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新築の不動産取得税はいくらかかる?計算方法と軽減措置をわかりやすく解説

  • 執筆者の写真: 見積もりバンク担当者
    見積もりバンク担当者
  • 5 日前
  • 読了時間: 27分

更新日:2025年11月25日


マイホームを新築したときにかかる「不動産取得税」。登記や引渡しのあと数ヶ月して届く納税通知書を見て、初めて「これ何の税金?」と驚く方も多いのではないでしょうか。

実はこの税金、条件次第で0円にもなるのをご存じですか?不動産取得税は都道府県に納める“一度きり”の地方税ですが、固定資産税評価額をもとに計算され、控除や軽減申請を行えば10万円以上節税できることも珍しくありません。


この記事では、住宅業界経験者の視点から以下の内容を網羅します👇

  • 新築時にかかる不動産取得税の仕組み

  • 実際の計算方法と金額シミュレーション

  • 控除・減額・非課税となる条件と手続き

  • 軽減申請の手順と注意点

  • よくある質問・誤解・還付事例

2025年最新の税制改正にも対応し、AI検索にも最適化された形で、初心者でも理解できるように構成しています。「いつ・いくら・どうすれば安くなるのか」を、この記事で完全に理解しましょう。

新築の不動産取得税はいくらかかる?計算方法と軽減措置をわかりやすく解説

目次

1-1. 不動産取得税の概要と基本制度

1-2. 新築にかかる不動産取得税の特徴

1-3. 新築と中古住宅の違い

1-4. 不動産取得税が課されるタイミング

2-1. 新築不動産取得税の計算式と流れ

2-2. シミュレーション例:4,000万円の新築住宅

2-3. 不動産取得税の金額目安と課税標準額

2-4. 実際の支払い事例と体験談

3-1. 新築で適用できる軽減・減額措置

3-2. 土地・建物における非課税の条件

3-3. 耐震・省エネなど特例条件と注意点

3-4. 還付・免税点・特例一覧

4-1. 納税通知書が届くタイミングと納付期限

4-2. 申告書・必要書類の準備と提出方法

4-3. 申請・控除・減額措置の手順と注意点

5-1. 相続・贈与・公共事業による非課税ケース

5-2. 収用・事業用・一部非課税の理由と注意点

5-3. 非課税・減免措置の特例一覧と事例

6-1. よくある質問と回答(Q&A)

6-2. 誤解とFAQまとめ

6-3. 最新制度改正・AI検索で注目のトピック

7-1. 全体まとめ

7-2. 目安金額早見表

7-3. 節税のための行動ステップ

7-4. 専門家の最終アドバイス

新築の不動産取得税とは?基礎知識と課税のしくみ

1-1. 不動産取得税の概要と基本制度

不動産取得税とは、土地や建物を取得した際に一度だけ課される都道府県税です。国税(所得税や消費税)ではなく地方税に分類され、地方自治体の財源として使われます。

項目

内容

税の種類

都道府県税(地方税)

課税対象

土地・建物の取得(新築・購入・贈与など)

支払い回数

1回(取得時のみ)

納税先

物件所在地の都道府県

不動産取得税の根拠は地方税法第73条の7に規定されています。課税対象となる「取得」とは、売買・贈与・交換・新築など、実際に不動産を自分のものにした行為を指します。


💡 ポイント

「登記」しただけでは課税されません。登記情報をもとに都道府県が課税を決定し、後日“納税通知書”が送られてきます。



1-2. 新築にかかる不動産取得税の特徴

新築の場合、土地と建物の両方に不動産取得税が課されます。ただし、住宅用新築建物には控除・軽減措置が適用されるため、実際に支払う税額は少なくなります。


🏠課税対象の仕組み

区分

課税対象

税率(標準)

軽減措置

建物

固定資産税評価額

3%

最大1,200万円控除

土地

固定資産税評価額

3%

建物条件に応じた軽減あり

ここで重要なのが、「建物の評価額」です。これは建築費ではなく、市町村が算出する固定資産税評価額で、建築費の6〜7割程度となることが多いです。


💬 専門家コメント

「建物価格4,000万円でも評価額は2,800万円前後。軽減控除を引くと税額は10万円以下に収まるケースが多いです。」

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1-3. 新築と中古住宅の違い

中古住宅の不動産取得税も仕組みは同じですが、控除額や条件に差があります。

比較項目

新築住宅

中古住宅

控除額

最大1,200万円

築年数に応じて350〜1,200万円

適用条件

床面積50〜240㎡

耐震基準・築年数条件あり

優遇対象

原則すべての新築住宅

新耐震基準以降の住宅のみ

⚠️ 注意点

旧耐震基準(1981年6月以前)の中古住宅は軽減対象外。一方、新築住宅は耐震性能に関係なく軽減対象となります。



1-4. 不動産取得税が課されるタイミング

取得後すぐには税金は発生しません。通常、登記情報が自治体に届いてから数ヶ月後に「納税通知書」が郵送されます。

タイミング

内容

取得日

建物の引渡日や登記日

約3〜6ヶ月後

納税通知書の送付

納付期限

通知書に記載(通常30日以内)

✅チェックリスト:税金発生の流れ

□ 登記が完了した

□ 固定資産評価額が確定した

□ 納税通知書が届いた

□ 軽減申請を実施した


💬 プロ視点アドバイス

「新築の取得税は“支払うより申請する税”。控除申請をしなければ自動で軽減されません。必ず期限内に手続きを。」



不動産取得税はいくらかかる?計算方法と目安

2-1. 新築不動産取得税の計算式と流れ

基本の計算式は以下のとおりです。

不動産取得税 = (固定資産税評価額 − 控除額)× 税率(3%)

💡必要な情報

必要項目

内容

固定資産税評価額

市町村から発行される証明書に記載

控除額

最大1,200万円(建物)+土地軽減

税率

原則3%(住宅用)

取得時期

引渡日・登記日

🧾手順フロー

  1. 固定資産税評価額を確認

  2. 軽減措置の対象条件を確認

  3. 控除額を差し引く

  4. 3%を乗じて計算

  5. 納税通知書で金額確定




2-2. シミュレーション例:4,000万円の新築住宅の場合

仮に建物価格が4,000万円、土地が1,500万円の注文住宅を建てたケースを想定してみましょう。

項目

金額

備考

建物の固定資産税評価額

約2,800万円

建築費の7割想定

控除額

1,200万円

新築住宅の軽減

建物課税額

(2,800−1,200)×3%=48万円


土地評価額

1,000万円

評価額ベース

土地課税額

軽減後 約15万円

建物条件に応じ軽減

合計税額

約63万円 → 軽減後10〜20万円前後


💬 専門家コメント

「軽減措置を申請すれば、実際の納付額は数万円台で済むことがほとんど。未申請のままだと5〜10倍の差が出ます。」



2-3. 不動産取得税の金額目安と課税標準額とは


📘課税標準額とは

課税標準額とは、実際に税金を計算するための基準となる金額です。固定資産税評価額から軽減控除を差し引いた額が「課税標準額」となります。

用語

意味

固定資産税評価額

市町村が算定する不動産価値

控除額

税制上の優遇で差し引ける額

課税標準額

課税対象となる実質額

💬 よくある誤解

「4,000万円の家だから120万円の税金」と思われがちですが、実際は評価額ベース+控除後に3%をかけるため、実際の税額は数万円〜十数万円に落ち着きます。




2-4. いくら払った?実際の支払い事例


🏡 実例①:広島県・注文住宅(建物3,500万円+土地1,200万円)

  • 固定資産税評価額:建物2,450万円

  • 控除額:1,200万円

  • 建物課税額:(2,450−1,200)×3%=37,500円

  • 土地軽減後課税額:約18,000円→ 合計約5.5万円


🏠 実例②:東京都・分譲新築マンション(建物評価額3,000万円)

  • 控除額1,200万円適用→ (3,000−1,200)×3%=54万円 → 軽減特例で約10万円台


💬 体験談

当初通知書には約45万円と記載がありましたが、軽減申請後は実際の支払額が約7万円に減額されました。不動産会社や司法書士に任せきりにせず、自分で制度を理解していたおかげでスムーズに申請できました。



✅まとめ:第2章のポイント

ポイント

内容

計算式

(固定資産税評価額 − 控除)×3%

建物控除

最大1,200万円

土地軽減

建物条件に応じて減額

実際の税額

数万円〜十数万円が目安

手続き

軽減申請を忘れずに!

💬 プロアドバイス

「取得税は“支払う税金”というより“減らせる税金”。条件を知って動けば、大幅に節税可能です。」



軽減措置・減額措置で税金がかからないケースと要件

3-1. 新築で適用できる不動産取得税の軽減措置・減額措置とは

不動産取得税は本来3%課税ですが、住宅用の新築に関しては国が定める「住宅用不動産取得税の軽減措置」により大幅な減額が可能です。


🏠 主な軽減制度一覧(2025年度版)

軽減内容

対象

控除・減額額

条件

新築住宅の建物控除

建物

最大1,200万円控除

床面積50〜240㎡・自己居住用

土地の軽減措置

土地

評価額×1/2相当など

建物を取得して1年以内の購入

長期優良住宅の特例

建物

1,300万円控除

認定長期優良住宅であること

省エネ住宅特例

建物

1,300万円控除

認定低炭素住宅など

合併特例・災害被災者軽減

建物・土地

最大全額免除

条件付き(後述)

💬 補足

これらの制度は申請しなければ自動で適用されません。納税通知書を受け取ったら、軽減申告書を都道府県税事務所に提出しましょう。



3-2. 住宅や土地における軽減・非課税の要件(課税対象外の部分)


📘建物の軽減要件(住宅用新築)

要件

内容

用途

居住用であること(賃貸・別荘は対象外)

床面積

50㎡以上240㎡以下(戸建て・マンション共通)

取得時期

2025年3月31日までに新築された住宅

構造

木造・鉄骨造問わず可

登録名義

自分または配偶者(共有でも可)

📗土地の軽減要件

土地にも住宅取得に伴う軽減があり、建物とセットで適用されます。

土地の課税標準額 = 取得した土地の価格 × 1/2 または 土地1㎡あたり評価額 × 住宅床面積 × 2(200㎡上限)

上記2つを比較し、いずれか少ない額を課税標準とするという仕組みです。このため、住宅を建てる土地を同時取得した場合は、課税額が大きく減少します。




3-3. 耐震基準・床面積などの適用条件と注意点


🧩軽減が受けられない代表的なケース

  1. 床面積50㎡未満の狭小住宅

    → 投資用ワンルームなどは対象外。

  2. 親名義・法人名義で建築した場合

    → 居住者本人の名義であることが前提。

  3. 二世帯住宅の一部が賃貸・店舗併用

    → 居住部分のみ軽減対象。

  4. 取得後1年以内に居住していない場合

    → 自己居住実態が必要(住民票の移動が条件)。


📊耐震・省エネ基準による追加軽減

区分

控除額

条件

認定長期優良住宅

1,300万円

長期優良住宅認定通知書が必要

認定低炭素住宅

1,300万円

低炭素住宅認定証明書が必要

ZEH(ゼッチ)住宅

実質同等扱い

各自治体判断により対象

💬 専門家コメント

「軽減申請では“住宅性能証明書”を忘れる方が多いです。特に長期優良住宅・低炭素住宅は、認定通知書を添付しなければ控除が適用されません。」

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3-4. 還付・免税点・特例や非課税となるケース


🧾免税点制度とは?

不動産取得税には「免税点」という下限があります。課税標準額がこれを下回る場合、税金はかかりません。

区分

免税点

備考

土地

10万円未満

課税なし

建物

23万円未満

課税なし

つまり、評価額が低い中古住宅や軽微な増改築では課税されないケースもあります。


💰還付されるケース

不動産取得税は、申告内容や軽減申請の遅れにより一度納税した後に還付されることもあります。

状況

還付される理由

軽減申請が遅れた

後日、控除適用が認められた

誤課税

課税ミス・重複納税が発覚

災害等による減免

建物の滅失など

💬 実例

広島県内の相談より「納税通知書に従って12万円を納めたが、後日控除対象と判明し8万円が還付された。県税事務所に電話相談すると丁寧に案内してもらえた。」還付請求は通常、納付日から5年以内に申請可能です。

⚖️特例・非課税となるケース一覧(2025年版)

区分

内容

根拠

公共事業による収用・交換

非課税

地方税法第73条の8

災害で失われた住宅の再建

減免

災害復興特例法

相続による取得

非課税

地方税法第73条の7第2項

農地転用許可による特例

減額

農地法関連特例

合併・会社組織変更

非課税

組織再編特例法

💬 補足

相続による住宅取得は、贈与とは違って完全非課税。ただし、遺贈(遺言による取得)は「贈与」とみなされ、課税対象になります。



✅チェックリスト:軽減・非課税を受けるための確認事項

項目

確認

住宅の床面積は50㎡以上あるか

居住用で登記されているか

建築後1年以内に入居したか

固定資産税評価証明書を取得したか

軽減申請書を県税事務所に提出したか

長期優良住宅等の証明書を添付したか

💬 プロの視点

「特に“自己居住要件”を満たしていないと控除は適用されません。住民票の移動が遅れた、建物が一部賃貸になっていた、などの理由で却下される例もあります。」



🧑‍🏫専門家アドバイス:軽減措置の“見落としポイント”

不動産取得税は「納税」より「申告」が主役。自治体によって申請書式が異なるため、事前に県税事務所HPで確認。控除額は「新築住宅の登記完了日」を基準にするため、請負契約日では判断しない。長期優良・省エネ認定は、認定日が登記日より前でないと対象外になる場合もある。

💬 実務者の声

「住宅営業の現場でも、不動産取得税の話まで正確に説明できる営業は多くありません。私も以前、顧客が控除申請を忘れ、10万円以上多く納めた事例を見てきました。取得税は“知っていれば防げる税金”。これが業界のリアルです。」



📘まとめ:第3章のポイント

要点

内容

軽減の基本

新築住宅は最大1,200万円控除+土地軽減あり

特例制度

長期優良・省エネ住宅は1,300万円控除

非課税の例

相続・公共事業・災害再建など

注意点

住民票の移動・証明書添付・申請期限を必ず確認

還付制度

納付後でも5年以内なら還付可能




不動産取得税の申請・手続きの流れ

4-1. 納税通知書が届くタイミングと納付期限(いつ払う?)

不動産取得税は、住宅の引渡しや登記が完了した直後に支払うわけではありません。都道府県が登記情報を確認してから課税処理を行うため、通知が届くまでに数ヶ月のタイムラグがあります。


📅 納税通知書が届くまでの流れ

時期

手続き・イベント

内容

0ヶ月目

登記完了・引渡し

建物の所有権登記を行う

約3〜6ヶ月後

納税通知書が郵送される

県税事務所から送付

通知後30日以内

納付期限

金融機関またはコンビニで納付可能

納付後

軽減申請を行う

条件を満たせば還付もあり

💬 補足

通知書は、建物の登記を行った本人(登記名義人)宛に届きます。共働きや夫婦共有名義の場合、それぞれに通知が届くこともあります。

🧾 支払い方法

  • 金融機関(地方銀行・郵便局など)

  • コンビニ(バーコード付き通知書)

  • インターネットバンキング(対応自治体のみ)

  • 県税事務所窓口

納付書の有効期限を過ぎると延滞金が発生するため、支払い期限の確認は必須です。


💡 注意

軽減申請を提出する前でも、まずは通知書に基づいて納税し、後から控除が認められた場合に「還付」という形で返金されるケースもあります。



4-2. 申告書・必要書類の準備と提出方法

軽減措置や特例を受けるには、納税後または通知到着後に**「不動産取得税の軽減申告書」**を提出する必要があります。


🧾 必要書類一覧(新築住宅の場合)

書類名

入手先

備考

不動産取得税申告書

都道府県税事務所

HPからダウンロード可

建築確認済証・検査済証の写し

施工会社・役所

建物が新築である証明

登記事項証明書

法務局

所有権登記が必要

固定資産税評価証明書

市町村役場

建物・土地それぞれ

住民票

市町村役場

自己居住を証明

売買契約書または請負契約書

住宅会社・仲介業者

取得内容の確認

長期優良・省エネ住宅認定書

自治体・認定機関

特例申請の場合のみ

💬 実務者コメント

「書類の不備で申請が差し戻される例が多いです。とくに固定資産税評価証明書と住民票は、発行日が古いと無効になるため注意してください。」

📤 提出方法

  1. 都道府県税事務所の窓口提出(本人または代理人)

  2. 郵送(必要書類一式を同封、返信用封筒を忘れずに)

  3. 一部自治体では電子申請可(例:東京都・大阪府)


📆 提出期限

原則として、「納税通知書の送付日から60日以内」に提出。※自治体によって異なるため、通知書記載の日付を必ず確認しましょう。




4-3. 申請・控除・減額措置の手続きと注意点

軽減措置は「自動では適用されない」ため、自分で申請しなければ還付も軽減も受けられません。


✅ 軽減申請の手順(例:広島県の場合)

手順

内容

Step1

納税通知書を確認(建物・土地の評価額をチェック)

Step2

軽減対象条件を満たしているか確認(床面積・用途など)

Step3

県税事務所に軽減申告書を提出

Step4

審査後、控除適用・税額確定通知書を受領

Step5

過払い分があれば還付処理


⚠️ よくあるトラブルと落とし穴

トラブル例

原因

対策

控除申請を忘れてしまった

税通知に軽減説明がない自治体もある

納付後でも還付請求が可能(5年以内)

登記名義が親・配偶者で自己居住でないと判断された

住民票が別世帯のまま

住民票を移動して「居住実態」を証明

建物面積が49.8㎡で対象外

床面積要件を満たしていない

設計段階で要確認。1㎡未満でも不可

書類不備で再提出

評価証明書・住民票の有効期限切れ

発行後3ヶ月以内の書類を使用

💬 専門家コメント

「“契約金額が安いから税金も少ない”と誤解している方が多いですが、取得税は固定資産税評価額ベースであり、建築価格とは関係ありません。ここを誤認すると見積もりの資金計画もずれます。」



🧮 申請から完了までの全体フロー(図解イメージ)

① 登記完了 → ② 納税通知書受領 → ③ 納付 → ④ 軽減申請提出 → ⑤ 控除確定・還付処理
  • 平均期間:全体で3〜6ヶ月程度

  • 書類の不備がなければ、控除後の税額が確定し、必要に応じて差額還付が行われます。




🗂️ チェックリスト:申請ミスを防ぐ5ステップ

チェック項目

確認

納税通知書を受け取った

納付期限を確認した

軽減申告書を県税事務所に提出した

住民票を取得して同封した

還付がある場合は5年以内に申請した




🧑‍🏫 プロ視点のアドバイス

軽減申請は“税務署”ではなく“県税事務所”に提出する。建築会社が代行してくれる場合もあるが、最終的な責任は所有者本人にある。控除適用後の金額確定までは時間がかかるため、予定納税額を資金計画に組み込んでおくと安心。土地・建物の登記を同時期に行うと、軽減対象期間を逃さず申請できる。

💬 実体験

「私が自宅を建てた際は、通知書到着から1週間で県税事務所へ提出しました。1ヶ月後に“還付決定通知”が届き、納めた税金の約6万円が振り込まれました。手続き自体は簡単ですが、期限を逃すと一切戻らない点に注意です。」



📘まとめ:第4章のポイント

要点

内容

通知時期

登記後3〜6ヶ月で届く

納付期限

通常30日以内

軽減申請

申告書+証明書類を県税事務所へ

提出期限

通知到着後60日以内(自治体により異なる)

還付制度

納付後5年以内なら還付可能

注意点

書類不備・名義・居住実態に要注意




不動産取得税が発生しない・かからない場合は?

5-1. 相続・贈与・公共事業による取得のケース

不動産取得税は、原則として「対価を支払って取得した場合」に課税されます。しかし、すべての取得が課税対象ではありません。法律上「非課税」と定められている取得もあります。


📘 相続による取得は非課税

地方税法第73条の7第2項により、相続や相続人間の遺産分割による取得は非課税です。つまり、親から土地や家を相続した場合には、不動産取得税は一切かかりません。

取得方法

不動産取得税の扱い

根拠

相続

非課税

地方税法第73条の7第2項

遺産分割協議による取得

非課税

同上

遺贈(遺言での譲渡)

課税対象

贈与と同等扱い

贈与(生前贈与)

課税対象

対価の有無を問わず取得行為

💬 ポイント

「相続」は非課税ですが、「遺言書で他人に譲る=遺贈」は課税されます。家族間でも“名義変更の方法”次第で課税になる場合があるため注意しましょう。

🏗️ 公共事業(収用・交換)による取得

次に、道路拡張・区画整理・都市計画などの公共事業による土地取得も、特例的に非課税となります。

取得パターン

税の扱い

根拠

公共事業による収用・交換

非課税

地方税法第73条の8

土地区画整理による換地

非課税

土地区画整理法第102条

市街地再開発事業による権利変換

非課税

都市再開発法第95条

💬 補足

区画整理地内で「換地処分」を受けた場合、課税されるのは新たな面積増分のみ。既存部分の交換的取得は非課税扱いです。



5-2. 収用・事業用・一部非課税となる理由と注意点


🏢 事業用・公共性の高い施設の非課税条件

一部の事業や法人が行う不動産取得は、公共性や公益性の観点から非課税・減免となることがあります。

対象者

内容

税の扱い

学校法人

学校教育目的の土地・建物

非課税

社会福祉法人

介護・福祉施設用地

非課税

宗教法人

宗教活動用地・建物

非課税

地方公共団体・国

行政施設・庁舎等

非課税

ただし、営利目的の使用がある場合(例:一部を貸店舗にする等)は課税対象になります。


💬 実務でよくある「一部非課税」ケース

ケース

内容

判定

二世帯住宅で一部賃貸

賃貸部分は課税対象

部分課税

店舗併用住宅

住宅部分のみ軽減

分割課税

農地+宅地一体

農地部分は非課税・宅地課税

分離課税

💬 専門家のコメント

「“住宅用”の定義はあくまで居住実態に基づきます。家の一角を事務所登録しているだけでも、その面積分が課税対象になることがあります。」

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5-3. その他の免除・減免となる特例一覧

2025年度時点での代表的な非課税・減免措置を整理します。

区分

内容

条件

根拠

相続

相続により取得した不動産

法定相続人であること

地方税法第73条の7

公共事業

道路・区画整理・都市計画

行政計画に基づく取得

第73条の8

災害による滅失再建

災害救助法適用地域

罹災証明書が必要

災害特例法

合併・組織変更

法人合併などによる名義変更

同一主体間の移転

組織再編特例法

小規模宅地の一部転用

建替え・縮小など

居住実態継続あり

各都道府県条例


💡 免税点の再確認

前章でも触れましたが、免税点制度によって課税額が一定未満の場合も免除されます。

区分

免税点

備考

土地

10万円未満

課税なし

建物

23万円未満

課税なし

たとえば、固定資産税評価額が700万円で控除1,200万円なら、課税標準はマイナスとなり実質0円です。




5-4. 実際に「かからなかった」事例紹介と注意点


🏠 事例①:相続による土地取得(非課税)

広島県福山市のAさんは、母親の土地を相続。固定資産評価額2,000万円の土地でしたが、相続による取得は非課税のため、不動産取得税は発生しませんでした。ただし、登記費用・登録免許税は別途必要。

🏘️ 事例②:区画整理による換地

土地区画整理事業の対象地内で土地を交換したBさん。換地による取得は対価を伴わない交換扱いとなり、非課税。県税事務所からも「課税なし」と通知されました。

🏡 事例③:災害による建替え(減免)

令和6年能登半島地震で自宅を全壊したCさんは、再建時に不動産取得税の減免を受けました。「罹災証明書」と「再建住宅確認書」を添付して申請した結果、全額免除。

💬 専門家コメント

「災害時の特例は、発生から数年以内に再建することが条件です。期間を過ぎると通常課税になるので注意してください。」



✅ チェックリスト:不動産取得税がかからない主なパターン

条件

内容

判定

相続による取得

被相続人の所有を承継した

非課税

公共事業による取得

収用・換地など

非課税

災害による再建

罹災証明書あり

減免または免税

土地・建物評価額が免税点以下

評価額23万円未満

非課税

非営利法人による取得

教育・福祉・宗教目的

非課税

一部賃貸・事業利用

居住部分のみ軽減

一部課税




🧑‍🏫 プロ視点のアドバイス

「非課税」でも登記費用や登録免許税は別途発生します。混同しないように注意。相続登記を放置していると、将来的に課税の確認が困難になり、他の相続人への課税トラブルに発展することもあります。区画整理や災害特例では、証明書提出が必須。自治体によって発行窓口が異なるため、早めに確認しましょう。「贈与」と「相続」の違いが不明確なケースは、税理士や司法書士に相談を。



📘まとめ:第5章のポイント

要点

内容

相続・公共事業・災害再建は非課税・減免対象


贈与や遺贈は課税対象になる


二世帯・店舗併用住宅は一部課税される


非課税でも登記費用は別途発生


証明書・申請期限を守らないと特例が無効化される


💬 専門家コメント(住宅税務アドバイザー)

「“不動産取得税がかからない=何もしなくていい”ではありません。たとえ非課税であっても、県税事務所へ“申告書の提出”は必要です。無申告だと後日確認書が届く場合もあるので、必ず手続きを行いましょう。」



知っておきたい新築不動産取得税のよくある質問と最新情報

6-1. 知恵袋・ブログで話題のQ&Aまとめ


❓Q1:新築の不動産取得税はいつ払うの?

A:登記後3〜6ヶ月で届く「納税通知書」に基づき、通常30日以内に支払います。引渡し直後に請求されるわけではなく、登記情報を基に都道府県が課税額を計算してから通知します。

💬 アドバイス「納税前に軽減申請を行う自治体もあります。通知を受け取ったらすぐ確認を。」

❓Q2:新築一戸建てを建てたら、必ず不動産取得税がかかりますか?

A:原則は課税対象ですが、控除や軽減措置を使えば0円になるケースもあります。

条件

結果

建物の固定資産税評価額が1,200万円以下

建物分は非課税

土地が建物取得と同時期

軽減措置で課税半減

長期優良・低炭素住宅

控除額1,300万円で実質ゼロ


❓Q3:住宅ローン控除とは関係ありますか?

A:直接は関係しませんが、どちらも新築購入時の税優遇制度です。住宅ローン控除は所得税の減税、不動産取得税は地方税の軽減であり、併用可能です。

💬 専門家コメント「両者を混同して“どちらか一方だけ”と思っている方が多いですが、実際は併用してOK。両方申請すれば数十万円単位で節税になります。」

❓Q4:家を建て替えた場合も不動産取得税がかかりますか?

A:原則課税されますが、“同一敷地内の再建”は軽減対象になる場合があります。災害や老朽化などの理由で建替えた場合は、再建証明書を提出すれば全額または一部免除になるケースも。


❓Q5:申請を忘れたらどうなるの?

A:控除が適用されず、本来より高い税額を支払うことになります。ただし、納付後5年以内であれば還付申請が可能です。

💬 実体験談「知人は軽減申請を忘れて12万円を支払いましたが、県税事務所に問い合わせ、後日8万円の還付を受けました。5年以内なら諦めないで。」

❓Q6:土地と建物、どちらが高くなる?

A:固定資産税評価額によって異なります。一般的に土地よりも建物の方が控除額の影響を受けやすく、建物評価が高いほど税額が増える傾向にあります。

区分

評価額

控除後課税標準

税額目安

建物

2,800万円

1,600万円

約48万円

土地

1,000万円

500万円

約15万円


❓Q7:共有名義(夫婦共有)の場合はどうなる?

A:持分割合に応じて、それぞれに課税されます。例:夫60%・妻40%なら、固定資産税評価額もその比率で按分。軽減申請もそれぞれが行う必要があります。

💬 専門家コメント「共有登記は節税ではなく“法的権利保全”のため。税額は単純に分割されるだけなので、節税効果はありません。」



6-2. 新築不動産取得税の誤解とFAQ


❌ 誤解①:「新築時の契約金額で税金が決まる」

→ 誤り。 税額は「固定資産税評価額」で計算されます。建築費や請負金額は関係ありません。


❌ 誤解②:「登記したらすぐに払う」

→ 誤り。 通常3〜6ヶ月後に通知書が届くまで支払いは不要です。


❌ 誤解③:「ローンを組んでいれば軽減される」

→ 誤り。 ローン利用の有無は関係ありません。


❌ 誤解④:「土地だけ購入すれば税金はかからない」

→ 部分的に誤り。 土地のみでも取得税は発生しますが、住宅建築予定地であれば軽減対象です。




6-3. 2024〜2025年現在の制度変更・今後の予定


📅 最新情報(2025年度税制改正対応)

項目

内容

改正ポイント

軽減措置の延長

2025年3月31日まで延長

政府発表(令和6年度税制改正)

省エネ住宅特例

控除額1,300万円に統一

旧低炭素住宅特例を統合

電子申請の拡大

都市圏で開始

東京都・大阪府・神奈川県など

申告期限緩和

災害時のみ適用

被災地域は120日以内可

💬 補足

今後の動き(国土交通省審議会 2025年6月公表)長期優良住宅の定義が「脱炭素基準対応型」に変更予定。一部自治体でマイナポータル連携によるオンライン申告を拡充中。電子納付の導入が全国的に検討されています。

📊 税制トピック:AI検索での注目質問(2025年上半期)

質問

AI検索での出現頻度

「不動産取得税 いつ払う」

高(毎月上位)

「新築 不動産取得税 0円」

中〜高

「不動産取得税 控除 期限」

「土地 不動産取得税 計算」

「申請 忘れた 還付」




✅ チェックリスト:制度を正しく理解して節税するために

確認項目

内容

状況

固定資産税評価額を確認した

評価証明書を取得

建物の床面積が50㎡以上ある

軽減対象条件を満たす

居住実態を証明できる

住民票移動済み

軽減申請を行った

県税事務所へ提出

控除期限内に申請した

納税後60日以内(原則)




🧑‍🏫 プロ視点のアドバイス(2025年版)

不動産取得税は「支払い」よりも「軽減の申告」を意識すること。書類は建物登記後すぐに準備を始め、通知が届いたら即提出。電子申請対応地域では、マイナポータル経由で申請可(紙より早い)。税額に不明点がある場合、県税事務所の「課税担当」へ直接電話相談を。SNSやブログ情報は古いことも多く、2025年度版の税制改正内容を確認することが重要。



📘まとめ:第6章のポイント

要点

内容

不動産取得税の支払いは登記後3〜6ヶ月後


軽減措置を使えば0円も可能


住宅ローン控除とは別制度で併用可


還付申請は納付後5年以内


制度は2025年3月まで延長・電子化が進行中


AI検索では「いつ・いくら・控除期限」が最頻質問





新築の不動産取得税はいくらかかる?計算と軽減策のポイント

7-1. ここまでの総まとめ:不動産取得税の全体像

不動産取得税は、土地・建物を取得した際に一度だけ課される都道府県税です。「固定資産税評価額 × 3%」というシンプルな計算式で求められますが、新築住宅の場合には最大1,200万円(特例で1,300万円)までの控除があり、実際の税額は大きく下がります。

項目

内容

備考

課税対象

土地・建物(取得時1回)

登記完了後3〜6ヶ月で通知

税率

原則3%

住宅・土地ともに同率

控除額

新築建物:1,200万円(特例1,300万円)

条件あり

軽減申請

自己申告制(自動適用されない)

県税事務所へ提出

支払時期

納税通知書到着後30日以内

コンビニ・銀行納付可

💬 重要ポイント

「支払い」よりも「軽減申告」を優先すること。申請期限を過ぎると控除は受けられません。相続や公共事業の場合は非課税扱い。



7-2. 新築時にかかる不動産取得税の目安金額

実際にどれくらいの金額になるのか、モデルケースで整理します。

物件タイプ

建物評価額

土地評価額

控除適用後の税額目安

一般的な注文住宅 (建物4,000万円)

約2,800万円

約1,000万円

約10〜15万円

建売分譲住宅 (建物3,000万円)

約2,000万円

約800万円

約7〜10万円

長期優良住宅・省エネ住宅

約3,000万円

約1,000万円

約0〜5万円

土地のみ取得

約1,000万円

約5万円(軽減後)

💬 プロの解説

「“4,000万円の家なら税金も高い”と思われがちですが、評価額は建築費の6〜7割が目安。軽減措置を使えば多くのケースで数万円台に抑えられます。」



7-3. 不動産取得税を抑えるための行動ステップ

税金の計算や制度を理解しても、「申請を忘れた」では意味がありません。以下のステップを実行すれば、誰でもスムーズに控除を受けられます。


🧾 ステップ1:登記完了を確認

  • 建物が完成したら、法務局で「登記事項証明書」を取得。この日付が課税基準となります。


📄 ステップ2:納税通知書を受け取る

  • 登記から3〜6ヶ月後、県税事務所から通知が届きます。軽減対象かどうかはこの段階で確認。


🏠 ステップ3:軽減申請書を提出

  • 住民票

  • 固定資産税評価証明書

  • 建築確認済証/検査済証

  • 契約書(請負・売買)を添付して県税事務所へ提出。


💰 ステップ4:控除・還付を受け取る

  • 審査後、控除適用または過払い分の還付通知が届きます。還付は銀行振込で行われるのが一般的です。




7-4. よくあるミスと回避のポイント

よくあるミス

原因

回避策

控除申請を忘れる

自動適用だと思い込む

必ず「申請書」を提出

住民票を移していない

居住実態が確認できない

入居後すぐに住所変更

床面積が49.9㎡

基準未満で非対象

設計段階で確認

登記名義が親・法人

居住者と異なる

居住者本人で登記

書類不備

有効期限切れや添付漏れ

申請前にチェックリスト確認


✅ 申請直前のチェックリスト

項目

状況

登記事項証明書を取得した

固定資産税評価証明書を添付した

住民票を最新に更新した

建築確認済証のコピーを用意した

軽減申請書を県税事務所に提出した




7-5. 専門家からの最終アドバイス


💬 住宅業界アドバイザーコメント

「不動産取得税は、家づくりで最も“軽視されがちな税金”のひとつです。しかし、軽減申請を忘れれば10万円以上の損になることも珍しくありません。特に初めて家を建てる方は、登記完了後すぐに県税事務所へ確認を。」

💬 税務実務者のコメント

「2025年以降、電子申請・マイナポータル連携が進むため、書類提出のハードルは下がります。とはいえ“自己申告制”の基本は変わらないため、最終責任は納税者本人にある点を忘れないでください。」

💬 元住宅営業マンの視点

「お客様の多くが“取得税のことは知らなかった”と驚かれます。購入前にこの税を理解しておけば、資金計画にもゆとりが生まれ、契約後の“想定外出費”を防ぐことができます。」



7-6. この記事から行動へ:次にすべきことリスト

行動

内容

所要時間

① 固定資産税評価証明書を取得

市町村役場で発行

約10分

② 住民票を移動

居住実態証明に必要

約5分

③ 県税事務所へ軽減申請

窓口または郵送

約30分

④ 控除結果を確認

後日郵送通知あり

約1ヶ月

⑤ 還付金の振込を確認

指定口座へ入金

約2〜3週間後

💬 各都道府県の公式サイトでは「不動産取得税 軽減申告書(PDF)」がダウンロード可能です。

例:東京都主税局・広島県税事務所・大阪府総務事務所など。Googleで「〇〇県 不動産取得税 軽減申告書」で検索するとすぐ見つかります。




7-7. まとめ表|不動産取得税の計算・軽減・非課税まとめ

項目

内容

備考

計算式

(固定資産税評価額 − 控除額)× 3%

基本公式

控除額

新築1,200万円(長期優良住宅1,300万円)

条件あり

免税点

土地10万円・建物23万円未満

非課税

非課税例

相続・公共事業・災害再建など

地方税法第73条の7〜8

申請期限

通知日から60日以内(自治体により異なる)

自己申告制

還付請求期限

納付後5年以内

手続き必要




✅ 最終まとめ

  • 新築の不動産取得税は「固定資産税評価額×3%」で計算される。

  • 住宅控除を活用すれば、ほとんどのケースで数万円〜0円に。

  • ただし、軽減措置は申請しないと自動で適用されない。

  • 申請期限(60日以内)と還付期限(5年以内)を厳守。

  • 2025年度までは軽減特例が継続中。

  • 相続・公共事業・災害再建は非課税。

  • 電子申請も拡大中だが、基本は「県税事務所に申告」。





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