戸建て価格の推移を徹底検証|過去10年の相場とこれからの見通し
- 見積もりバンク担当者
- 5月23日
- 読了時間: 16分
更新日:10月15日
更新日:2025年10月15日
「戸建て価格の推移はどうなっているのか?」「今後、価格は下がるのか上がるのか?」——家づくりや不動産投資を考える人なら誰しも気になるテーマです。特に近年は、ウッドショックや建築資材の高騰、低金利政策の影響で価格が大きく変動しています。
本記事では、過去10年の戸建て価格の推移、現在の相場状況、2025年以降の見通しをデータや実務経験を踏まえて解説します。さらに「購入・売却のベストタイミング」や「ローン金利が市場に与える影響」まで徹底的に分析。プロ視点のアドバイスや実体験談も交え、信頼できる情報をまとめました。
目次
1-1: 戸建てとは?基本的な定義と特徴
1-2: 価格推移に関する基礎知識
1-3: 不動産市場と戸建ての関係性
1-4: 住宅価格推移を理解する重要性
2-1: 住宅価格推移(10年)の概略
2-2: 東京の戸建て価格の変動
2-3: 地方と首都圏の比較
2-4: 過去の価格推移グラフの考察
3: 現在の戸建て価格の状況
3-1: 住宅価格高騰の原因
3-2: 今後の住宅価格下落の可能性
3-3: 東京での価格上昇率の現状
3-4: 中古と新築戸建ての価格動向
4: 今後の戸建て価格の見通し
4-1: 2025年以降の予測
4-2: 金利上昇による市場影響
4-3: ウッドショックとその影響
4-4: 建築資材の価格変動と影響
5-1: 今後の不動産市場動向
5-2: 売却のベストタイミングとは?
5-3: マイホーム購入の理想的な時期
5-4: 東京でマイホームを考える人へのアドバイス
6-1: 最新の市場データと分析
6-2: 住宅ローンの動向について
6-3: 家づくりにおける資材の選定
6-4: 政策や規制が市場に与える影響
7: 戸建て価格推移のまとめ
7-1: これまでの価格推移まとめ
7-2: 今後の動向を踏まえた提言
7-3: 理想のマイホームに向けた選択肢

1: 戸建て価格の推移を把握するための基礎知識
1-1: 戸建てとは?基本的な定義と特徴
「戸建て住宅」とは、土地と建物を一体として所有する住宅形態のことです。マンションと異なり、所有者が土地を含め自由に管理できるのが特徴です。
🏠 メリット:間取りの自由度、リフォームの柔軟性、土地の資産価値
⚠️ デメリット:維持費がかかる、地震や災害リスクを直接負う
1-2: 価格推移に関する基礎知識
戸建て価格は以下の要素で変動します。
土地価格(立地・地価公示データ)
建築費(資材費+人件費)
需要と供給(世帯数・人口動向)
金利(住宅ローンの返済負担に直結)
📊 価格構成イメージ
項目 | 割合(目安) |
土地代 | 40〜60% |
建物代 | 30〜50% |
諸費用 | 5〜10% |
\➡ 関連記事:知らないと損!家の価格推移を徹底解説
1-3: 不動産市場と戸建ての関係性
戸建て価格は不動産市場全体の動きと密接に関係します。特に以下の指標が重要です。
公示地価(国土交通省発表)
住宅着工戸数(需要の強弱を示す)
金利動向(日銀の政策金利が住宅ローン金利に影響)
1-4: 住宅価格推移を理解する重要性
戸建て価格の推移を理解することは、
購入タイミングを見極める
売却時期を判断する
将来の資産価値を予測するうえで不可欠です。
💡 プロ視点のアドバイス
「価格推移は全国平均だけでなく、地域別データを比較することが重要です。特に首都圏と地方では動きがまったく異なるため、必ず自分が購入・売却を考えているエリアのデータを確認してください。」
2: 過去10年の戸建て価格の推移

2-1: 住宅価格推移(10年)の概略
2015年から2025年にかけての戸建て価格は、全国的に右肩上がりで推移しました。背景には以下の要因があります。
📈 地価上昇(都市部を中心に需要集中)
🪵 建築資材の高騰(ウッドショック・鉄鋼価格上昇)
💴 低金利政策(借入負担が軽くなり需要拡大)
👥 人口動態の変化(世帯数の伸びと都市部集中)
📊 全国戸建て価格推移(概算イメージ)
年度 | 平均価格(新築戸建て) | 主な出来事 |
2015年 | 約2,950万円 | 金利低下・アベノミクスで地価回復 |
2018年 | 約3,200万円 | オリンピック関連需要・資材高騰 |
2020年 | 約3,450万円 | コロナ禍・在宅需要増加 |
2022年 | 約3,800万円 | ウッドショック・資材高騰ピーク |
2024年 | 約4,100万円 | 首都圏での取引価格が過去最高水準 |
2025年 | 約4,200万円(推定) | 金利上昇の影響を一部吸収しつつ高止まり |
💡 プロ視点のコメント
「全国平均を見ると価格は確かに上昇基調ですが、地域格差が拡大しています。東京や名古屋など大都市圏では高騰が続く一方、地方では横ばいか微減という地域も少なくありません。」
\➡ 関連記事:注文住宅の相場、実はこんなに違う!知られざる価格帯とは
2-2: 東京の戸建て価格の変動
首都圏、とりわけ東京の戸建て価格は過去10年で顕著な上昇を示しました。
2015年:新築戸建ての平均価格は 約4,500万円
2020年:平均 約5,200万円(コロナ禍でも上昇)
2024年:平均 約6,000万円 を突破
2025年:一部エリアで 7,000万円超え の取引も確認
📌 東京価格高騰の背景
都心部の土地供給不足
富裕層・外国人投資家の参入
共働き世帯の増加による都市部需要の維持
鉄道・再開発エリアの利便性向上
📊 東京戸建て価格推移(例)
年度 | 平均価格 | 増減率 |
2015年 | 約4,500万円 | – |
2018年 | 約4,800万円 | +7% |
2020年 | 約5,200万円 | +8% |
2022年 | 約5,700万円 | +10% |
2024年 | 約6,000万円 | +5% |
💬 実体験談(東京都・40代男性)
「2017年に5,000万円で購入した戸建てが、2024年に査定すると6,500万円と評価されました。地価上昇と建築費高騰の影響を実感しています。」
2-3: 地方と首都圏の比較
戸建て価格の推移は「全国一律」ではなく、都市部と地方で大きな差が見られます。
📊 首都圏と地方の戸建て価格比較(新築平均・概算)
年度 | 東京23区 | 名古屋市 | 大阪市 | 地方都市(福岡・仙台など) | 地方郊外 |
2015年 | 約4,500万円 | 約3,500万円 | 約3,800万円 | 約3,200万円 | 約2,500万円 |
2020年 | 約5,200万円 | 約3,800万円 | 約4,200万円 | 約3,400万円 | 約2,600万円 |
2024年 | 約6,000万円 | 約4,200万円 | 約4,700万円 | 約3,700万円 | 約2,700万円 |
2025年 | 約6,200万円〜7,000万円 | 約4,300万円 | 約4,800万円 | 約3,800万円 | 約2,700万前後 |
👉 特徴として、
東京23区は 10年で+1,500〜2,000万円 の上昇
名古屋・大阪も上昇傾向だが、伸び率は東京ほどではない
地方都市(福岡・仙台など)は緩やかに上昇
地方郊外は 横ばい〜微増 で推移
💡 プロ視点のコメント
「地方でも駅近や再開発エリアは値上がりしていますが、人口減少が進むエリアでは逆に価格が下落するケースもあります。**“全国平均”に惑わされず、エリア別で見ることが大切です。」
2-4: 過去の価格推移グラフの考察
戸建て価格の推移をグラフで見ると、いくつかの明確なポイントが浮かび上がります。
📈 グラフから読み取れる傾向(2015〜2025)
2015〜2018年:緩やかな上昇(地価回復+オリンピック需要)
2019〜2021年:急激な上昇(資材高騰・在宅需要拡大)
2022〜2024年:価格高騰のピーク(ウッドショック・円安)
2025年:金利上昇の影響を受けつつも高止まり
📌 チェックポイント
東京・名古屋・大阪など都市圏 → 上昇カーブが急
地方郊外 → ほぼ横ばい
2022年以降 → 全国的に建築費の上昇が価格を押し上げた
💬 実体験談(愛知県・30代女性)
「2019年に建売戸建てを購入しましたが、同じエリアで2024年に販売された物件は1,000万円近く高くなっていました。土地価格は変わらず、建築費の影響だと説明を受けました。」
3: 現在の戸建て価格の状況

3-1: 住宅価格高騰の原因
2025年時点で戸建て価格が高止まりしている背景には、複数の要因が複雑に絡み合っています。
📌 主な要因
🪵 建築資材の高騰:ウッドショック、鉄鋼・コンクリート価格の上昇
💴 円安:輸入材のコスト増加
📉 人件費の上昇:大工・職人不足による労務費増
🏙 都市部需要の集中:人口減少でも東京・大阪・名古屋などでは需要堅調
🏦 低金利政策:2020年代前半までの超低金利が需要を後押し
💡 プロ視点
「住宅会社の見積り現場でも、資材費が前年比10〜20%増ということが珍しくありません。特に木材や鉄骨の価格変動は顕著で、戸建て価格の上昇を直接押し上げています。」
\➡ 関連記事:注文住宅の金額、どこまで上がる?高騰時代に損しない工夫とは
3-2: 今後の住宅価格下落の可能性
「戸建て価格はこれから下がるのか?」という疑問を持つ人は多いですが、結論としては短期的な大幅下落の可能性は低いと考えられます。
📌 下落が起きにくい理由
土地は供給が限られている(特に都市部)
人件費や資材費は下がりにくい
住宅ローン需要が根強い
ただし、以下の条件下では価格調整の可能性があります。
金利上昇(返済負担増による需要減)
人口減少による地方需要の縮小
新築供給過多
👉 地方郊外の戸建ては今後値下がりのリスクが高い一方、首都圏・政令市の物件は依然として高値維持が続くと予想されます。
3-3: 東京での価格上昇率の現状
東京23区の戸建て価格は、2015年から2025年の10年間で約35〜40%の上昇を見せました。
📊 東京戸建て価格上昇率(例)
エリア | 2015年平均価格 | 2025年平均価格 | 上昇率 |
23区全体 | 約4,500万円 | 約6,200万円 | +37% |
世田谷区 | 約5,500万円 | 約7,800万円 | +42% |
杉並区 | 約4,700万円 | 約6,600万円 | +40% |
江戸川区 | 約3,800万円 | 約5,200万円 | +36% |
💬 実体験談(東京都・30代女性)
「2018年に杉並区で新築戸建てを購入しました。当時は5,200万円でしたが、2025年に査定してもらったら6,800万円と言われました。短期間でこれほど価値が上がるとは思いませんでした。」
3-4: 中古と新築戸建ての価格動向
新築戸建ての価格が高騰する一方で、中古戸建ての需要も高まっています。
📌 新築戸建ての特徴
高品質・最新設備
価格は割高
供給はハウスメーカーや建売業者が主
📌 中古戸建ての特徴
価格は新築より安い
リフォームやリノベーション需要増加
立地の選択肢が多い
📊 新築と中古の価格比較(全国平均)
年度 | 新築戸建て平均価格 | 中古戸建て平均価格 |
2015年 | 約2,950万円 | 約2,100万円 |
2020年 | 約3,450万円 | 約2,300万円 |
2024年 | 約4,100万円 | 約2,600万円 |
2025年 | 約4,200万円 | 約2,650万円 |
👉 新築と中古の価格差は縮小傾向にあり、今後は「中古を買ってリノベーション」という選択肢がさらに増えていくと見込まれます。
💡 プロ視点のアドバイス
「注文住宅を検討する方でも、中古戸建て+リノベーションの方がコストパフォーマンスが高いケースがあります。特に首都圏では土地代が高いため、“中古購入+建て替え”という選択肢も現実的です。」
\➡ 関連記事:中古住宅の購入の新常識!失敗しない5つのポイント
4: 今後の戸建て価格の見通し

4-1: 2025年以降の予測
2025年時点で戸建て価格は高止まりしており、「この先は下落するのか、さらに上がるのか」が最大の関心事です。
📌 短期(2025〜2027年)
金利上昇の影響で購入層が減少し、取引数は減る可能性
価格自体は「横ばい〜微減」にとどまる見込み
首都圏は需要が強く、大幅下落は起きにくい
📌 中期(2028〜2030年)
人口減少が顕著になり、地方郊外は価格下落が進む
首都圏・政令市の人気エリアは維持される
中古戸建て市場が拡大(リノベーション需要増加)
📌 長期(2030年以降)
全国的には「二極化」が加速
都市部=高止まり or 上昇、地方=下落
住宅の資産価値は「立地と築年数」でより厳しく選別される
💡 専門家コメント
「“全国平均”という数字は今後ますます意味を持たなくなります。エリア別に見れば、同じ時期でも価格が大きく動く可能性があるため、投資目的でも居住目的でも“地域特性”を見極めることが重要です。」
4-2: 金利上昇による市場影響
2025年、日銀がマイナス金利を解除した影響で、住宅ローン金利はじわじわと上昇しています。
📊 金利と購入可能額の関係(借入4,000万円/35年返済)
金利 | 月々返済額 | 総返済額 |
0.5% | 約106,000円 | 約4,450万円 |
1.0% | 約113,000円 | 約4,750万円 |
2.0% | 約132,000円 | 約5,530万円 |
3.0% | 約154,000円 | 約6,480万円 |
👉 金利が1%上がるだけで「総返済額は数百万円〜1,000万円以上」増えることになります。
結果として、
購買層の手が届く価格帯が下がる → 売れにくい物件が出る → 一部エリアで価格調整が起きるという流れが予想されます。
\➡ 関連記事:資金計画を成功に導く!住宅ローンの賢い選び方
4-3: ウッドショックとその影響
2021年に起きた「ウッドショック」は、戸建て市場に大きな影響を与えました。
木材価格が一時的に 2倍以上 に高騰
着工遅延や契約変更が全国で発生
2025年時点でも資材価格は完全には戻っていない
📌 今後の見通し
供給は安定しつつあるが、価格はコロナ前水準には戻らない
木材だけでなく、鉄骨・コンクリート・ガラスも高止まり傾向
戸建て価格を押し下げる要因にはなりにくい
4-4: 建築資材の価格変動と影響
建築資材は住宅価格に直結します。特に戸建ての場合、建築費用が価格の30〜50%を占めるため影響が大きいです。
📊 建築資材価格の動向(2015年比・2025年時点)
資材 | 2015年比 | コメント |
木材 | 約+60% | ウッドショックの影響が残る |
鉄骨 | 約+40% | 円安・需要増 |
コンクリート | 約+25% | 輸送費の上昇も影響 |
ガラス | 約+30% | 省エネ需要で高性能ガラス需要増加 |
👉 今後も「資材価格が下がる」というよりは、高水準で安定する可能性が高く、戸建て価格を押し下げる要因にはなりにくいと予測されます。
💬 実体験談(神奈川県・工務店営業)
「2020年に坪単価50万円台で建てられた住宅が、2024年には坪単価80万円を超えるケースが出てきています。お客様には“今が高い”のではなく、“これからも高い水準が続く”と説明しています。」
5: 戸建て購入・売却のタイミング

5-1: 今後の不動産市場動向
2025年の住宅市場は、依然として「価格高止まり」と「金利上昇」の狭間にあります。
📌 注目すべき市場要因
🏦 金利:今後の利上げ幅次第で需要減少の可能性
🪵 建築資材:高止まりが続き、建築費は下がりにくい
👥 人口動態:地方では世帯数減少、都市部は需要堅調
🏠 中古市場:リノベーション需要が拡大し、存在感が増す
👉 全体としては「地方=横ばい〜下落」「都市部=高止まり〜微増」という二極化が続くと考えられます。
5-2: 売却のベストタイミングとは?
戸建てを高値で売却するには、需要が強い時期と買い手のローン条件が有利な時期を狙うのがポイントです。
📊 売却タイミングの目安
タイミング | メリット | 注意点 |
2025年現在(高値圏) | 高値で売れる可能性 | 金利上昇で買い手が減少 |
金利が安定した時期 | 買い手が増える | 価格が下落している可能性 |
再開発エリア完成直後 | 地価上昇で高値売却 | タイミングを逃すと需要減 |
💡 プロ視点
「首都圏の人気エリアでは2025年が売却チャンス。逆に地方郊外では“今のうちに売る”判断も重要です。」
5-3: マイホーム購入の理想的な時期
購入側にとっての「いつ買うべきか」は永遠のテーマです。
📌 購入を検討すべきタイミング
ライフイベント(結婚・子育て・転職)に合わせる
金利が比較的安定している時期
中古市場の優良物件が増えている時期
👉 戸建て価格が今後下がる保証はありません。特に都市部では「買いたいときが買い時」と言われるほど、需要が強い状態が続いています。
5-4: 東京でマイホームを考える人へのアドバイス
東京の戸建て購入は「タイミング」より「エリア選び」が決定的に重要です。
📊 エリア別の特徴(東京23区)
エリア | 特徴 | 価格推移傾向 |
世田谷・杉並 | 子育て世代に人気、供給少ない | 今後も高止まり |
江戸川・足立 | 比較的価格が抑えられる | 微増傾向 |
中央・港区 | 富裕層需要・土地希少 | 値下がりしにくい |
多摩地域 | 広い土地が確保できる | 横ばい〜微減 |
💬 実体験談(東京都・30代夫婦)
「2023年に多摩地域で戸建てを購入しました。23区内は予算的に厳しかったのですが、多摩なら庭付きで希望の間取りを実現できました。通勤時間は延びましたが満足しています。」
✅ チェックリスト:購入・売却の判断ポイント
金利動向を確認しているか
エリア別の需要・供給バランスを把握しているか
売却なら“再開発や相場高騰”の波に乗れているか
購入なら“無理のない資金計画”を立てているか
\➡ 関連記事:全ての家族が知るべき!マイホーム後悔を未然に防ぐ方法
6: 常に更新される住宅市場情報

6-1: 最新の市場データと分析
戸建て価格の推移を正しく把握するためには、一次情報を継続的に追うことが欠かせません。
📊 チェックすべき公的データ
国土交通省「地価公示」:毎年3月に発表される全国の土地価格の基準値
不動産流通推進センター「不動産価格指数」:住宅価格の時系列データ
住宅金融支援機構「フラット35利用実態調査」:ローン借入額・金利動向
総務省「住宅・土地統計調査」:世帯数や住宅ストックの状況
👉 これらを定期的に確認することで、ニュースだけでは分からない「価格の本当の流れ」が見えてきます。
6-2: 住宅ローンの動向について
住宅ローン金利は、戸建て価格の実質的な「購買力」に直結します。
📌 2025年時点の傾向
固定金利:1.3〜1.7%前後
変動金利:0.3〜0.6%前後
日銀の金利政策次第で上昇余地あり
📊 金利による購入可能額のシミュレーション(借入月々10万円返済の場合)
金利 | 借入可能額 |
0.5% | 約4,250万円 |
1.0% | 約4,000万円 |
2.0% | 約3,550万円 |
3.0% | 約3,100万円 |
👉 金利が上がれば「買える家の価格」が下がるため、価格推移と金利は必ずセットで考えるべきです。
6-3: 家づくりにおける資材の選定
建築資材の価格変動は戸建て価格を左右します。
📌 注目すべき資材トレンド
🪵 木材:国産材シフトが進むが依然として高水準
🧱 コンクリート:物流費や人件費の上昇でコスト増
🪟 省エネ資材:ZEH基準対応で高性能ガラス・断熱材需要が増加
👉 家を建てる際は「資材価格の見通し」も確認し、坪単価の変動リスクを把握しておくことが大切です。
6-4: 政策や規制が市場に与える影響
戸建て価格は、政府や自治体の政策にも大きく左右されます。
📌 主な政策・規制の影響
住宅ローン減税(控除率や適用条件の変更)
省エネ基準義務化(2025年から新築住宅に完全適用)
固定資産税の評価基準改正
都市計画・再開発プロジェクト
👉 これらは「購入者の負担」や「土地の資産価値」に直結するため、政策の発表タイミング=市場の変動ポイントとも言えます。
💡 プロ視点のアドバイス
「不動産市場は“ニュースを追うだけ”では不十分です。地価公示・金利・資材価格・政策、この4つを定期的にチェックすることで、購入や売却の判断を誤りにくくなります。」
7: 戸建て価格推移のまとめ
7-1: これまでの価格推移まとめ
過去10年の戸建て価格は、全国的に上昇傾向を示しました。
2015年〜2018年:オリンピック需要や地価回復で緩やかな上昇
2019年〜2021年:コロナ禍・在宅需要拡大で急騰
2022年〜2024年:ウッドショック・円安で価格高騰のピーク
2025年現在:金利上昇の影響が出始めるも、高止まり状態
📊 総括ポイント
東京23区は+35〜40%の上昇
地方都市は緩やかに上昇、地方郊外は横ばい
新築と中古の価格差が縮小
7-2: 今後の動向を踏まえた提言
📌 提言① 購入希望者へ
「価格が下がるのを待つ」より、金利・資材動向を見ながら計画的に進めることが重要
特に都市部では今後も大幅な値下がりは期待しにくい
📌 提言② 売却希望者へ
高値圏にある2025年はチャンス
地方郊外は「待つより今売る」判断も必要
📌 提言③ 投資家・実務者へ
中古リノベ市場の拡大に注目
省エネ基準対応物件は今後価値が高まりやすい
7-3: 理想のマイホームに向けた選択肢
🏡 選択肢1:新築戸建て購入
最新設備・高性能だが価格は割高
長期の資産価値を考えるなら都市部を優先
🏡 選択肢2:中古+リノベーション
初期費用を抑えつつ希望の間取りを実現
立地重視派におすすめ
🏡 選択肢3:建て替え
親世帯の土地を活用するなど、資産承継型の家づくりに有効
固定資産税対策にもなる
💡 専門家コメント
「価格推移に一喜一憂するのではなく、“自分の暮らしに合った家を持てるか”を基準に考えるべきです。資産価値の視点は大切ですが、それ以上に大事なのは“安心して住み続けられる計画”です。」