三井ホームの坪単価は85万円?130万円?一次データで検証し、総額に翻訳する方法
更新日:2026年08月24日

三井ホームの坪単価は、公表されていません。 一次情報として確認できるのは、業界紙が集計した2023年度の1棟あたり平均単価5,223万円・平均床面積132.4㎡・坪単価130万2千円という受注ベースの数値です。一方で比較サイトが掲げる「平均85万円」も計算としては間違っていません。両者は同じ家を、違う分子と分母で割った結果だからです。
この記事で分かること
一次情報で確認できる三井ホームの坪単価と、確認できない数字の区別
85万円と130万円が同じ1棟から出てくる仕組み(4通りの割り算で検証)
サイトごとに数字がズレる、5つのデータソースの系統差
三井ホームで坪単価を動かす7つの変数と、自分の条件への補正方法
坪単価には現れない、60年保証の維持費
この記事の独自ポイント 坪単価のレンジを並べる記事ではありません。同じ1棟を4通りに割り直し、130.2万円と86.2万円がどちらも成立することを数式で示したうえで、読者が自分の条件で坪単価を再計算できる状態まで落とし込みます。
※本記事の情報は2026年8月時点のものです。住宅価格は変動が大きいため、契約前の金額は必ず最新の見積書でご確認ください。
急いでいる方は、ご自身の状況に近いところからどうぞ。
総額の規模を先に知りたい → 「坪単価から総額へ翻訳する」へ
どの数字を信じればいいか知りたい → 「同じ1棟を4通りで割ってみる」へ
予算内に収まるか判断したい → 「3ブランドで坪単価はどう変わるか」へ
目次
三井ホームは、坪単価を公表していません

まずここを押さえてください。
三井ホームの公式サイトに、坪単価も本体価格の目安も掲載されていません。ネット上に流通している「三井ホームの坪単価◯万円」は、すべて第三者による推計値または集計値です。
坪単価とは、建物の価格を延床面積(坪)で割った1坪あたりの単価のことです。 ただし、この「建物の価格」に何を含めるか、「面積」に何を使うかについて、業界共通の定義はありません。ここが数字が割れる出発点になります。
興味深いのは、三井ホーム自身が運営するコラム「&Stories」の書き方です。同社は価格を説明する際、自社の数値ではなく住宅金融支援機構の統計を引用し、「延床30坪程度で約86万円/坪前後が全国平均の建物本体費用の目安」と、あくまで全国平均として紹介しています(三井ホーム公式「家の値段はどう決まる?」/2026年8月確認)。
⚠️ ここは注意
この「約86万円」は全国平均であって、三井ホームの坪単価ではありません。しかし数字だけが切り取られて拡散すると、「三井ホーム=86万円」という誤解が生まれます。実際、複数の比較サイトが85万円台を三井ホームの平均として掲げています。
一次データで確認できる三井ホームの坪単価は、130.2万円

現時点で出典を特定できる三井ホームの坪単価は、住宅産業新聞が集計した2023年度の130万2千円です。 これは受注(請負契約)ベースの実額を平均床面積で割った数値で、アンケートではなく実績集計である点が他の数字と決定的に違います。
表①:住宅産業新聞が報じた三井ホームおよび大手各社の平均単価(受注ベース)
年度 | 三井ホームの数値 | 業界全体の傾向 | 報道日 |
2023年度 | 1棟5,223万円(前年度比+8.8%)/132.4㎡(−1.0%)/坪単価130万2千円(+10.0%) | 大手9社中8社が坪単価100万円超 | 2024年7月23日 |
2024年度 | 個別数値は購読者限定。9社中、三井ホームのみ棟単価が横ばい | 坪単価は9社全社が上昇(3年連続)。最高は旭化成ホームズ 棟単価5,530万円/坪単価138.6万円 | 2025年7月17日 |
2025年度 | 個別数値は購読者限定 | 主要10社中5社が棟単価5,000万円超、3社が坪単価140万円超。坪単価100万円以下は1社のみ。最高は旭化成ホームズ 5,937万円/132.3㎡/坪単価148.1万円 | 2026年7月16日 |
この表から読み取ってほしいのは、3点です。
三井ホームの坪単価が一次情報で確定できるのは2023年度が最後。2024・2025年度の個別数値は有料購読部分にあり、当編集部では確認できていません
ただし2025年度時点で大手主要10社のうち坪単価100万円を下回るのは1社だけ。三井ホームがその1社に該当する可能性は、価格帯の位置づけから見て高くありません
業界全体として坪単価は3年連続で上昇しており、2023年度の130.2万円は「現在の下限側の目安」として扱うのが妥当です
💡 プロ視点
住宅産業新聞の「1棟あたり平均単価」は請負契約額です。建物本体だけでなく、契約に含まれる付帯工事やオプションも入っています。比較サイトが言う「坪単価」は多くの場合本体価格のみ。この時点で、同じ会社の同じ家を指していても数字は一致しません。
なお、ネット上には「三井ホームの坪単価は2024年度に132.1万円」という記述と「約93万円」という記述が、同じ業界紙を出典名として同時に流通しています。当編集部で確認した限り、この2つの数値はいずれも一次情報で裏付けが取れませんでした。 本記事では採用しません。
同じ1棟を4通りで割ってみる|130.2万円と86.2万円は両立します

坪単価が2倍近く割れる主因は、会社の違いでも年度の違いでもありません。分子(何を価格とするか)と分母(何を面積とするか)の組み合わせが4通り以上あるからです。
※以下は、住宅産業新聞が公表した2023年度の平均値をもとに作成したモデルケースです。特定の実在顧客の事例ではありません。
モデル条件:請負契約額5,223万円(税込)/延床面積132.4㎡=40.05坪
表②:坪単価 割り算マトリクス(同じ1棟・4通りの割り方)
分子(価格の範囲) | 分母(面積の取り方) | 計算 | 坪単価 | |
① | 請負契約額 5,223万円(税込・付帯込み) | 延床 40.05坪 | 5,223 ÷ 40.05 | 約130万円 |
② | 本体価格のみ(請負額の80%=4,178万円・税込) | 延床 40.05坪 | 4,178 ÷ 40.05 | 約104万円 |
③ | 本体価格のみ 4,178万円(税込) | 施工面積 44.06坪(延床×1.10) | 4,178 ÷ 44.06 | 約95万円 |
④ | 本体価格・税抜 3,798万円 | 施工面積 44.06坪 | 3,798 ÷ 44.06 | 約86万円 |
同じ家です。それでも130万円と86万円が出ます。
①→②で26万円下がる理由:付帯工事(屋外給排水・地盤改良・外構など)を分子から外したため。多くの比較サイトの坪単価は②以降の考え方です
②→③で9万円下がる理由:分母にバルコニー・玄関ポーチ・吹き抜け・ガレージなどを加算する「施工面積」を使ったため。面積が増えれば坪単価は下がります
③→④で9万円下がる理由:消費税を外したため
つまり、「坪単価86万円」と言われたとき、それが④の割り方なら、実際の請負契約額は5,000万円台ということが起こり得ます。坪単価を見て予算を組むと危険なのは、この点です。
🔍 見積書ではここを見る
坪単価の話が出たら、その場で3つ確認してください。
「今の金額は税込ですか、税抜ですか」
「本体だけですか、付帯工事も入っていますか」
「面積は延床ですか、施工面積ですか」。
この3つが決まらないうちは、他社の坪単価と並べても意味がありません。
見積書の項目そのものの読み方は、見積書の「一式」表記を読み解く方法で詳しく整理しています。
坪単価の数字は「出どころ」で系統的にズレる

上位に並ぶ坪単価の数値は、ランダムにバラついているわけではありません。
データの取り方ごとに、高く出る/低く出るの方向が決まっています。
表③:データソース別 系統差マップ
データソース | 出てくる坪単価の傾向 | 高く/低く出る理由 | 使いどころ |
業界紙の受注統計(住宅産業新聞) | 最も高い (130万円台〜) | 請負契約額そのもの。オプション・付帯込みの実額 | 総額の上限感を掴むのに最適 |
相談実例データ(住宅相談メディアの自社案件) | 高め (110〜125万円) | 実際の商談金額ベース。ただし自社に相談する層に偏る | 実勢感の参考 |
公的統計からの逆算(フラット35など) | 中 (全国平均で約119万円) | 建設費÷延床。ただし三井ホームの数値ではなく全国平均 | 自社が高いのか安いのかの物差し |
大規模一般アンケート(数千〜1万人規模) | 低め (85万円台) | 施主の記憶ベース。本体価格のみ/税抜/施工面積の混在が起きやすい | 大まかな順位感の参考 |
少数サンプルの自社アンケート(該当社の回答が数十人) | ばらつき大 | 母数が小さく、1件の極端値で平均が動く | 参考程度 |
市場相場からの独自シミュレーション | 任意(推定) | 実測データを持たない推定値 | 検証不可のため非推奨 |
全国平均と突き合わせると、「85万円説」は説明がつきにくい
ここで一次の公的統計を当てます。住宅金融支援機構「2025年度フラット35利用者調査」(2026年7月24日公表)によると、注文住宅(土地取得を伴わないもの)の全国平均は次のとおりです。
表④:全国平均の坪単価(フラット35利用者調査より算出)
区分 | 建設費 | 住宅面積 | 坪単価(算出値) |
注文住宅・全国(2025年度) | 4,259.8万円 | 118.4㎡(約35.8坪) | 約118.9万円 |
注文住宅・首都圏(2025年度) | 4,761.5万円 | 121.6㎡(約36.8坪) | 約129.4万円 |
注文住宅・全国(2024年度) | 3,932.1万円 | 118.5㎡(約35.9坪) | 約109.7万円 |
※坪単価は、公表されている建設費と住宅面積から当編集部が算出した数値です(1坪=3.30578㎡で換算)。調査対象35,553件。
注目すべきは、全国平均が1年で約110万円→約119万円へ、8.3%上昇していることです。そして、この「全国平均」にはローコスト系から地場工務店まですべてが含まれています。
その中で、高価格帯に位置づけられる三井ホームの坪単価が全国平均を34万円下回る85万円というのは、構造的に説明がつきにくい数字です。85万円という数値自体が間違いなのではなく、それが表②の④に近い割り方で出された数値だと考えるほうが整合します。
三井ホームで坪単価を動かす7つの変数

坪単価は「三井ホームだから◯万円」ではなく、選んだ仕様と敷地条件で動きます。 三井ホーム固有の変数を7つに整理しました。
表⑤:坪単価を動かす変数と、確認すべきこと
変数 | 動く方向 | 見積もりで確認すること | |
1 | 延床面積 | 小さいほど坪単価は上がる | 30坪の坪単価に40坪の平均値を当てない(後述) |
2 | 全館空調スマートブリーズの機種 | エース/ワンで差が出る | 現行は2機種。エースはエリア別温度設定が可能で、リモート操作・加湿はオプション扱い。ワンは家庭用エアコン1台方式。どちらが見積もりに入っているか |
3 | 商品ブランド | セレクト<オーダー<プレミアム | オーダー/セレクト/プレミアムのどれで話が進んでいるか |
4 | 断熱グレード | 等級6→7で上がる | 標準はUA値0.39(断熱等級6対応、ZEH水準クリア)。等級7対応の内外ダブル断熱は追加仕様 |
5 | 階数・構造 | 3階建てで上がる | 3階建て対応商品は別ライン。準防火・防火地域指定の有無 |
6 | 屋根形状・意匠のグレード | 複雑なほど上がる | 三井ホームの意匠は屋根・外壁の作り込みが価格に直結しやすい |
7 | 地域・敷地条件 | 都市部・狭小地・傾斜地で上がる | 運搬・仮設・地盤改良の条件 |
「30坪だから坪単価130万円×30坪」は、多くの場合過小評価になります
ここは多くの記事が落としている論点です。建物には面積が変わっても金額がほとんど変わらない部分があります。 キッチン・浴室・洗面・トイレといった設備、玄関、階段、基礎の立ち上がり、そして全館空調の熱源機。これらは30坪でも45坪でも大きくは変わりません。
その結果、総額は面積に比例して下がるのに、坪単価は面積が小さいほど上がります。
三井ホームの2023年度の平均床面積は132.4㎡(約40坪)です。つまり公表されている坪単価130.2万円は、約40坪の家の平均値です。30坪で検討している方がこの数値をそのまま掛けると、実勢より低く出る可能性があります。
✅ 契約前に確認
坪単価の話を聞くときは、必ず「それは何坪のときの坪単価ですか」を添えて聞いてください。この一言があるかないかで、予算の精度が変わります。
3ブランドで坪単価はどう変わるか|セレクトだけは自分で価格を出せます

三井ホームの戸建住宅は、現在三井ホームオーダー/三井ホームセレクト/MITSUI HOME PREMIUMの3ブランド体制です(公式サイト・2026年8月確認)。SONOMA、WESTWOOD、IZM、CRECER、Lucas などのデザイン名は、主にオーダー配下のデザインという位置づけになっています。
表⑥:3ブランドの位置づけと、価格情報の入手可否
ブランド | 性格 | 公式に確認できる価格情報 |
三井ホームセレクト | 規格住宅。2階建て/平屋、外観テイストから選択。全プランZEH対応・長期優良住宅対応 | 公式エリアサイトに「本体価格2,285万円(税込)〜」「2階建て2,400万円〜」の表記あり。 2026年オリコン顧客満足度調査「注文住宅 2,000万〜3,000万円未満」部門1位 |
三井ホームオーダー | 自由設計のオーダーメイド | 公表なし |
MITSUI HOME PREMIUM | 最上位ブランド | 公表なし |
セレクト検討中の方へ|公式シミュレーションで自分の数字を取る
三井ホームセレクトには、公式のWEB価格シミュレーションがあります。家族構成→テイスト→間取り→概算金額の4ステップで、建物本体金額がその場で表示されます。
これは実務上とても価値があります。ネットの推計坪単価を読む代わりに、自分の条件で一次情報を取りに行けるからです。営業担当者と会う前に一度回しておくと、初回商談の解像度がまったく変わります。
💬 営業担当者に聞いてみよう
「シミュレーションで出た本体金額に、この土地だと最終的にいくら上乗せされますか。現時点で分かる範囲の項目を全部教えてください」
なお、構造については2024年10月の新規契約分から新工法「MOCX WALL工法」の採用が始まっています(対象はプレミアムとオーダー、セレクトは今後対応予定)。従来のプレミアム・モノコック構法と比べ、1階・2階合計の耐力壁の長さを約20%削減できるとされ、間取りの自由度に影響します。耐震等級3は標準です。
ツーバイフォー系の構法そのものの評価については、ツーバイフォーはやめたほうがいい?構造の特徴と向き不向きをあわせてご覧ください。
坪単価から総額へ翻訳する|足りなくなるのはいつも「本体の外側」

注文住宅の支払いは、本体工事・付帯工事・諸費用・土地の4層でできています。坪単価が表しているのは、多くの場合いちばん内側の1層だけです。
表⑦:総額の4層構造と、見落としやすい項目
層 | 内容 | 目安 | 見落としやすい項目 |
①本体工事 | 建物そのもの | 総工事費の約7〜8割 | — |
②付帯工事 | 屋外給排水、地盤改良、解体、外構、照明、カーテン、空調 | 総工事費の約2〜3割 | 外構が「一式100万円」で概算のまま契約されるケース |
③諸費用 | 登記、火災保険、ローン手数料、印紙、不動産取得税、引越、仮住まい | 工事費の約8〜12%(現金が必要な場面が多い) | つなぎ融資の利息、地鎮祭・上棟の費用 |
④土地 | 土地代+仲介手数料 | 条件による | 地盤改良の要否は地盤調査後まで確定しない |
表⑧:坪数別・総額の目安(受注ベース坪単価130.2万円を使った試算)
延床 | 請負契約額の目安 | 諸費用(工事費の約10%) | 建物側の合計目安 |
30坪 | 約3,900万円 ※実勢はこれより上振れしやすい | 約390万円 | 約4,300万円〜 |
35坪 | 約4,560万円 | 約460万円 | 約5,000万円〜 |
40坪 | 約5,210万円 | 約520万円 | 約5,700万円〜 |
※2023年度の受注平均(40坪クラス)をもとにした試算です。前述のとおり延床が小さいほど坪単価は上がるため、30坪・35坪は上振れ方向に見ておくのが安全です。また業界全体で坪単価は3年連続上昇しているため、2026年時点ではこの表より上を想定してください。土地代は含みません。
「外構工事一式100万円」と見積書に入っていても、希望する外構が100万円で完成するとは限りません。
外構は、契約時点では図面が固まっていないことが多く、金額が概算のまま入っているケースが目立ちます。契約後に実際のプランを起こした段階で、100万円が250万円になることは珍しくありません。
付帯工事の中身については付帯工事費とは何か|家づくりで見落とされる費用、地盤改良については地盤改良費用は30坪でいくらかかるかで詳しく扱っています。
60年保証は「無料で60年」ではありません

よくある勘違い:最長60年保証=60年間ノーコストで保証される、ではありません。
三井ホーム公式サイトには、こう明記されています。
基礎・構造躯体は「60年間保証いたします。但し10年ごとの点検と所定の有料メンテナンス工事の実施が条件となります」 防水施工は「お引き渡しより20年目以降、20年毎に必要なメンテナンス工事の実施により、その後20年間の保証を継続いたします」
つまり60年保証は、60年にわたって有償メンテナンスを継続することとセットの制度です。これは三井ホームに限った話ではなく、大手ハウスメーカーの長期保証はおおむね同じ構造をしています。しかし坪単価の記事でこの点まで触れているものはほとんどありません。
表⑨:三井ホームの点検・保証の時系列(公式サイトの記載にもとづく)
時期 | 点検 | 費用 | 保証への影響 |
2年目 | 定期点検 | 無料 | — |
5年目 | 訪問点検 | 無料 | — |
10年目 | 定期点検 | 無料 | 所定の有料メンテナンス工事の実施で躯体保証を延長 |
20年目 | 定期点検 | 無料 | 躯体+防水のメンテナンス工事が必要に |
30年目 | 定期点検 | 無料 | 同上 |
40年目 | 定期点検 | 有料 | 同上 |
50年目 | 定期点検 | 有料 | 同上 |
60年目 | 定期点検 | 有料 | 60年目以降の保証期間は、それまでのメンテナンス実施実績により決定 |
※防蟻は10年ごとの再処理により10年保証を継続。上記は2026年8月時点で公式サイトに掲載されている内容です。実際の保証条件は契約書・保証書に記載されたものが優先されます。
⚠️ ここは注意
メンテナンス工事の具体的な金額は公表されていません。 ネット上には「60年で2,500万円」といった数字も流通していますが、当編集部で一次情報を確認できていないため、本記事では採用しません。確認すべきは金額そのものではなく、「10年目・20年目に必要になる工事の内容と、現時点での概算」を営業担当者に出してもらうことです。
引き渡し後のコスト全体は戸建ての維持費シミュレーションで整理しています。
営業担当者にそのまま使える5つの質問

坪単価の数字を追いかけるより、担当者に定義を確定させるほうが早いです。そのまま使える質問と、返答の判断基準をまとめました。
表⑩:坪単価を確定させる質問と、要注意な答え
質問 | この答えなら安心 | この答えが返ってきたら要注意 | |
1 | 「その坪単価は、税込ですか。本体だけですか、付帯工事も入っていますか」 | 即答で条件を明示する | 「だいたい◯万円くらいです」と条件を言わない |
2 | 「面積は延床ですか、施工面積ですか。施工面積なら何を算入していますか」 | 図面上で算入部分を指して説明する | 「どちらでも大差ないです」 |
3 | 「私が建てたい◯坪だと、坪単価はどう変わりますか」 | 面積が小さいと坪単価が上がる理由を説明する | 平均坪単価をそのまま掛けて答える |
4 | 「この見積もりから引き渡しまでに増える可能性がある費用を、現時点で分かる範囲ですべて教えてください」 | 概算・未確定の項目を区別して列挙する | 「特にありません」 |
5 | 「10年目・20年目に必要になるメンテナンス工事の内容と、現時点の概算を教えてください」 | 内容を具体的に説明する(金額は幅で答える) | 「そのときになってみないと」で終わる |
質問4に「特にありません」と返ってきた場合、その見積書は確定金額のように見えて確定していない項目を含んでいる可能性があります。外構・地盤改良・照明・カーテン・空調・屋外給排水の6項目を名指しで再確認してください。
坪単価が「確定」するのはいつか

注文住宅の金額は、契約時点では確定していません。 どの段階で何が決まるかを把握しておくと、「今の数字はどれくらい動くのか」が判断できます。
表⑪:金額が動くタイミング
段階 | 金額の状態 | この時点でできること |
初回プラン提示 | 概算。坪単価ベースの目安 | 予算の上限を伝える。前提条件を確定させる |
仮プラン・見積提示 | 概算+一部確定 | 「一式」表記の中身を確認する |
請負契約 | 契約金額は確定するが、仕様は未確定部分が残る | 概算項目の一覧と、上振れ幅の想定を書面でもらう |
仕様打合せ(着工前) | ここで最も動く | オプションの追加・削除が可能な最後の局面 |
地盤調査後 | 地盤改良費が確定 | 改良工法により数十万〜200万円超の差 |
着工後 | 変更が難しくなる/変更費用が発生 | 構造・断熱・配管に関わる変更は原則不可 |
引き渡し前 | 最終金額確定 | 契約時金額との差額を確認 |
坪単価が実質的に確定するのは、仕様打合せが終わったときです。 契約時の坪単価は、まだ通過点にすぎません。契約後の増額が起きる仕組みは注文住宅で契約後に増える追加費用の相場で詳しく解説しています。
この記事の要点(Q&A)

Q. 三井ホームの坪単価はいくらですか?
A. 三井ホームは坪単価を公表していません。一次情報で確認できるのは、住宅産業新聞が集計した2023年度の受注ベースで坪単価130万2千円(1棟平均5,223万円・平均床面積132.4㎡)です。
Q. 比較サイトの「85万円」は間違いですか?
A. 間違いではありません。本体価格のみを税抜で、施工面積で割ればおおむね86万円前後になります。同じ家でも、割り方が違えば数字は変わります。
Q. 30坪だといくらですか?
A. 平均坪単価をそのまま掛けると約3,900万円ですが、公表値は約40坪クラスの平均です。延床が小さいほど坪単価は上がるため、30坪はこれより上振れすると考えてください。
Q. 三井ホームで一番安いのはどれですか?
A. 規格住宅の三井ホームセレクトです。公式エリアサイトに「本体価格2,285万円(税込)〜」の表記があり、公式WEBシミュレーションで自分の条件の本体金額を確認できます。
Q. 60年保証は無料ですか?
A. 無料ではありません。10年ごとの点検と所定の有料メンテナンス工事の実施が条件です。点検自体も40年目以降は有料です。
Q. 坪単価に含まれない費用はいくらですか?
A. 付帯工事が総工事費の約2〜3割、諸費用が工事費の約8〜12%が一般的な目安です。ただし外構・地盤改良は条件差が大きく、見積書で個別に確認する必要があります。
よくある質問

Q. 三井ホームは値引きできますか?
A. 交渉の余地はありますが、値引き前提で予算を組むのは危険です。実例と相場は三井ホームの値引きはどこまで可能かにまとめています。
Q. 平屋の坪単価は2階建てより高くなりますか?
A. 一般に高くなります。同じ延床面積でも基礎と屋根の面積が増えるためです。理由は平屋はなぜ高い?2階建てより費用が上がる理由で解説しています。
Q. 全館空調は坪単価にどれくらい影響しますか?
A. 三井ホームは現在スマートブリーズを2機種(エース/ワン)用意しており、どちらが入っているかで金額が変わります。金額は公表されていないため、見積書上の項目で確認してください。
Q. 積水ハウスや住友林業と比べて高いですか?
A. 2025年度時点で主要10社のうち5社が1棟5,000万円超、3社が坪単価140万円超という水準にあり、大手同士の差は縮まっています。単純な高い・安いより、含まれる仕様の差で比較してください。
Q. 三井ホームは坪単価を教えてくれますか?
A. 商談では目安が示されます。ただし前提条件が明示されないことがあるため、本記事の「営業担当者への5つの質問」で定義を確定させてから受け取ってください。
見積もりの数字が本当に妥当か、迷ったときは

坪単価の議論は、最後は必ず「自分の見積書はどうなのか」に行き着きます。
提示された金額が高いのか妥当なのか、概算のまま残っている項目はどこか。 これは、住宅会社の担当者に聞いても答えが出にくい部分です。
見積もりバンクでは、住宅会社とは別の第三者の立場から、契約前の見積もり診断を行っています。自分だけでは判断しづらい場合の選択肢としてご利用ください。
次に読む記事
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の契約・融資・税務についての助言ではありません。掲載している価格・仕様・保証内容は2026年8月時点で確認できた公表情報にもとづくもので、実際の契約条件は各社の見積書・契約書・保証書に記載された内容が優先されます。最終的な判断は、公式の最新情報および専門家への確認のうえで行ってください。








