坪単価だけで判断NG!実は金額が跳ね上がる「含まれていない工事」とは?|坪単価の罠に注意
- 将士 飴本
- 5月7日
- 読了時間: 8分
更新日:6月3日

目次
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1: 坪単価の罠とは?正しい定義と誤解されやすいポイントを解説

1-1. 坪単価の正しい意味と定義
坪単価とは「建物本体価格÷延床面積(坪数)」で算出される、住宅業界の価格指標です。
多くのハウスメーカーや工務店、設計事務所、住宅情報サイトでも「坪単価」という言葉が頻繁に使われますが、この“定義”が事業者ごとにあいまいでバラバラなことが最大の落とし穴です。
例えば同じ「40万円/坪」と聞いても、その中に含まれている工事や設備の範囲はまったく異なる場合があります。延床面積の定義も、「バルコニー含む・含まない」「車庫は別」「ロフトや吹き抜けは除外」など、算出根拠自体が異なるため、同じ30坪でも総額がまるで変わってしまうことに…。
【実例コラム】
筆者の顧客で、A社(坪単価45万円)とB社(坪単価42万円)で契約を迷っていた方がいます。A社は照明・カーテン・外構・地盤改良が含まれていませんでしたが、B社は最初から「住める家の総額表示」。最終的にA社の“安い坪単価”に飛びついたものの、追加費用で予算が500万円もオーバー。坪単価の定義を見落とした典型例でした。
1-2. ランキングやブログで語られる坪単価の罠
住宅系ポータルサイトやランキングブログ、SNSの「安さ」をアピールする広告には注意が必要です。
坪単価ランキングでよく見かける“最安値の数字”は、「限定プラン」や「最低仕様」のみを抜き出した「見せ坪単価」。細かい条件・設備・敷地条件が異なるにもかかわらず、単純な坪単価数字で比較させて契約に誘導する手法が横行しています。
【業界裏話】
とあるローコストメーカーの営業担当は「“坪単価28万円~”の宣伝で集客して、来場後にグレードアップやオプション、外構費用で最終的には坪50万円を超えるのが普通です」と証言。つまり広告の坪単価を鵜呑みにするのは危険です。
1-3. 坪数・延床面積・床面積の違いと計算方法
「坪単価」とは言いますが、その“坪数”の計算方法は住宅会社によって大きく異なります。
延床面積…建物の各階の床面積の合計(バルコニー・ロフト・車庫の扱いに差)
施工面積…玄関ポーチや吹き抜け、バルコニーも一部含む
壁芯・内法…壁の中心線で計算するか内側かも異なる
結果、「坪単価40万円」と表示していても、どこまで含めるかで総額100万円以上の違いが出ることも。
【具体比較表】
会社 | 坪単価 | 計算方法 | 含む面積 | 建物価格 | 差額 |
A社 | 40万 | 延床のみ | 28坪 | 1,120万 | ー |
B社 | 38万 | 施工面積 | 31坪 | 1,178万 | +58万 |
1-4. 坪単価と標準仕様・本体工事の基準
「標準仕様」「本体工事」の中身も、会社によって違います。【例】
トイレや洗面台が最低限のグレード
キッチンのグレード選択肢が限られる
照明・カーテンは「別途」実際に住み始めるには「付帯工事」「外構」「カーテン」「照明」「エアコン」なども必要ですが、これらはほとんどの場合、本体工事には含まれていません。
【標準仕様比較チェック表(例)】
設備項目 | A社 | B社 | C社 |
キッチン | 標準 | 高グレード | 選択可 |
トイレ | 標準 | 標準 | グレードUP |
照明 | 別途 | 標準 | 別途 |
外構 | 別途 | 別途 | 標準一部 |
2: 坪単価だけで住宅価格を比較する危険性と理由

2-1. 坪単価の算出方法と見せ方の違い
坪単価=建物本体価格÷延床面積(坪)。…ですが、この“建物本体価格”は「どこまで含むか」が会社ごとに違います。
外構や地盤改良、照明・カーテンなどが除外されていれば、坪単価は安く見える
“別途工事”や“オプション”で後から費用がかさむ仕組み
【FAQ】
Q. 「本体工事に何が含まれていますか?」
A. 必ず書面で一覧をもらい、含まれない項目は“別途工事リスト”として追加で確認しましょう。
2-2. ローコスト住宅や大手メーカーの坪単価の目安とその裏側
ローコスト住宅は広告で「坪単価25万円~」をうたうことが多いですが、実際に住める家の総額は
本体工事:25万×30坪=750万円
付帯工事・外構・地盤改良・諸費用で+500万円~800万円となり、最終的な坪単価は40~50万円に…。
大手メーカーも「坪単価80万円~」と高く見えますが、その分、性能・保証・設備の厚み・アフター対応も充実していることが多いです。
2-3. 注文住宅・ローコスト住宅・ハウスメーカーの坪単価比較
会社タイプ | 坪単価の範囲 | 含まれるもの | 別途になるもの |
ローコスト住宅 | 25万~45万 | 最低限の本体工事 | 外構・地盤・設計料など |
地元工務店 | 40万~60万 | 一部付帯工事含む | 外構・諸費用など |
大手ハウスメーカー | 60万~100万 | 高グレード標準仕様・保証 | 特殊仕様や土地条件等 |
【業界エピソード】
「安さだけで契約したら、外構や地盤改良で300万円追加、カーテンやエアコンも別料金。結果、坪単価が20万円上がってしまった…」という相談が非常に多いです。
2-4. 坪単価90万・坪単価25万の事例と価格の違い
【事例1:坪単価90万】
耐震・断熱性能最高グレード
ハイグレード設備・外構・保証も込み
トータルコストは高いが追加費用が少ない
【事例2:坪単価25万】
本体工事最低限
外構・地盤・カーテン・照明・登記・仮住まいなど全て別途
見積もり時より最終的に大きく上昇
3: 坪単価に含まれていない工事と費用内訳の実態

3-1. 本体工事・付帯工事・別途工事の具体的な違い
工事項目 | 内容例 | 割合目安 |
本体工事 | 構造・外壁・屋根・キッチン・風呂・配管など | 約60% |
付帯工事 | 地盤改良・外構(駐車場・塀・門柱)・照明・カーテン | 約20% |
別途工事 | 設計料・登記費用・火災保険・仮住まい・登記費用 | 約10% |
諸費用 | ローン事務手数料・引越費用・印紙代など | 約10% |
3-2. 土地代や諸費用・設備・設計料は入っている?
「坪単価表示にはほぼ含まれていません」
土地代、設計料、登記、ローン諸費用などはすべて別途請求が原則
都市部では地盤改良や外構で数百万円の追加も
3-3. 施工エリアや建物仕様による必要コストの変化
都市部は施工単価や地盤改良費が高め
郊外や特殊な敷地では造成・上下水道引き込み・法規対応で費用増
仕様(耐震・断熱・省エネ・バリアフリー)で大きくコスト差
3-4. 見積もり・工事費・無料サービスの比較方法
見積書は**「住める総額」**で比較すること
どこまでが無料・有料なのか明確にする
オプション・キャンペーン・割引なども全体の中で再計算を
4: 工務店・ハウスメーカーの比較と特徴

4-1. 地域工務店・大手メーカーの坪単価の基準と選び方
【地域工務店】
柔軟性があり個別提案力に強み
価格交渉や仕様のカスタマイズもしやすい
品質や保証、工期のばらつきは会社ごとに異なる
【大手ハウスメーカー】
品質・保証・ブランド力・工期の明確さ
設備・仕様のグレードアップが容易だが、その分価格も上がりやすい
付帯工事やオプション項目も明確なことが多い
【比較表】
項目 | 地域工務店 | 大手メーカー |
柔軟性 | ◎ | △ |
保証 | △ | ◎ |
価格帯 | ○ | △ |
設計自由度 | ◎ | △ |
4-2. 家づくりスタイル別に見たローコスト・ハイグレードの違い
ローコスト住宅=「本体工事を極限までシンプル化」、別途工事で追加請求
ハイグレード住宅=「性能・設備・保証込みで割高だが、完成度・満足度が高い」
契約時には「本体工事・付帯工事・別途工事・諸費用」すべて“表に書き出して”比較
4-3. 住まいや設計の質問・検討ポイント
坪単価に含まれる範囲はどこまでか?
追加工事やオプションのリストアップ
仕様・設備グレードのアップダウン時の金額変動
【FAQ】
Q. 「どこまでが標準仕様?」「追加費用の総額は?」
A. 必ず「標準仕様書」と「別途工事一覧」をもらい、納得いくまで質問を。
5: 新築・注文住宅で後悔しないための坪単価チェック方法

5-1. 本体価格と工事費・諸費用を明確にする方法
各社の見積書を「本体工事」「付帯工事」「別途工事」「諸費用」に分解し一覧表で管理
必ず全社「住める家の総額」で並べる
シートやエクセルを使って比較表を作成(テンプレ配布OK)
5-2. 予算や目安を参考にした資金計画の立て方
目安坪単価やネット情報に頼らず、“自分の希望・条件”で総額見積もりを複数社から取得
不明点・抜け項目はチェックリストで管理
家族・専門家と「総額」「内容」で納得感を重視
5-3. 仕様・デザイン・性能・保証内容の注意点
“本体価格”だけでなく「断熱・耐震・省エネ」「保証内容」「アフターサービス」まで確認
設備・仕様の違いを細かく比較。将来のリフォーム・メンテナンス費用も視野に
5-4. 失敗しない価格交渉・契約・比較のコツ
各社見積もりの「総額」「仕様」「保証内容」「担当者の説明力」をすべて比較
価格交渉は“根拠資料”をもとに、無理のない範囲で依頼
最終契約時には「約束事・追加条件」を必ず書面化
【失敗事例】
「契約後に大量の“別途費用”が発生」
「坪単価の安さで契約、住んでからの修繕費や性能不足に後悔」
「設計変更時の費用増加で予算大幅オーバー」
6. まとめ:本当に賢い家づくりのために
坪単価だけで判断するのは“最も危険”
必ず「本体工事」「付帯工事」「別途工事」「諸費用」すべてを明細化・比較
「住める家の総額」として、エクセル等で比較管理
標準仕様・保証・アフターサービス・担当者の信頼性までチェック
契約後のトラブル回避は“契約前の疑問解消”がカギ
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