長期優良住宅のメリットは?2026年の減税・補助金を金額に直して判断する
更新日:8月28日
更新日:2026年08月28日

長期優良住宅の主なメリットは、住宅ローン控除の借入限度額、登録免許税・不動産取得税・固定資産税の軽減、【フラット35】の金利引下げ、補助金(みらいエコ住宅2026事業)の4つです。
ただし金額の効き方は借入額と世帯条件で大きく変わり、借入3,500万円以下ではローン控除の差が0円になるケースもあります。
この記事では、2026年8月時点の制度を金額に直したうえで、追加コストが見積書のどこに載るか、認定を取るべき人と保留してよい人の条件までを整理します。見積もりバンクは住宅会社とは別の第三者として、契約前の見積書・資金計画書を確認している立場から書いています。情報の基準日は2026年8月27日です。
目次
長期優良住宅のメリットは4分野に整理できる

長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅として、所管行政庁の認定を受けた住宅のことです。
認定は着工前の申請が前提で、着工後に申請することはできません。
メリットは大きく4分野です。まず全体像を押さえてから、自分に効くものだけを詳しく読む順番が早く済みます。
メリット | 2026年8月時点の内容 | 効きやすい人 |
住宅ローン控除 | 借入限度額4,500万円(子育て世帯等5,000万円) | 借入額が3,500万円を超える人 |
税の軽減 | 登録免許税・不動産取得税・固定資産税を軽減 | 建物の評価額が大きい人 |
住宅ローン金利 | 【フラット35】Sと維持保全型の両方に該当 | フラット35を使う人 |
補助金 | みらいエコ住宅2026事業で75万〜80万円 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
表を読むうえで押さえたいのは、4つのうち金額が最も大きいのは補助金と住宅ローン控除であり、税の軽減は注文住宅の場合おおむね数万円〜20万円台にとどまる点です。「税金が安くなる」という説明だけを見て判断すると、実際の金額感とずれます。
なお認定取得はすでに例外的な選択ではありません。国土交通省の発表によれば、令和7年度末時点の新築一戸建ての認定戸数は155,838戸で、新設住宅着工戸数に対する割合は49.8%でした(出典:国土交通省「長期優良住宅の認定状況について(令和7年度末時点)」2026年7月17日発表、確認日:2026年8月27日)。
新築戸建ての約半数が認定を取得している状況です。
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住宅ローン控除:借入限度額は4,500万円。差が出るのは残高3,500万円超の部分だけ

令和8年度税制改正で住宅ローン控除は5年延長され、2026年(令和8年)1月1日から2030年(令和12年)12月31日までに入居した場合が対象になりました。
控除率0.7%、控除期間13年は新築で共通です。
2026年入居の借入限度額(新築)
住宅の種類 | 一般世帯 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
認定長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 |
ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 |
省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 |
(出典:国土交通省「住宅ローン減税」および同「新築住宅を取得する」、確認日:2026年8月27日)
子育て世帯は19歳未満の子がいる世帯、若者夫婦世帯は夫婦のいずれかが40歳未満の世帯が目安です。合計所得金額2,000万円以下、床面積40㎡以上(上乗せ措置を使う場合や所得1,000万円超の場合は50㎡以上)といった要件もあります。
限度額の差が、そのまま控除額の差になるわけではない
控除額は「その年の年末残高」と「借入限度額」の小さいほうに0.7%を掛けた額です。
年末残高が限度額を下回っていれば、限度額がいくら大きくても控除額は変わりません。
借入額別に、認定長期優良住宅とZEH水準省エネ住宅の13年間の控除額を試算すると次のようになります。
借入額 | 認定長期優良住宅 | ZEH水準省エネ住宅 | 差 |
3,000万円 | 約228.5万円 | 約228.5万円 | 0円 |
3,500万円 | 約266.6万円 | 約266.6万円 | 0円 |
4,000万円 | 約304.7万円 | 約296.6万円 | 約8.1万円 |
4,500万円 | 約342.8万円 | 約312.1万円 | 約30.7万円 |
5,000万円 | 約374.7万円 | 約318.1万円 | 約56.6万円 |
※以下は一般的な条件をもとにした試算例であり、実際の金額を示すものではありません。条件は一般世帯・35年元利均等返済・全期間固定年1.5%・13年間、控除額を所得税と住民税から全額引ききれる前提です。
読み取り方は3点です。
第一に、借入3,500万円以下ではZEH水準との差が0円になります。
第二に、差が出るのは残高が3,500万円を超えている期間だけで、返済が進むほど差は縮みます。
第三に、この試算は控除額を全額使いきれる前提です。実際には各年の所得税額と住民税からの控除上限(年97,500円)が上限になるため、所得によっては表の金額に届きません。
一方で、省エネ基準適合住宅(限度額2,000万円)との比較では差が大きく開きます。借入3,000万円でも約46万円、4,000万円なら約123万円の差です。比較対象を「ZEH水準」に置くか「省エネ基準適合」に置くかで結論が変わるため、自分の住宅会社の標準仕様がどちらに近いかを先に確認してください。
なお、住宅ローン控除と併用できない「認定住宅新築等特別税額控除(投資型減税)」もあります。標準的な性能強化費用相当額の10%(最大65万円)を控除する制度で、2026年1月1日から2028年12月31日までの入居が対象です。住宅ローンを組まない場合や、ローン控除の効果が小さい場合に検討対象になります(出典:国土交通省「認定長期優良住宅を取得したときに利用できる減税制度」、確認日:2026年8月27日)。
税金の軽減:注文住宅では合計で数万円〜20万円台にとどまることが多い

登録免許税・不動産取得税・固定資産税の3つは、一般住宅の特例と比べた「上乗せ分」だけがメリットになります。
税目 | 一般住宅 | 認定長期優良住宅 | 適用期限 |
登録免許税(保存登記) | 0.15% | 0.1% | 2027年3月31日までに新築 |
不動産取得税(控除額) | 1,200万円 | 1,300万円 | 2031年3月31日までに新築 |
固定資産税(1/2減額) | 3年間 | 5年間 | 2031年3月31日までに新築 |
(出典:国土交通省「認定長期優良住宅を取得したときに利用できる減税制度」、確認日:2026年8月27日。固定資産税の1/2減額は住宅部分120㎡までが対象)
建物の固定資産税評価額を1,300万円、税率1.4%と仮定したモデルケースで計算すると、上乗せ分は次のようになります。
固定資産税:年約9.1万円の減額が2年分長く続く → 約18.2万円
登録免許税:1,300万円×0.05% → 約6,500円
不動産取得税:(1,300万円−1,200万円)×3% → 約3万円
合計 → 約21.9万円
※以下は一般的な条件をもとにした試算例であり、実際の金額を示すものではありません。固定資産税評価額は自治体が判定するもので、請負金額とは一致しません。
ここで見落とされやすいのが不動産取得税です。控除額が1,200万円から1,300万円に増える制度なので、建物の評価額が1,200万円以下なら一般住宅でも税額は0円になり、認定による差も0円です。差が出るのは評価額が1,200万円を超える場合だけで、最大でも3万円です。
登録免許税も同様に、注文住宅で必要になるのは所有権保存登記が中心のため、差額は1万円に届かないことがほとんどです。所有権移転登記の軽減(戸建て0.2%)は新築分譲住宅を購入する場合に効いてきます。
住宅ローン金利と地震保険:効く人と効かない人が分かれる

【フラット35】では2つのメニューに同時に該当する
住宅金融支援機構の【フラット35】には、住宅性能や世帯条件に応じたポイント数で金利引下げ幅が決まる仕組みがあります。長期優良住宅は、【フラット35】Sの金利Aプランのうち「耐久性・可変性」の基準に明記されており、さらに管理・修繕の「維持保全型」の対象にもなります(出典:住宅金融支援機構【フラット35】S プランと技術基準、確認日:2026年8月27日)。
ポイント合計が3ポイントであれば当初5年間 年▲0.75%、4ポイントであれば当初5年間 年▲1.00%といった形で引下げ幅が決まります。子育て世帯の加算などとも合算されるため、同じ長期優良住宅でも世帯構成によって引下げ幅が変わる点に注意してください。最終的な適用可否と引下げ幅は、取扱金融機関の審査で確定します。
一方、民間の変動金利型ローンでは、長期優良住宅であることを理由とした金利引下げは一般的ではありません。フラット35を使わない場合、このメリットは実質的にゼロと考えて計画したほうが安全です。
地震保険の割引は「認定の有無」ではなく耐震等級で決まる
地震保険の耐震等級割引は、耐震等級3で50%、等級2で30%、等級1で10%です。長期優良住宅の認定基準は耐震等級2以上(壁量計算による場合は等級3)とされているため、認定住宅は少なくとも30%の割引が使える計算になります。
ただし割引の根拠になるのは耐震等級そのものであり、長期優良住宅の認定通知書ではなく、住宅性能評価書や設計内容説明書などの確認資料が必要です。認定を取らずに耐震等級3で建てた家でも50%割引は使えます。「地震保険が安くなるから認定を取る」という順序ではなく、「耐震等級をいくつにするか」を先に決める話だと整理してください。
補助金「みらいエコ住宅2026事業」:長期優良住宅の枠には世帯要件がある

2026年度の新築向け補助金は「みらいエコ住宅2026事業」です。注文住宅の新築の補助額は次のとおりです。
住宅区分 | 地域区分1〜4(寒冷地等) | 地域区分5〜8 | 世帯要件 |
GX志向型住宅 | 125万円 | 110万円 | 全世帯 |
長期優良住宅 | 80万円 | 75万円 | 子育て世帯または若者夫婦世帯 |
ZEH水準住宅 | 40万円 | 35万円 | 子育て世帯または若者夫婦世帯 |
(出典:みらいエコ住宅2026事業 公式サイト、確認日:2026年8月27日。既存住宅の除却を伴う場合、長期優良住宅・ZEH水準住宅は20万円加算)
この表で見落とされやすいのが、長期優良住宅の枠には世帯要件があるという点です。子育て世帯にも若者夫婦世帯にも当てはまらない場合、長期優良住宅を取得してもこの補助金は使えません。その場合はGX志向型住宅(全世帯対象)を目指すか、補助金を計算に入れずに判断することになります。
もう2つ、期限に関わる条件があります。ひとつは着工時期で、2025年11月28日以降に基礎工事へ着手していることが要件とされています。もうひとつは申請期間で、原則2026年12月31日まで、注文住宅のZEH水準住宅は2026年9月30日までとされています。予算上限に達した時点で締め切られるため、契約時点で残り予算がどうなっているかを住宅会社に確認する必要があります。
申請するのは施主本人ではなく、事業者登録をした住宅会社です。「この会社は事業者登録を済ませているか」「申請の期限管理は誰がするか」は、契約前に書面で確認しておく項目になります。
追加コスト:性能アップ費用と申請費用はまったく別のもの

ここが、上位の解説記事でもっとも粗くなりやすい部分です。「長期優良住宅にすると20万〜30万円かかる」という説明をよく見かけますが、実際には性質の違う3種類の費用が混ざっています。
費用は3つに分けて見る
1. 所管行政庁の認定申請手数料
自治体が条例で定める手数料で、登録住宅性能評価機関の事前審査(適合証・確認書)を受けているかどうかで金額が大きく変わります。
自治体 | 事前審査あり | 事前審査なし |
大阪市(一戸建て・新築) | 13,000円 | 73,600円 |
浜松市(一戸建て・新築) | 15,000円 | 52,000円 |
(出典:大阪市「長期優良住宅-申請手数料-」、浜松市「長期優良住宅の認定手続きの主な流れと手数料」、いずれも確認日:2026年8月27日。金額は自治体ごとに異なります)
2. 登録住宅性能評価機関の技術的審査手数料
事前審査を受ける場合にかかります。ある登録機関の公表料金では、一戸建て・新築の単独申請で税込49,500円〜82,500円とされています(出典:日本確認検査センター「手数料|長期優良住宅」、確認日:2026年8月27日。令和8年4月1日からの料金)。機関によって金額は異なります。
3. 設計・申請図書の作成費(住宅会社または設計事務所の手数料)
1と2は公表されている外部費用ですが、3は住宅会社が自社で値決めする費用です。ここが会社によって0円から30万円程度まで最も幅が出る部分で、比較の際に条件がそろわなくなる原因にもなります。
これに加えて、標準仕様が認定基準に届いていない場合の性能アップ工事費が別途かかります。断熱等性能等級5・一次エネルギー消費量等級6が必要なため、標準仕様が2025年4月に義務化された省エネ基準(断熱等性能等級4相当)どまりの会社では、断熱材や窓の仕様変更費用が上乗せされます。逆に標準仕様がすでにZEH水準以上の会社なら、この工事費はほぼ発生しません。
見積書・資金計画書での確認手順
見積もりバンクが契約前診断で実際に見ているのは、次の順序です。
見積書を「長期優良」「認定」「性能評価」「申請」で検索する。 該当する行がなければ、未計上か、他の項目に含まれている可能性があります。
見つかった行がどのブロックにあるかを確認する。 本体工事費の中か、別途工事費か、諸費用(設計料・申請料)か。ブロックが違うと、値引き対象になる範囲や消費税の扱いが変わることがあります。
金額の末尾が「一式」「概算」になっていないかを見る。 認定申請費用は前述のとおり自治体・機関の公表料金がベースなので、確定額を出せる項目です。概算のままなら、内訳の提示を求めてください。
性能アップ工事費が別行で立っているかを見る。 立っていない場合、「標準仕様で認定基準を満たしている」のか「まだ見積もりに反映されていない」のか、どちらなのかを確認します。この2つは金額が同じ0円でも意味がまったく違います。
資金計画書側に同じ項目が二重で載っていないかを確認する。 見積書の諸費用と資金計画書の諸費用に、同じ申請費用が別名で計上されているケースがあります。
この5つを踏むと、「長期優良住宅にすると総額でいくら増えるのか」が金額で確定します。ここが確定しないまま、メリット側の減税額だけを比較すると判断を誤ります。
認定後の義務:10年ごとの点検と記録の保存。費用の負担者を契約前に決める

認定を受けると、認定計画実施者には維持保全の義務が生じます。維持保全の期間は建築後30年以上、点検は少なくとも10年ごとに実施することとされています(出典:今治市「長期優良住宅認定制度」、確認日:2026年8月27日)。
さらに、建築および維持保全の状況に関する記録を作成・保存する義務があり、所管行政庁から報告を求められることがあります。報告に応じない場合や虚偽の報告をした場合は30万円以下の罰金、維持保全が適切でない場合は改善命令、命令違反の場合は認定の取消しがあり得ます(出典:国土交通省「長期優良住宅のページ」、確認日:2026年8月27日)。
実務で認識のズレが起きやすいのは、住宅会社の無料定期点検と、長期優良住宅の維持保全計画に基づく点検が同じものかどうかです。同じ訪問でまとめて実施する会社もあれば、長期優良住宅向けの点検・報告書作成を有償メニューにしている会社もあります。10年ごと30年以上という期間なので、有償なら生涯コストに効いてきます。
契約前に確認しておきたいのは次の3点です。
維持保全計画に定めた点検を、誰が、いつ、いくらで実施するのか
点検記録の作成・保存を住宅会社が代行するのか、施主が自分で保管するのか
計画どおりの補修が必要になった場合、その費用は保証の範囲か、実費か
認定基準:自分の建てる家が満たせるかは「等級」で確認する

戸建て住宅(木造)の主な認定基準は次のとおりです。
項目 | 基準 |
劣化対策 | 劣化対策等級3、かつ構造の種類に応じた基準に適合 |
耐震性 | 耐震等級2以上(壁量計算による場合は等級3) |
省エネルギー性 | 断熱等性能等級5、かつ一次エネルギー消費量等級6 |
維持管理・更新の容易性 | 維持管理対策等級(専用配管)3 |
住戸面積 | 75㎡以上、かつ少なくとも一の階の床面積が40㎡以上 |
維持保全計画 | 建築後30年以上、少なくとも10年ごとの点検 |
居住環境・災害配慮 | 所管行政庁が定める基準に適合 |
(出典:国土交通省「長期優良住宅認定制度の概要」、確認日:2026年8月27日)
判断の分かれ目になりやすいのは2つです。
ひとつは省エネ性能です。2025年4月から新築住宅には省エネ基準(断熱等性能等級4相当)への適合が義務化されましたが、長期優良住宅はその一段上の等級5・等級6が必要です。義務化された基準を満たしているだけでは認定は取れません。
もうひとつは住戸面積です。75㎡以上(一般的な木造住宅で約22.7坪以上)が必要なため、コンパクトな平屋や狭小地の住宅では面積要件で届かないことがあります。加えて、一の階の床面積40㎡以上という条件もあります。
そして手続き上の制約として、認定申請は着工前に行う必要があります。着工後の申請は受け付けられません。契約や着工のスケジュールが先に決まっている場合、「認定を取るかどうか」は先送りできない判断になります。
認定を取る場合の手続きの流れ
設計段階で、認定基準を満たす仕様かどうかを設計者が確認する
登録住宅性能評価機関の技術的審査を受け、適合証(確認書)または設計住宅性能評価書を取得する
着工前に、所管行政庁へ認定申請する(申請受付後でなければ着工できない自治体があります)
認定通知書の交付を受ける(申請から2週間程度が目安。自治体により異なります)
着工。設計変更が生じた場合は変更認定申請が必要
完了後、建築士による工事完了確認を受け、自治体の定めに従って完了報告する
引き渡し後、維持保全計画に基づいて点検・記録の作成と保存を続ける
(出典:浜松市「長期優良住宅の認定手続きの主な流れと手数料」、確認日:2026年8月27日。手続きの詳細は所管行政庁により異なります)
この流れのうち、施主が期限を意識すべきなのは3です。土地の引き渡し日や着工日が先に決まっていると、2の技術的審査が間に合わないことがあります。
認定を検討するなら、間取りの確定より前に住宅会社へ意向を伝えてください。
条件別:認定を取ったほうがよい人/判断を保留してよい人

「人によります」で終わらせずに、条件ごとに整理します。
取得のメリットが大きい条件
子育て世帯・若者夫婦世帯にあてはまる:みらいエコ住宅2026事業で75万〜80万円が加わり、追加コストを上回りやすくなります。
借入額が4,000万円を超える:住宅ローン控除の差が実額として出てきます。
【フラット35】を利用する:金利Aプランと維持保全型の両方に該当します。
住宅会社の標準仕様がすでに断熱等性能等級5・一次エネルギー消費量等級6以上:性能アップ工事費がほぼ発生せず、申請費用だけで済みます。
急いで判断しなくてよい、または慎重に検討したい条件
世帯要件にあてはまらず、借入額が3,500万円以下:補助金が使えず、ローン控除の差も出にくいため、税の軽減(モデルケースで約20万円前後)と申請費用の比較になります。
民間の変動金利型ローンを使う予定:金利面のメリットは見込みにくくなります。
建物の固定資産税評価額が1,200万円を下回る見込み:不動産取得税の差は0円になります。
延床面積が75㎡前後:面積要件を満たせるか、設計段階での確認が先です。
標準仕様が省エネ基準(等級4)どまりの会社:性能アップ工事費が上乗せされるため、その金額を出してもらってから判断します。
判断の順序としては、①世帯要件と借入額でメリット側の金額を出す → ②見積書で追加コストを確定させる → ③差額を比べる、という流れになります。メリット側とコスト側のどちらも「自分の条件での金額」に直さないと比較になりません。
営業担当者に確認する4つの質問

そのまま使える形にしています。
回答は口頭ではなく、メールや見積書への追記など書面で残してください。
質問1
御社の標準仕様は、断熱等性能等級と一次エネルギー消費量等級でそれぞれいくつですか。 「高断熱です」「ZEH相当です」といった回答は、等級の数字が出ていないため再確認が必要です。等級5・等級6という数字が返ってこない場合、性能アップ費用が別途かかる可能性があります。
質問2
長期優良住宅の認定を取る場合に増える費用を、申請手数料・技術的審査料・設計申請費・性能アップ工事費に分けて金額で教えてください。 「一式30万円」のような回答は、内訳の提示を求めてください。前の3つは公表料金や自社の値決めで確定できる金額です。
質問3
この見積書と資金計画書のうち、長期優良住宅に関する費用はどの行に入っていますか。入っていない場合は、どの段階で追加になりますか。 「後で入れます」という回答があった場合、契約前の総額が確定していないことになります。追加見積の提示時期を確認してください。
質問4
認定後の10年ごとの点検と記録の作成・保存は、御社が実施しますか。費用は無償ですか、有償ですか。 「点検はやっています」だけの回答では、通常の定期点検との違いが分かりません。長期優良住宅の維持保全計画に基づく点検かどうか、報告書の作成まで含むかを確認してください。
よくある質問

Q. 長期優良住宅のデメリットは何ですか。
主な注意点は3つです。着工前申請が必要でスケジュールに制約が出ること、申請費用と性能アップ工事費が追加でかかること、認定後に30年以上・10年ごとの点検と記録保存の義務が続くことです。制度そのものが不利になるというより、「追加コストと手間に見合うメリットが自分の条件で出るか」が判断軸になります。
Q. 認定を取らずに、同じ性能の家を建てることはできますか。
できます。断熱等性能等級5・耐震等級3といった性能は認定がなくても実現でき、光熱費や耐震性能に差は出ません。認定によって変わるのは、税制・補助金・フラット35・地震保険などの「制度上の扱い」と、性能を第三者が証明する書類が残る点です。
Q. 住宅ローン控除は、長期優良住宅なら必ず4,500万円分の控除が受けられますか。
いいえ。控除額は各年の年末残高と借入限度額の小さいほうに0.7%を掛けた額で、さらに所得税額と住民税からの控除上限(年97,500円)の範囲内です。借入額や所得によっては、限度額いっぱいの控除にはなりません。
Q. 中古で長期優良住宅を売却するとき、価格は高くなりますか。
認定住宅であることが評価につながる可能性はありますが、成約価格は立地・築年数・市況の影響が大きく、認定の有無だけで価格差を示した公的な統計は確認できていません。売却価格の上乗せを前提に判断するのではなく、税制・補助金・金利といった確定している効果で判断することをおすすめします。
Q. 申請は自分でもできますか。
制度上は建築主が申請者ですが、認定基準への適合を示す設計図書が必要なため、実務では設計者や住宅会社が作成・代行します。設計図書の作成なしに施主が単独で進めるのは現実的ではありません。
まとめ

最も重要な結論は、長期優良住宅のメリットの大きさは制度の内容ではなく、自分の世帯要件・借入額・住宅会社の標準仕様で決まるということです。補助金の75万〜80万円は世帯要件つき、住宅ローン控除の差は借入3,500万円以下では0円、税の軽減はモデルケースで約20万円前後です。
確認すべき項目は3つ
①みらいエコ住宅2026事業の世帯要件に当てはまるか
②借入予定額が3,500万円を超えるか
③住宅会社の標準仕様が断熱等性能等級5・一次エネルギー消費量等級6に届いているか。
次に取る行動は、見積書と資金計画書を「長期優良」「認定」「性能評価」「申請」で検索し、該当する行がどのブロックにいくらで載っているかを確認することです。そのうえで、上記の4つの質問を書面で投げてください。認定申請は着工前が前提なので、契約スケジュールが決まっているなら早い段階での確認が必要です。
見積書や資金計画書を見ても、長期優良住宅に関する費用がどこに入っているのか、概算なのか確定なのかを判断しにくい場合は、住宅会社とは別の第三者に確認を依頼する方法もあります。見積もりバンクでは、契約前の見積書と資金計画書を確認し、金額の高低だけでなく、含まれる項目・含まれていない項目・追加確認が必要な項目を整理しています。
この記事の執筆者
見積もりバンク運営者
注文住宅の見積書・資金計画書を、住宅会社とは別の第三者の立場から確認しています。金額の高低だけでなく、費用の抜け漏れ、概算項目、別途工事、二重計上などを整理し、契約前の判断材料を提供しています。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の契約、融資、税務、法的判断については、公的機関の最新情報や各分野の専門家へご確認ください。制度の内容・金額・期限は改正により変わります。
参考情報・出典
すべて確認日:2026年8月27日







