住宅の諸費用の全貌|本体価格以外で必要な費用を徹底解説
- 見積もりバンク担当者
- 4月26日
- 読了時間: 18分
更新日:10月7日
更新日:2025年10月04日
マイホームの購入を検討するとき、多くの方が「住宅の本体価格」ばかりに注目してしまいがちです。しかし実際には、住宅の購入には本体価格以外にも多くの「諸費用」が発生します。仲介手数料や登記費用、税金、保険料などを合算すると、購入額の 5〜10% に相当することも珍しくありません。 本記事では、住宅にかかる諸費用の全貌を徹底解説します。新築一戸建て・注文住宅・建売住宅の違い、ローンに組み込める費用、購入後の維持費、さらに節約のコツまで、初心者から実務者まで役立つ内容を網羅しました。実際の相場やチェックリストも掲載し、読んだその日から資金計画に役立つ実践的なガイドです。
目次
1: 住宅にかかる諸費用の全貌
1-1: 住宅購入時の諸費用とは?基本を理解しよう
1-2: 新築一戸建てにかかる必要な費用の内訳
1-3: 注文住宅と建売住宅の諸費用の違い
1-4: 住宅購入後にかかる費用とは?
1-5: 住宅ローンに組み込むことができる費用
2: 計画的な資金準備の方法
2-1: 住宅購入のための資金計画の立て方
2-2: シュミレーションを用いた費用の算出方法
2-3: 頭金や手付金の目安と具体的金額
2-4: 生活費を抑えるためのコツと節約法
3-1: 仲介手数料や印紙税の詳細と相場
3-2: 固定資産税や都市計画税の計算方法
3-3: 火災保険や地震保険の種類と加入方法
3-4: 不動産取得税の軽減措置と申請方法
4-1: 住宅購入時に知っておきたいコスト削減法
4-2: 賢い融資利用法と金融機関の選び方
4-3: 事務手数料や報酬を節約する方法
5: 円滑な購入のための注意点
5-1: 契約時の注意点とトラブルを避ける秘訣
5-2: 住宅購入後に気をつけるべきポイント
5-3: 住宅ローンの審査基準と事前準備
6-1: すべての費用を把握するためのチェックリスト
6-2: 住宅購入後の手続きと精算の流れ
6-3: 未来を見据えた資金計画の重要性

第1章:住宅にかかる諸費用の全貌
1-1: 住宅購入時の諸費用とは?基本を理解しよう
住宅購入では「本体価格」だけでなく、さまざまな付帯費用=諸費用が発生します。一般的に物件価格の 5〜10% が目安とされ、3,000万円の家なら 150〜300万円 が必要です。
📋 代表的な諸費用
仲介手数料
登記費用(司法書士報酬含む)
印紙税
住宅ローン関連費用(保証料・事務手数料)
保険料(火災保険・地震保険)
税金(不動産取得税・固定資産税)
引越し費用・家具家電購入費
💡 プロ視点
「住宅ローン返済だけに目を向けず、“物件価格+諸費用”を必ず総予算として考えましょう。」
1-2: 新築一戸建てにかかる必要な費用の内訳
📊 新築一戸建て諸費用の目安(3,000万円の場合)
項目 | 相場の目安 | 備考 |
仲介手数料 | 最大約96万円 | 売主直売なら不要 |
登記費用 | 20〜50万円 | 所有権移転・抵当権設定 |
印紙税 | 1〜3万円 | 契約金額に応じる |
ローン事務手数料 | 3〜5万円〜借入額×2.2% | 金融機関により差 |
ローン保証料 | 借入額の0.2〜2% | 金利上乗せ方式もあり |
保険料 | 15〜40万円 | 火災・地震保険 |
不動産取得税 | 30〜50万円 | 軽減措置あり |
固定資産税精算 | 10〜20万円 | 初年度は日割り精算 |
引越し・家具家電 | 50〜100万円 | 世帯規模により変動 |
👉 諸費用合計は 100〜300万円前後。
💬 体験談
「見積もりより高く、総額で200万円以上かかりました。細かく確認していれば予算調整できたのにと反省しました。」
\➡ 関連記事:注文住宅の内訳明細書とは?成功する家づくりの秘訣!
1-3: 注文住宅と建売住宅の諸費用の違い
費用項目 | 注文住宅 | 建売住宅 |
土地取得費 | 必要(別契約) | 多くは土地込み |
建物請負契約 | 工務店と契約 | 不要 |
登記費用 | 土地・建物両方 | 主に所有権移転のみ |
住宅ローン | 分割借入のケースあり | 一括借入が多い |
設計料 | 別途必要 | 含まれるケースあり |
外構費用 | 別途必要 | 簡易外構込み |
👉 注文住宅は契約・費用が分散し複雑、建売は契約がシンプル。ただし建売は外構が最低限で、入居後に追加費用がかかることが多いです。
💡 プロ視点
「注文住宅は“自由度の高さ”と引き換えに諸費用管理が難しくなります。建売は“総額が分かりやすい”ですが、外構費を見落としがちです。」
1-4: 住宅購入後にかかる費用とは?
住宅購入は「契約・引渡し時」だけでなく、購入後も継続的な費用=ランニングコストがかかります。
📊 購入後の費用例
費用項目 | 年間の目安 | 注意点 |
固定資産税 | 10〜20万円 | 新築軽減は3〜5年 |
都市計画税 | 固定資産税の約0.3% | 一部非課税地域あり |
火災・地震保険 | 5〜15万円 | 更新が必要 |
外壁・屋根修繕 | 10年ごと100〜200万円 | 長期計画が必要 |
外構維持 | 年1〜5万円 | 駐車場・庭木の補修など |
💬 体験談
「固定資産税が軽減終了後に倍近く跳ね上がり、家計に大きな影響がありました。」
💡 プロ視点
「毎月“積み立て感覚”で維持費を管理しておくのが安心です。」
\➡ 関連記事:一軒家光熱費、平均よりも驚くべき実態とは?
1-5: 住宅ローンに組み込むことができる費用
金融機関によっては、諸費用の一部をローンに組み込めます(諸費用ローン)。
📋 対象になりやすい費用
登記費用
事務手数料
保証料
火災保険料
仲介手数料(一部金融機関のみ)
📊 例:3,000万円借入+諸費用200万円をローンに組込んだ場合
借入額:3,200万円
月返済:約90,000円(35年・金利1.0%)
総返済額:約3,810万円(現金払いより+240万円)
💡 プロ視点
「諸費用ローンは“現金が足りないときの選択肢”ですが、総返済額は確実に増えます。最低限の諸費用は現金で準備し、残りだけローンに組み込むのが理想です。」
\➡ 関連記事:住宅ローンは土地と建物でどう違う?融資の仕組みと注意点を解説
✅ 第1章まとめ
諸費用は本体価格の 5〜10%、新築一戸建てで 100〜300万円前後
注文住宅は契約が複雑で諸費用も分散、建売はシンプルだが外構費に注意
購入後も固定資産税・修繕費などのランニングコストが必要
諸費用ローンで初期負担を抑えることは可能だが、総返済額は増える
💬 専門家コメント
「住宅購入の失敗の多くは“諸費用を見落としていた”ことが原因です。資金計画では必ず**“物件価格+諸費用+維持費”**を前提にしましょう。」
第2章:計画的な資金準備の方法

2-1: 住宅購入のための資金計画の立て方
住宅購入は、物件価格や諸費用だけでなく、将来の生活費やライフイベントも見据えた資金計画が必要です。
📌 資金計画の基本ステップ
総予算の把握
物件価格+諸費用+引越し・家具家電費を含めたトータル予算を算出。
自己資金の確認
頭金・預貯金・親からの援助を含め、現金で準備できる額を明確に。
借入可能額と返済可能額の比較
金融機関が提示する借入可能額よりも、家計に無理のない返済可能額を基準に。
返済比率の設定
目安は年収の25%以内。余裕を持った返済額を計画する。
将来の支出を考慮
教育費・老後資金・車の買い替えなどを含めて資金繰りをイメージ。
📊 資金計画例(年収600万円・共働き世帯)
項目 | 金額 |
年収合計 | 600万円 |
借入可能額(年収倍率×7) | 約4,200万円 |
返済可能額(年収の25%) | 約1,500万円/年(=月12.5万円) |
借入予定額 | 3,500万円 |
自己資金 | 700万円 |
総予算 | 4,200万円 |
💡 プロ視点
「借入可能額=返済可能額ではありません。“返済可能額”を基準に予算を組むのが安全です。」
\➡ 関連記事:初心者向け!家づくりの資金計画の基本
2-2: シュミレーションを用いた費用の算出方法
費用シミュレーションを活用することで、返済総額や将来の家計への影響を事前に把握できます。
📊 シミュレーション例(借入3,500万円/35年/金利1.0%)
項目 | 金額 |
毎月返済額 | 約99,000円 |
年間返済額 | 約118万円 |
総返済額 | 約4,130万円 |
諸費用(登記・保険など) | 約200万円 |
総支払額 | 約4,330万円 |
👉 「借入額3,500万円でも実際の支払総額は4,300万円超」となる点に注意。
📌 利用できるツール
住宅金融支援機構「フラット35シミュレーション」
各銀行のローン返済シミュレーター
FPが作成するライフプランシート
💡 プロ視点
「金利上昇や収入減を想定した“厳しめの条件”でシミュレーションするのが安全です。」
2-3: 頭金や手付金の目安と具体的金額
住宅購入には、頭金と手付金を用意する必要があります。
📌 頭金の目安
一般的には物件価格の 20%程度
3,000万円の住宅 → 頭金600万円が理想
頭金ゼロでもローンは組めるが、毎月返済額と総返済額が大きくなる
📌 手付金の目安
売買契約時に支払う金額で、通常は物件価格の 5〜10%
3,000万円の住宅 → 150〜300万円
契約解除時の取り扱いに注意(違約金扱いになるケースも)
💬 体験談(30代夫婦・名古屋市)
「頭金を少なくして家具に予算を回しましたが、毎月の返済が厳しくなりました。やはり頭金をしっかり準備すべきでした。」
💡 プロ視点
「頭金は多いほど返済が楽になりますが、“生活費が逼迫するほどの頭金”は逆効果。貯蓄を残しつつ無理のない金額を設定しましょう。」
\➡ 関連記事:家買う初期費用はいくら?知っておくべき全情報【2025年最新版】
2-4: 生活費を抑えるためのコツと節約法
住宅ローンを抱えながら生活費を圧迫しないためには、固定費の見直しがカギです。
📋 生活費節約の具体策
通信費の格安プラン乗り換え(年間5〜10万円節約可)
保険料の見直し(重複保障を削減)
電気代・ガス代の契約プラン変更
外食費を抑えて自炊率アップ
車を2台→1台にするだけで年間数十万円削減
📊 節約効果の試算例(4人家族)
項目 | 節約前 | 節約後 | 年間効果 |
通信費 | 20,000円 | 10,000円 | 12万円 |
保険料 | 30,000円 | 20,000円 | 12万円 |
車維持費 | 50,000円 | 25,000円 | 30万円 |
合計 | - | - | 年間54万円削減 |
💬 実体験談(40代男性・大阪府)
「住宅ローンを組んでから家計が厳しくなり、車を手放しました。維持費が浮いたことで生活に余裕ができました。」
💡 プロ視点
「節約は一時的ではなく“固定費の最適化”が重要です。ローン返済と並行して生活費のスリム化を進めると長期的に安心できます。」
✅ 第2章まとめ
資金計画は「借入可能額」ではなく「返済可能額」を基準に
シミュレーションで返済総額と家計への影響を把握
頭金は20%が理想、手付金は5〜10%が目安
生活費は固定費削減で年間50万円以上の節約も可能
💬 専門家コメント
「住宅ローンを無理なく返済するには“ローン返済+生活費+将来資金”の3本柱を同時に考えることが不可欠です。」
第3章:住宅購入に必要な諸経費の詳細

3-1: 仲介手数料や印紙税の詳細と相場
住宅購入に欠かせないのが 仲介手数料 と 印紙税。どちらも契約時に発生する代表的な諸経費です。
📌 仲介手数料
不動産会社に支払う報酬
上限=「物件価格×3%+6万円+消費税」
例:3,000万円の住宅 → 最大約105万円
💡 ポイント
売主直売の新築一戸建てなら 仲介手数料ゼロ の場合あり
値引き交渉は難しいが「半額キャンペーン」を実施している不動産会社もある
📌 印紙税
売買契約書や住宅ローン契約書に貼付する印紙代
契約金額に応じて課税
📊 印紙税の目安(2025年時点)
契約金額 | 印紙税額 |
1,000万円超〜5,000万円以下 | 1万円 |
5,000万円超〜1億円以下 | 3万円 |
💬 体験談
「仲介手数料が予想以上に高く、家具予算を削ることになりました。契約前に必ず金額を確認すべきです。」
3-2: 固定資産税や都市計画税の計算方法
住宅購入後は毎年 固定資産税・都市計画税 を納める必要があります。
📌 固定資産税
土地・建物の評価額に対して課税
税率:1.4%
新築住宅は3〜5年間軽減措置あり
📌 都市計画税
市街化区域に課税される追加税
税率:最大0.3%
📊 シミュレーション例(評価額2,000万円の場合)
税目 | 税率 | 金額 |
固定資産税 | 1.4% | 28万円 |
都市計画税 | 0.3% | 6万円 |
合計 | - | 34万円 |
💡 注意
初年度は「日割り精算」で購入者が一部負担
軽減措置終了後に税額が倍近くになるケースもある
3-3: 火災保険や地震保険の種類と加入方法
住宅ローンを利用する場合、火災保険加入は必須。さらに地震リスクの高い日本では地震保険の併用も一般的です。
📌 火災保険
補償内容:火災・落雷・風災・水害など
保険期間:最長10年(2025年時点)
相場:10年契約で15〜30万円
📌 地震保険
火災保険とセットで契約
保険金額は建物・家財の最大50%まで
相場:5年契約で10〜20万円
💬 体験談
「最初は火災保険だけにしようと思いましたが、ハウスメーカーから地震保険も勧められ加入しました。結果的に地震の多い地域なので安心につながっています。」
💡 プロ視点
「保険料を抑えたいなら“補償内容を絞る”のも選択肢です。全てをフルカバーにすると保険料が跳ね上がるため、立地やライフスタイルに合った補償を選びましょう。」
\➡ 関連記事:初心者必見!戸建て向け安い火災保険の選び方ガイド
3-4: 不動産取得税の軽減措置と申請方法
不動産を購入すると一度だけ発生するのが 不動産取得税。
📌 基本概要
税率:固定資産税評価額の3〜4%
土地・建物の両方に課税
住宅の場合は軽減措置あり
📊 軽減措置の例(2025年時点)
建物:新築住宅は120㎡まで控除
土地:取得後3年間の特例で税額軽減
📌 申請方法
県税事務所から通知あり
軽減措置を受けるには「申告書」や「登記事項証明書」の提出が必要
提出期限を過ぎると控除が受けられない場合あり
💬 体験談
「不動産取得税の通知が届き驚きましたが、軽減申請をしたことで税額が半分以下になりました。」
💡 プロ視点
「取得税は“一度きり”ですが、金額は数十万円単位になることも。通知が届いたら必ず専門家や県税事務所に相談しましょう。」
✅ 第3章まとめ
仲介手数料は高額、印紙税は契約額で変動
固定資産税・都市計画税は購入後のランニングコスト
火災保険は必須、地震保険は地域性に応じて判断
不動産取得税は軽減措置を忘れずに申請
💬 専門家コメント
「住宅購入時の諸経費は“契約前・契約時・購入後”に分かれて発生します。特に税金関係は軽減措置を活用できるかどうかで負担が大きく変わります。」
第4章:諸費用を抑えるための実践的なアドバイス

4-1: 住宅購入時に知っておきたいコスト削減法
諸費用は避けられないものですが、工夫次第で数十万円の削減が可能です。
📌 主な削減ポイント
仲介手数料が「最大」なのか確認し、割引制度やキャンペーンを探す
火災保険は補償内容を絞り、長期契約で割安にする
司法書士・金融機関の手数料を比較する
複数業者から見積もりを取り、交渉する
💬 体験談(30代男性・東京都)
「火災保険の内容を見直し、余分な補償を外したら10万円以上安くなりました。」
💡 プロ視点
「“相見積もりをとる”だけで驚くほど差が出ます。金融機関や保険会社も競争しているので、比較するのが一番の削減策です。」
\➡ 関連記事:注文住宅で削れるところはどこ?無理なくコストダウンする方法
4-2: 賢い融資利用法と金融機関の選び方
金融機関によって諸費用の扱いや金利条件は大きく異なります。
📌 金融機関選びのチェックポイント
諸費用ローンに対応しているか
保証料方式(前払いor金利上乗せ)が選べるか
事務手数料が「定額」か「定率」か
団体信用生命保険の特約内容(がん団信など)
📊 金融機関別の違い(例)
金融機関 | 事務手数料 | 保証料 | 諸費用ローン |
A銀行 | 3.3万円(定額) | 60万円(前払い) | 対応なし |
B銀行 | 借入額×2.2%(定率) | 不要 | 対応あり |
ネット銀行C | 一律33,000円 | 不要 | 一部対応 |
👉 ネット銀行は事務手数料が高いが保証料不要、地方銀行は保証料が必要な代わりに金利優遇があるケースが多いです。
💡 プロ視点
「金利差0.1%は35年で数十万円の差になります。金利だけでなく“手数料+保証料+諸費用”の総額で比較するのが鉄則です。」
\➡ 関連記事:資金計画を成功に導く!住宅ローンの賢い選び方
4-3: 事務手数料や報酬を節約する方法
小さな金額に見えても、事務手数料や報酬を見直すだけで数万円の削減が可能です。
📌 節約できるポイント
司法書士報酬:複数に見積もりを依頼すると10万円以上差が出ることも
金融機関事務手数料:定額型を選べば数十万円の差になるケースも
保険代理店:比較サイトを通じて契約することで割引が適用されることも
💬 体験談(40代女性・横浜市)
「知人紹介の司法書士より、比較サイトで探した司法書士のほうが報酬が安く、約8万円節約できました。」
💡 プロ視点
「“紹介だから安心”と思って依頼すると、相場より高いケースも。司法書士や保険代理店は自由に選べるので、遠慮せず比較するのがコツです。」
✅ 第4章まとめ
諸費用は削減可能な部分とそうでない部分がある
火災保険・司法書士報酬・手数料は見直しで数十万円の節約に
金融機関は金利だけでなく“総諸費用”で比較することが重要
ネット銀行・地方銀行・メガバンクそれぞれの特徴を理解して選択
💬 専門家コメント
「住宅購入の“隠れた節約ポイント”は諸費用にあります。本体価格の交渉に注力する人が多いですが、実際は諸費用の見直しで家計に直結する効果が出ます。」
第5章:円滑な購入のための注意点

5-1: 契約時の注意点とトラブルを避ける秘訣
住宅購入の契約時には、多くの費用が一気に動きます。ここでの確認不足が、後々のトラブルにつながることも少なくありません。
📌 契約時に確認すべきポイント
手付金の金額と扱い(キャンセル時の返金条件を確認)
契約書に記載された諸費用の範囲
売買契約と請負契約の違い(注文住宅の場合)
契約解除条項(ローン審査不承認の場合など)
💬 実体験談(30代男性・千葉県)
「契約書をよく読まずにサインし、引渡し直前に追加工事費用を請求されました。事前確認の大切さを痛感しました。」
💡 プロ視点
「契約時は冷静な判断が難しくなります。第三者に契約書をチェックしてもらうのが安全です。」
\➡ 関連記事:注文住宅の契約で失敗しないための5つの注意点
5-2: 住宅購入後に気をつけるべきポイント
住宅購入後も油断は禁物です。特に初年度は想定外の費用がかかることがあります。
📌 購入後に発生しやすい費用
固定資産税の初年度精算金
仮住まい・二重ローン期間の家賃
引越し後に必要となる家具・家電の追加購入
外構工事の追加費用
💬 体験談(40代女性・兵庫県)
「引越し後に庭やカーポートを整えたら追加で150万円かかりました。外構費を見落としていたのは失敗でした。」
💡 プロ視点
「購入後の出費は“引越し費用+外構費用+税金”で100万円単位になることも。契約前に“購入後の費用リスト”を作成しておきましょう。」
5-3: 住宅ローンの審査基準と事前準備
住宅ローンを利用する場合、審査に通るかどうかで購入計画が大きく左右されます。
📌 主な審査基準
年収と返済比率(目安:年収の25%以内)
勤続年数(最低3年以上が望ましい)
他の借入状況(自動車ローン・カードローンなど)
健康状態(団信加入が前提)
📊 返済比率の目安(年収別)
年収 | 借入可能額(35年・金利1%) |
400万円 | 約2,800万円 |
600万円 | 約4,200万円 |
800万円 | 約5,600万円 |
💬 実体験談(20代夫婦・大阪府)
「転職直後で審査に落ちてしまいました。勤続年数が短い場合は親とのペアローンを検討するべきでした。」
💡 プロ視点
「ローン審査は“信用力”のチェックです。クレジットの延滞や借入残高は必ず整理してから申し込みましょう。」
✅ 第5章まとめ
契約時は手付金や諸費用範囲を細かく確認
購入後も外構・家具・税金などで追加費用が発生する
住宅ローン審査は年収・勤続年数・借入状況がカギ
契約から購入後まで“トータルでの費用管理”が必要
💬 専門家コメント
「住宅購入は契約から引渡し、入居後まで常に費用が発生します。事前準備と情報収集がトラブル回避の最大の武器です。」
第6章:総まとめ|住宅購入の諸費用と賢い選び方

6-1: すべての費用を把握するためのチェックリスト
住宅購入では、本体価格だけで判断すると失敗するケースが多くあります。そこで、諸費用を抜け漏れなく確認するためにチェックリストを活用しましょう。
📋 住宅購入諸費用チェックリスト
仲介手数料(最大「価格×3%+6万円+税」)
登記費用(司法書士報酬を含む)
印紙税(契約書ごとに必要)
ローン関連費用(事務手数料・保証料)
火災保険料・地震保険料
不動産取得税(軽減申請の有無確認)
固定資産税・都市計画税(初年度日割り精算あり)
引越し費用・新生活家具家電費
外構費(注文住宅・建売ともに要注意)
購入後の修繕・維持費(外壁塗装・屋根補修など)
👉 このリストを使えば、想定外の出費を防ぎやすくなります。
6-2: 住宅購入後の手続きと精算の流れ
購入後も、各種費用や税金の支払い手続きが続きます。流れを整理しておきましょう。
📌 購入後の主な手続きフロー
引渡し時に残代金・諸費用精算
登記手続き(司法書士が代理申請)
火災保険・地震保険の契約開始
固定資産税・都市計画税の納税通知が届く
不動産取得税の納付通知(後日、県税事務所から届く)
軽減措置を受けるための申請書提出
💡 注意点
納税通知は購入後すぐではなく、数か月〜1年後に届くことが多い
軽減申請は期限を過ぎると適用不可
6-3: 未来を見据えた資金計画の重要性
住宅は購入して終わりではなく、長期的に維持していく責任が伴います。
📌 未来のために考えるべき視点
教育費と住宅ローンのピークが重ならないようにする
老後資金の積立を止めない(住宅ローン完済後に老後資金がゼロだと危険)
修繕費の積立:外壁塗装・屋根補修・水回り交換など10〜20年で必ず必要
金利上昇リスク:固定金利か変動金利かの選択が将来の家計を左右
💬 体験談(50代男性・福岡県)
「ローン返済に追われて教育費が足りず、結局教育ローンも併用しました。もっと長期的な視点で計画すべきでした。」
💡 プロ視点
「住宅購入は“今の家計で払えるか”ではなく、“10年後・20年後も払えるか”が本当の判断基準です。未来を見据えた資金計画が、安心して暮らすための最大のカギになります。」
✅ 第6章まとめ
チェックリストで諸費用の漏れを防ぐ
購入後も税金や手続きが続くので計画に組み込む
教育費・老後資金・修繕費を見据えた長期計画が必要
💬 専門家コメント
「住宅購入は“購入時の価格”だけでなく、将来にわたる維持費・修繕費・税金を含めたトータルコストを考えることが大切です。これを理解できる人とできない人では、10年後の家計に大きな差が出ます。」
🎯 全体まとめ
諸費用は本体価格の 5〜10%、新築一戸建てで100〜300万円前後
契約時・購入後に発生する費用を把握することでトラブル回避
削減できる費用(火災保険・司法書士報酬など)は積極的に見直す
長期的に「維持費・教育費・老後資金」を含めたライフプランが必須