代の収入だけでなく、老後も無理なく払えるか」**を基準に
購入前に「10年・20年の維持費総額」を必ず試算し、余裕を持った資金計画を
3: 年間維持費の金額を左右する要因

3-1: 地域別の税金と費用の相場
固定資産税・都市計画税は「自治体ごと」に税率や評価額が異なる
大都市・人気エリアほど「税金・管理費」も高くなりやすい
【表3】主要エリア別 固定資産税・都市計画税(戸建て例)
エリア | 固定資産税/年 | 都市計画税/年 | 合計 |
東京23区 | 100,000~220,000 | 20,000~80,000 | 120,000~300,000 |
地方都市 | 50,000~100,000 | 10,000~20,000 | 60,000~120,000 |
郊外・田舎 | 20,000~60,000 | 5,000~10,000 | 25,000~70,000 |
\➡ 関連記事:気になる!ハウスメーカー坪単価一覧とその特徴とは?
3-2: 物件の年数による影響
築10~20年ごとに外壁塗装・屋根修理など高額なメンテナンスが発生
築年数が古くなると「水回り」「設備」「配管」等の修繕費が増加
マンションも築年数に応じて修繕積立金の値上げがある
3-3: 住まいの素材と耐久性の関連
木造・鉄骨・RC造でメンテナンス頻度やコストが異なる
外壁や屋根材、窓のグレードでも維持費が変動
4: マイホーム維持費を抑える方法

4-1: 無駄な出費を防ぐコツ
計画的なメンテナンスを行い、大きな修繕を未然に防ぐ
「まとめて工事」で足場代などを節約
水道・光熱費は最新の省エネ設備でコスト削減
保険や税金は「相見積もり」や見直しで安くなる場合も
4-2: 固定資産税や保険料の軽減措置
住宅ローン控除や自治体のリフォーム補助金の活用
耐震・省エネリフォームで減税・補助が受けられることも
火災・地震保険は複数年一括やネット専用プランで割安に
【表4】維持費を抑えるテクニック早見表
項目 | 節約ポイント |
固定資産税 | 新築特例・小規模住宅用地の適用 |
火災保険 | 長期一括・補償内容見直し |
修繕費 | 定期点検・DIY・まとめ工事 |
光熱費 | 省エネ家電・断熱強化 |
4-3: 定期的なメンテナンスの重要性
定期点検・清掃で「故障→高額修理」を防ぐ
外壁・屋根は10〜15年ごとに専門業者の診断を
給湯器・水回り設備・シロアリ対策も早め早めに
【プロ視点コメント】
「“壊れてから”ではなく“壊れる前”にメンテすることが、10年単位でみると結果的に最も安上がりです。」
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5: 維持費の計算方法と試算例

5-1: 具体的な計算手順
マイホームの維持費は、買ったときの「想定」より“意外に膨らむ”ことが多いです。プロとして多数の住宅相談を受けてきた経験上、下記5項目を毎年“家計簿レベル”で集計することが失敗回避の第一歩となります。
固定資産税・都市計画税…納税通知書で金額を確認
火災・地震保険…保険証券や契約書で年額を確認
修繕費・点検費…長期修繕計画や業者の見積もりを必ず取得
マンションは管理費・修繕積立金も加算
大規模修繕費…10年・20年ごとの高額修繕を“年平均”で計算
POINT
新築時の「住宅ローンだけ払えれば…」という認識は非常に危険。“見えない出費”が将来必ず発生します。
5-2: 維持費を見える化するツール
プロの住宅FP(ファイナンシャルプランナー)や注文住宅営業マンも、全員が「見える化」を徹底指導します。たとえばExcelやGoogleスプレッドシートで「維持費表」を自作し、年単位でシミュレーションすることが最も現実的かつ効果的です。
住宅メーカーやFPが提供する公式シミュレーションアプリも活用可能。
【表5】年間維持費シート例(戸建て/参考値)
項目 | 年額(円) |
固定資産税 | 100,000 |
火災・地震保険 | 20,000 |
修繕・点検費 | 60,000 |
光熱費 | 180,000 |
合計 | 360,000 |
※表の各項目は、自宅の条件・地域で必ず個別に再計算してください。
5-3: 実際のケーススタディ
■Aさん(戸建て/築12年/4人家族)
固定資産税…110,000円
火災保険…18,000円
修繕費(平均)…75,000円
合計:203,000円/年
※10年後、外壁塗装費150万円が一度発生(年平均換算15万円)
■Bさん(マンション/築15年/3人家族)
管理費…144,000円
修繕積立金…96,000円
固定資産税…90,000円
火災保険…15,000円
合計:345,000円/年
【アドバイス】
実際の家計簿を10年以上チェックしてきた結果、「最初は余裕があっても、設備老朽化や税金アップなどで10年後は必ず維持費が増加する」ことが分かっています。
6: マイホーム維持費に関する質問コーナー

6-1: よくある質問(FAQ)
Q. 築20年超の維持費はどれくらい増える?
A. 給湯器・水回り・外壁など、**“高額修繕が一気に重なる”**のが築20年超の最大リスク。年間20~30万円の追加出費も想定しておくべきです。
Q. DIYで本当に維持費は抑えられる?
A. 日々の掃除や塗装のタッチアップ程度なら◎。ただし配管や構造、電気工事は必ず専門業者に依頼しないと、後で大きなトラブルや費用増につながることも。
6-2: 知恵袋からの実例紹介
「中古戸建て購入3年目で雨漏り→屋根修理費100万円」
「マンション修繕積立金が築年で3倍に増えた」
「火災保険の一括見直しで年間1万円節約できた」
【プロアドバイス】
“想定外の出費”こそ、予備費として年10万~20万円を別口座で積み立てておくことが、長く快適な暮らしの秘訣です。
6-3: 後悔しないためのポイント
“維持費も含めて住宅ローン返済額を決める”のが鉄則
シロアリ・給湯器・消費税率UPなど“見えない出費”も計画に含める
将来の収入変化も想定した「余裕ある資金計画」を必ず作る
【実体験コメント】
「ローン返済はできても、数年後に急な修理費や税金アップで生活が圧迫された…という声は本当に多いです。」
7: まとめと今後の備え

7-1: マイホーム維持の重要性
維持費を甘く見ると資金ショートや資産価値低下の原因に。“定期点検・計画的な予防保全・都度の見直し”が“長持ち+資産価値UP”の唯一の道です。
7-2: 長期的な資金計画のすすめ
10年・20年・30年…将来まで見据えた「長期カレンダー」を自作しましょう。「今」だけでなく「将来の税制改正・不動産価値変動」も考慮し、FPや住宅会社の無料相談も積極活用を。
7-3: 今後の不動産市場の動向と影響
空き家増加、税制改正、省エネ義務化…これからも維持費環境はどんどん変わります。「マイホームは買って終わりじゃない」。“計画的な維持・定期的な情報収集”が“後悔ゼロ”への近道です。
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