鉄骨と木造、結局どっちが正解?暮らし方で変わる選び方を解説
- 見積もりバンク担当者

- 2025年12月30日
- 読了時間: 20分
更新日:2025年12月30日
「災害に強い鉄骨にするべき?それとも、冬温かい木造?」 「営業マンは自社がいいと言うけれど、本当のデメリットが知りたい……」
一生に一度の家づくり。その根幹となる「構造選び」は、誰もが直面する最大の難所です。ネット上には「鉄骨は冬寒い」「木造はシロアリが怖い」など、正反対の極端な情報が溢れており、調べれば調べるほど迷ってしまう方も多いでしょう。
2025年現在、住宅技術の飛躍的な進化により、両者の弱点は克服されつつあります。しかし、「物理的な特性」からくる住み心地や将来的なメンテナンス費用の差は依然として存在します。本記事では、2万字を超える圧倒的なボリュームで、忖度なしの真実を専門家の視点から解き明かします。

目次
1-1. 情報が多く「正反対の意見」に振り回される
1-2. 住宅会社の「営業トーク」で判断軸がブレる
1-3. 正解は一つではない:立地と価値観が「最適解」を決める
2-1. 構造の違いとその特徴(軽量・重量・軸組・2×4)
2-2. 耐震性・耐久性の考え方(耐震等級3の裏側と揺れ方の差)
2-3. 設計自由度の違い(大空間・大開口なら鉄骨、変形地なら木造)
3-1. 断熱性・気密性:材料の「熱伝導率」がもたらす体感温度の差
3-2. 音・振動の感じ方:外の騒音遮断と上下階の音のリアル
3-3. 夏暑く冬寒いと感じやすいのはどっちか:2025年最新UA値の視点
5-1. 30畳超の大空間やビルトインガレージを最優先したい
5-2. 職人の腕に左右されない「安定した工場品質」を求める
5-3. 大手メーカーの長期保証と資産評価(スムストック)を重視する
6-1. 少ない光熱費で「魔法瓶のような暖かさ」を実現したい
6-2. 予算のメリハリをつけ、内装や設備にこだわりたい
6-3. 数十年後の間取り変更や大規模リフォームの柔軟性を残したい

なぜ私たちは、これほどまでに構造選びで頭を抱えてしまうのでしょうか。その背景には、情報化社会特有のノイズと、業界の営業構造があります。
1-1. 情報が多く「正反対の意見」に振り回される
現代はスマホ一つで膨大な口コミにアクセスできますが、それが逆に判断を難しくしています。
情報の極端化
SNSでは「鉄骨は冷蔵庫のように冷える」「木造は30年で腐る」といった、一部の極端な失敗事例が目立ちます。
技術の進化
20年前の常識は、2025年現在の最新住宅には当てはまりません。親世代の「昔の常識」と最新カタログの矛盾が混乱を生んでいます。
1-2. 住宅会社の「営業トーク」で軸がブレる
展示場へ行くと、どの担当者も自社の構造こそが「最強」だと説得力のある説明をします。
鉄骨メーカー
「大地震でも無傷」「60年の長期保証」「資産価値が高い」
木造メーカー
「木の調湿作用で健康」「圧倒的な断熱性」「将来の増改築が楽」 これらはすべて事実の一部ですが、**「自社に不都合な真実」**は語られません。施主は、異なる土俵での「強み自慢」を比較させられることになります。
1-3. 「正解は一つではない」という本質
論争が続く最大の理由は、どちらかが完璧なのではなく、それぞれに「得意な暮らし方」があるからです。
立地: 狭小地か、ゆとりのある平地か。
将来設計: 子供が独立した後に間取りを変えるか。
体質: 極度の寒がりか、あるいは「何よりも頑丈さ」を求めるか。
「どっちが優れているか」ではなく、**「自分たちの理想にどちらがフィットするか」**という視点が、迷いから抜け出す唯一のルートです。
💡 比較でチェック!「構造選び」の誤解と真実
項目 | よくある誤解 | 2025年のリアルな真実 |
地震 | 鉄骨以外は危ない | 木造(耐震等級3)でも倒壊リスクは極めて低い |
火災 | 木造はすぐ燃え尽きる | 木は表面が炭化して芯が残る。鉄は熱で急激に強度が落ちる |
寒さ | 鉄骨は氷のように冷える | 外張断熱などの進化で、木造に近い暖かさが実現可能 |
寿命 | 木造はシロアリで終わる | 適切な防蟻処理と乾燥維持で、100年持たせることも可能 |
🏡 プロ視点のアドバイス
専門家コメント:住宅コンサルタント
「迷っている」ということは、あなたが**「家の性能が暮らしに与える影響」を真剣に考え始めた証拠**です。 実務上、最も危険なのは「大手だから安心」「なんとなく木が好き」という理由だけで決めてしまうこと。営業マンの言葉は一旦置いておき、**「夏に家の中でTシャツで過ごしたいか」「柱のない大きなリビングで友人を呼びたいか」**という具体的な生活シーンを書き出してみてください。構造は、その夢を叶えるための「道具」に過ぎないのです。

「鉄」と「木」では、家を支える「骨組み」の材料と組み方が根本から異なります。この違いを知ることは、災害時の安心感だけでなく、将来のメンテナンス費用の予測にも繋がります。
2-1. 構造の違いとその特徴
現代の戸建て住宅で採用される主な工法は、大きく分けて以下の4つです。
2-1-1. 鉄骨造(軽量鉄骨・重量鉄骨)
軽量鉄骨造: 大手ハウスメーカーの主流。厚さ6mm未満の鋼材を使い、工場で精密に生産した部材を現場で組み立てます(プレハブ工法)。**「品質のムラがない」**のが最大の長所です。
重量鉄骨造: 厚さ6mm以上の強固な鋼材を使用。ビルと同じ「ラーメン構造」が可能で、柱を最小限にした圧倒的な大空間を作れます。
2-1-2. 木造(木造軸組工法・2×4工法)
木造軸組工法(在来工法): 日本の伝統的な工法。柱と梁で支えるため、窓の位置や間取りの自由度が高く、将来のリフォームにも柔軟に対応できます。
2×4(ツーバイフォー)工法: 壁・床・天井の「面」で支える箱型構造。気密性を高めやすく、耐震性能が安定しているのが特徴です。
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2-2. 耐震性・耐久性の考え方
「鉄の方が木より強い」というイメージがありますが、2025年現在の住宅基準では、どちらを選んでも**耐震等級3(最高等級)**を確保するのが標準です。ただし、地震への「耐え方」が異なります。
鉄骨の耐震(しなりと粘り)
鉄は地震のエネルギーを「しなり」で吸収します。倒壊には非常に強いですが、揺れそのものは家に伝わりやすいため、家具の転倒防止対策がより重要になります。
木造の耐震(軽さとバランス)
木は鉄に比べて軽いため、建物にかかる地震のエネルギー自体が小さくなります。最新の木造住宅は、接合金物の進化により、繰り返しの余震にも強い構造になっています。
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2-3. 設計自由度の違い
「1階に大きなガレージを作りたい」「柱のない広いLDKにしたい」といった要望がある場合、構造の差が顕著に出ます。
鉄骨の得意分野
鋼材の強度が圧倒的なため、柱の間隔を広く取れます。**「ビルトインガレージ+その上に広いリビング」**といった、大きな開口部が必要な設計は鉄骨が圧倒的に有利です。
木造の得意分野
大空間は鉄骨に譲りますが、室内の細かな造作や、変形した土地に合わせた寸法の微調整は木造の方が得意です。また、数十年後のリフォームで**「壁を抜く」難易度**は、一般的に木造の方が低くなります。
📊 ひと目でわかる!工法別メリット・デメリット比較
項目 | 軽量鉄骨造 | 重量鉄骨造 | 木造(在来) | 木造(2×4) |
品質の安定感 | ◎(工場生産) | ◎(工場生産) | △(大工の腕) | 〇(マニュアル化) |
大空間の実現 | 〇(中程度) | ◎(最大) | △(工夫が必要) | △(制約あり) |
将来の改造 | △(メーカー縛り) | 〇(壁は抜ける) | ◎(極めて高い) | △(壁が抜けない) |
耐火性 | 〇 | 〇 | 〇(省令準耐火) | ◎ |
🏡 プロ視点のアドバイス
専門家コメント:一級建築士(住宅インスペクター)
カタログにある「耐用年数」だけで判断するのは禁物です。 実際には、「適切なメンテナンス」さえすれば、木造でも鉄骨でも100年持たせることは可能です。ここで注目すべきは、万が一の修理のしやすさです。鉄骨の敵は「サビ」、木造の敵は「腐り」ですが、鉄骨のサビが壁の中で進むと修復は非常に大掛かりになります。一方、木造は傷んだ柱を部分的に差し替える技術が確立されています。 構造の強さだけでなく、**「30年後、40年後に地元の工務店でも直せるか?」**という視点を持つと、将来の不安がぐっと減りますよ。

どれほど頑丈な家でも、夏暑く冬寒い家では幸せを感じられません。鉄骨と木造では、材料が持つ「熱の伝えやすさ」が決定的に異なるため、対策の仕方も変わってきます。
3-1. 断熱性・気密性:材料の「熱伝導率」の差
結論から言うと、「断熱・気密の作りやすさ」では木造が有利です。
木造の強み
木材はそれ自体が断熱材のような性質を持ち、鉄に比べて熱を伝えにくい(鉄の約350〜500倍の断熱性)素材です。そのため、魔法瓶のような高気密・高断熱住宅を比較的リーズナブルに実現できます。
鉄骨の課題(ヒートブリッジ)
鉄は非常に熱を伝えやすいため、柱を通じて外の寒さが室内に伝わる「ヒートブリッジ(熱橋)」が起きやすいのが弱点です。これを防ぐために、鉄骨メーカーは外張断熱などで柱をまるごと包むような高価な対策を施しています。
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3-2. 音・振動の感じ方:重量と密度の関係
「鉄骨の方が遮音性が高い」と思われがちですが、実はケースバイケースです。
外からの音
壁に重いコンクリート板などを採用することが多い鉄骨住宅の方が、外の騒音を遮断する力は高い傾向にあります。
家の中の音(足音など)
鉄骨造は「しなり」がある分、2階の足音や振動が伝わりやすいという側面があります。木造も2階の音は伝わりますが、最新の木造住宅では床に厚い合板や遮音材を重ねることで、鉄骨と同等以上の静かさを確保している会社も増えています。
3-3. 夏暑く冬寒いと感じやすいのはどっちか
「鉄骨は冬寒い」というイメージの正体は、先述のヒートブリッジと、鉄の「温まりにくく冷めにくい」という熱容量の性質にあります。
鉄骨住宅の体感
一度冷え切った鉄骨の柱が温まるまでには時間がかかります。最新モデルであれば断熱性能が向上していますが、安価な中古の軽量鉄骨住宅などでは、冬の朝の底冷えに驚くケースが少なくありません。
木造住宅の体感
湿度の変化を木が吸放湿してくれるため、日本のジメジメした夏でも肌触りがサラッとしやすいのが魅力です。エアコンの効きも、一般的には木造の方が早い傾向にあります。
📊 住み心地の「体感」比較表
項目 | 鉄骨住宅(最新) | 木造住宅(最新) |
冬の暖かさ | 〇(対策次第で快適) | ◎(魔法瓶のように温かい) |
夏の涼しさ | 〇(エアコン効率は普通) | ◎(遮熱と通風が得意) |
上下階の音 | △(振動が伝わりやすい) | 〇(対策パネルで軽減可) |
室内の調湿 | △(機械換気頼み) | ◎(木そのものに調湿性あり) |
🏡 プロ視点のアドバイス
専門家コメント:一級建築士(住宅コストアナリスト)
「住み心地」で後悔しないための裏技を教えましょう。それは、構造名で選ぶのではなく**『UA値(断熱性能)』と『C値(気密性能)』という実測値を見る**ことです。実は、鉄骨メーカーでも最高級グレードなら非常に暖かい家は作れます。しかし、木造と同じ暖かさを鉄骨で実現しようとすると、莫大なコストがかかります。 逆に、木造でも気密処理が甘い会社で建てれば、隙間風の入る寒い家になります。構造選びの際は、必ず担当者に**「この家はZEH基準をどのくらい超えていますか?」「C値の測定はしていますか?」**と聞いてみてください。この質問一つで、その会社が本当に快適な家を作れるかどうかが透けて見えますよ。

「鉄骨は高い、木造は安い」という図式は今も基本的には変わりませんが、その**「価格差の理由」と「住んでからかかるお金」**まで見通すと、印象がガラリと変わるかもしれません。
4-1. 建築費の相場感:なぜ鉄骨は高いのか?
2025年現在、ウッドショックの落ち着きと鋼材価格の高止まりにより、両者の建築費の差は以前よりも明確になっています。
鉄骨住宅(坪単価 90万円〜130万円以上)
材料である鉄自体の価格に加え、工場生産のシステム維持費、さらに重い建物を支えるための**「強固な地盤改良」**が必要になるケースが多く、総額は跳ね上がります。
木造住宅(坪単価 60万円〜100万円以上)
地域の工務店から大手ハウスメーカーまで幅が広いですが、鉄骨に比べると材料費を抑えられます。建物が軽いため、地盤改良工事のコストも安く済む傾向があります。
4-2. メンテナンス費用の違い:将来の「修繕費」を予測する
「鉄骨は頑丈だから維持費がかからない」というのは誤解です。
鉄骨住宅のメンテ
外壁にコンクリート系パネル(ALC等)を使用している場合、約15〜20年ごとの塗装や目地(シーリング)の打ち替えに、木造よりも高額な費用(150万〜250万円程度)がかかることがあります。
木造住宅のメンテ
最大の懸念はシロアリ対策ですが、最近は5〜10年ごとの防蟻処理(約10〜20万円)が主です。外壁材をタイルにするなどの工夫をすれば、鉄骨・木造に関わらず塗装費は抑えられます。
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4-3. 長期的なトータルコスト(ライフサイクルコスト)
家のコストは「住宅ローン」だけではありません。
火災保険料
鉄骨造は「T構造(耐火性能が高い)」とみなされ、木造よりも火災保険料が約半分近く安くなるという大きなメリットがあります。
固定資産税
鉄骨は資産価値の減少が緩やかだと判定されるため、木造よりも税金が高い期間が長く続きます。「家が長持ちする=税金を長く払う」という側面も無視できません。
💰 35年間の「支払いイメージ」比較表
項目 | 鉄骨住宅 | 木造住宅 |
初期建築費 | 非常に高い(地盤補強含む) | 中〜高(選択肢が広い) |
住宅ローン支払 | 月々の負担は大きめ | 予算を他に回しやすい |
火災保険料 | 安い(耐火性能の恩恵) | 高い(省令準耐火なら軽減可) |
光熱費 | 断熱対策次第で変動 | 比較的抑えやすい |
メンテナンス | 1回あたりの額が大きい | こまめな少額メンテが主 |
🏡 プロ視点のアドバイス
専門家コメント:住宅コストアナリスト
建築費の差額(例:500万円)を、35年ローンの月払いに換算すると約1.5万円の差になります。 「鉄骨の安心感に月1.5万円払えるか?」という視点で考えると、意外と現実的な判断ができるようになります。ここだけの裏話ですが、鉄骨メーカーの「60年保証」を維持するためには、そのメーカーが指定する高額な有償メンテナンスを受けることが条件となっているケースがほとんどです。 「将来の安心をメーカーにサブスク(定額課金)する」のが鉄骨、「自分たちでプロを見極めてこまめに直す」のが木造、という戦略の違いを理解しておきましょう。

鉄骨住宅は、単に「頑丈」というだけでなく、木造では実現が難しい「空間のカタチ」を可能にします。以下の条件に当てはまる方は、鉄骨造を選ぶメリットが非常に大きくなります。
5-1. 大空間・大開口を最優先したい人
鉄骨(特に重量鉄骨)の最大の武器は、その圧倒的な「強度」です。
柱のない広いLDK
30畳以上の大空間を、柱を一本も入れずに作りたい場合は鉄骨が最適です。
ビルトインガレージ
1階の大部分をガレージにするような、壁の少ない設計でも高い耐震性を維持できます。
巨大な窓
壁一面をガラス張りにするような、開放感あふれるデザインを実現したい方に向いています。
5-2. 徹底した「品質の安定」を求める人
鉄骨住宅は、部材のほとんどがコンピューター管理された工場で作られます。
職人の腕に左右されたくない
木造はどうしても現場の大工さんの技術力に依存する部分がありますが、鉄骨(プレハブ工法)は誰が組み立てても一定の品質が保たれる仕組みになっています。
完成までのスピード
現場での作業工程がシステム化されているため、工期が比較的短く、引っ越し時期の計画が立てやすいのも魅力です。
5-3. 「安心のブランド」と「長期保証」を重視したい人
大手鉄骨メーカーは、倒産のリスクが低く、独自の超長期保証制度を持っています。
初期保証30年〜60年
「何かあった時に逃げられない安心感」は、大手鉄骨メーカーならではの価値です。
資産価値の評価
大手メーカーの鉄骨住宅は、中古市場でも「スムストック(優良な既存住宅)」として評価されやすく、将来売却する際にも有利に働くことがあります。
📋 鉄骨住宅「選定」チェックリスト
以下の項目に3つ以上チェックが入るなら、あなたは鉄骨住宅派かもしれません。
30畳以上の柱がないLDKに憧れる
1階に並列2台以上のビルトインガレージを作りたい
災害時、自宅が「避難所」になるほどの安心感が欲しい
職人の技術差による「施工不良」のリスクを最小限にしたい
60年以上の長期にわたるメーカー保証を重視する
将来、家を高く売る可能性を考慮している
🏡 プロ視点のアドバイス
専門家コメント:一級建築士
実務上、鉄骨住宅をおすすめするケースで意外と多いのが**「都市部の狭小地で3階建てを建てる」**場合です。狭い土地で3階建てを木造で建てようとすると、耐震性を確保するためにどうしても「壁」が多くなり、窓が小さくなったり、部屋が細切れになったりしがちです。 ここを鉄骨にすることで、1階を駐車場にしつつ、2階・3階に明るく開放的な空間を確保できます。 「広々とした空間」を、構造的な不安なく手に入れられること。これこそが、高い建築費を払ってでも鉄骨を選ぶ真の理由です。

木造住宅は、単なる「安価な選択肢」ではありません。2025年現在、高断熱・高気密化が当たり前となった家づくりにおいて、木造は**「最も効率的に快適さを手に入れられる構造」**へと進化しています。
6-1. 断熱性・住み心地を最優先したい人
木造住宅の最大の強みは、素材そのものが持つ「温かさ」にあります。
夏涼しく冬温かい
木材は鉄の約350〜400倍以上も熱を伝えにくい性質を持っています。そのため、鉄骨造に比べて「冬の底冷え」が起きにくく、エアコンの効きが良い「魔法瓶のような家」を低コストで実現できます。
調湿効果と安ら
木には湿気を吸放湿する性質があり、日本の高温多湿な気候に適しています。また、木の香りに含まれるフィトンチッド成分によるリラックス効果は、科学的にも証明されています。
6-2. コストと自由度のバランスを取りたい人
「予算内で、こだわりも諦めたくない」という方に、木造は最も柔軟に応えてくれます。
地盤改良費の節約
木造は建物自体が軽いため、鉄骨造では数百万円かかるような地盤改良工事が、木造なら数十万円で済む、あるいは不要になるケースが多々あります。
ミリ単位の調整
柱を立てて組む在来工法(木造軸組工法)は、狭小地や変形地でも土地の形状に合わせて形を微調整しやすく、敷地を最大限に有効活用できます。
6-3. 将来のリフォームや「可変性」を考えている人
家族の形は30年、40年の間で変わります。その変化に最も強いのが木造です。
壁を抜きやすい
鉄骨造(特に軽量鉄骨のプレハブ)は、壁の中に重要な補強材が入っていることが多く、リフォーム時に「この壁は抜けません」と言われることが珍しくありません。対して木造は、構造を補強しつつ間取りを大きく変える工事が比較的容易です。
資産としての出口戦略
2025年以降、環境配慮型(カーボンニュートラル)の視点から、木造住宅の資産価値が見直されています。解体費用も安いため、将来の「土地としての売却」の際も有利に働きます。
📋 木造住宅「選定」チェックリスト
以下の項目に3つ以上チェックが入るなら、あなたの理想は木造住宅にあるかもしれません。
冬、家の中で裸足やTシャツで過ごせる「暖かさ」が欲しい
予算の浮いた分を、キッチンや家具などの「設備」に回したい
木の香りや質感に囲まれた「ナチュラルな暮らし」が好きだ
子供が独立した後、間取りを大きくリフォームする予定がある
地盤改良費や解体費など「見えないコスト」は極力抑えたい
環境負荷の少ないサステナブルな家づくりに共感する
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🏡 プロ視点のアドバイス
専門家コメント:一級建築士
実務上、2025年の「賢い選択」として注目されているのは、**「木造で浮かせた予算を、性能(断熱・太陽光)に全振りする」**という戦略です。鉄骨住宅に払うはずだった差額(500万〜1000万円)を、最高レベルの断熱材やトリプルガラスの窓、そして太陽光パネルと蓄電池に回してみてください。 すると、鉄骨造以上の「安心(災害時の停電対策)」と「快適(UA値0.2台の超高断熱)」、さらには「毎月の光熱費ゼロ」という実利を手に入れることができます。 「構造というブランド」を取るか、「日々の生活の質」を取るか。この視点を持つと、木造の価値がより明確に見えてくるはずです。

「鉄骨と木造、結局どっちが正解?」という問いに対する答えは、**「あなたが家に対して何を最も優先し、どのような人生を歩みたいか」**の中にあります。
2025年現在、両者の性能差は縮まりつつありますが、それでも「物理的な得意・不得意」は消えません。最後に、これまでの議論を総括し、あなたの決断を後押しするアクションプランを提示します。
7-1. 鉄骨造と木造、究極の選択マトリクス
これまでの内容を、直感的に判断できるよう4つの軸で整理しました。
あなたが優先したいこと | おすすめの構造 | その理由 |
安心・安全のブランド | 鉄骨造 | 大手メーカーの長期保証と、災害への圧倒的な実績がある。 |
開放感とデザイン | 鉄骨造 | 柱のない大空間や、壁一面の大きな窓は鉄骨の独壇場。 |
冬の暖かさと光熱費 | 木造 | 素材の断熱性が高く、少ないエネルギーで快適な室温を保てる。 |
コストと将来の可変性 | 木造 | 建築費を抑えられ、数十年後の間取り変更も柔軟にできる。 |
7-2. 後悔しないための「3つの最終確認」
判を押す前に、以下の3点だけは必ず自問自答してみてください。
「構造のブランド」に惹かれていないか?
営業マンの「鉄骨だから安心」という言葉に安心を買うのではなく、その裏にあるメンテナンス費用や冬の寒さ対策まで納得できているか確認してください。
「50年後の自分たち」を想像できているか?
子供が去り、自分たちが高齢になった時。家が広すぎないか、リフォームして平屋のように使えるか。その可変性は木造の方が高い傾向にあります。
予算の「余白」は残っているか?
鉄骨を選んだことで予算が限界に達し、家具や庭、あるいは日々のレジャーを諦めることになっていませんか?「家は箱」であり、幸せは「その中の暮らし」にあります。
7-3. 2025年、新しい時代の住まい選び
これからの時代、家は単なる「寝る場所」ではなく、エネルギーを自給自足し、長く快適に住み続ける「資産」としての価値が求められます。
鉄骨を選んで「揺るぎない安心」を手に入れるのも、木造を選んで「最高の住み心地とコスパ」を手に入れるのも、どちらも素晴らしい正解です。大切なのは、**「営業マンの正解」ではなく「あなたと家族の正解」**を選ぶこと。
🏡 プロ視点のアドバイス:最後に伝えたいこと
監修者:住宅コンサルタント・一級建築士
私がこれまで数多くの施主様を見てきて感じるのは、**「満足している人は、構造そのものではなく、その構造を選んだ『理由』に納得している」**ということです。「うちは寒がりだから、予算を断熱に振って木造にした」 「地震がとにかく怖いから、高いお金を払ってでも鉄骨の安心を選んだ」 こうした明確な根拠があれば、住んでからの多少の不都合(鉄骨の光熱費や木造のメンテナンス等)も、納得して受け入れることができます。もし、まだ迷っているなら、最後は**「その会社と担当者を信頼できるか」**という直感も大切にしてください。構造の壁を越えて、あなたの理想を形にしてくれるパートナーが、そこにいるはずです。
Q:鉄骨と木造、火災に強いのは結局どっち?
A:「避難する時間」を稼ぐなら木造、「全焼を防ぐ」なら鉄骨という側面があります。木は表面が炭化して芯が残るため急な崩落を防ぎますが、鉄は一定温度(約550℃)を超えると急激に強度が失われます。現代ではどちらも「省令準耐火」などの対策が一般的で、火災保険上も評価されています。
Q:シロアリ被害が怖いのですが、鉄骨なら安心ですか?
A:鉄骨造でも、**床下や壁の中には木材(下地材)が使われていることが多く、被害がゼロではありません。**ただし、主要な骨組みが鉄である分、倒壊リスクは木造より低いと言えます。木造でも現代の防蟻処理(ベタ基礎やホウ酸処理)を徹底すれば、過度に恐れる必要はありません。
Q:将来の「売りやすさ(資産価値)」で差はつきますか?
A:法定耐用年数が長い鉄骨造の方が、銀行の評価は出やすい傾向にあります。しかし、2025年以降は「建物の質(長期優良住宅やZEH)」が重視されます。木造でも適切にメンテナンスされ、履歴が残っている家なら、十分に高く売却することが可能です。
参照内容: 耐震等級3の定義および、鉄骨造・木造それぞれの評価基準。
一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会(HEAT20)
参照内容: 外皮平均熱貫流率(UA値)のグレード(G1〜G3)別、鉄骨・木造の防露・断熱設計の推奨指針。
参照内容: 鉄骨の熱橋(ヒートブリッジ)による熱損失計算モデルと、木造の気密性能に関する研究データ。
参照内容: 大手ハウスメーカーによる鉄骨住宅の残存価値評価基準および、建物履歴管理制度の動向。
参照内容: 構造別(非木造・木造)の経年減点補正率と、税額減少スピードの差異。
損害保険料率算出機構:火災保険料率の構造区分(T構造・H構造)
参照内容: 鉄骨造と木造(省令準耐火含む)における保険料率の算出根拠。
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