規格住宅のデメリットとは?購入前に知っておきたい注意点
- 見積もりバンク担当者

- 5月23日
- 読了時間: 13分
更新日:10月7日
更新日:2025年09月16日
マイホームを検討する際、「注文住宅は高いし、建売は物足りない…」と悩む方に人気なのが 規格住宅 です。コストを抑えながら一定の性能やデザイン性を確保でき、工期も短縮できる点は大きな魅力でしょう。
しかし一方で、規格住宅には「自由度が制限される」「間取りやデザインが画一的になりやすい」「オプションで予算オーバーしやすい」といった デメリット が存在します。契約前にそれを理解していなければ、「思っていた家と違った」「結果的に注文住宅と同じくらいの費用になった」と後悔するケースも少なくありません。
本記事では、2025年最新の住宅業界データや実体験談、そして元営業マンとしてのプロ視点から、規格住宅のデメリットと購入前に知っておくべき注意点を徹底解説します。チェックリストや比較表も交えながら、後悔しないマイホーム選びのポイントをわかりやすくまとめました。
目次
1: 規格住宅の概要
1-1: 規格住宅とは何か?
1-2: 企画住宅との違い
1-3: 規格住宅のメリット
1-4: 主なメーカー一覧
2: 規格住宅のデメリット
2-1: 自由度の制限とその影響
2-2: 間取りやデザインの制約
2-3: 建築費用とコストパフォーマンスの実態
2-4: 失敗しないための注意点
3: 購入前の検討ポイント
3-1: 土地選びと費用関係
3-2: 工期の短縮とそのメリット
3-3: オプションや設備の確認
3-4: 契約時の打ち合わせの流れ
4: 規格住宅の人気ランキング
4-1: おすすめの規格住宅
4-2: 住宅の性能と条件チェック
4-3: 住まい選びのための比較
5: まとめ
5-1: 規格住宅購入のポイント整理
5-2: 後悔しないための計画方法
5-3: 理想の住まい実現に向けて

1. 規格住宅の概要
1-1 規格住宅とは何か?
規格住宅とは、あらかじめ設計・仕様・間取りが決められている住宅のことを指します。注文住宅のようにゼロから自由に設計するのではなく、メーカーが用意した複数のプランから選択する仕組みです。
📌 例として、延床30坪・3LDK・耐震等級3といった標準的なプランが用意されており、そこから外観カラーや内装材を選ぶ形式になります。
👉 規格住宅は別名「セミオーダー住宅」とも呼ばれ、**「自由度とコストのバランスを取った住まい」**と位置付けられることが多いです。
1-2 企画住宅との違い
「規格住宅」と似た言葉に「企画住宅」があります。混同されやすいですが、次のような違いがあります。
項目 | 規格住宅 | 企画住宅 |
設計の自由度 | 複数プランから選択 (セミオーダー型) | ほぼ固定プラン (フルパッケージ型) |
コスト | 中間 | 低コスト重視 |
建築期間 | 比較的短い | さらに短い |
施主の関与度 | 一部選択可 | ほぼ選択不可 |
✅ 規格住宅は「ある程度自由に選べる」点で、企画住宅より施主の希望を反映しやすいのが特徴です。
1-3 規格住宅のメリット
規格住宅には、次のようなメリットがあります。
価格が明確で予算管理しやすい
→ 完全注文住宅のように「オプションでどんどん高額になる」リスクを抑えられる。
工期が短縮できる
→ 設計や確認申請の手間が減り、平均で3〜6か月ほど早く完成する。
住宅性能が安定している
→ 大手ハウスメーカーが規格化しているため、耐震性・断熱性が均一に保たれる。
初心者でも選びやすい
→ プランが整理されているので、家づくりに不慣れな人もイメージしやすい。
💡 例えば
私のクライアントの一人(広島県在住)は「土地探しと同時に規格住宅を選択したことで、半年早く入居でき、引っ越しの二重家賃を避けられた」と話しています。これは大きな経済的メリットといえるでしょう。
1-4 主なメーカー一覧
2025年時点で規格住宅を提供している主なメーカーは以下の通りです。
一条工務店(i-smart、グラン・セゾンなど)
住友林業(BF-Si、The Forest BFシリーズ)
積水ハウス(イズシリーズ)
大和ハウス(xevo Σシリーズ)
ミサワホーム(SMART STYLEシリーズ)
地域工務店による独自規格住宅(例:広島のアイ工務店「Hシリーズ」など)
🏠 地域密着型の工務店でも、最近は「規格型のプラン集」を用意しているケースが増えており、施主の選択肢が広がっています。
🔍 プロ視点のアドバイス
規格住宅は「完全な自由設計」と「建売住宅」の中間に位置するため、「こだわりすぎないけど失敗もしたくない」人に向いているといえます。ただし、メーカーによってプランの質やカスタマイズ範囲が大きく異なるため、必ず複数社比較をおすすめします。
\➡ 関連記事:住宅メーカー選びで失敗しないための5つのポイント
2. 規格住宅のデメリット

2-1 自由度の制限とその影響
規格住宅の最大のデメリットは「自由度が限られる」という点です。例えば以下のようなケースがあります。
間取りの変更不可:標準プランのリビングを広げたいと思っても、耐震計算上の理由で変更できないことが多い。
窓の位置や大きさが固定:採光や通風にこだわりたい施主には不満が残ることも。
外観デザインが似通う:同じ分譲地に規格住宅が並ぶと「画一的な景観」になりやすい。
📌 実際、国土交通省の調査(住宅市場動向調査2024年版)でも、**「自由度の低さ」**は規格住宅を選ばない理由の上位に挙がっています。
👉 特に「注文住宅=自分の理想を形にできる」と考えている方にとっては、規格住宅は物足りなさを感じやすい選択肢です。
2-2 間取りやデザインの制約
規格住宅では「選べるプラン数」に限界があります。
よくある制約例
キッチンは対面型のみ
水回り(浴室・トイレ)の移動不可
外壁カラーは数種類から選択
屋根形状は1〜2パターンのみ
💡 例えば、**「親世代と同居するために和室を広げたい」**という希望があっても、規格プランでは実現できず、結果的に追加費用が発生することも少なくありません。
\➡ 関連記事:失敗しない間取りの決め方!ポイントを徹底解説
2-3 建築費用とコストパフォーマンスの実態
一見すると規格住宅は「安い」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
規格住宅のコスト構造
基本プラン:坪単価55〜70万円程度(2025年平均)
オプション追加:キッチン・床暖房・太陽光などで+300〜800万円
外構・地盤改良:別途費用が発生(平均200〜400万円)
👉 注文住宅より初期見積もりは安く見えますが、オプションを加えると結果的に同等の価格帯になることも多いです。
比較表:注文住宅 vs 規格住宅 vs 建売住宅
項目 | 注文住宅 | 規格住宅 | 建売住宅 |
坪単価 | 70〜90万円 | 55〜70万円 | 45〜60万円 |
自由度 | ◎ | △ | × |
工期 | 10〜12か月 | 6〜8か月 | 3〜5か月 |
総額の透明性 | △(変更で増額しやすい) | ○(範囲内なら明確) | ◎ |
住まいの個性 | ◎ | △ | × |
💡 特に「コストパフォーマンス重視」で規格住宅を選んだ人が、結果的にオプションを重ねて注文住宅と変わらない価格になり、「だったら最初から注文住宅にすればよかった」と後悔するケースもあります。
2-4 失敗しないための注意点
規格住宅のデメリットを理解した上で、失敗しないためには以下の点が重要です。
チェックリスト ✅
□ 標準仕様でどこまで満足できるか確認
□ 追加オプションを入れた総額をシミュレーション
□ 土地との相性(方位・形状・接道条件)を必ず確認
□ 複数メーカーの規格住宅を比較
□ 引き渡し後の保証・メンテナンス体制も要チェック
📌 特に「土地と建物の相性」は盲点になりがちです。規格住宅はプランが固定されているため、敷地条件によっては日当たりや駐車スペースに問題が出ることもあります。
🔍 プロ視点のアドバイス
私は営業マン時代、**「規格住宅を契約したものの、オプション追加で総額が800万円増えた」**というお客様に何度も出会いました。契約前に「標準でどこまで満足できるか」を確認せずに進めると、想定外の出費につながります。👉 規格住宅を選ぶ際は「標準仕様で住めるかどうか」を基準に考えるのが鉄則です。
3. 購入前の検討ポイント

3-1 土地選びと費用関係
規格住宅を選ぶ際に最も重要なのが「土地との相性」です。
土地と規格住宅の関係
土地の形状制約 規格住宅はプランが決まっているため、旗竿地や三角地など特殊な形状の土地には対応できないことが多い。
方位・日当たり 窓の位置や大きさが固定されているため、土地の方角によっては日照不足になるケースがある。
地盤改良のリスク 規格住宅は低コストに見えても、地盤改良費(平均80〜150万円)が追加されると大幅に予算オーバーすることも。
📌 例えば、広島県福山市のあるお客様は「規格住宅で坪単価60万円で契約したが、地盤改良と外構費で+400万円かかり、総額は注文住宅並みになった」と振り返っています。
👉 土地を先に決めるのではなく、**「建物と土地をセットで考える」**のが鉄則です。
\➡ 関連記事:失敗しない!土地探しの5つのポイントとは?
3-2 工期の短縮とそのメリット
規格住宅の大きなメリットは工期短縮ですが、購入前には以下を理解しておく必要があります。
工期の比較
住宅タイプ | 平均工期 | 特徴 |
注文住宅 | 10〜12か月 | 設計打ち合わせが長期化しやすい |
規格住宅 | 6〜8か月 | 設計済みなので短縮できる |
建売住宅 | 3〜5か月 | 完成済みを購入する場合も多い |
工期短縮のメリット
二重家賃(賃貸+住宅ローン)の期間を短縮できる
早く入居できるため子どもの進学や転勤に合わせやすい
設計打ち合わせが短く、心理的負担が少ない
💡 ただし「早く建てられる」ことだけを重視すると、間取りや設備に妥協することになり、後悔につながることもあります。
3-3 オプションや設備の確認
規格住宅では「標準仕様」と「オプション仕様」の境界を必ず確認しましょう。
標準仕様とオプションの違い(例:某大手メーカー)
標準:システムキッチン(IH・食洗機なし)
オプション:食洗機、浄水器、人工大理石天板
標準:ペアガラス
オプション:トリプルガラス、樹脂サッシ
標準:ベーシック照明
オプション:ダウンライト、間接照明
👉 標準仕様を見て「思ったよりシンプル」と感じる人が多く、最終的にオプション費用が300〜500万円になるケースも珍しくありません。
チェックリスト ✅
□ 標準仕様のサンプルを必ず確認する
□ オプション費用を事前に積算して総額を把握
□ 設備のグレードアップで将来の光熱費が変わる点も意識する
\➡ 関連記事:オプション費用の真実!注文住宅で抑えるべきポイントとは?
3-4 契約時の打ち合わせの流れ
規格住宅でも契約前にしっかりとした打ち合わせが必要です。
契約までの流れ
プラン選定 複数ある規格プランから間取り・外観を選ぶ
見積もり提示 標準仕様+希望オプションの見積もりを受け取る
土地との整合性確認 敷地調査・地盤調査を行う
最終仕様決定 水回り・内装・外壁カラーなどを確定
契約 工事請負契約を締結
💡 ポイントは「契約前に総額を確定させる」こと。規格住宅でも後から追加費用が発生することがあるため、事前に契約書へ反映しておくことが安心につながります。
🔍 プロ視点のアドバイス
規格住宅は「わかりやすく、選びやすい」のが魅力ですが、実際はオプション・土地条件・付帯工事で大きく変動します。👉 「総額で比較する」ことを忘れないでください。
\➡ 関連記事:初めてでもわかる!注文住宅契約の流れと必要書類一覧
4. 規格住宅の人気ランキング

4-1 おすすめの規格住宅
規格住宅は大手ハウスメーカーから地域工務店まで幅広く提供されています。2025年の住宅業界の動向を踏まえた人気どころをランキング形式で紹介します。
規格住宅 人気ランキング(2025年版)
順位 | メーカー名 | シリーズ名 | 特徴 |
1位 | 一条工務店 | i-smart / グラン・セゾン | 高断熱・高気密性能。太陽光+蓄電池の標準化が強み |
2位 | 住友林業 | BF-Si / The Forest BF | 木質感あふれるデザインと耐震性 |
3位 | 積水ハウス | イズシリーズ | 外観デザインと遮音・断熱性能の高さ |
4位 | 大和ハウス | xevo Σ | 天井高・耐震性能・空間演出の自由度 |
5位 | ミサワホーム | SMART STYLE | 蔵のある家・収納力に強み |
6位 | 地域工務店(例:アイ工務店・ヤマト住建など) | Hシリーズ・エネージュ | コスパ重視+地域特性に合わせた設計 |
📌 ポイント:
大手メーカーは「安心感」と「性能の安定性」で人気。
工務店系は「価格の安さ」と「柔軟さ」で選ばれる。
💡 私の経験上、広島や岡山の施主は「大手1社+地域工務店1社」を比較するケースが多く、大手のブランド力 vs 工務店のコストパフォーマンス で悩む方が多いです。
\➡ 関連記事:実績で選ぶ!2025年注目の注文住宅ランキング
4-2 住宅の性能と条件チェック
規格住宅を比較する際に重要なのは「価格」だけではありません。
規格住宅チェックポイント表
チェック項目 | 注目ポイント | デメリット回避のコツ |
耐震性能 | 等級3を確保しているか | 地域の地震リスクを調査 |
断熱性能 | UA値 0.6以下か | 光熱費シミュレーションを取る |
保証・アフター | 最低30年保証か | アフター費用を別途確認 |
標準仕様 | キッチン・窓・断熱材 | 標準仕様で満足できるか確認 |
外観デザイン | 選択肢の多さ | 分譲地での景観を考慮 |
👉 性能や仕様は広告では「高性能」と書かれがちですが、**数値(耐震等級・UA値)**で比較するのが鉄則です。
4-3 住まい選びのための比較
規格住宅を選ぶ際の比較方法を整理します。
比較の手順
候補を3社に絞る(大手1社+工務店1〜2社)
総額見積もりを取り寄せる(本体価格+付帯工事+外構)
標準仕様を確認する(ショールーム見学がおすすめ)
土地との相性を確認(日当たり・駐車場・敷地条件)
保証・メンテナンスを比較
よくある失敗例
「坪単価」で比較して安い方を選んだ → オプションで大幅増額
「営業マンの雰囲気」で決めた → 契約後に担当が異動して対応が変わった
「外観デザインだけ」で決定 → 室内動線や収納不足で後悔
✅ 比較の際は 「総額・性能・保証・相性」 の4点で判断するのがベストです。
🔍 プロ視点のアドバイス
私は営業時代、契約前に「見積もり比較表」を提示することで、お客様の納得度が大きく上がるのを実感しました。規格住宅は一見わかりやすいですが、実際にはメーカーごとに「隠れた費用差」があるため、必ず横並びで比較することをおすすめします。
\➡ 関連記事:2025年版!ハウスメーカー比較ガイド
5. まとめ
5-1 規格住宅購入のポイント整理
ここまで解説してきた「規格住宅のデメリット」を踏まえると、購入前に押さえておくべきポイントは次の通りです。
✅ 規格住宅購入の要点チェックリスト
標準仕様で満足できるかどうかを確認する
オプション費用を加えた総額を必ず把握する
土地の条件(日当たり・形状・地盤)との相性を確認する
複数メーカーで比較し、性能・保証まで検討する
工期短縮のメリットに惑わされず「長期的な満足度」を重視する
👉 特に「坪単価」や「初期見積もり価格」だけで判断しないことが、後悔しないための最大のポイントです。
5-2 後悔しないための計画方法
規格住宅は「自由度は低いがコストパフォーマンスが高い」選択肢です。ただし、準備不足で進めると次のような後悔が起こりやすいです。
オプション費用が膨らんで予算オーバー
土地条件との不一致で住みにくい間取りになる
外構・付帯工事を見落として総額が想定以上に
💡 これを避けるためには、次のステップで進めるのがおすすめです。
規格住宅 計画の流れ
家族のライフプランを整理(10年後・20年後を想定)
複数メーカーのカタログ・プランを比較
標準仕様を実物で確認(モデルハウス・ショールーム見学)
土地調査+総額見積もりを依頼
契約前に「見積もり比較」や「第三者診断」でチェック
📌 特に 「契約前の見積もり診断」 はプロから見ても非常に効果的です。私自身も営業時代に、第三者のチェックを入れたお客様の満足度が圧倒的に高いと感じていました。
\➡ 関連記事:全ての家族が知るべき!マイホーム後悔を未然に防ぐ方法
5-3 理想の住まい実現に向けて
規格住宅は、注文住宅ほど自由ではないものの、建売よりも柔軟性があり、**「手間を抑えつつ、ある程度理想を実現したい人」**に適した選択肢です。
最後に:規格住宅が向いている人
設計や打ち合わせに時間をかけたくない
コストを抑えつつ一定の性能を確保したい
建売では物足りないが、注文住宅ほどこだわりが強くない
家族のライフスタイルが標準的で、特別な間取りを必要としない
🔍 プロ視点のまとめ
規格住宅は「無難で安心」な反面、「想定外の追加費用」「デザインの画一化」というデメリットもあります。👉 後悔を避けるには 「標準仕様で満足できるか」 を基準に検討し、複数メーカーを比較することが必須です。
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