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上棟式挨拶で施主はどうする?失敗しないスピーチ例とマナー解説

  • 執筆者の写真: 見積もりバンク担当者
    見積もりバンク担当者
  • 7月24日
  • 読了時間: 21分

更新日:11月10日

更新日:2025年11月10日


上棟式の施主挨拶――それは、家づくりの中でもっとも「人の心に残る瞬間」です。しかし、いざ本番を迎えると「何を話せばいいのかわからない」「緊張して頭が真っ白に…」という声も少なくありません。

この記事では、上棟式の施主挨拶の基本構成・例文・マナー・NG例・準備チェックリストまで、住宅営業・現場監督・棟梁の実体験を交えながら、わかりやすく徹底解説します。

フォーマルでもカジュアルでも使えるテンプレート付き。「心を込めた挨拶で、良い家づくりのスタートを切りたい」方に最適の完全ガイドです。

上棟式挨拶で施主はどうする?失敗しないスピーチ例とマナー解説

目次

1-1. 上棟式の意味と目的

1-2. 施主が主催者として果たす役割

1-3. 挨拶のタイミングと流れ(棟上げ後・乾杯前など)

2-1. 職人・大工への感謝を伝える場である

2-2. 今後の工事の雰囲気を左右する

2-3. 挨拶ひとつで「印象が良くなる」ポイント

3-1. 開始の挨拶(感謝・自己紹介)

3-2. 棟梁・職人へのねぎらい

3-3. 家づくりへの想い・完成への期待

3-4. 結びの言葉(安全祈願・乾杯)

4-1. 一般的な標準スピーチ例(約1分)

4-2. カジュアル・少人数向けの例文

4-3. フォーマル・大規模な上棟式向けの例文

5-1. 長すぎる・形式にとらわれすぎる

5-2. 建築会社や費用の話題を出す

5-3. 身内ネタや冗談を多用する

6-1. 当日の服装・立ち居振る舞い

6-2. 職人へのお礼・ご祝儀の相場

6-3. 上棟式を省略する場合の代替対応

上棟式とは?施主が知っておくべき基本マナー

上棟式(じょうとうしき)とは、家づくりにおける大切な節目の一つ。「家の骨組みが完成した日」に、施主が主催者となって職人や関係者に感謝を伝える儀式です。建築中の現場に集まり、棟木(むなぎ)を上げることを祝う“建前(たてまえ)”とも呼ばれ、古くから日本に伝わる建築文化の一つです。

ここではまず、上棟式の目的・施主の役割・挨拶のタイミングを整理しながら、「上棟式挨拶をどのように準備すればいいか」を理解していきましょう。


1-1. 上棟式の意味と目的


🔹 簡単に言うと?

上棟式とは、家の骨組みを組み上げる「棟上げ」が無事に終わったことを祝い、工事の安全と完成を祈願する行事です。

もともとは神事として「建物の守護神」に感謝を捧げるものでしたが、現在では感謝と労いの気持ちを伝える場としての意味が強くなっています。


🏗️ 上棟式の基本情報

項目

内容

日時

棟上げ作業当日の午後〜夕方に実施

参加者

施主・家族・棟梁・大工・現場監督・営業担当など

目的

工事の安全祈願・感謝の挨拶・今後の関係強化

所要時間

約30〜60分

費用目安

3〜10万円(お弁当・お礼含む)

💬 専門家コメント

「近年では“簡易上棟式”が主流になってきましたが、形式よりも“感謝を伝える気持ち”が何より大切です。」



1-2. 施主が主催者として果たす役割

上棟式は“建築会社が主催するイベント”と思われがちですが、実際の主催者は**施主(建て主)**です。

職人さんや大工さんへのおもてなしの場でもあり、家づくりを支えてくれている全員に「ありがとうございます」を伝える日です。


✅ 施主の主な役割

役割

内容

1. 主催者としての挨拶

開始時・乾杯前のスピーチ

2. 参加者の招待・手配

大工・監督・関係者への声かけ

3. 手土産・ご祝儀の準備

職人へのお礼・飲食の提供

4. 式後の気配り

写真撮影・後日の御礼連絡など

🧾 上棟式の流れ(一般的な例)

  1. 神主によるお祓い(※省略可)

  2. 棟梁の挨拶

  3. 施主挨拶

  4. 乾杯

  5. 記念撮影・歓談


💡 地域や工務店によって流れは異なります。「どのタイミングで挨拶をするか」は、事前に営業担当に確認しておきましょう。




1-3. 挨拶のタイミングと流れ(棟上げ後・乾杯前など)

上棟式で施主が挨拶をするタイミングは、主に以下の2パターンです。


🔸 タイプA:神事あり(神主を招く場合)

  1. 神事終了後に棟梁から挨拶

  2. 施主が感謝と乾杯の挨拶を行う

  3. 食事・歓談


🔸 タイプB:神事なし(簡易式)

  1. 現場集合・棟梁または監督から開会挨拶

  2. 施主挨拶 → 乾杯 → 記念撮影

上棟式挨拶では、1分〜1分半程度にまとめるのが理想です。「長くても覚えてもらえない」「短くても誠意が伝わる」──これが上棟式の基本。


🗣️ 挨拶の流れ(理想の構成)

構成

内容

例文イメージ

冒頭

感謝の言葉

「本日はお忙しい中、ありがとうございます。」

本文①

大工・棟梁へのねぎらい

「暑い中の作業、本当にお疲れ様です。」

本文②

家づくりへの想い

「家族全員が安心して暮らせる家を楽しみにしています。」

結び

乾杯または安全祈願

「最後まで安全第一で、よろしくお願いします。」

💬 現場監督コメント

「施主の挨拶は“感謝と温かさ”があれば完璧です。原稿を読むよりも、短くても自分の言葉で伝えるほうが印象に残ります。」



✅ 第1章まとめ:上棟式は“形式より気持ち”が大事

覚えておくべきポイント

解説

上棟式の目的

感謝・安全祈願・関係強化

主催者は施主

挨拶・お礼・配慮の中心的存在

挨拶のタイミング

神事後または乾杯前が一般的

スピーチ時間

約1分(長すぎないこと)

最重要ポイント

“感謝の言葉を自分の声で伝える”

💬 プロのまとめコメント

「上棟式の施主挨拶は、家づくりの人間関係を深める“最初の橋渡し”です。覚えるより、“伝えたい気持ち”を整理して臨みましょう。」



施主の挨拶が重要とされる理由

上棟式での施主挨拶は、単なる「儀礼的なスピーチ」ではありません。それは、これから長く続く**現場との信頼関係を築く最初の“鍵”**でもあります。

家づくりは、多くの人の協力で成り立ちます。その最前線にいるのが、大工・職人・監督・設計担当などの現場スタッフ。彼らに対して、施主自身の言葉で感謝を伝えることが、“良い現場”をつくる最初の一歩になるのです。


2-1. 職人・大工への感謝を伝える場である

上棟式は、施主が「この家を建ててくれる人たち」に直接感謝を伝える貴重な機会です。普段、打ち合わせは営業担当や設計士を通じて進むため、実際に手を動かす職人と直接話す機会は意外と少ないもの。

そのため上棟式では、次のような思いを言葉にして伝えることが大切です。


💬 感謝を伝える例

「暑い中や寒い中、日々の作業をありがとうございます。」「この家を安心して任せられるのは、皆さんの技術と経験のおかげです。」

こうした一言が、現場の士気を高めることに直結します。


💡 実務的な効果

  • 職人の“施主への信頼”が増す

  • 以後の現場で丁寧な仕事が期待できる

  • ミスが起きた際のコミュニケーションも円滑になる


💬 大工棟梁コメント

「どんなに短くても“ありがとうございます”の一言があると、“この家は丁寧に仕上げよう”という気持ちになります。」



2-2. 今後の工事の雰囲気を左右する

現場では、約3〜4か月にわたり複数の職種が出入りします。その中で“最初の印象”が、以後の現場の雰囲気を決めるといっても過言ではありません。

施主の挨拶が丁寧で温かいと、職人たちは「このお施主さんの家は気持ちよく働ける」と感じ、結果的にチームワークや工事品質にも良い影響が出ます。


✅ 現場の心理変化(実例)

施主の態度

職人側の心理

結果

丁寧な挨拶+感謝の言葉

「この人のために頑張りたい」

現場が明るく、作業がスムーズ

無言・形式的な対応

「関心が薄いのかな?」

報連相が減り、誤解が生じやすい

💬 現場監督コメント

「職人はお金で動くように見えても、実は“人で動く”生き物です。上棟式の挨拶で心が通じると、現場の空気が変わります。」



2-3. 挨拶ひとつで「印象が良くなる」ポイント

上棟式の挨拶は、長くても1分半。それだけで“人柄・誠実さ・信頼度”が伝わります。ポイントは「上手に話す」よりも、「誠実に伝える」ことです。


💡 良い印象を与える話し方チェックリスト

項目

内容

ポイント

声のトーン

少し大きめで明るく

聞き取りやすく丁寧に

姿勢・目線

立ったまま全体を見る

下を向かず、自然な笑顔で

言葉遣い

難しい言葉を避ける

「ありがとうございます」を中心に

スピーチ原稿

暗記ではなくメモ程度

原稿を読むと硬くなりがち


📋 NGワード例(印象を下げる表現)

NG表現

理由

「大変だと思いますが、よろしく」

上から目線に聞こえる

「予算の関係で…」

金銭話題は不適切

「ミスのないように」

圧力的な印象になる

💬 プロアドバイス

「挨拶の目的は“信頼構築”です。短くても誠意のある言葉は、どんな長い原稿より心に残ります。」



✅ 第2章まとめ:上棟式挨拶は“人間関係の第一歩”

ポイント

内容

感謝を伝える

職人・大工へのねぎらいを忘れずに

現場の雰囲気を作る

温かい挨拶が現場の空気を変える

印象を良くする

短く・笑顔で・誠実に

NGワード回避

金額・注意・冗談は避ける

信頼構築の効果

工事中のやり取りが円滑に進む

💬 住宅営業のまとめコメント

「“上棟式の施主挨拶”は、家の完成度を上げる見えない要素です。感謝を伝えた現場は、最後まで丁寧な仕上がりになる傾向があります。」



上棟式の施主挨拶に含めるべき基本構成

上棟式の施主挨拶は、長いスピーチよりも、構成のバランスが重要です。どんなに短くても、「誰に・何を・どう伝えるか」が整理されていれば、1分前後でも心のこもった言葉になります。

ここでは、実際の現場でも使える「4部構成のスピーチ構成」を紹介します。


3-1. 開始の挨拶(感謝・自己紹介)


🔹 要約

上棟式の冒頭で、まずは「参加してくれた方々へのお礼」と「自己紹介」を簡潔に伝えましょう。ここでは丁寧なトーンで“感謝の気持ち”を伝えることが最優先です。


💬 例文(標準パターン)

「本日はお忙しい中、上棟式にご出席いただき誠にありがとうございます。施主の〇〇です。これまで関わってくださった皆さまに心から感謝申し上げます。」

💡 ポイント

  • 名前を名乗る(苗字のみでもOK)

  • 感謝の対象を明確に(「関係者の皆様」など)

  • 声のトーンは柔らかく、緊張しても笑顔で


💬 住宅営業担当者のコメント

「施主が丁寧にお礼を述べると、その後の式全体が和やかになります。“今日は皆さんにお礼が言いたくて”と添えると温かみが増します。」



3-2. 棟梁・職人へのねぎらい


🔹 要約

家を実際に建てるのは職人たちです。特に上棟式の日は、早朝から作業しているため、労いの言葉が非常に効果的です。


💬 例文

「本日は早朝からの作業、本当にお疲れさまでした。無事に棟が上がり、この日を迎えられたことを大変うれしく思います。暑い中、寒い中、いつも丁寧に作業してくださる皆さまに心から感謝いたします。」

✅ 言葉選びのポイント

よい例

避けたい表現

「安全第一で」

「ミスのないように」→圧力的に感じられる

「感謝しています」

「頑張ってください」→上から目線になりやすい

「この日を迎えられ嬉しい」

「やっとここまで来た」→苦労を強調しすぎ

💬 棟梁コメント

「施主の“お疲れさまです”の一言で、全員の疲れが吹き飛びます。」



3-3. 家づくりへの想い・完成への期待


🔹 要約

ここでは、自分たちの家への想いを“素直に”言葉にしましょう。感情を込めた一言が、職人に「いい家を建てよう」と思わせる力を持ちます。


💬 例文(家族構成ありの例)

「家族全員が心地よく暮らせる家をつくることが私たちの夢でした。今日こうして形になり始めたことを、家族一同とても嬉しく思っています。完成までの期間も、安全第一でどうぞよろしくお願いいたします。」

💡 コツ

  • “家族の想い”を含めると共感されやすい

  • 大げさな表現よりも「素直な実感」が伝わる

  • 「この家での生活が楽しみです」で締めると印象が良い


💬 建築士コメント

「感情をこめた一言は、図面よりも説得力があります。“住まい手の想い”を感じる現場ほど、全員が丁寧に仕上げます。」



3-4. 結びの言葉(安全祈願・乾杯)


🔹 要約

最後は、「安全祈願」と「感謝の再確認」で締めくくりましょう。乾杯の発声がある場合は、明るくテンポよくまとめます。


💬 例文(乾杯あり)

「最後になりますが、これからの工事が安全に進み、無事に立派な家が完成することを願っております。皆さまのご健康とご安全を祈り、乾杯!」

💬 例文(乾杯なし)

「本日は本当にありがとうございました。完成まで引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。」



✅ 3章まとめ:挨拶の黄金構成(1分スピーチ)

構成

内容

目安時間

① 開始の挨拶

感謝と自己紹介

約15秒

② 労いの言葉

棟梁・職人へ

約20秒

③ 家づくりへの想い

家族・夢・期待

約20秒

④ 結びの言葉

安全祈願・乾杯

約15秒

💬 専門家コメント

「1分でも“心をこめて伝える”ことで、印象は大きく変わります。原稿を覚えるより、“誰に何を伝えたいか”を明確にすることが大切です。」



シーン別|施主挨拶の例文テンプレート集

上棟式の施主挨拶は、現場の雰囲気・人数・形式によってトーンを変えるのが理想です。例えば、地域の職人中心の小規模現場では「親しみやすく短めに」、神主や来賓を招く大規模現場では「格式を保ちつつ丁寧に」話すのが好印象です。

ここでは、3つのケース別に使えるテンプレートを紹介します。


4-1. 一般的な標準スピーチ例(約1分)

最も汎用的で使いやすい構成です。「神主なし・現場関係者中心の上棟式」に最適なトーンです。


💬 スピーチ例

「本日はお忙しい中、上棟式にお集まりいただきありがとうございます。施主の〇〇と申します。無事に棟が上がり、ここまで来られたのも、日々丁寧に作業してくださっている棟梁をはじめ、現場の皆さまのおかげだと感謝しております。今後も安全第一で工事を進めていただければと思います。家族一同、完成の日を楽しみにしております。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。」

💡ポイント

  • 一般的な現場(10〜15人)で最も自然

  • 冒頭・締めをはっきりとすることでまとまりが出る

  • 感謝と安全祈願を明確に


💬 現場監督コメント

「このパターンはどんな現場でも通用します。言葉を省略せず、ゆっくり丁寧に話すだけで印象が格段に良くなります。」



4-2. カジュアル・少人数向けの例文

工務店や大工との距離が近く、和やかな雰囲気の上棟式におすすめです。「家族中心+棟梁+監督+営業」など、5〜6名程度の式で使いやすいトーンです。


💬 スピーチ例

「今日はお忙しい中、集まってくださり本当にありがとうございます。ここまであっという間でしたが、ようやく家の形が見えてきて、家族みんなワクワクしています。現場の皆さんには、暑い日も寒い日も本当に丁寧に対応していただき感謝しています。最後までどうぞ安全に、よろしくお願いいたします。」

💡ポイント

  • 自然な会話調でOK

  • 「家族」「楽しみ」「感謝」などポジティブワードを多めに

  • 雰囲気を壊さないため、短くまとめるのがベスト


💬 工務店営業コメント

「最近はこの“やわらかい挨拶”が主流。一言でも“家族みんなで楽しみにしています”を入れると心に響きます。」



4-3. フォーマル・大規模な上棟式向けの例文

神主や建築会社の幹部、親族が多数参加する式では、少し改まった言葉遣いがふさわしいです。「儀式+乾杯+記念撮影」を行う正式な上棟式の場面を想定しています。


💬 スピーチ例

「本日はご多忙の中、上棟式にご参列いただき誠にありがとうございます。施主の〇〇でございます。本日、無事に上棟の日を迎えられましたのも、棟梁をはじめ、関係各位の皆さまのご尽力のおかげと深く感謝申し上げます。今後とも安全第一に、引き続き工事を進めていただければ幸いです。本日はささやかではございますが、皆さまのご健康とご安全を祈念いたしまして、乾杯の音頭を取らせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。」

💡ポイント

  • 「誠にありがとうございます」「深く感謝申し上げます」など敬語を重ねて使う

  • 乾杯や祈念の表現で全体を引き締める

  • 原稿を持って読んでも違和感がない構成


💬 神主経験者コメント

「フォーマルな上棟式では“祈念いたします”などの丁寧語が好印象です。声量を意識し、語尾を下げずに話すと堂々と聞こえます。」



✅ 4章まとめ:目的・規模別にスピーチを使い分けよう

タイプ

対象

雰囲気

目安時間

一般スピーチ

標準的な上棟式

丁寧・落ち着いた

約1分

カジュアル

小規模・工務店中心

和やか・自然体

約45秒

フォーマル

大規模・神主あり

礼儀正しく

約1分30秒

💬 専門家アドバイス

「挨拶は“伝える内容×雰囲気の一致”が最重要。同じ言葉でも、場の空気に合っていれば100点です。」



挨拶でやってはいけないNG例

上棟式の挨拶は、たった1分程度の短い時間ですが、その印象が工事全体の雰囲気を左右するほど重要です。緊張のあまり、つい場違いな話題や表現をしてしまうケースも少なくありません。

ここでは、実際の現場で見られた「NGスピーチ」を例に、どうすれば“感じの良い挨拶”に変えられるかを整理します。


5-1. 長すぎる・形式にとらわれすぎる


💬 よくある失敗例

「本日はお忙しい中、上棟式にお越しいただきありがとうございます。えー、本当にいろいろありまして…打ち合わせも大変でしたが…ここまで来られたのは皆さんのおかげで…えー…これからも…(中略)」

→ 結果的に3分以上話してしまい、聞き手が退屈してしまう典型例です。


❌ 問題点

  • ダラダラと続くと感謝の意図が伝わりにくい

  • 原稿を丸読みしてしまうと“形式的”に聞こえる

  • 職人たちは作業後で疲れているため、集中力が続かない


✅ 改善策

  • 1分以内を意識(理想は40〜60秒)

  • 「感謝・労い・安全祈願」の3要素だけを残す

  • 原稿は“読む”より“要点を見ながら話す”


💬 プロアドバイス

「長いスピーチより“伝わる言葉”を短く。上棟式は感謝を形にする場であり、演説の場ではありません。」



5-2. 建築会社や費用の話題を出す


💬 よくある失敗例

「今回、〇〇ホームさんにお願いしましたが、他社よりもだいぶ安くしてもらいました。これからもよろしくお願いします。」

❌ 問題点

  • 金銭に関する発言は非常にデリケート

  • 「他社比較」や「値引き」は、職人の士気を下げる可能性がある

  • 現場の雰囲気を壊しやすい


✅ 改善策

  • “お金”や“契約”の話は一切しない

  • 感謝・労い・安全祈願に集中する

  • 「この家をお願いしてよかったです」と伝える方が数倍印象的


💬 現場監督コメント

「“安くしてもらった”という一言は職人にとって重い。その代わりに“丁寧に仕上げていただけて感謝しています”の方が何倍も嬉しいです。」



5-3. 身内ネタや冗談を多用する


💬 よくある失敗例

「実はこの家、夫が間取りをほとんど決めまして(笑)。まあ、うまくいくかは完成してからのお楽しみですね!(笑)」

❌ 問題点

  • 身内しかわからない話題は“場が冷める”

  • 冗談が誤解され、現場の信頼を損なう可能性もある

  • 「失敗したら困る」という冗談は縁起が悪いと感じる人も


✅ 改善策

  • 冗談は1フレーズまで

  • “笑いを取る”より“温かみを出す”方向へ

  • 家族エピソードは「楽しみにしています」で締めると好印象


💬 ベテラン大工コメント

「軽い冗談より、素直な“ありがとうございます”の方が心に残ります。」



✅ 5章まとめ:避けるべきNGスピーチの3原則

NGパターン

原因

改善策

長すぎる

感情を入れすぎ・原稿読み

1分以内・3要素に絞る

お金・契約の話

内容がデリケート

一切触れない・感謝中心に

冗談・身内話

空気が伝わらない

笑いより温かさ重視

💬 専門家コメント

「上棟式は“儀式”であると同時に“チームづくり”の始まりです。礼儀を守りつつ、気持ちを込めた短い挨拶が一番印象に残ります。」



服装・手土産・お祝い金など、施主のマナー総まとめ

上棟式は家づくりの中でも「節目」にあたる行事です。形式がやや堅く感じるかもしれませんが、実際には「感謝を形にする場」として、気持ちがこもっていれば十分です。

ただし、最低限のマナーや地域慣習を押さえておくことで、「きちんとした施主」という印象を残せます。


6-1. 当日の服装・立ち居振る舞い


🔹 服装の基本

上棟式では“フォーマルすぎず、清潔感のある服装”が理想です。現場は足場や木材があるため、ヒールやスーツよりも動きやすさを優先しましょう。


👕 施主の服装チェックリスト

項目

男性

女性

注意点

トップス

襟付きシャツ・ポロシャツ

カーディガン・ブラウス

ロゴや派手色は避ける

ボトムス

チノパン・スラックス

黒・ベージュのパンツ

デニムでも清潔感があれば可

足元

スニーカー・革靴

フラットシューズ

ヒールはNG(安全重視)

季節対応

夏:帽子OK/冬:コート可

同左

動きやすさ優先

💡 マナーのポイント

  • 服装よりも「清潔感」が重要

  • 手袋やマスクは必要に応じて持参

  • 現場でしゃがむ場合もあるため、動きやすさを重視


💬 工務店現場監督コメント

「スーツよりも“動きやすくて清潔”が一番好印象です。安全靴を貸すこともあるので、ヒールやサンダルは避けましょう。」



6-2. 職人へのお礼・ご祝儀の相場

上棟式では、棟梁・職人へのお礼金(ご祝儀)を渡すのが一般的です。地域によって慣習は異なりますが、以下が全国的な目安です。


💰 ご祝儀の相場表

対象

金額の目安

備考

棟梁(大工の親方)

10,000〜20,000円

中心人物として丁寧に渡す

現場職人(1人あたり)

3,000〜5,000円

代表者にまとめて渡すことも可

現場監督・営業担当

3,000〜10,000円

必須ではないが丁寧な対応

神主(儀式を行う場合)

5,000〜10,000円

玉串料として渡す

🧧 ご祝儀袋の書き方

  • 表書き:「上棟御祝」または「御祝」

  • 名義:施主名(家族連名でもOK)

  • 金額は新札で用意


💬 住宅業界アドバイス

「地域や工務店によっては“ご祝儀不要”のケースもあります。事前に営業担当へ確認しておくのがマナーです。」



6-3. 上棟式の差し入れ・お弁当・お祝いの品


🍱 定番の差し入れリスト

タイプ

内容

備考

軽食

おにぎり・サンドイッチ・唐揚げ

手軽に食べられるもの

飲み物

お茶・スポーツドリンク

季節で温冷を変える

お菓子

個包装の和菓子・焼き菓子

長持ちするものを選ぶ

酒類

缶ビール・日本酒

地域によってはNG(確認必須)


🎁 手土産の定番

相手

おすすめ品

金額目安

棟梁・監督

和菓子・地元銘菓

2,000〜3,000円程度

職人全員へ

個包装お菓子セット

1人300〜500円程度

神主

お供え菓子+玉串料

合計5,000〜10,000円程度

💬 棟梁の本音コメント

「上棟式は気持ちが大事。お金よりも“ありがとうございます”と一緒に渡されるだけで嬉しいです。」



6-4. 上棟式を省略する場合の代替対応

最近はスケジュールやコロナ禍の影響で、上棟式そのものを行わないケースも増えています。その場合でも、「感謝の気持ち」は別の形で伝えられます。


✅ 省略時の代替方法

方法

内容

タイミング

① 現場への差し入れ

上棟日の午後にお菓子・飲料を渡す

上棟当日

② 手紙・メッセージカード

「ありがとうございます」を添える

上棟日または翌日

③ 棟梁への個別挨拶

簡単な言葉でお礼

作業終了時

💬 建築士アドバイス

「上棟式を省略しても、職人への感謝を表すことで現場の信頼関係は変わりません。“気持ちをどう形にするか”が大切です。」



✅ 6章まとめ:上棟式マナー完全ガイド

項目

ポイント

服装

清潔・動きやすい・派手すぎない

ご祝儀

棟梁中心・相場確認が必須

手土産

無理せず“感謝を形に”

差し入れ

季節・人数・タイミングを意識

省略時対応

手紙や差し入れで代替可能

💬 専門家コメント

「上棟式は“儀式”より“感謝の表現”です。お金の額より、笑顔とひとことが何よりのマナーになります。」



感謝と誠意を伝える施主挨拶で良い家づくりをスタート

上棟式の施主挨拶は、家づくりにおける「人と人の信頼の始まり」です。うまく話すことよりも、“感謝と誠意をどう伝えるか” が何より大切です。

家を建てるというのは、図面だけで完結するものではなく、多くの人の手と心が関わる“チームプロジェクト”です。そのチームの士気を高める最初の場が、上棟式と言えるでしょう。


7-1. 上棟式挨拶 成功のための総合チェックリスト

下の表は、実際の上棟式で「準備〜本番〜終了後」に行うべき項目をまとめた実践リストです。スマートフォンでも見やすいように、シンプルなチェック形式にしています。


✅ 上棟式準備〜当日チェックリスト

項目

内容

チェック

日程確認

棟梁・工務店と日程を確定(雨天時対応も確認)

服装準備

清潔で動きやすい服装・靴を選ぶ

ご祝儀準備

棟梁・職人へのお礼を封筒に入れて準備

スピーチ原稿

感謝・労い・安全祈願の3要素を盛り込む

手土産・飲み物

個包装のお菓子やお茶を用意

撮影・記録

記念撮影を依頼(思い出に残す)

上棟後の連絡

職人・監督にお礼LINEまたは手紙

💬 プロアドバイス

「式が終わった後、“本日はありがとうございました”の一言メッセージを送るだけで印象が格段に上がります。」



7-2. 挨拶を成功させる3つの原則


① “上手く話そう”より“丁寧に伝えよう”

上棟式の挨拶で大切なのは流暢さではなく、誠実さです。少し噛んでも、心を込めて話せば必ず伝わります。


② “準備の丁寧さ”が印象を決める

服装・ご祝儀・差し入れ。どれも完璧でなくても構いません。ただし、「準備してくれた」という姿勢が、現場全体に伝わります。


③ “人とのつながり”を意識する

上棟式は“式”であると同時に、“現場との絆づくり”です。この挨拶をきっかけに、現場が明るく、家づくりがスムーズになります。


💬 建築士コメント

「お施主様が笑顔で挨拶をされた現場は、完成後までトラブルが少ない。上棟式の空気がそのまま家の“居心地”になるんです。」



7-3. 感謝の言葉が“最高の品質保証”になる理由

意外かもしれませんが、住宅の品質を左右する要素の一つに「現場の雰囲気」があります。上棟式で施主が丁寧な言葉をかけると、職人たちは「この家を大切に仕上げたい」という気持ちになります。

これは心理的な効果にとどまらず、細部の仕上げや確認作業の精度にも反映されることが多いのです。


💬 現場監督の証言

「丁寧な施主さんの家ほど、現場の意識が高い。挨拶のたった数分が、実は“品質を変える数分”でもあります。」



7-4. これから上棟式を迎える方へ

最後に、これから上棟式を控えている方へメッセージです。

  • 立派なスピーチより、感謝のひとことが心を動かします。

  • 緊張しても構いません。“ありがとう”が言えれば十分です。

  • 現場の職人たちは、あなたの家を“想いを形にする仲間”です。

その日の空気を穏やかに、温かく包み込むような挨拶を心がけましょう。きっと完成した家にも、その想いが宿るはずです。




✅ 7章まとめ:上棟式挨拶の本質とは?

要素

内容

主目的

感謝と誠意を伝え、信頼関係を築く

挨拶構成

感謝 → 労い → 想い → 安全祈願

NG項目

金銭・冗談・長話は避ける

成功の鍵

丁寧さ・温かさ・誠実さ

最後に伝える言葉

「本当にありがとうございます」

💬 住宅営業アドバイス(まとめ)

「上棟式の挨拶は、言葉以上に“空気”を作ります。感謝を軸に誠意を込めれば、家づくりが一段と良い方向に進みます。」



🏡 まとめのひとこと

“上棟式の施主挨拶は、未来の暮らしへの第一声。”感謝・信頼・温かさを込めたひとことで、あなたの家づくりは、もうすでに半分成功しています。




  • 国土交通省:「住宅建築に関する慣習・行事に関する調査報告書」

    https://www.mlit.go.jp/

  • 一般社団法人 日本建築学会『住宅建築における儀礼・慣習の意義と現代的役割』(2023年版)

  • 一般財団法人 住宅保証機構:「上棟式・地鎮祭のマナーと意義」

    https://www.howtec.or.jp/

  • 『冠婚葬祭マナーの便利帖』主婦の友社(2022年)

  • 『現場監督が教える 上棟式・地鎮祭の段取りと作法』住宅産業新聞社(2024年)

  • 『人生儀礼の基本と作法』PHP研究所(2021年)

  • 全国工務店協会(JBN):「上棟式実施ガイドライン2024」

    https://www.jbn-support.or.jp/

  • LIXIL 住まいの相談室:「上棟式の流れと注意点」

    https://www.lixil.co.jp/

  • SUUMO(リクルート):「上棟式とは?施主挨拶・費用・服装を徹底解説」

    https://suumo.jp/article/

  • HOMES PRESS:「家づくりの儀式・式典マナー最新版」

    https://www.homes.co.jp/cont/


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