注文住宅の費用実例まとめ|家づくり予算とリアルな内訳を公開
- 見積もりバンク担当者

- 5月30日
- 読了時間: 12分
更新日:10月10日
更新日:2025年10月10日
注文住宅を建てる際に最も気になるのが「費用」。カタログや広告に載っている金額はあくまで目安であり、実際に建てた人のリアルな費用実例を知ることが、後悔しない家づくりの第一歩です。本記事では、2,000万円以内で建てた事例や、4,000万円を超えるケーススタディを含め、実際の総額や内訳を詳しく解説します。さらに、土地代・建物本体・諸費用の詳細な分布、延床面積や間取りごとの予算シミュレーション、最新のトレンドまで網羅。元住宅営業マンとして数百件の見積もりを扱った経験を踏まえ、他では聞けない「費用の落とし穴」や「業界裏話」も交えながら紹介します。

目次
1-1: 注文住宅の総費用を解説
1-2: 2000万以内での実例
1-3: 4000万のケーススタディ
2-1: 土地代の相場と選び方
2-2: 建物本体価格の詳細
2-3: 諸費用の具体例と注意点
3-1: 家づくりに必要な資金計画
3-2: 延床面積と予算の関係
3-3: 人気の間取り別コスト分析
4-1: お勧めハウスメーカー事例
4-2: 予算に応じたメーカーの特性
4-3: 口コミと評判から見る選択基準
5-1: デザインと間取りの成功例
5-2: 平屋 vs 2階建ての特徴
5-3: 地元企業の施工実績
6-1: 省エネ住宅とそのコスト
6-2: 耐震性とデザイン性の両立
6-3: 今注目の工法とは?
7-1: 実現可能なミニマム予算
7-2: 家族構成から見る間取りの工夫
7-3: 将来を見据えた住まい選びの重要性

1-1: 注文住宅の総費用を解説
注文住宅の総費用は、全国平均で3,500〜4,500万円(土地代込み)。ただし都市部か地方かで大きく変わります。
地域 | 平均費用 | 特徴 |
首都圏 | 4,500〜5,500万円 | 土地代が高額、建物はコンパクト傾向 |
中京圏 | 3,500〜4,200万円 | 建物のボリュームを確保しやすい |
関西圏 | 3,800〜4,500万円 | 坪単価はやや高め |
地方都市 | 3,000〜3,800万円 | 広い土地・建物が確保可能 |
📌 プロ視点コメント
「建物本体価格よりも、土地代と諸費用が総額を押し上げるケースが多いです。“建物は2,500万円以内なのに総額4,000万円”というのは珍しくありません。」
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1-2: 2000万以内での実例
「2,000万円以内で建てたい」という声は多いですが、実際には土地代を除いた建物本体費用でのケースが中心です。
実例A:延床28坪のコンパクト住宅(岐阜県)
本体工事費:1,650万円
付帯工事費:200万円
諸費用:100万円
合計:1,950万円(建物のみ)
特徴:シンプルな間取り+外構は最低限。若い夫婦がローコストメーカーで実現。
実例B:平屋住宅25坪(福岡県)
本体工事費:1,500万円
外構・付帯工事:250万円
諸費用:120万円
合計:1,870万円
特徴:平屋ならではのコストダウン。設備は標準仕様中心。
1-3: 4000万のケーススタディ
「こだわりを詰め込むと4,000万円台になる」実例もあります。
実例C:延床40坪 2階建て+ZEH(東京都)
本体工事費:3,000万円
付帯工事費:400万円
諸費用:200万円
外構:300万円
合計:3,900万円(土地除く)
特徴:高断熱仕様・太陽光+蓄電池・吹き抜けリビング。
実例D:高性能住宅+デザイン重視(愛知県)
本体工事費:3,200万円
付帯工事費:500万円
諸費用:250万円
外構:200万円
合計:4,150万円
特徴:デザイン性の高い外観、アイランドキッチン、耐震等級3。
📌 プロの視点
3,000万を超えると「高性能住宅(断熱・太陽光・耐震)」が一般的
外構や内装オプションで+500万〜1,000万になることも

2-1: 土地代の相場と選び方
注文住宅の総額を大きく左右するのが土地代です。
全国的な相場(2024年 公示地価ベース)
都心部(東京23区、名古屋市中心部、大阪市中心部):坪200〜500万円以上
地方都市(広島、福岡、札幌など):坪40〜100万円前後
郊外・地方(人口5万人未満の都市部外縁):坪10〜40万円程度
📌 土地代の目安
東京23区:土地代だけで3,000〜5,000万円
地方都市:建物込みでも3,000万円以内で建築可能
選び方のポイント
利便性 vs 価格:駅近は坪単価が高いが資産価値が安定
インフラ状況:上下水道・ガスが引かれているか要確認
地盤調査必須:軟弱地盤なら改良工事で+100万円以上
💬 実体験談(広島県30代男性)
「土地価格1,000万円を見つけたが、地盤改良に200万円かかり、結果的に高くついた。購入前に地盤リスクを見ておけばよかった。」
2-2: 建物本体価格の詳細
建物本体価格は、延床面積×坪単価で計算されるのが基本です。
坪単価の目安(2025年時点)
ローコスト住宅:40〜60万円/坪
中堅ハウスメーカー:70〜90万円/坪
大手ハウスメーカー・高性能住宅:100〜120万円/坪
例:30坪の家
ローコスト系:1,800万円
中堅:2,400万円
大手高性能系:3,000〜3,600万円
本体価格に含まれるもの
基礎工事・構造・屋根・外壁・内装
標準的な住宅設備(キッチン・バス・トイレ)
📌 注意点
「本体価格2,000万円」と宣伝していても、実際は付帯工事やオプションで+500〜1,000万円になることが多い。
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2-3: 諸費用の具体例と注意点
建築費用以外に必要なのが諸費用。総額の7〜10%程度を見込むのが一般的です。
諸費用の内訳例(建物3,000万円の場合)
登記費用:40〜60万円
設計料:建築士事務所の場合 100〜200万円
火災保険料:20〜50万円(期間・仕様により差あり)
ローン関係費用:事務手数料+保証料で50〜100万円
引越し費用:20〜40万円
仮住まい費用:数十万円(工期延長時に発生)
項目 | 費用目安 | 注意点 |
登記 | 50万円 | 不動産取得税も別途発生 |
設計料 | 150万円 | ハウスメーカーは含むケース多い |
火災保険 | 30万円 | 水災補償の有無で変動 |
ローン関係 | 80万円 | 金利タイプ別で保証料に差 |
仮住まい | 30万円 | 工事遅延時のリスク |
💬 プロ視点コメント
「営業現場で“諸費用は別です”と説明されず、契約後に数百万円かかって驚いた方を多く見ました。初期段階で“総額ベース”で確認するのが大切です。」
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3-1: 家づくりに必要な資金計画
注文住宅の資金計画は「建物+土地+諸費用+α(外構・家具・引越し)」で考える必要があります。
標準的な資金計画モデル(全国平均:総額4,000万円)
土地代:1,500万円
建物本体:2,200万円
諸費用:300万円
外構・家具:200万円
合計:4,200万円
📌 ポイント
銀行ローン審査では「建物本体+土地」しか対象外のこともある → 諸費用・家具代は自己資金で準備
想定外の出費(地盤改良・外構グレードアップ)で+300〜500万円になることも多い
💬 体験談(愛知県・30代夫婦)
「ローン事前審査で3,500万円の枠を取ったのに、最終的に外構・家具・引越しで+400万円。貯金を切り崩す羽目になりました。最初から“総額4,000万円”で計画しておけばよかったです。」
3-2: 延床面積と予算の関係
建物費用は延床面積×坪単価で決まるため、面積が増えるほど比例して費用も上がります。
延床面積別の費用目安(坪単価80万円で試算)
25坪:2,000万円
30坪:2,400万円
35坪:2,800万円
40坪:3,200万円
📌 注意点
面積が増えると「外構・家具費用」も比例して高くなる
子育て世帯は30〜35坪がボリュームゾーン
延床面積 | 建物費用目安 | 特徴 |
25坪 | 2,000万円 | 夫婦二人暮らし向けコンパクト住宅 |
30坪 | 2,400万円 | 3〜4人家族の標準的サイズ |
35坪 | 2,800万円 | 子育て世帯+収納ゆとりあり |
40坪 | 3,200万円 | 二世帯住宅や大型LDK対応 |
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3-3: 人気の間取り別コスト分析
間取りによっても費用差が出ます。
コストに影響するポイント
平屋 vs 2階建て → 平屋は基礎・屋根面積が広く必要=コスト高になりやすい
吹き抜けリビング → 開放感はあるが断熱・構造補強で+100〜200万円
アイランドキッチン → 設備+配管工事で+50〜100万円
実例比較(延床30坪)
間取り | 費用 | 特徴 |
平屋3LDK | 2,600万円 | バリアフリー、屋根面積が広くコスト増 |
2階建て4LDK | 2,400万円 | コスト効率良、子育て世帯に人気 |
吹き抜け+アイランドキッチン | 2,700万円 | デザイン性高いが断熱・施工費増 |

4-1: お勧めハウスメーカー事例
注文住宅の費用実例を理解する上で、どのメーカーに依頼するかは極めて重要です。ここでは実際の特徴を交えて紹介します。
大手ハウスメーカー(例:積水ハウス・住友林業)
坪単価:90〜120万円
特徴:長期保証・高性能住宅・最新トレンドに対応
実例:延床35坪の家 → 本体価格3,000万円+付帯工事400万円
中堅ハウスメーカー(例:アイ工務店・タマホーム)
坪単価:60〜80万円
特徴:コスパ重視、標準仕様が充実
実例:延床30坪 → 本体価格2,000万円前後
地域工務店
坪単価:50〜70万円
特徴:自由設計に強い、地域密着型
実例:延床32坪 → 本体価格1,800万円+外構費200万円
📌 ポイント
大手は費用が高めでも安心感が強い
工務店はコストを抑えつつ自由設計が可能
中堅はバランス型で実例も多い
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4-2: 予算に応じたメーカーの特性
「自分の予算に合ったメーカー」を選ばないと、無理のある資金計画になってしまいます。
予算帯 | 選びやすいメーカー | 特徴 |
〜2,500万円 | 地域工務店・ローコストメーカー | コンパクト住宅・平屋が中心 |
2,500〜3,500万円 | 中堅ハウスメーカー | 標準仕様+少しのオプションで理想実現 |
3,500万円〜 | 大手ハウスメーカー | 高性能・デザイン重視、ZEH対応も可能 |
💬 実体験談(千葉県40代男性)
「大手メーカーの提案は魅力的でしたが予算オーバー。結果、地元工務店で3,000万円以内に抑えられ、満足度も高かったです。」
4-3: 口コミと評判から見る選択基準
費用実例だけでなく、口コミや評判を参考にするのも有効です。
よくある口コミ傾向
大手メーカー: 「安心感はあるが高い」「営業が強気」
中堅メーカー: 「コスパが良い」「標準仕様が十分」
工務店: 「自由度が高い」「担当次第で満足度が変わる」
📌 チェックリスト:依頼先を選ぶ際の確認事項
過去の施工実績は十分か?
口コミに「施工後の不満」が多くないか?
営業担当が誠実に説明してくれるか?
アフターサービスの体制は整っているか?
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5-1: デザインと間取りの成功例
注文住宅では「どんなデザイン・間取りにするか」で費用が大きく変動します。実際の成功例を見てみましょう。
実例A:シンプルモダン 2階建て(埼玉県/延床32坪)
本体価格:2,300万円
外構費用:200万円
諸費用:150万円
合計:2,650万円特徴:総二階構造でコスト効率良。収納を増やして生活動線を最適化。
実例B:ナチュラルテイスト平屋(岡山県/延床28坪)
本体価格:1,950万円
外構費用:250万円
諸費用:120万円
合計:2,320万円特徴:平屋のため屋根・基礎が広くやや割高だが、バリアフリーで高齢期も安心。
📌 プロ視点コメント
「同じ30坪でも“総二階”と“平屋”で200〜300万円の差が出ることは珍しくありません。構造形式は費用実例の読み取りに必ず加味すべきです。」
5-2: 平屋 vs 2階建ての特徴
平屋と2階建てでは、建築費だけでなく暮らしやすさも大きく変わります。
項目 | 平屋 | 2階建て |
費用 | 基礎・屋根が広いためやや高め | 総二階構造でコスト効率良 |
動線 | ワンフロアで移動が楽 | プライバシー確保しやすい |
将来性 | 老後も安心、バリアフリー | 子育て世帯に人気 |
事例費用帯 | 2,000〜2,800万円(30坪前後) | 2,400〜3,200万円(30〜35坪) |
💬 体験談(広島県60代夫婦)
「将来を考えて平屋にしました。費用は2階建てより高かったですが、生活のしやすさには代えられません。」
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5-3: 地元企業の施工実績
大手ハウスメーカーだけでなく、地域工務店の実例も参考になります。
実例C:地元工務店施工/木造住宅(福井県/延床35坪)
本体価格:2,100万円
外構・付帯:300万円
諸費用:150万円
合計:2,550万円特徴:自然素材(無垢フローリング・漆喰)を採用。コストを抑えつつデザイン性を確保。
実例D:ZEH仕様/地元工務店(福岡県/延床33坪)
本体価格:2,600万円
太陽光+蓄電池:250万円
諸費用:200万円
合計:3,050万円特徴:光熱費ゼロ住宅を目指した実例。初期費用は高いがランニングコスト低減。
📌 専門家コメント
「地元工務店は“オーダーメイド感”が強く、坪単価を抑えつつ希望を叶えやすい」
「ただし保証や将来のメンテナンス体制を必ず確認すべき」

6-1: 省エネ住宅とそのコスト
2025年現在、注文住宅の大きなトレンドは「省エネ性能の強化」です。
断熱等級5以上が標準化
太陽光発電+蓄電池のセット導入が急増
ZEH住宅(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)が国の補助対象
📌 コスト感
高断熱サッシ+断熱材強化 → +100〜200万円
太陽光+蓄電池 → +200〜400万円
補助金利用で実質的な負担は軽減
💬 プロの視点
「初期費用は上がりますが、光熱費削減で10〜15年で回収できるケースが多いです。長期的に見れば家計にプラス。」
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6-2: 耐震性とデザイン性の両立
日本では地震対策が必須。
耐震等級3を標準にするハウスメーカーが増加
制震ダンパーの導入費用は+30〜80万円程度
吹き抜けや大開口窓とのバランス設計が重要
📌 チェックリスト:耐震とデザインの両立
吹き抜けの構造補強費は確認したか
大開口窓を採用する場合、耐震等級を落とさず設計できるか
長期優良住宅認定を取得するか検討したか
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6-3: 今注目の工法とは?
2×6工法:断熱性・耐震性に優れ坪単価はやや高め
CLT工法:木材を積層し高耐震を実現、今後の普及が期待
プレハブ工法:工期短縮・品質安定、コストはやや高め
📌 最新動向国の脱炭素方針により、省エネ基準適合住宅が義務化の流れ。工法選びもコストと環境性能の両面で考える必要あり。

7-1: 実現可能なミニマム予算
理想を追いすぎると資金計画が崩壊します。
最低限必要な金額(建物+土地+諸費用)を把握
無理のない返済比率:年収の25%以内が目安
予算オーバー時は「優先順位を明確にして削る」
7-2: 家族構成から見る間取りの工夫
夫婦二人 → 25〜28坪、平屋やコンパクト住宅
子育て世帯 → 30〜35坪、4LDK+収納
二世帯同居 → 40坪以上、玄関・水回り分離型
📌 プロ視点コメント
「将来の家族構成を見据えて計画することが大切です。今は子どもが小さくても、10年後には個室が必要になります。」
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7-3: 将来を見据えた住まい選びの重要性
光熱費・メンテナンス費まで含めた「ライフサイクルコスト」で判断
老後も住み続けられる間取り(バリアフリー、可変性)
資産価値が下がりにくい立地と仕様を選択
💬 専門家コメント(元住宅営業マン・筆者)
「私は営業経験で数百件のお客様と接してきましたが、成功している方ほど“将来の暮らし”を基準に予算や間取りを決めていました。契約前の見積もり実例を理解することが、失敗を避ける最も有効な手段です。」
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総額は「土地+建物+諸費用+外構」で考える必要がある
延床面積や間取りの違いで300万以上の差が出る
ハウスメーカー選びは予算・保証・自由度を基準に
トレンドは省エネ・耐震・デザインの三立
将来を見据えた資金計画と優先順位整理が成功の鍵
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