「住宅ローンに通ったから安心」は危険!注文住宅の資金計画で見落とされがちな落とし穴
- 将士 飴本
- 5月7日
- 読了時間: 17分
更新日:4 日前

目次
1: 注文住宅における住宅ローンと資金計画の基本

1-1: 住宅ローンの流れと必要書類
注文住宅の資金計画で最初に向き合うのが「住宅ローンの仕組み理解」と「書類準備」です。新築建売と違い、注文住宅は土地購入と建物建築の契約・支払いタイミングが異なります。この違いを踏まえ、以下の流れで金融機関とのやりとりが進みます。
【住宅ローンの基本的な流れ】
資金計画作成・返済シミュレーション
総費用の把握と無理のない返済プラン作成
ライフプラン(教育資金・老後・車購入など)も加味
金融機関の事前審査申込
勤務先・年収・家族構成・借入状況の情報提出
土地・建物の情報(所在地・面積・用途地域・図面等)
必要書類の準備・提出
本人確認書類(運転免許証・マイナンバー等)
収入証明(源泉徴収票・課税証明書・所得証明書)
売買契約書(または請負契約書)、印鑑証明書
本審査→住宅ローン契約
本審査通過後に金利・融資額確定
ローン契約書に署名・捺印
融資実行(着工金・中間金・残金支払い)
注文住宅の場合、分割実行・つなぎ融資など柔軟な段取りが必要
【主な必要書類一覧表】
書類名 | 提出タイミング | 備考 |
本人確認書類 | 事前審査・本審査 | 運転免許証・健康保険証等 |
収入証明(給与・所得) | 事前審査・本審査 | 源泉徴収票・納税証明書 |
住民票・印鑑証明 | 本審査 | 家族全員分・3か月以内発行が多い |
土地売買契約書 | 本審査 | 土地購入を伴う場合 |
建物請負契約書・設計図書 | 本審査 | 注文住宅は設計確定後 |
物件概要書・資金計画書 | 事前審査・本審査 |
1-2: 注文住宅における資金計画の重要性
注文住宅は“契約と支払い”が複数回に分かれます。
土地契約→手付金・土地代
建物契約→請負契約金
着工金・中間金・残金
これらに合わせてローン融資や自己資金の配分計画を立てておかないと、「つなぎ融資が間に合わない」「自己資金が一時的に足りなくなる」など、深刻な資金ショートのリスクが生じます。
【注意】
・土地の購入は“現金決済”が必要な場合も多い
・つなぎ融資を使うと利息や手数料が発生
・契約金・着工金の支払いに間に合うよう、ローン実行日を事前に調整
1-3: 銀行や金融機関の選び方
注文住宅で重視すべき金融機関の比較ポイント
比較ポイント | チェック内容 |
金利 | 変動・固定・期間選択型のどれが自分に合うか |
融資実行の柔軟性 | 着工金・中間金の分割融資やつなぎ融資に対応しているか |
融資手数料 | 保証料・事務手数料・繰上返済手数料 |
団体信用生命保険 | 死亡・がん・三大疾病・就業不能等の保障内容 |
担当者の対応力 | 住宅ローン専門担当がいるか、審査や相談のしやすさ |
地銀・ネット銀行・都市銀行の特徴
地方銀行…融資実行の柔軟性・つなぎ融資対応が強い
ネット銀行…金利が低いが分割実行やつなぎ融資に制約も
都市銀行…金利・商品バリエーションは豊富だが審査がやや厳しめ
1-4: 事前審査の手続きと注意点
事前審査は「借りられる額」の判定であり「返せる額」とは異なります。
審査項目の具体例
年収・勤続年数・雇用形態
他ローンの有無
家族構成・扶養人数
返済負担率(年収の25〜35%が目安)
【注意】
・ボーナス払いを過信しない(リストラや転職リスクも加味)
・教育費・老後資金・車の買い替えなど将来の支出も試算すること
・物件価格ギリギリまでローンを組むのは危険
2: 注目すべき住宅ローンの種類

2-1: 固定金利と変動金利の違い
ローンタイプ | メリット | デメリット | 向いている人 |
固定金利 | 返済額が一定、金利上昇リスク回避 | 変動金利より初期金利は高い | 安定志向・長期計画重視 |
変動金利 | 初期金利が低い、総返済額が安くなる可能性 | 将来金利が上昇すると返済額増加リスク | 金利変動に耐えられる余裕がある |
固定期間選択 | 一定期間固定、以降は変動など柔軟な組み方ができる | 固定期間終了後に大幅金利上昇する場合がある | 先の収入増を見込んでいる家庭 |
ミックスローン | 固定と変動を組み合わせリスク分散 | 複数ローン管理の手間が増える | リスク分散重視 |
フラット35 | 最長35年全期間固定、保証料・繰り上げ返済手数料が無料等 | 金利は変動より高め、物件性能基準に制約あり | 長期安定重視・計画的な方 |
【選択ポイント】
将来の収入見通し・家計変動リスク
金利動向と物価・賃金の予測
共働き世帯や教育費ピークのタイミング
2-2: 分割融資とつなぎ融資のメリット
注文住宅では「分割実行」や「つなぎ融資」が必須となるケースが多いです。
項目 | 分割融資(分割実行) | つなぎ融資 |
融資時期 | 着工金・中間金・竣工時の各タイミング | 土地購入や着工金の支払い時 |
対応銀行 | 地銀・一部都市銀・フラット35など | 地銀・JAバンク等 |
利息 | ローン実行分のみ利息発生 | 全額を一時的に借りるので利息多め |
注意点 | 分割実行非対応の銀行もある | 手数料・利息が割高 |
【経験者の声】
・「つなぎ融資を知らずに土地購入資金を工面できず、希望の土地を逃した」
・「分割融資に対応してもらえず、現金が一時的に不足した」
2-3: 住宅ローン控除の活用法
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は注文住宅でも原則適用可能です。
年度 | 控除率 | 最大控除額/年 | 控除期間 | 適用条件 |
2024年度 | 0.7% | 40万円(認定住宅は50万円) | 13年 | 床面積50㎡以上・所得2000万円以下など |
ポイント
「建物」部分のローン残高が対象
住宅ローン控除の適用には“入居期限・耐震基準”など諸条件あり
年度ごとの税制改正にも注意!
2-4: 返済期間の設定とその影響
返済期間 | 月々の返済額 | 総返済額 | 向いている家庭 |
20年 | 高め | 少なめ | 早期完済志向 |
25年 | 標準 | 標準 | 家計に余裕 |
35年 | 低め | 多め(利息増加) | 月々重視・若年層 |
アドバイス
返済比率(年収の25〜30%以下)に収まる範囲で返済期間を設定
ボーナス返済は必須にしない
将来の収入減リスクも考慮して長期返済を選ぶ場合は「繰り上げ返済」を見据えた資金計画を
3: 注文住宅の購入費用の実態

3-1: 建物と土地の費用の違い
注文住宅の費用は大きく「建物本体」「土地」「付帯工事」「諸費用」に分かれます。
これを正しく把握できていないと、想定外の出費に苦しむことも珍しくありません。
▼注文住宅の主要な費用構成(目安・平均値)
費用項目 | 平均金額(全国) | 内容例 |
土地購入費 | 1,200万円 | 立地・広さ・地盤等で大きく変動 |
建物本体工事費 | 2,200万円 | 建物そのものの工事費 |
付帯工事費 | 350万円 | 外構、地盤改良、エアコン、照明、カーテンなど |
諸費用 | 250万円 | 登記、火災保険、ローン手数料、引越し、仲介料 |
家具・家電 | 100万円 | 新調する場合 |
合計 | 約4,100万円 | 35坪前後、標準仕様の場合 |
【重要なポイント】
・「建物本体価格」のみで資金計画を立てるのは大変危険。
・土地の立地、地盤状況、外構工事、付帯設備、税金など「+α費用」が必ず発生する。
3-2: 諸費用と隠れたコストの理解
注文住宅の資金計画で「盲点」となりやすいのが、諸費用・隠れたコストです。
▼諸費用・追加費用の主な内訳
費用項目 | 目安金額 | 内容 |
登記費用 | 30万〜60万円 | 所有権保存・移転・抵当権設定など |
ローン事務手数料 | 3万〜10万円 | 金融機関ごとに異なる |
印紙税 | 1万〜3万円 | 請負契約書、ローン契約書など |
火災・地震保険 | 10万〜40万円 | 建物構造・エリアで変動 |
仲介手数料 | 30万〜100万円 | 土地仲介・不動産会社利用時 |
地盤改良費 | 30万〜150万円 | 必要な場合のみ |
外構費用 | 100万〜300万円 | フェンス・駐車場・庭・アプローチ等 |
引越し・新生活 | 20万〜60万円 | 引越し費用・カーテン・家具家電等 |
【経験上の注意点】
・「本体工事費」以外にも最低でも5〜10%の追加費用がかかるのが一般的。
・資金計画書の段階で“何が含まれていて、何が別途か”を必ず明記させる。
3-3: 引き渡し時の代金と支払いスケジュール
注文住宅では「土地代」と「建物代」で支払いスケジュールが複雑です。
▼支払いタイミングの一例
タイミング | 支払い内容 | 支払い先 |
土地契約時 | 土地手付金(10%程度) | 土地売主・不動産会社 |
土地引渡時 | 土地残金(90%程度) | 土地売主 |
建物請負契約時 | 請負契約金(10%程度) | 工務店・ハウスメーカー |
着工時 | 着工金(30%程度) | 工務店・ハウスメーカー |
上棟時 | 中間金(30%程度) | 工務店・ハウスメーカー |
竣工時 | 残金(30%程度) | 工務店・ハウスメーカー |
引渡し時 | 諸費用(登記、保険等) | 各機関・金融機関等 |
【よくあるトラブル】
・「つなぎ融資」の手続きが間に合わず、工事の支払いが遅延
・土地の決済と建物の契約が連動しておらず、余計な仲介手数料・仮住まい費用が発生
【対策】
・「支払いスケジュール表」を金融機関・ハウスメーカーと綿密に調整し、“現金不足”が絶対に起こらないようにする
・土地と建物の契約を極力同時期にまとめる
3-4: 住宅ローン減税の適用範囲
「住宅ローン控除(減税)」の対象となるのは建物本体価格が原則であり、土地購入費や外構工事、諸費用は対象外です。
2024年度の改正では、「省エネ住宅」「認定長期優良住宅」など、要件を満たす建物でないと最大控除額も変わります。
▼住宅ローン控除の主な要件と注意点
チェック項目 | 詳細・条件 |
新築 or 購入時期 | 居住開始日で控除率・年数が異なる |
床面積要件 | 50㎡以上(2024年以降) |
建物性能 | 省エネ基準・耐震性等の証明が必要 |
借入年数 | 10年以上 |
年収制限 | 2,000万円以下(合計所得金額) |
控除対象金額 | 最大4,000万円まで(建物部分のみ) |
控除率 | 年末残高の0.7% |
控除期間 | 最長13年間(物件条件により異なる) |
【体験談】
「新築だけど床面積不足で控除対象外になった」「土地の借入部分は控除されなかった」などの声も多い。
【ポイント】
着工・入居時期や契約条件によって控除額が減ることもあるので、必ず“税理士か専門FP”に確認を。
4: 資金計画の注意点と落とし穴

4-1: 予算オーバーを避ける方法
注文住宅は“オプション沼”にハマりやすい!
初回プランには「標準仕様」が多く、実際に打合せを進めるとキッチン・浴室・収納などのオプション費用がどんどん追加されていく。
▼追加・変更しやすいオプション例と追加費用目安
項目 | 標準仕様 | オプション例 | 追加費用(目安) |
キッチン | システムキッチン | ハイグレード・食洗機 | 30万〜100万円 |
バス | 1坪タイプ | ジェットバス・広め浴室 | 20万〜80万円 |
トイレ | 標準タイプ | タンクレス・自動洗浄 | 10万〜30万円 |
収納 | クローゼット | ウォークイン | 10万〜50万円 |
床材 | フローリング | 無垢材 | 10万〜50万円 |
断熱・窓 | 標準サッシ | 樹脂サッシ・ペアガラス | 20万〜60万円 |
外構 | 最小限 | 駐車場・フェンス | 50万〜200万円 |
【経験談からの注意】
・「つい見栄を張ってオプションを盛ったら、予算300万円オーバー」
・「外構工事が契約外で追加費用100万円、後から一括支払いに苦しんだ」などはよくある失敗。
【対策】
・契約前に「住める状態」までの総額シミュレーション表を必ず作成
・「オプションを全部盛り」で試算して“最悪ケース”も想定しておく
4-2: 返済計画の必須ポイント
▼返済負担率のシミュレーション例
年収 | 返済比率25%(月額) | 返済比率30%(月額) |
400万円 | 約8.3万円 | 約10万円 |
600万円 | 約12.5万円 | 約15万円 |
800万円 | 約16.7万円 | 約20万円 |
年収の25%以内が“安心ライン”
返済期間35年・変動金利の場合、金利上昇リスクも考慮
【プロの提案】
住宅ローン返済に加えて「固定資産税」「修繕積立」「教育費」「老後資金」「車両費用」なども“毎月の家計”に組み込んだうえで余裕ある返済計画を
4-3: 融資の審査基準をクリアするために
▼住宅ローン審査の主なポイント
チェック項目 | 内容例 |
年収 | 直近2年分の安定性、勤続年数 |
勤務先 | 上場企業・公務員が有利 |
他の借入金 | カーローン・リボ残債があると減額リスク |
健康状態 | 団信(団体信用生命保険)加入の可否 |
土地・建物の担保価値 | 銀行評価額が購入価格に達しているか |
家族構成 | 扶養家族数・配偶者の収入 |
審査落ち体験談
「クレジット延滞履歴で否決」「借入希望額が銀行評価より高く否決」など
「パートナーの収入合算が思ったより評価されなかった」など
事前対策
カーローン・キャッシングなどは住宅ローン申請前に完済
事前審査時に金融機関へ正直に相談
必要なら“住宅ローンアドバイザー”の無料相談も活用
4-4: 状況に応じた柔軟なプランの立て方
「共働き→育児で収入減」「単独→将来は親との同居」「転勤・転職」「子どもの進学」「介護」など人生の変化を前提にした資金計画が必要
「余裕があれば繰り上げ返済」や「期間短縮」も視野に
▼家族構成別の資金計画事例
家族構成 | ポイント |
共働き・子育て世帯 | 教育費・保育費・将来の進学費用をシミュレーション |
単身・夫婦のみ | 退職後の年金収入・老後資金を加味 |
二世帯同居 | 増築・リフォーム費用、光熱費の分担 |
高齢者 | バリアフリー改修、介護・医療費の見積もり |
5: 成功する家づくりのためのステップ

5-1: タイミングとスケジュールの調整
注文住宅の資金計画が失敗する最大の原因は「段取りの悪さ」と「タイムラグの見落とし」です。特に資金調達と建築のスケジュールが合っていないと、着工金や中間金の支払い時に資金ショートするケースが後を絶ちません。
【家づくりの主要なスケジュール例と資金計画連動表】
ステップ | 期間の目安 | 必要な主な資金 | 注意点 |
情報収集・土地探し | 1〜3か月 | 手付金10%程度 | 希望エリアの土地価格を把握しておく |
建築会社選び | 1〜2か月 | 仮契約金10万円前後 | 仮契約金は解約時の返金条件を必ず確認 |
プラン・見積もり | 1〜2か月 | 変更時に追加設計料発生も | 追加費用を都度明示してもらう |
契約 | 1か月 | 請負契約金10% | 契約書・見積書・設計図の突合せが必須 |
着工・上棟 | 4〜8か月 | 着工金・中間金 | ローン実行日との調整。つなぎ融資も活用可 |
竣工・引き渡し | 1か月 | 残金、登記・火災保険費用 | 必ず現地検査・完成立ち会いを行う |
現場体験談
・着工金の支払い時、ローン実行が間に合わず親から一時的に借金せざるを得なかった
・「設計変更」により、契約後に追加費用が200万円増えた
アドバイス
・必ず「支払いスケジュール表」を自作し、営業担当・ローン担当とも共有しておくこと
・契約前に「追加費用」の発生条件・想定額もリスト化しておく
5-2: 設計と工務店選びのポイント
【設計段階で失敗しないための着眼点】
チェック項目 | 内容 | 専門家からの補足アドバイス |
間取り・動線 | 家事動線、収納、将来の家族構成 | 実際の生活をイメージし「家族参加型」で打合せを |
断熱・気密 | 断熱材・サッシ・換気設備 | 気密・断熱等級を明確にし、快適性を最優先 |
設備・仕様 | キッチン・バス・トイレ・給湯器など | 「標準仕様とオプション」の差額は必ず確認 |
予算・コストコントロール | 見積もりの明細把握、優先順位付け | 「住める総額」ベースで考え、予算配分を明確に |
メンテナンス性 | 外壁材・屋根材・床材の耐久性 | 長期的に維持費がかからない素材選びを推奨 |
【工務店・ハウスメーカーの選び方】
項目 | 大手ハウスメーカー | 地元工務店 |
ブランド・安心感 | ◎(全国展開・大規模保証) | △(会社規模による) |
柔軟性・対応力 | △(プラン固定が多い) | ◎(オーダーメイドも可) |
アフター・保証 | ◎(保証書、24hサポート有) | △(保証内容は個別確認必要) |
コストパフォーマンス | △(やや割高傾向) | ◎(要比較・直接施工で安価も) |
デザイン力 | △(万人向け・個性出しにくい) | ◎(建築士による柔軟な提案可) |
アドバイス
・「標準仕様」「追加オプション」や「保証・アフターサービス」の実態は必ず複数社で比較すること
・契約時は“比較表”を作り、「どこまでが価格に含まれるか」をリストアップする
5-3: 契約から着工までの流れ
【注文住宅の契約・着工までのチェックフロー】
土地契約
手付金支払い、重要事項説明、売買契約書締結
土地仲介手数料の確認・支払い時期も必須
建物請負契約
事前に設計・仕様・見積明細を全て確認
契約書に「工事範囲」「完成時期」「保証内容」を明記
ローン本審査・実行
金融機関の本審査書類提出(収入証明、契約書等)
審査通過後、ローン実行日を建物着工金・中間金・残金支払いスケジュールと照らし合わせる
着工
地鎮祭・現場立ち会い
工事中は最低でも基礎・上棟・竣工のタイミングで施主現場確認を行う
完成・引き渡し
完成検査(施主・工事監督・第三者検査員も可)
鍵渡し・設備引き継ぎ
保証書・設計図書・検査済証等の書類受け取り
【体験談】
・契約内容を「よく分からないままサインして、仕様や工事範囲でトラブルになった」
・「追加オプション」の費用を口頭で済ませてしまい、引き渡し時に予想外の請求をされた
【対策】
・契約書・約款・見積書・設計図の内容は第三者にも確認してもらう
・変更・追加工事は全て“書面”で証拠を残す
5-4: 工事完了までの注意事項
【現場での最重要チェックリスト】
基礎工事:配筋検査、地盤改良内容の確認
上棟時:柱・梁・構造の確認、設計通りか
内外装:断熱・サッシ・建材、コンセント・配線の位置
仕上げ工事:傷、汚れ、取扱説明の有無
完成検査:建築基準法適合の確認、第三者機関の住宅瑕疵担保責任保険の検査書
アフター保証:保証書・長期修繕計画書・メンテナンスマニュアルの受け取り
トラブル体験例
完成引き渡し前のチェック不足で、外構未完成や水回り不具合が残った
瑕疵(かし)保証の内容を勘違いし、アフターサービスを受けられなかった
専門家の視点
プロの「第三者検査」や「住宅診断(ホームインスペクション)」を必ず依頼
設計変更・現場変更は“必ず”書面で残し、現場監督・担当営業・施主で内容共有
6: まとめと今後の資金計画の展望

6-1: ケーススタディから学ぶ
【ケース1】「見積もりだけで選んで後悔した例」
A社で最安値だったが、契約後にオプション・追加工事費が400万円も増額
結局B社の方が“総額”で安かった
【ケース2】「綿密な資金計画で成功した例」
家族全員で“絶対に譲れない条件”をリスト化し、3社で徹底比較
全費用明細を確認し、想定外の支払いナシで家計も安心
【ケース3】「自己資金・ローン計画の落とし穴」
ローンの事前審査は通ったが、つなぎ融資の手続きを失念し、工事ストップ
引き渡し直前に「登記費用」や「引越し代」の資金が不足
6-2: 住宅ローン選びのおすすめプラン
【住宅ローン比較表】
金利タイプ | 特徴 | 向いているケース |
全期間固定金利 | 返済額が一定で安心 | 収入が安定・今後の金利上昇が不安な方 |
変動金利 | 初期の返済負担が軽い | 今後も低金利が続くと見込む方 |
ミックスローン | 固定+変動を組み合わせてリスク分散 | 金利上昇リスクも収益性も両方考えたい方 |
フラット35 | 保証料・繰り上げ返済手数料が無料など | 長期固定・シンプルなローンを求める方 |
専門家のアドバイス
固定金利は「予算カツカツ」家庭におすすめ(将来の返済計画が立てやすい)
変動金利を選ぶ場合は「金利上昇時の支払い増加」もシミュレーションしておくこと
フラット35は「団信加入の条件」「物件の性能基準」なども要チェック
6-3: ポイントを押さえた資金計画の必勝法
「住宅ローン審査」に油断しない
審査合格=返済できるとは限らない
必ず“家計簿”レベルでシミュレーションを
「資金計画表」を自作する
土地・建物・外構・オプション・諸費用まで“総額”で一覧化
10年・20年後のメンテナンス費用も計上
「専門家の力」を借りる
税理士・FP・住宅診断士など、プロによる第三者チェックを受ける
不安や疑問は“契約前に”必ずクリアに
「優遇制度・補助金」も最大限活用
住宅ローン減税、すまい給付金、自治体の補助金
最新の国策・制度改正情報は毎年必ずチェック
「人生の変化」にも備える
教育費・老後・介護・転職・共働き終了など「未来シナリオ」を複数描く
万が一の収入減にも備えて「生活防衛資金」を持つ
まとめ・今後の資金計画の展望
注文住宅における住宅ローンと資金計画は、「審査に通った=安心」ではありません。むしろ、見落としがちなコストや想定外の人生イベントこそが本当の落とし穴。経験豊富な専門家や実際の失敗・成功事例を活かし、総額ベース・人生ベースで資金計画を組むことが、後悔のない家づくりの必須条件です。
本記事を何度も見直し、ぜひ「見落としゼロ」の納得資金計画で一生のマイホームを実現してください。あなたの家づくりの成功を心より応援します。
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