積水ハウスとセキスイハイムの違いを公表データで比較|1棟あたり単価は約1,800万円差
- 8月20日
- 読了時間: 34分
更新日:8月21日
更新日:2026年08月20日

積水ハウスとセキスイハイムは、名前が似ているだけの別会社です。そして両社は、それぞれの決算資料のなかで「1棟あたりいくらで売れているか」を自ら公表しています。
2025年度の実績は、積水ハウスの注文住宅が1棟あたり5,642万円、セキスイハイムの戸建が1棟あたり3,830万円(坪単価114.0万円)。集計の定義は完全には一致しませんが、約1,800万円の開きがあります。
インターネット上では積水ハウスの坪単価が55万円から150万円まで、記事によって2.7倍近くばらついています。この記事では、その代わりに両社が公表している数字だけを出典付きで並べ、そこから何が読み取れて何が読み取れないのかを整理します。そのうえで、あなた自身の条件で同じ土俵の見積もりを取るための手順までまとめました。
目次
まず結論:別会社であり、公表されている1棟あたり単価には約1,800万円の差がある

積水ハウスとセキスイハイムは、資本関係がほとんどない別々の会社です。積水化学工業が積水ハウス株の2.19%を保有しているだけで、親子関係も持分法適用の関係もありません(2026年1月31日現在)。
そのうえで、両社の直近の公表値を並べると次のようになります。
積水ハウス | セキスイハイム | |
事業主体 | 積水ハウス株式会社 | 積水化学工業株式会社(住宅カンパニー)と、その100%出資の地域販売会社 |
1棟あたり単価 (2025年度) | 5,642万円(注文住宅/引渡ベース・積水ハウス単体) | 3,830万円(全国販社・戸建) |
平均床面積 | 非公表 | 110.8㎡(約33.5坪) |
坪単価 | 非公表 | 114.0万円 |
主な構造 | 鉄骨(軽量・重量)/木造シャーウッド。邸別に設計・現場施工 | 鉄骨系ユニット/木質系ユニット。構造体を工場生産し現場据付 |
断熱の公表値 | 断熱等級6に対応可能。UA値の数値は非公表 | 5〜7地域の平屋・2階建ての戸建全商品で断熱等級6を標準化(条件により適合しない場合あり)。自社のUA値実測・計算値の公表はなし |
ZEH比率 (2025年度) | 96% | 95% |
保証 | 初期30年保証。以降は有償点検・有償工事を条件に10年ごと延長 | 最長30年保証。定期診断は60年目まで無償、65年目以降100年目まで任意診断 |
同じ2025年度の数字ですが、決算期も集計の定義も違います。この表は「どちらが優れているか」ではなく、「どこまでは公表値で比べられるか」を示したものとして読んでください。定義の違いは後の章で1つずつ説明します。
名前は似ているが、資本関係はほとんどない

セキスイハイムを手がけるのは積水化学工業
セキスイハイムは、積水化学工業株式会社の住宅ブランドです。
同社の有価証券報告書では、住宅セグメントの事業内容を「鉄骨系・木質系ユニット住宅の製造、施工、販売ならびに分譲用土地の販売、リフォーム、レジデンシャル事業、インテリア、エクステリアの販売・施工等」と記載しています。
一方の積水ハウス株式会社は、1960年8月1日に資本金1億円で設立された独立した上場企業です(東証・名証、証券コード1928)。2026年1月31日時点の連結従業員数は32,186人、累計建築戸数は2,749,520戸です。
積水ハウスは積水化学の住宅部門から独立した会社
ルーツは共通しています。積水化学工業の公式沿革には、「1960年に"セキスイハウスA型"の試作に成功し、発足したハウス事業部を分社化、積水ハウス産業株式会社(現:積水ハウス株式会社)を設立」と記されています。
積水ハウス側の有価証券報告書にも「1960年8月 プレハブ住宅の事業化を計画、資本金1億円にて積水ハウス産業株式会社として発足」とあり、社名が現在の「積水ハウス株式会社」に変わったのは1963年10月です。
つまり60年以上前に分かれた同根の会社であり、その後はまったく別の道を歩んでいます。
いまの資本関係は2.19%だけ
積水ハウスが公表している株主情報によると、積水化学工業は同社株を14,168千株保有する第4位の株主で、持株比率は2.19%です(2026年1月31日現在)。筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)の16.72%です。
また、積水化学工業の有価証券報告書に掲載されている関係会社一覧(国内子会社91社・海外子会社64社・関連会社13社)に、積水ハウスは含まれていません。
2.19%は、経営を左右する水準ではありません。「グループ会社だから仕様や価格が近いはず」という前提で比較すると、実態から離れます。
契約する相手も違う(ここが実務上いちばん効く)
見落とされやすいのが、工事請負契約を結ぶ相手です。
積水ハウスの場合、契約の相手は積水ハウス株式会社そのものです。施工は100%出資の積水ハウス建設と、協力工事店で構成する「積水ハウス会」による責任施工体制で行われます。
セキスイハイムの場合は、積水化学工業ではなく地域の販売会社が窓口になります。東京セキスイハイム、セキスイハイム中部、セキスイハイム東北、セキスイハイム九州といった各社で、いずれも積水化学工業が議決権の100%を保有する子会社です。有価証券報告書では、これらの会社の主要な事業内容が一律で「建築工事の請負及び不動産の販売」と記載されています。実際に各社は個別に建設業許可と宅地建物取引業免許を取得しています。
⚠️ ここは注意
セキスイハイムは、担当エリアによって契約する会社が変わります。見積書・請負契約書・保証書に記載される社名を必ず確認してください。キャンペーンの内容、標準仕様の扱い、値引きの余地、アフター体制の運用が地域会社ごとに異なることは十分にありえます。他県の知人から聞いた条件が、そのままあなたの担当エリアに当てはまるとは限りません。
比較を始める前に、比較できる情報とできない情報を分ける

2社比較でつまずく原因のほとんどは、性質の違う情報を同じ表に並べてしまうことにあります。この記事では、情報を次の3つの層に分けて扱います。
層 | 内容 | 具体例 |
① 公表値でそのまま比べられる | 両社が同じ種類の数字を公表している | 1棟あたり単価、ZEH比率、保証の制度内容、定期点検の回数 |
② 条件をそろえれば比べられる | 数字はあるが前提条件が違うので、揃えないと意味をなさない | 坪単価、UA値、断熱等級、耐震等級、工期 |
③ 見積書がないと比べられない | 公表情報がなく、個別に出してもらうしかない | あなたの土地・プランでの総額、標準仕様の範囲、オプション単価、付帯工事、将来のメンテナンス費用 |
公表されていないもの一覧
比較記事を読むときに知っておくと役立つのが、「そもそも公表されていない項目」です。2026年8月20日時点で、公式サイト・IR資料を確認した範囲では次のとおりでした。
項目 | 積水ハウス | セキスイハイム |
坪単価 | 公式サイトでの公表なし(決算資料にも記載なし) | 公式サイトでの公表はなし。ただし決算説明会資料に平均坪単価の記載あり |
平均床面積 | 非公表 | 公表あり(110.8㎡/2025年度) |
UA値 (自社の実測・計算値) | 技術ページに数値記載なし | 数値記載なし。掲載されている0.46は国の断熱等級6の基準値(5〜7地域) |
C値 | 記載なし | 数値記載なし(邸ごとに測定と記載) |
契約から引き渡しまでの工期 | 数値記載なし | 現場据付「1日」の記載のみ。総工期は数値記載なし |
ユニット搬入に必要な道路幅・作業スペース | ─ | 数値記載なし |
保証延長時のメンテナンス費用 | 金額の記載なし | 金額の記載なし |
公表されていない項目こそ、営業担当者に直接聞くべきリストになります。この記事の後半に、そのまま使える質問文をまとめました。
価格:両社が決算資料で公表している「1棟あたり単価」で比べる

2025年度の公表値
積水ハウスは決算概要のなかで、戸建住宅事業の「1棟当たり単価」を開示しています。セキスイハイムを手がける積水化学工業も、決算説明会資料で住宅事業の主要データとして戸建単価・坪単価・床面積・販売棟数を開示しています。
積水ハウス(2025年度) | セキスイハイム(2025年度) | |
1棟あたり単価 | 5,642万円 | 約3,830万円 (原資料の表記は38.3百万円) |
前年度 | 5,248万円 | ─ |
平均床面積 | 非公表 | 110.8㎡(約33.5坪) |
坪単価 | 非公表 | 114.0万円 |
棟数 | 非公表 | 7,670棟 |
集計の注記 | 注文住宅/引渡ベース(積水ハウス単体) | 単価・坪単価・床面積は「全国販社・戸建」。ZEH比率のみ「2025年度は北海道を含む」との注記 |
決算期 | 2026年1月期 | 2026年3月期 |
積水ハウスは前年度の5,248万円から5,642万円へ、1年で394万円(約7.5%)上昇しています。セキスイハイムも2026年度第1四半期(2026年4〜6月)は坪単価121.6万円・戸建単価4,020万円と、通期実績を上回る水準になっています。
両社とも単価は上昇局面にあります。半年前・1年前に知人が建てた金額は、いまの見積もりの参考になりません。
この数字を読むときの3つの注意点
1. 決算期と集計期間が違う 積水ハウスは1月期決算、積水化学工業は3月期決算です。「2025年度」といっても、対象となる期間が2か月ずれています。
2. 集計の対象範囲が違う 積水ハウスの数字は「注文住宅」に限定され、積水ハウス単体の引渡ベースです。セキスイハイムの「戸建」は、第1四半期の内訳を見ると戸建請負と建売の合計になっています。建売には土地の要素が混ざる可能性があるため、請負だけを取り出せばセキスイハイムの単価はもう少し低くなる可能性があります(これは編集部による推測で、公表資料に内訳の明記はありません)。
3. 何が含まれた金額かの内訳は、どちらも非開示 本体工事だけなのか、付帯工事まで含むのか、税込か税抜かは、両社とも資料に記載がありません。したがってこの数字は「その会社と契約した人が平均していくら払ったか」の目安であって、あなたの見積書の内訳を説明するものではありません。
積水ハウスの坪単価を逆算するとどうなるか
積水ハウスは平均床面積を公表していないため、坪単価を直接計算できません。そこで、床面積を仮に置いた場合の換算値を出してみます。
※以下は公表されている1棟あたり単価5,642万円を、仮の延床面積で割った編集部による試算です。積水ハウスが公表している数値ではありません。
仮に平均延床面積が | 坪換算 | 1坪あたり |
100㎡ | 30.3坪 | 約186万円 |
110㎡ | 33.3坪 | 約170万円 |
120㎡ | 36.3坪 | 約155万円 |
130㎡ | 39.3坪 | 約144万円 |
140㎡ | 42.4坪 | 約133万円 |
150㎡ | 45.4坪 | 約124万円 |
セキスイハイムの平均床面積110.8㎡と同じ規模だと仮定すれば約170万円、かなり広めの150㎡(約45坪)だと仮定しても約124万円です。表のどの前提でも、セキスイハイムの公表坪単価114.0万円を上回ります。逆に114.0万円を下回るには、積水ハウスの平均延床面積が約164㎡(約50坪)を超えている必要があり、注文住宅の平均としては現実的ではありません。
この試算から言えるのは、次の2点です。
両社を比べたとき、平均的には積水ハウスのほうが高い。これは公表値だけから導ける。
ただし具体的な坪単価の水準は、積水ハウスについては公表情報から確定できない。
公表値では出せない部分は、実際の見積書から確認するしかありません。見積もりバンクでは実物の見積書をもとに積水ハウスの坪単価を検証した記事も公開しています。
ネットの坪単価が55万〜150万円までばらつく理由
比較記事を10本読むと、積水ハウスの坪単価が55万円から150万円まで並んでいます。同じ会社の数字が2.7倍も違うのは、次のような条件が揃っていないからです。
本体工事費だけの数字か、付帯工事を含む請負金額か
延床何坪の家を前提にしているか(同じ仕様でも小さい家ほど坪単価は上がります)
地域はどこか、商品は何か、階数は何階か
税込か税抜か
いつ時点の数字か
なかには、公開が2021年で最終更新が2024年のまま上位に残っている記事や、同じ運営会社の2記事で数値が食い違っている例もありました。
💡 よくある勘違い
①:坪単価が安い=総額も安い坪単価は「金額 ÷ 面積」でしかありません。分子に何を入れるかで数字は自由に動きます。A社が本体工事だけで85万円、B社が付帯工事込みで105万円と提示していれば、坪単価だけを比べたA社が安く見えますが、総額では逆転することがあります。比較すべきは坪単価ではなく、同じ範囲まで含めた総額です。
🔍 見積書ではここを見る
提示された金額が「本体工事費」なのか「請負金額」なのかを、まず1行目で確認してください。そのうえで、次の項目が見積書のどこに入っているか、あるいは入っていないかを確認します。屋外給排水工事・仮設工事・地盤改良工事外構(フェンス・駐車場土間・門柱・植栽)カーテン・照明器具・エアコン建物登記費用・火災保険・住宅ローンの事務手数料地鎮祭・上棟・引越・仮住まい費用 これらが「別途」と書かれている場合、金額の記載がなくても、あとから必ず発生します。
実際の見積書がどう組み立てられているかは、積水ハウスの見積もり総額と内訳の実例で確認できます。値引き後の実質価格まで含めて比べたい場合は、積水ハウスの値引き率とセキスイハイムの値引き相場もあわせてご覧ください。
工法:邸別設計の現場施工か、工場生産のユニットか

価格の次に大きい違いが、家の作り方です。この差が、設計自由度・工期・土地の適合性のすべてに波及します。
構造と施工の違い
積水ハウス | セキスイハイム | |
基本の考え方 | 一邸ごとにオーダーメイドで生産する「邸別生産」 | 構造体を工場でつくり、現場で据え付ける「ユニット工法」 |
鉄骨 (1・2階建て) | ダイナミックフレーム・システム。最大スパン7m、1階天井高2,700mm | ボックスラーメン構造。柱と梁をコンピュータ管理のスポット溶接で剛接合 |
鉄骨 (3・4階建て) | フレキシブルβシステム。高さ60mの高層ビルと同じ構造計算を用い、最大スパン9m | デシオ(3階建て) |
木造・木質 | シャーウッド構法。集成材を構造用金物(MJ接合システム)で緊結、壁倍率は最大10相当 | グランツーユーV。独自の2×6工法とアルティメイトモノコック構造、総厚約19.0cmの外壁 |
制震・耐震の考え方 | 制震構造シーカスで、地震時の変形量を同社の耐震構造との比較で1/2以下に抑える | 250回を超える実大加振実験を実施。標準仕様で耐震等級3に対応 |
施工体制 | 積水ハウス建設と積水ハウス会による責任施工 | 構造体の生産工程の自動化率86%(2023年度)。年間約9,000棟、1棟あたり約25,000点の部材をコンピューター管理 |
現場作業 | 基礎から内外装まで現場施工 | 据付は「わずか1日で完了」と公式に記載(建築現場や天候などの条件により1日で完了しない場合あり、と注記) |
ざっくり言えば、積水ハウスは設計の幅で勝負し、セキスイハイムは工場でつくることによる均質さと現場工程の短さで勝負しています。どちらが優れているかではなく、優先順位の違いです。
そもそも鉄骨と木造のどちらを選ぶかで迷っている段階なら、鉄骨と木造はどちらを選ぶべきかと軽量鉄骨のデメリットと注意点を先に読んでおくと、比較の軸が整理しやすくなります。
なお、契約から引き渡しまでの総工期は、両社とも数値を公表していません。積水ハウスの公式サイトには「土地さがしからスタートする場合、敷地調査や設計、工事・施工を含めて完成まで1年ほどかかると見ておくと良いでしょう」という記載があります。
土地の条件で向き不向きが分かれる
ユニット工法は、完成した箱をクレーンで吊り上げて据え付けます。したがって、次の条件が現実的な制約になります。
前面道路の幅と、トレーラーが進入できるか
クレーンを設置できるスペースがあるか
敷地の上空や周囲に電線・電柱・隣家の越境物がないか
旗竿地や狭小地でないか
セキスイハイムはこれらの基準値を公式には公表していません。土地がすでに決まっている、あるいは購入を検討している段階なら、間取りの話に入る前に「この土地で据付が可能か」を確認するのが先です。設計が進んでから施工不可が判明すると、それまでの時間が無駄になります。
💬 営業担当者に聞いてみよう(土地が決まっている場合)
「この住所と現況写真で、ユニットの搬入と据付が可能かどうかを、設計に入る前に判断していただけますか。もし追加のクレーン費用や道路使用の手配が必要なら、その概算も先に教えてください」
住宅性能:数値がそろっているものと、片方しか出ていないもの

断熱:「UA値0.46」はセキスイハイムの性能値ではありません
ここは比較記事の多くが取り違えているところなので、事実関係を丁寧に書きます。
セキスイハイムの公式ページには「国の目標を上回る『断熱等級6』を標準化」と記載があり、次の注記が付いています。
「省エネ地域区分5〜7地域で展開する平屋・2階建ての戸建全商品が対象です。プランや一部採用メニュー等の条件によっては、断熱等級6に適合しない場合があります。」
同じページには断熱等級6の基準値の一覧も載っています。1〜3地域は0.28、4地域は0.34、5〜7地域は0.46です。この0.46は国が定めた等級6の基準値であって、セキスイハイムが測定・計算して公表した自社の性能値ではありません。正確に言えば「5〜7地域で、UA値0.46以下という等級6の基準に適合する仕様を標準にしている」ということです。
開口部は標準がペアガラス(アルゴンガス入り)で、トリプルガラスと樹脂サッシはオプションです。
積水ハウスの断熱仕様は「ぐるりん断熱」と呼ばれ、公式ページには「断熱等級6にも対応可能な高断熱」「ZEH外皮基準を全地域標準仕様でクリア」と記載されています。ただしUA値の具体的な数値は、技術カタログ・ZEHページ・グリーンファースト ゼロのいずれにも記載がありません。
⚠️ ここは注意
「セキスイハイムはUA値0.46、積水ハウスは○○」という形で数字を並べている記事を見かけたら、その数字の出どころを確認してください。積水ハウスは公式にUA値を公表していないため、出典を示せる数字は存在しません。そしてセキスイハイム側の0.46も、自社の実測値ではなく等級6の基準値です。 つまり、この2社を「UA値いくつ対いくつ」で比べることは、公表情報からはできません。比べたいなら、自分のプランでの計算値を両社に出してもらう以外に方法はありません。
なお、2025年4月1日から、原則すべての新築住宅・非住宅に省エネ基準への適合が義務付けられています(国土交通省 令和6年4月16日 報道発表)。断熱は「やるかやらないか」ではなく「どの水準か」を比べる段階に移っています。
ZEH比率:96%と95%だが定義が少し違う
積水ハウス | セキスイハイム | |
2025年度のZEH比率 | 96% | 95% |
集計期間 | 2025年4月〜2026年3月 | 2025年度(2026年3月期) |
定義 | Nearly ZEH以上(多雪地はZEH Oriented以上) | ZEH、Nearly ZEH、ZEH Orientedを含む |
補足 | 戸建ZEHの累計95,776棟(2026年3月末時点)、6年連続で90%超 | 新築戸建に占める比率。北海道を含む |
数字としては1ポイント差ですが、積水ハウスは「Nearly ZEH以上」を基準としており、セキスイハイムはZEH Orientedを含めた合算です。定義がわずかに違うため、1ポイントの差を性能差として読むのは適切ではありません。どちらもZEHが例外ではなく標準になっている、と読むのが実態に近いはずです。
耐震:どちらも最高等級に対応、考え方が違う
積水ハウスは、鉄骨1・2階建てのダイナミックフレーム・システムについて「品確法の住宅性能表示制度『構造の安定/耐震性・耐風性』の項目で、最高等級を標準仕様で設定」と記載しています。加えて制震構造のシーカスがあり、特殊高減衰ゴム「シーカス60」でエネルギー吸収率約60%、耐用年数100年相当の耐久性を確認したとしています。
セキスイハイムは、ボックスラーメン構造について「建築基準法の1.5倍である等級3の耐震性能」を標準仕様でクリアできるとし、2階建て・3階建てで実大加振実験を250回超実施したと記載しています(一部の特殊プランでは例外となる場合がある、との注記あり)。
耐震等級で差はつきません。差がつくとすれば、制震装置の有無や、あなたが選ぶプランが標準仕様の範囲内で等級3を確保できるかどうかです。等級3をどう捉えるかについては、耐震等級3でも倒壊は起きるのかもあわせてご覧ください。
✅ 契約前に確認
「このプランの耐震等級はいくつですか。住宅性能評価書は取得しますか。取得する場合、費用は請負金額に含まれていますか」
──設計が固まったタイミングで、必ずこの3点を確認してください。カタログ上の等級と、あなたの家の等級は別物です。
保証:年数ではなく「何が無償か」で読む

比較記事の多くが「積水ハウスは永年保証」「セキスイハイムは60年サポート」と年数だけを並べています。
実際に比べるべきは年数ではありません。その年数を維持するために何が必要で、費用を誰が負担するのかです。
30年までの条件が両社で違う
積水ハウス | セキスイハイム | |
保証期間 | 初期30年保証 (品確法の10年+20年) | 最長30年 |
主な保証対象 | 構造躯体(基礎・柱・梁・小屋組・壁・床・屋根など)と、雨水の浸入を防止する部分(屋根・外壁・開口部〈トップライトを除く〉など) | 保証対象部位の不具合。対象部位・商品・建築地により異なる場合あり |
保証継続の条件 | 「10年20年点検時に会社が必要と判断した補修工事(無償工事)を行うこと」 | 「お引渡し後3回の定期点検及び25年目迄の5年ごとの定期診断をお受け頂き、適切な補修・メンテナンスを行っていただくこと」 |
補修工事の費用 | 10年・20年点検で必要と判断された補修工事は無償 | 「保証対象外のメンテナンス工事は有償」と明記 |
定期点検 | 引き渡し後3か月・1年・2年・5年、以降30年目まで | 引き渡しから2年目までに計3回 |
定期診断 | ─ | 5年目以降、5年ごとに60年目まで無償。65年目以降は任意診断を100年目まで無償(ただし会社からの案内予定はなく申し込み制) |
適用条件 | 初期30年保証は2018年4月1日以降の契約分が対象 | ─ |
ここが両社のいちばん大きな差です。
積水ハウスは、10年・20年の点検時に同社が必要と判断した補修工事を無償で実施し、それによって30年保証が継続する仕組みです。
セキスイハイムは、5年ごとの定期診断そのものは無償ですが、そこで見つかった保証対象外のメンテナンス工事は有償と明記されています。診断が無償であることと、補修が無償であることは別の話です。
なお、セキスイハイムの定期診断・任意診断については「建物劣化状況を目視中心で確認し、建物寿命の判断は行いません。屋根上、2階外壁、隠ぺい部など診断ができない箇所があります」という注記もあります。
30年を超えたあとの扱い
積水ハウスは「ユートラスシステム」により、30年保証の終了後も10年ごとに保証を延長できます。ただし公式ページには「必要な有料点検・有償工事を行うことで建物がある限りいつまでも保証が延長できます」「35年目以降の点検・補修はすべて有料・有償となり、お客様のご依頼により実施します」と明記されています。
セキスイハイムは、60年目まで5年ごとの定期診断を無償で行い、65年目以降は継続の意思確認ができた人に対して100年目まで任意診断を無償で実施します。ただし公式サイトには「65年目以降の『任意診断』はセキスイハイムグループからのご案内は予定しておりません」との記載があり、65年目以降は施主側から申し込む前提です。あわせて「お引渡しから60年にわたるメンテナンスプログラム」を邸ごとに用意し、診断結果を見ながらメンテナンス時期を案内する、としています。
💡 よくある勘違い
②:60年保証=60年間タダで面倒を見てもらえるどちらの会社も、長期の保証や診断を維持するにはメンテナンスの実施が前提です。積水ハウスは35年目以降の点検・補修がすべて有償、セキスイハイムは診断は無償でも保証対象外の工事は有償。さらにセキスイハイムの65年目以降の任意診断は、会社からの案内はなく施主からの申し込み制です。「60年」「永年」「100年」という言葉だけで比べると、実際に自分が支払う金額と手間の差を見誤ります。
外壁の保証はここに注意
セキスイハイムの公式ページには、次の記載があります。
「磁器タイル外壁以外の外壁(下地及び仕上材)の保証期間は10年間になります。」
外壁は、長期的にもっとも費用がかかる部位のひとつです。磁器タイルを選ぶかどうかで保証期間が変わるという点は、初期費用の差だけでなく、その後のメンテナンス計画にも影響します。積水ハウスの初期30年保証は、屋根・外壁・開口部を含む「雨水の浸入を防止する部分」を対象としています。
✅ 契約前に確認
契約前に、保証書の実物(雛形でも可)と、メンテナンスプログラムの費用表を見せてもらってください。「30年」「60年」という年数ではなく、次の3点が書面で確認できるかどうかがすべてです。何年目に、どの工事を、いくらで実施する想定かその工事をやらなかった場合、保証はどうなるか選んだ外壁材・屋根材によって、保証年数が変わるか
会社としての体力や保証の実態を第三者の視点で見ておきたい場合は、積水ハウスの住宅会社診断レポートとセキスイハイムの住宅会社診断レポートで、財務の安定性や保証内容を確認できます。業界全体のなかでの位置づけを知りたい場合はハウスメーカー保証ランキングも参考になります。
見積書と保証条件を並べて比べても、どちらが自分にとって妥当なのか判断しづらいことがあります。そうした場合、住宅会社とは別の第三者に見積書の中身を確認してもらう方法もあります。見積もりバンクでは、契約前の見積書を第三者の立場でチェックする契約前見積もり診断を行っています。
何を優先するかで結論が変わる|重視項目別の判断

「人によります」で終わらせないために、優先順位ごとに整理します。なお両社はいずれも大手のなかでも高価格帯に位置します。業界全体での立ち位置はハウスメーカー分布図で確認できます。
重視すること | 傾向として向くのは | 理由 |
予算を抑えたい | セキスイハイム | 公表されている1棟あたり単価が約1,800万円低い。ただし仕様と面積によって逆転の余地はある |
間取り・外観の自由度 | 積水ハウス | 邸別設計。鉄骨で最大スパン7m(3・4階建ては9m)、木造シャーウッドでは壁倍率最大10相当 |
3階建て・狭小地・変形地 | 積水ハウス | フレキシブルβシステムで通し柱の制約から解放される設計。ユニットは搬入・据付の条件が制約になる |
施工品質のばらつきを避けたい | セキスイハイム | 構造体の生産工程の自動化率86%(2023年度)。現場作業の比重が小さい |
現場工程を短くしたい | セキスイハイム | 据付は公式に「わずか1日で完了」と記載 |
太陽光・蓄電池を含めた光熱費対策 | セキスイハイム | 太陽光発電搭載住宅の累計254,591棟(2025年3月末)、蓄電池e-Pocket累計7.8万棟(2025年3月末・新築とリフォームを含む出荷棟数)と実績を公表 |
断熱の水準を事前に確認したい | セキスイハイム | 断熱等級6を標準化していると公表(5〜7地域の平屋・2階建て戸建全商品、条件により例外あり)。積水ハウスは「等級6に対応可能」との記載にとどまる。どちらも実際の値は個別プランでの計算が必要 |
30年目までのメンテ負担を抑えたい | 積水ハウス | 10年・20年点検で必要と判断された補修工事が無償 |
木造がいい | どちらも選択肢あり | 積水ハウス=シャーウッド構法(集成材+金物接合)/セキスイハイム=グランツーユーV(2×6のユニット) |
この表は「傾向」であって、あなたの結論ではありません。土地の形状、必要な延床面積、予算の上限、選ぶ商品グレードによって、いずれの項目も入れ替わりえます。最終的には、次の章の手順で自分の条件の見積もりを取ることでしか決まりません。
モデルケース:33坪の2階建てを両社で検討したら見積書はどう違うか

設定:夫婦+子ども1人。土地は取得済み(前面道路6m、整形地)。延床33坪前後の2階建て。建物の予算は4,000万円台前半を想定。
起点となる公表値 セキスイハイムの2025年度実績は、平均床面積110.8㎡(約33.5坪)で1棟あたり3,830万円。まさにこのモデルケースと近い規模です。積水ハウスは平均床面積を公表していませんが、1棟あたり単価は5,642万円です。
ここで起きること
同じ「33坪」を伝えても、返ってくる見積書の範囲が違う。A社は本体工事のみ、B社は付帯工事を含めた請負金額で出してくる、ということが実際に起こります。最初の提示額が近くても、含まれる範囲が違えば比較になりません。
標準仕様の中身が違う。セキスイハイムは断熱等級6が標準(5〜7地域の平屋・2階建て全商品)、開口部の標準はペアガラスでトリプルガラスと樹脂サッシはオプションです。積水ハウスは断熱等級6に対応可能としていますが、標準か対応可かは提案内容次第です。同じ「断熱等級6」でも、標準に入っているかオプションかで金額が変わります。
太陽光・蓄電池の扱いで総額が動く。セキスイハイムは太陽光と蓄電池を軸にした提案が多く、その分だけ請負金額が上がります。一方で光熱費と売電で回収する設計になっているため、初期費用だけを見ると高く、30年で見ると評価が変わるという構造になります。
建物以外の費用は、どちらもほぼ同じだけ発生する。外構、地盤改良、カーテン、照明、エアコン、登記、火災保険、住宅ローン諸費用は、会社を変えても消えません。ここが見積書に載っていないと、総額の比較になりません。
契約する会社名が違う。積水ハウスは積水ハウス株式会社と、セキスイハイムは担当エリアの地域販売会社と契約します。
このケースから分かること
最初に届く2枚の見積書は、ほぼ確実に「同じ範囲」を示していない。まず範囲をそろえる作業が要る。
断熱・耐震の等級が同じでも、標準に含まれるかオプションかで数十万〜数百万円動く。
太陽光・蓄電池を含む提案は、初期費用と30年コストのどちらで判断するかで結論が変わる。
建物以外の費用(外構・地盤・諸費用)は会社選びでは減らない。ここを見積書に載せてもらうことが、総額比較の前提になる。
同じ条件で見積もりを取るための依頼文と比較手順

ここまでの内容を、実際の行動に落とし込みます。
依頼時に伝える条件(コピーして使える文面)
両社に同じ文面で伝えると、返ってくる見積書の前提がそろいます。
見積もりをお願いするにあたって、他社とも比較したいので、条件をそろえさせてください。
①延床◯◯坪・◯階建て・◯LDKで、建築地は◯◯(住所または町名まで)です。
②金額は『本体工事費』『付帯工事費』『別途工事・諸費用』の3つに分けて記載してください。
③外構、地盤改良、屋外給排水、カーテン、照明、エアコン、登記費用、火災保険、住宅ローン諸費用について、現時点で概算が入らない項目も「別途」と明記のうえ、想定金額のレンジを併記してください。
④標準仕様に含まれるものと、オプションになるものを区別して記載してください。
⑤このプランでのUA値と耐震等級を教えてください。
⑥見積書の有効期限と、価格改定の予定があれば教えてください。
以上を同じ形式でいただけると、社内で比較しやすくなります。よろしくお願いします。
③がポイントです。「別途」とだけ書かれた項目に想定レンジを併記してもらうことで、契約後に増える金額のあたりがつきます。
3つの階層に分けて金額を並べる
受け取った見積書は、次の3層に分けて集計し直します。会社ごとの様式の違いに引きずられないためです。
層 | 含めるもの | 見るポイント |
A:建物本体 | 基礎・躯体・屋根・外壁・内装・標準設備 | ここだけを比べても意味が薄い。坪単価はこの層から計算される |
B:付帯工事 | 屋外給排水、仮設、地盤改良、解体、給湯・空調、太陽光・蓄電池 | 会社によってAに入っていたりBに入っていたりする最大の落とし穴 |
C:別途工事・諸費用 | 外構、カーテン、照明、エアコン、登記、火災保険、ローン諸費用、地鎮祭、引越 | 見積書に載っていないことが多い。載っていない=発生しない、ではない |
A+B+Cを合計した数字だけが、比較可能な総額です。
各項目の具体的な確認方法は注文住宅の見積書チェックリストに、依頼から比較までの進め方はハウスメーカー相見積もりの進め方にまとめています。
営業担当者に聞いておきたい質問
公表されていない項目を埋めるための質問です。両社共通のものと、各社向けのものに分けました。
両社に共通して聞くこと
「この金額から引き渡しまでに増える可能性がある項目を、現時点で分かる範囲ですべて教えてください。金額が確定していないものは、想定レンジで構いません」
「見積書に入っていない工事・費用を、一覧で書き出していただけますか」
「このプランのUA値と耐震等級を、設計が確定した段階で書面でいただけますか」
「保証を最長まで維持するために必要なメンテナンス工事を、実施時期と概算費用の一覧で見せてください」
「この見積もりの有効期限はいつまでですか。値上げの予定があれば時期を教えてください」
積水ハウスに聞くこと
「このプランのUA値はいくつになりますか。公式サイトに数値の記載がないので、個別に計算した値を教えてください」
「初期30年保証の対象は2018年4月1日以降の契約分と理解していますが、10年・20年の点検で必要と判断された補修工事は無償という理解で合っていますか。判断の基準はどこにありますか」
「35年目以降の点検・補修はすべて有料・有償と伺いましたが、現時点での費用の目安を教えてください」
セキスイハイムに聞くこと
「契約は積水化学工業ではなく、どちらの販売会社との契約になりますか。見積書・保証書に記載される社名を教えてください」
「この土地でユニットの搬入と据付が可能か、設計に入る前に判断していただけますか。追加のクレーン費用や道路使用の手配が必要なら、その概算も教えてください」
「外壁を磁器タイル以外にした場合、外壁の保証は10年になるという理解で合っていますか。その場合、10年目以降のメンテナンス費用の目安はいくらですか」
「5年ごとの定期診断は無償と伺いましたが、診断で見つかった工事のうち有償になるのはどの範囲ですか。過去の実績で、何年目にどのくらいの費用が発生していますか」
契約前に確定させておきたいこと

比較が終わり、どちらかに決めたあとの話です。
契約後は変更しづらくなる項目があります。
契約前に確定させたいもの
請負金額に含まれる工事の範囲(A層とB層の切り分け)
標準仕様の内容と、オプションの単価表
構造・断熱・耐震のグレード(UA値、断熱等級、耐震等級)
外壁材・屋根材の種類(保証年数に影響する場合がある)
太陽光・蓄電池の容量と、それを含めた請負金額
地盤調査の結果と、地盤改良費の見込み
契約前に「確認」しておきたいもの(金額の確定は難しくても、条件は確認できる)
見積書の有効期限と、価格改定があった場合の扱い
着工後に仕様変更をした場合の精算ルールと、変更の締切時期
引き渡しが遅延した場合の扱い
解約する場合の違約金の考え方
保証書の記載内容と、メンテナンスプログラムの費用
契約後でも比較的変えやすいもの
内装材の色・柄(ただし発注前まで)
照明・カーテン・エアコン(施主支給の可否は事前確認が必要)
外構(別途発注にすれば選択肢が広がる)
💬 営業担当者に聞いてみよう
「契約後に変更できる項目と、変更できなくなる項目を、時期ごとに一覧で教えてください。あわせて、変更が有償になるタイミングも知りたいです」
契約直前の段階でしたら、契約前に確認すること完全チェックリストで漏れがないかを確認してください。
よくある質問

Q. 積水ハウスとセキスイハイムは同じグループ会社ですか。
いいえ。積水化学工業が積水ハウス株の2.19%を保有しているだけで(2026年1月31日現在)、親会社・子会社の関係でも、持分法適用関連会社の関係でもありません。積水化学工業の有価証券報告書の関係会社一覧にも、積水ハウスは含まれていません。ルーツは共通で、1960年に積水化学工業のハウス事業部を分社化して積水ハウス産業株式会社(現・積水ハウス)が設立されました。
Q. 結局どちらが高いのですか。
公表されている1棟あたり単価では、積水ハウスのほうが高くなっています(2025年度:積水ハウス5,642万円、セキスイハイム3,830万円)。積水ハウスは平均床面積を公表していないため坪単価を直接比較できませんが、床面積を100㎡から150㎡まで仮に置いて逆算すると、いずれの前提でもセキスイハイムの公表坪単価114.0万円を上回ります。ただしこれは平均の話です。あなたが選ぶ商品・仕様・面積によって、個別の見積もりでは逆転する可能性があります。
Q. 両社の坪単価を紹介している記事の数字は、なぜバラバラなのですか。
本体工事費だけの数字か請負金額かが揃っておらず、前提となる延床面積・地域・商品・階数・税の扱い・時点も明示されていないためです。実際に上位10記事を確認したところ、積水ハウスの坪単価は55万円から150万円まで幅がありました。出典を明示していた記事は10本中1本でした。
Q. セキスイハイムはどこと契約することになりますか。
積水化学工業ではなく、担当エリアの地域販売会社です(東京セキスイハイム、セキスイハイム中部、セキスイハイム東北など)。いずれも積水化学工業が議決権の100%を保有する子会社で、有価証券報告書では主要な事業内容が「建築工事の請負及び不動産の販売」と記載されています。各社が個別に建設業許可と宅建業免許を取得しています。
Q. 断熱性能はどちらが上ですか。
公表情報では数値比較ができません。セキスイハイムは5〜7地域の平屋・2階建ての戸建全商品で断熱等級6を標準化していますが、公式ページに載っている「0.46」は国が定めた等級6の基準値であり、同社が公表した実測・計算値ではありません。積水ハウスは「断熱等級6にも対応可能」と記載していますが、UA値の数値は公表していません。比較したい場合は、自分のプランでの計算値を両社に出してもらうしかありません。
Q. 保証はセキスイハイムの60年のほうが長いのですか。
年数だけを見ればセキスイハイムは60年目まで定期診断を無償で行い、65年目以降も100年目まで任意診断を無償としています。ただし保証そのものは最長30年で、保証対象外のメンテナンス工事は有償です。65年目以降の任意診断は会社からの案内予定がなく、施主からの申し込みが前提です。積水ハウスは初期30年保証で、10年・20年点検で必要と判断された補修工事は無償ですが、35年目以降の点検・補修はすべて有料・有償となります。無償なのが「診断」なのか「工事」なのかを分けて読むと、実態が見えます。
Q. 土地が狭くてもセキスイハイムで建てられますか。
ユニットをクレーンで据え付けるため、前面道路の幅、トレーラーの進入、クレーンの設置スペース、上空の電線などが条件になります。公式には基準値が公表されていないため、土地が決まっているなら設計に入る前に現地判断を依頼してください。
Q. どちらも見積もりを取ったあと、断りづらくなりませんか。
相見積もりは住宅業界では一般的です。最初の依頼時に「他社とも比較している」と伝えておくと、後の連絡が進めやすくなります。
まとめ:判断の順番

積水ハウスとセキスイハイムは、60年以上前に分かれた別会社です。いま両社を比べるときに使える公表データと、使えないデータははっきり分かれています。
判断は、次の順番で進めるのが現実的です。
土地の条件を先に確認する。ユニットの搬入・据付が可能かどうかは、間取りの前に決まる話です。
公表値で分かることを押さえる。1棟あたり単価は積水ハウス5,642万円、セキスイハイム3,830万円(いずれも2025年度)。平均では積水ハウスのほうが高い。
同じ条件で見積もりを依頼する。本体・付帯・別途の3層に分けて出してもらい、「別途」の項目にも想定レンジを併記してもらう。
公表されていない項目を質問で埋める。UA値、耐震等級、保証維持のためのメンテナンス費用、搬入条件。
総額(A+B+C)で比べ、そのうえで優先順位に照らす。自由度なら積水ハウス、初期費用と工場品質・工程の短さならセキスイハイム、というのが公表情報から見える傾向です。
数千万円の判断を、出典のない坪単価だけで決める必要はありません。両社とも、聞けば答えてくれる情報のほうが、ネット上にある情報よりずっと具体的です。
2社まで絞ったあとの決め方そのものに迷っている場合は、ハウスメーカー2社で迷ったときの3つのポイントもあわせてご覧ください。
見積書を並べても、含まれている範囲が違って比べられない。あるいは「別途」の項目が多くて総額が読めない。そうした状態のまま契約日が近づいている場合は、住宅会社とは別の立場の人に見てもらうという選択肢もあります。見積もりバンクでは、契約前見積もり診断で、契約前の見積書に必要な費用が含まれているか、増額のリスクがどこにあるかを第三者の立場で確認しています。
調査方法
本記事の数値は、2026年8月20日時点で以下を確認して作成しました。
積水ハウス株式会社:2026年1月期 決算概要・決算短信、第75期有価証券報告書、会社概要、株式情報、技術カタログ、保証・アフターサービス各ページ、ニュースリリース
積水化学工業株式会社:2026年3月期 決算説明会資料・決算短信、第104期有価証券報告書、歴史・沿革ページ、グループ企業一覧
セキスイハイム公式サイト、セキスイハイムオーナーサポートサイト、各地域販売会社の会社概要
国土交通省 報道発表資料
金額・性能・保証の数値は、原則として各社が公表している値をそのまま記載し、公表がない項目は「非公表」と明記しています。編集部による試算にはその旨を付記しました。
参考文献・出典
本記事の主要な数値の根拠です。すべて2026年8月20日に内容を確認しています。
価格
積水ハウス 2025年度 決算概要(2026年3月5日発表)── 注文住宅1棟当たり単価5,642万円(2024年度5,248万円)
積水化学工業 2026年3月期 決算説明会資料(2026年4月28日発表)── 戸建単価38.3百万円、坪単価114.0万円、平均床面積110.8㎡、販売棟数7,670棟、ZEH比率95%
積水化学工業 2027年3月期 第1四半期 決算説明会資料(2026年7月31日発表)── 1Qの坪単価121.6万円、戸建単価4,020万円
2社の関係・契約主体
積水ハウス 株式情報(基準日2026年1月31日)── 積水化学工業の持株比率2.19%(第4位)
積水化学工業 第104期 有価証券報告書── 地域販売会社の事業内容「建築工事の請負及び不動産の販売」、議決権100%、関係会社一覧
積水化学工業 歴史・沿革(1970年代)── ハウス事業部の分社化と積水ハウス産業の設立
保証
積水ハウス 初期30年保証── 保証対象部位、継続条件、2018年4月1日以降契約分が対象
積水ハウス ユートラスシステム── 35年目以降の点検・補修の扱い
セキスイハイム アフターサポート── 最長30年保証、継続条件、保証対象外工事は有償、外壁の保証期間
セキスイハイム オーナーサポート 点検・診断── 定期診断・任意診断のスケジュールと注記
住宅性能
セキスイハイム 気密・断熱性能── 断熱等級6の標準化と対象範囲、断熱等級6の基準値(5〜7地域0.46)
積水ハウス ぐるりん断熱── 断熱等級6への対応、ZEH外皮基準(UA値の数値記載なし)
積水ハウス 2025年度のZEH・ZEB比率に関するニュースリリース(2026年4月22日)── 戸建ZEH比率96%、累計95,776棟
制度
国土交通省 報道発表「令和7年4月1日から省エネ基準適合の全面義務化や構造関係規定の見直しなどが施行されます!!」(令和6年4月16日発表)









