長期優良住宅は本当に元が取れる?初期費用と将来のコスパを徹底比較
- 見積もりバンク担当者

- 2025年8月12日
- 読了時間: 10分
更新日:6 日前
更新日:2026年01月28日
「長期優良住宅って、実際“元が取れる”の?」新築や建て替えを検討する施主から、よく耳にする疑問です。
確かに、長期優良住宅は通常の注文住宅よりも初期費用が高くなりがちです。しかし、住宅ローン控除の拡充、固定資産税の軽減、そして光熱費の削減効果など、長期的に見れば家計に大きなプラスをもたらす仕組みが多く存在します。
この記事では、
👉 制度の基礎と認定基準
👉 初期コストと将来的な経済メリット
👉 「元を取れる家」と「取れない家」の違い
を、住宅業界の現場経験と実際のシミュレーションデータをもとにわかりやすく解説します。

目次

1-1. 「長期優良住宅認定制度」の目的と背景
長期優良住宅制度は、2009年(平成21年)に国土交通省が施行した制度で、「いい家を長く大切に使う社会」をつくることを目的に誕生しました。
従来の日本の住宅は「30年で建て替える文化」と言われてきましたが、欧州諸国のように「長寿命住宅」を増やし、環境負荷を減らす狙いがあります。
特に以下の3つが国の基本方針です:
目的 | 内容 |
① 長寿命化 | 構造・耐久・耐震性の強化により50年以上使える家を推進 |
② 環境負荷の低減 | 断熱・省エネ性能を高め、CO₂排出量を削減 |
③ 安心の住環境 | 維持管理・点検・履歴管理で、資産価値を維持 |
💬 専門家コメント
「“長く安心して住める家”を前提とした制度。単に補助金を得るだけでなく、家の健康寿命を延ばす仕組みが整っているのが特徴です。」
1-2. 認定を受けるための7つの基準
長期優良住宅として認定を受けるには、次の7つの性能基準を満たす必要があります。
分類 | 内容(概要) |
① 劣化対策 | 構造材の防腐・防蟻処理、床下通気など長期耐久仕様 |
② 耐震性 | 等級2以上(大地震にも耐えられる設計) |
③ 維持管理・更新の容易性 | 配管の点検口や交換しやすい構造 |
④ 省エネルギー性 | 断熱性能等級5(ZEHレベル相当)を推奨 |
⑤ 居住環境 | 地域計画・日照・通風など良好な生活環境を確保 |
⑥ 住戸面積 | 原則として75㎡以上(戸建て住宅の場合) |
⑦ 維持保全計画 | 定期点検・修繕計画を提出し、履歴管理を行うこと |
これらを満たした住宅が、「長期優良住宅認定書」を交付され、税制優遇や補助金の対象となります。
1-3. 通常の注文住宅との違い
一般的な注文住宅と比較すると、長期優良住宅には次のような違いがあります。
比較項目 | 一般住宅 | 長期優良住宅 |
耐震性能 | 建築基準法レベル | 等級2以上 |
断熱性能 | 等級4程度 | 等級5(ZEH相当) |
メンテナンス計画 | 任意 | 義務(維持保全計画) |
税制優遇 | 一般控除 | 特例控除(控除額UP) |
寿命想定 | 約30年 | 50年以上 |
このように「建てるときは高いが、長く住めば安い」という構造です。
💬 プロ視点のアドバイス
「性能やメンテナンス性に投資することで、リフォームや光熱費を抑え、結果的に“トータルコストで得をする”という考え方が重要です。」

2-1. 一般住宅より高くなる主な要因
長期優良住宅は、一般的な住宅に比べて建築コストが5〜10%ほど高くなる傾向があります。その理由は、単なる「グレードアップ」ではなく、構造・性能・耐久性を強化するために必要な要素が増えるためです。
代表的なコスト増加要因を以下にまとめます。
要因 | 内容 | コスト目安 |
構造材の強化 | 耐震等級2以上の設計により、柱・梁・金物の強度を高める | 約+20〜40万円 |
断熱材・窓性能向上 | 高断熱サッシ、Low-Eガラス、断熱材の厚み増加 | 約+30〜80万円 |
維持管理配慮設計 | メンテナンスしやすい配管・点検口の設置 | 約+10〜20万円 |
認定申請・設計費 | 構造計算・認定図書作成など専門手続き費用 | 約+15〜30万円 |
これらを合計すると、建築費全体で+100〜150万円前後になるケースが多いです。
💬 現場担当コメント
「“長期優良”と聞くと特別な設備が必要と思われがちですが、実際は『耐久性とメンテナンス性を上げるための工夫』が大半を占めます。」
2-2. 性能・認定・申請費用の目安
長期優良住宅の認定を取得するには、設計事務所や工務店が自治体へ正式な申請を行います。その際に必要となる費用は以下の通りです。
費用項目 | 内容 | 目安金額 |
設計審査費用 | 指定審査機関による図面・仕様書のチェック | 約5〜10万円 |
認定申請費用 | 自治体への申請手数料 | 約2〜3万円 |
書類作成費 | 構造計算・維持保全計画書などの作成 | 約10〜20万円 |
構造強化費用 | 耐震・断熱・設備向上などの工事費 | 約80〜120万円 |
合計:約100〜150万円程度が追加コストとして見込まれます。
ただし、これらの費用は「住宅ローン控除」「税制優遇」「補助金」で十分に回収できるケースも多く、単純な“コストアップ”と捉えるのは早計です。
2-3. 初期コストを抑えるポイント
「認定住宅にしたいけれど、予算オーバーが心配…」という人も多いでしょう。そんなときは、**“優先順位を決めてコストを抑える”**のがポイントです。
✅ コストを抑える3つの戦略
戦略 | 内容 | 効果 |
① 部分性能の段階的導入 | まずは耐震・断熱から優先して強化 | 初期負担を約30%軽減 |
② 施工会社の得意分野を活用 | 自社設計で申請コストを抑える工務店を選ぶ | 申請費用の削減 |
③ 補助金制度を活用 | 「地域型住宅グリーン化事業」や自治体独自の助成金 | 最大で50〜100万円補助 |
また、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)認定と併用すると、補助金の対象が広がり、よりお得に長期優良化を進められます。
💬 専門家コメント
「“コスパの良い長期優良住宅”とは、必要な性能をバランスよく確保し、自治体の補助制度を上手く活用して設計段階で調整できる家です。」

3-1. 住宅ローン控除の拡充(13年適用など)
長期優良住宅は、住宅ローン控除の控除期間が13年間に延長されます(通常は10年)。控除額も上限が引き上げられるため、結果的に約60万円〜100万円の節税効果があります。
項目 | 一般住宅 | 長期優良住宅 |
控除期間 | 10年 | 13年 |
控除率 | 0.7% | 0.7%(同率) |
控除対象借入限度額 | 3,000万円 | 5,000万円 |
最大控除額 | 約210万円 | 約455万円 |
この差は非常に大きく、初期投資の一部を事実上「国が肩代わり」してくれる計算になります。
💬 補足
控除を最大限受けるためには、「適合証明書」「認定書」の提出が必須。引き渡し時に確実に受領しておきましょう。
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3-2. 固定資産税・登録免許税などの減税効果
長期優良住宅は、税制面でも優遇措置があります。特に以下の2つが大きなメリットです。
🏡 固定資産税の軽減
一般住宅:新築後3年間 1/2減額
長期優良住宅:新築後5年間 1/2減額
→ つまり2年間分の減税延長。建物評価額が高い場合ほど恩恵が大きくなります。
📜 登録免許税の軽減
一般住宅:0.15%
長期優良住宅:0.1%に軽減
住宅価格が3,000万円の場合、約15万円→10万円へと減額されます。
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3-3. 補助金制度(地域型住宅グリーン化事業など)
2026年現在も、長期優良住宅はさまざまな補助金の対象です。
代表的な制度を以下にまとめます。
制度名 | 対象 | 補助上限 |
地域型住宅グリーン化事業 | 長期優良住宅 or ZEH基準を満たす木造住宅 | 最大100万円/戸 |
子育てエコホーム支援事業 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 | 最大80万円/戸 |
先進的窓リノベ事業(併用可) | 断熱性能向上リフォーム | 最大200万円/戸 |
💬 プロ視点のアドバイス
「補助金は“交付申請前に着工してしまうと対象外”になるケースが多い。必ず契約前に申請スケジュールを確認しておきましょう。」

4-1. 断熱・気密性能の向上による省エネ効果
長期優良住宅の大きな特徴は、断熱性能・気密性能の高さです。これは単なる「冬暖かい家」ではなく、光熱費の削減という具体的な経済効果を生みます。
たとえば、一般的な住宅(断熱等級4)と長期優良住宅(等級5)を比較した場合、年間で約15〜25%のエネルギー削減が可能とされています(出典:国交省 省エネ住宅データベース2024)。
住宅性能 | 年間光熱費(4人家族/延床35坪) | 年間差額 |
一般住宅(等級4) | 約150,000円 | — |
長期優良住宅(等級5) | 約120,000円 | 約30,000円の節約 |
つまり、10年間住むと約30万円の光熱費削減効果が見込める計算になります。
💬 専門家コメント
「断熱性能を高めることは、“快適性+家計負担軽減”の両立。エアコンの使用時間を減らせることで、室内温度のムラも減少します。」
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4-2. メンテナンス周期が長くなる構造上のメリット
長期優良住宅では、外壁・屋根・配管などの耐久年数を延ばす仕様が採用されています。これにより、メンテナンス周期が大幅に伸び、将来的な修繕費が削減されます。
項目 | 一般住宅 | 長期優良住宅 | 費用差額(30年想定) |
外壁塗装 | 10〜12年ごと | 15〜18年ごと | 約30万円節約 |
屋根防水 | 15年ごと | 25年ごと | 約20万円節約 |
配管・設備交換 | 劣化都度 | 計画的更新 (点検ベース) | 約10万円節約 |
さらに、維持保全計画に基づく「点検+履歴管理」を続けることで、中古売却時にも資産価値を維持しやすいというメリットがあります。
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4-3. 長寿命化によるライフサイクルコスト削減
一般住宅が30年程度で大規模リフォームを必要とするのに対し、長期優良住宅は50年以上の耐用年数を想定。この差が**ライフサイクルコスト(LCC)**に大きく影響します。
💡 試算例:35坪木造住宅(30年 vs 50年)
項目 | 一般住宅 | 長期優良住宅 | 差額(節約) |
建築費 | 2,800万円 | 2,950万円 | +150万円 |
修繕・更新費(30〜50年) | 約800万円 | 約400万円 | −400万円 |
光熱費(50年累計) | 約750万円 | 約600万円 | −150万円 |
合計支出 | 4,350万円 | 3,950万円 | −400万円(=元が取れる) |
💬 プロ視点のアドバイス
「“長期優良=高い”ではなく、“長期優良=賢く使う”が正解。50年単位で考えれば、むしろ一般住宅より低コストになるケースも多いです。」

5-1. 初期コスト+税優遇+光熱費差額の試算
下表は、一般住宅と長期優良住宅のトータルコスト比較シミュレーションです(試算条件:35坪/4人家族/50年居住)。
項目 | 一般住宅 | 長期優良住宅 | 差額(50年) |
初期コスト | 2,800万円 | 2,950万円 | +150万円 |
税制優遇・補助金 | なし | −150万円 | −150万円 |
光熱費 | 750万円 | 600万円 | −150万円 |
修繕費 | 800万円 | 400万円 | −400万円 |
トータル支出 | 4,350万円 | 3,950万円 | −400万円(得) |
→ 約15年〜20年で「元が取れる」ラインに達します。
5-2. 回収年数の目安と損益分岐点
初期投資150万円を回収するための期間は、税優遇+光熱費+修繕費削減を合算すると以下の通りです。
項目 | 年間効果 | 回収目安年数 |
住宅ローン控除 | 約7万円/年(13年) | 約13年 |
光熱費削減 | 約3万円/年 | 約5年 |
修繕費削減 | 約13万円/年換算 | 約10年 |
総合平均 | — | 約15年前後で回収 |
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5-3. 世帯構成別・地域別の比較シミュレーション
条件 | 回収年数 | コメント |
共働き+4人家族(寒冷地) | 約12年 | 暖房費削減効果が高く回収早い |
夫婦2人(温暖地) | 約18年 | 光熱費効果は小さいが税優遇大 |
3世代同居(延床40坪) | 約14年 | 修繕・維持費削減効果が大きい |
💬 専門家コメント
「“元を取る”とは単なる金額回収ではなく、“快適さ・安心・資産性”を含めたトータル価値で見ることが大切です。」

6-1. 維持管理・点検を怠った場合
長期優良住宅は「建てた後の維持」が前提。点検や補修を怠ると、構造劣化が進み、性能を活かせず資産価値が下がることがあります。
6-2. 売却前提・短期居住で建てた場合
10年未満で売却を想定して建てる場合、税制メリットやメンテナンス効果を受けきれず「投資回収が難しい」ケースも。
6-3. 性能を活かしきれない間取り・施工ミス
設計段階で通風・採光・断熱計画が不十分だと、せっかくの性能が生かされず“宝の持ち腐れ”になりかねません。
💬 現場監督コメント
「断熱材の施工精度や気密処理は、設計だけでなく現場監理の質にも左右されます。“認定=安心”ではなく、“施工品質=性能”と理解しておくことが重要です。」

長期優良住宅は、確かに初期費用は上がります。しかし、長期的に見ると光熱費・修繕費・税優遇で十分に回収可能。つまり「元が取れる住宅」です。
ポイントは次の3点。
✅ 長く住むこと(20年以上)
✅ 定期点検・計画的メンテナンスの実施
✅ 補助金・税制を最大限活用すること
これらを押さえれば、経済的にも環境的にもメリットの大きい“真の資産住宅”になります。
💬 専門家まとめコメント
「“高性能な家”は、建てて終わりではなく“維持して価値を高める家”。長期優良住宅は、“家計・暮らし・地球”すべてに優しい選択です。」
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