注文住宅の費用実例まとめ|家づくり予算とリアルな内訳を公開
- 将士 飴本
- 5月30日
- 読了時間: 14分

目次
1. 注文住宅の費用実例を知るメリット

1-1. なぜ費用実例の確認が重要なのか
注文住宅は、人生最大級の買い物。
広告に書かれている“最低価格”や営業担当の口頭説明だけでは、実際にどれくらいお金が必要になるのか、想像以上にわかりにくいものです。
「本体価格は2,000万円だけど、最終的には2,800万円かかった」
「外構・諸費用・オプションを後から加算したら予算オーバーだった」
――こんな声は本当に多く聞かれます。
費用実例の確認が重要な理由は3つあります。
現実的な予算設定ができる実際に家を建てた人の具体的な費用明細を知ることで、自分の家づくりにも“現実的な数字”を当てはめやすくなります。
追加費用・隠れた出費への備えができる広告や見積書で「抜けやすい費用」や「よくある追加項目」を把握できるので、想定外の出費を未然に防げます。
複数の実例から自分に合ったプランを選べる家族構成や希望する暮らし、地域、こだわりポイントによって大きく異なる費用パターンを比較できるので、「本当に必要なもの」「抑えられるところ」が見えてきます。
費用実例を調べずに失敗したケース
「友人が建てた家と同じくらいかな」とざっくり見積もっていたら、地盤改良や外構で予算が数百万円オーバー
標準仕様と思い込んでいた設備が全てオプションで、気付いたら100万円単位の追加
地方と都市部での費用差を考慮せず、プラン決定後に“想定外のコスト”を知って悩む
1-2. 注文住宅の費用が大きく変わるポイント
注文住宅の費用は「建物本体価格」だけでは決まりません。実際の支払い総額を決める要素は、下記の5つが大きなポイントです。
建築地(都市部・郊外・地方)の違い 都心部は土地代・建築コストが高く、地方は抑えやすい傾向。工法や施工条件による地域差も大きい。
延床面積・階数・間取り 同じ坪単価でも、坪数が増えれば総額が上昇。平屋・2階建て・3階建てなど構造によっても違う。
設備グレードやオプションの追加有無 キッチンやバスのグレード、太陽光発電、床暖房、造作家具、外観デザインなど、標準かオプションかで差額が大きい。
外構や付帯工事の範囲 駐車場・アプローチ・フェンス・庭・造成・地盤改良・インフラ引込などの範囲と内容で数十万~数百万円単位の差。
土地条件・地盤改良の必要性 購入地の形状や地盤の強さ次第で、数十万~200万円以上の追加費用が発生することも。
費用が変動しやすい代表例
変形地や高低差のある土地=造成費が割高に
狭小敷地で3階建て=構造・法規対応でコスト増
ハウスメーカーと工務店、どちらを選ぶかで費用構成が異なる
2. 注文住宅の費用実例まとめ|パターン別シミュレーション
注文住宅は「家族の数だけ予算パターンがある」と言われます。
ここからは、パターン別・事例別にリアルなシミュレーション例や実際にかかった費用の内訳を紹介します。

2-1. 30坪・4人家族の標準的なケース
【シミュレーション実例1:郊外・分譲地、延床30坪・4LDK・2階建て】
費用項目 | 費用(目安) | 内容・補足 |
本体工事費 | 1,950万円 | 標準仕様(大手ハウスメーカー・木造) |
付帯工事費 | 200万円 | 地盤改良・インフラ・造成・屋外給排水等 |
外構工事 | 150万円 | 駐車場・アプローチ・フェンス・庭 |
諸費用 | 120万円 | 設計料・申請料・登記・保険・ローン手数料 |
オプション | 80万円 | キッチンUP・太陽光3kW・床暖房・造作収納等 |
家具・家電・引越し | 60万円 | 新調・買い替え分 |
総額 | 2,560万円 | 土地代除く。土地込みだと4,000万円超になるケースも |
家族構成・暮らしイメージ
4人家族(夫婦+子ども2人)
4LDK(リビング+主寝室+子ども部屋2つ)
駐車場2台分、庭付き
設備:食洗機・浴室乾燥・ペアガラス・IHキッチン
このケースが「全国平均に近いパターン」。都市部や郊外で±200〜400万円程度の差が出ます。
2-2. 都心部・郊外・地方での費用実例の違い
注文住宅の総費用は、建築地によって驚くほど差が出るのが特徴です。都市部は土地も建築も割高、郊外や地方はコスパ重視で広い家も建てやすい傾向に。
【エリア別 費用実例まとめ】
地域 | 本体工事費 | 総額目安 | 土地代 | 特徴・ポイント |
都心部 | 2,300万円 | 3,000万円 | 3,500万円〜 | 土地が高額、狭小地・特殊工事も多い |
郊外 | 1,900万円 | 2,500万円 | 1,200万円〜 | 平均的なコスト。広い土地も比較的選びやすい |
地方 | 1,600万円 | 2,000万円 | 500万円〜 | 土地・工事費共に安価。広めの家も建てやすい |
都心部は「狭小敷地」「三階建て」も多く、構造計算や法規対応費でコスト増
郊外はバランス型、地方はコストパフォーマンスを重視した選択がしやすい
事例:東京都内の狭小3階建て
延床28坪/本体工事2,250万円、付帯工事320万円、諸費用180万円、オプション180万円=総額2,930万円
土地代4,000万円(都心部なら総額7,000万円台も)
事例:地方都市で平屋住宅
延床35坪/本体工事1,750万円、付帯工事180万円、外構110万円、諸費用90万円、オプション60万円=総額2,190万円
土地代600万円(合計2,800万円弱)
2-3. 設備グレードやオプション追加の実例
オプションやグレードアップは「積もり積もると100万円単位で増加」します。どこまでを標準で、どこからをオプションとするかで全体の予算も暮らしの満足度も変わります。
【主なオプション・グレードアップ費用目安】
オプション内容 | 追加費用目安 | 実例ポイント |
キッチンUP | 30万円 | 食洗機・IH・収納増など |
太陽光発電 | 120万円 | ランニングコスト節約 |
床暖房 | 40万円 | LDKのみ設置でこの価格 |
造作収納 | 25万円 | オリジナリティを求める人に人気 |
インテリアグレードUP | 15万円 | 壁紙や床材、建具のグレード変更 |
外壁タイル張り | 60万円 | メンテコストも下がるが初期費用UP |
電動シャッター | 10万円/ヶ所 | 2〜3ヶ所つけると+30万円前後 |
実際のオプション事例(家族構成・暮らし別)
子育て家族:宅配ボックス、キッズスペース造作、浴室乾燥機追加
共働き夫婦:防犯設備(スマートキー)、ランドリールーム
ペットと暮らす家庭:ペット用床材、防音ドア、ドッグランスペース
3. 注文住宅の費用内訳を徹底解説
注文住宅の総費用は、「本体工事費」だけでは絶対に済みません。
本体価格に目を奪われて契約すると、見積書に記載されていない付帯工事や諸費用、外構工事、オプション、さらには新生活準備費(家具・家電・引越し等)まで、次々と“追加請求”が発生するリスクがあります。
ここでは、実例を交えながら各費用のリアルな内訳と相場感、そして“見落としがちな項目”まで徹底解説します。

3-1. 本体工事費の実例と相場
本体工事費は、住宅の基礎から構造体、屋根や外壁、サッシや断熱、内装・建具、標準設備までの「建物そのもの」をつくるための費用です。
【本体工事費の主な内訳例】
仮設工事(足場・仮設電気・水道等)
基礎工事(コンクリート・配筋等)
木工事(構造体・床・壁・天井下地)
屋根・外壁工事
サッシ・玄関ドア
内装仕上げ(クロス・フローリング・建具)
住宅設備(キッチン・バス・トイレ・洗面等、標準仕様分)
【30坪・標準仕様の実例】
ローコスト住宅:1,400万円〜1,600万円(設備グレードは抑えめ)
地域工務店・中堅メーカー:1,700万円〜2,000万円
大手ハウスメーカー・高断熱仕様:2,100万円〜2,400万円
ポイント
設備グレード・断熱性能・工法(木造・鉄骨・RC)で本体工事費は大きく変動
本体工事費だけで判断せず「どこまでが本体範囲か」を必ず確認
3-2. 付帯工事費・外構工事費の実例
付帯工事費とは、建物を建てるために必要な“付随する工事”や、住むための外回りの整備にかかる費用です。外構工事費は、庭やカーポート・門扉・フェンス等の“エクステリア部分”の整備費用です。
【付帯工事費の主な内訳例】
地盤調査・地盤改良費
造成工事(敷地の高低差調整・土留め等)
上下水道・ガス・電気の引込工事
解体工事(建替えや古家付き土地の場合)
敷地整備・仮設トイレ等
【30坪・標準的な新築例】
地盤調査・改良:10万円〜150万円(地盤次第で大きく変動)
造成・整地:20万円〜80万円
インフラ引込:20万円〜60万円
解体工事:50万円〜200万円(建替えの場合)
【外構工事費の主な内訳例】
駐車場(土間コンクリート・カーポート)
アプローチ・門扉・門柱
フェンス・ブロック塀
庭・芝生・植栽・ウッドデッキ
【標準的な費用実例】
駐車場2台分コンクリ:40万円〜80万円
門柱・アプローチ:30万円〜60万円
フェンス・境界工事:20万円〜60万円
植栽・芝生:5万円〜20万円
外構・付帯工事だけで100万円〜250万円前後かかることが多いです。
3-3. 諸費用・その他の隠れた費用
本体・付帯・外構だけでなく、「諸費用」も見積もり時に必ず計上しましょう。また、「契約時や着工時、引渡し時に発生する実費」「住宅ローン関係の費用」「火災・地震保険」「登記費用」「引越し費用」「新生活の家具・家電」なども忘れずに!
【諸費用の主な内訳と相場】
項目 | 目安 | 備考 |
設計・確認申請料 | 30万〜50万円 | 建築確認申請や設計事務手数料など |
登記費用 | 15万〜30万円 | 所有権移転・保存・抵当権設定 |
火災・地震保険 | 10万〜30万円 | 補償内容・保険期間で大きく変動 |
ローン手数料 | 5万〜15万円 | 融資事務手数料・保証料 |
印紙代 | 1万〜2万円 | 契約書類 |
引越し費用 | 5万〜20万円 | 荷物量・距離・時期で変動 |
家具・家電 | 30万〜100万円 | 買い替え・新調分 |
【見落としがちな“隠れ費用”】
地盤調査費や地鎮祭・上棟式の費用
建築中の仮住まい・駐車場代
登録免許税・不動産取得税
確認申請後の追加設計・修正料
近隣対策費(挨拶や養生費など)
3-4. 費用内訳の総合シミュレーション事例(30坪モデル)
費用項目 | 費用(目安) | 詳細・補足 |
本体工事費 | 1,950万円 | 木造2階・標準設備 |
付帯工事費 | 200万円 | 地盤改良・インフラ・造成 |
外構工事 | 150万円 | 駐車場・門柱・フェンス |
諸費用 | 120万円 | 設計料・申請料・登記・火災保険等 |
オプション | 80万円 | 設備UP・太陽光・収納・インテリア |
家具家電・引越し | 60万円 | 新調・買い替え分 |
総額 | 2,560万円 | 土地代除く。土地込みで4,000万円台になる例も |
4. 注文住宅の費用実例でよくある失敗・成功パターン
注文住宅の費用で「こうすれば良かった」「ここで損した!」という体験談やストーリーは非常に多いです。
ここでは、失敗・成功パターンの“リアルな声”をもとに、実践的な対策も含めてまとめます。

4-1. 予算オーバーの原因とその対策
【失敗例1】「本体価格だけで計画して外構費・諸費用で予算オーバー」
「建物が1,800万円でいけると思って契約したのに、外構や地盤改良、申請料などで+400万円。家族で慌ててローンを増やした」
対策:必ず“総額”で資金計画を立てましょう。初期見積もりでは「付帯工事・外構・諸費用」を全て明細で出してもらい、「別途」扱いの項目も具体的に記載させることが大切です。
【失敗例2】「オプション追加が止まらず100万円単位で予算増」
「モデルハウスを見たら“標準仕様”よりも良いものが欲しくなり、キッチン、バス、床材などアップグレード。気づいたら100万円以上増えていた」
対策:希望設備に優先順位をつけ、絶対に必要なものと妥協できるものを整理。金額と満足度を家族で都度相談しながら進めることで、冷静な判断が可能になります。
【失敗例3】「契約後に“別途工事”で追加請求が続出」
「契約時はわからなかったが、造成やインフラ引込、解体や地盤改良がすべて“別途”。最終的に300万円以上追加された」
対策:契約前に「別途」「一式」表記の項目は必ず明細化し、想定外の工事が発生しないか担当者に確認・書面で残す。分からない部分は第三者や専門家にも相談を。
4-2. 実例から学ぶ後悔しない費用計画
「見積もりは必ず複数社から取り、内訳やオプション範囲も比較」
「優先順位を家族で明確にし、理想と現実を見据えて計画的に進めた」
「予備費を最初から10%程度計上し、追加工事や設備グレードUPに対応できた」
「住み始めてからのランニングコスト(光熱費・メンテ費)までシミュレーションした」
成功例:家族全員で「本当に必要か?」を都度相談
「希望を全て出し切り、優先順位を決めて取捨選択したことで、追加費用にも慌てず対応。満足度の高い家になった」
4-3. よくある費用トラブルとその回避法
オプション・外構・地盤改良など“別途請求”を防ぐため、契約前の細かな内訳確認と書面化が鉄則
「見積もりの比較表」や「チェックリスト」を活用して、抜け漏れ・重複・抜け道を防止
分からない・不安な点は必ず住宅会社や第三者専門家に質問
5. 注文住宅の費用実例から見える「理想の家づくり」のためのヒント
注文住宅は「一生に一度」の大きな買い物。せっかくの家づくりを、「費用だけ」で妥協せず、本当に満足できる住まい」に近づけるにはどうすればいいのか。
ここでは、実例をもとに「満足度とコストのバランス」をどう取るか、現実的な工夫や注意点を紹介します。

5-1. 費用を抑えつつ満足度を上げるコツ
(1) 延床面積と間取りを最適化する
延床面積が広くなるほど、当然ながら総費用は上昇します。「部屋数は本当に必要か」「廊下やホールが多すぎないか」など、“ムダなスペース”をなくすことで数十万円〜数百万円のコストダウンも可能です。
収納や水回りはまとめて配置し、配管や壁量を減らす
将来の家族構成やライフステージも見越して設計
(2) シンプルな構造・外観を意識する
建物のカタチが複雑だとコストアップ要因に。総二階建てや正方形・長方形に近い間取りなら、コストパフォーマンスが非常に高いです。
屋根や外壁は“段差”や“飾り”が多いほど工事費UP
屋根形状やサッシの数もコストに直結
(3) 「後から追加できる部分」は思い切って後回し
外構や造作家具、カーポートなどは“住んでから”DIYや地元業者に依頼することでコストを抑える方法も有効。最初に“全部盛り”にしないことが、費用圧縮+満足度UPにつながります。
(4) 標準仕様の範囲で「満足度の高い設備」を選ぶ
水回りや建具、内装など、オプションで追加すると費用がどんどん膨らみます。「標準仕様の中で自分たちの満足度が高いメーカーや型番」をうまく選択できれば、最小限のオプション追加で済むケースも。
(5) 住宅会社・工務店選びで比較を怠らない
価格も仕様も、会社ごとに大きく違います。「安かろう悪かろう」にならないためには、見積もりの中身や会社のサポート体制、口コミや施工事例を徹底比較しましょう。
5-2. 複数実例の比較で気付けるチェックポイント
(1) 同じ坪数・家族構成でも「100万円単位」の差が出る
・「標準仕様の範囲」や「外構・付帯工事・諸費用の扱い」の違いで、大きく費用に差が出ます。・ローコスト住宅で見積もりが安くても、結果的にオプション・外構・諸費用が膨らむケースも。
(2) 住宅会社ごとの「見積もり範囲」と「追加費用の発生条件」
・“一式見積もり”が多い会社は、契約後の追加が多い傾向・見積もり書は項目ごとに細かく比較(チェックリスト推奨)
(3) 将来のランニングコストまで含めて計画する
・断熱性能や設備グレードUPで初期費用は上がっても、月々の光熱費やメンテナンス費用が下がれば“長期でお得”な場合も・維持管理費用も含めた「ライフサイクルコスト」で考えるのが本当に満足できる家づくりのコツ
まとめ
注文住宅の費用実例は「本体価格+付帯工事+外構+諸費用+オプション+新生活準備費」の“総額”で考えるのが鉄則です。
広告で見かける価格と実際の支払い金額には、数百万円の開きが出ることも珍しくありません。
成功するためのポイント
複数社での見積もり・実例比較は絶対
「契約前」に本体以外の費用もすべて内訳を明示させる
自分たちの優先順位を決めて、希望と予算のバランスを調整
「最初に全部盛り」にせず、住んでから追加できるものは後回しもアリ
将来の暮らし・維持費用も含めて総合的に判断
総チェックリスト|注文住宅の費用実例から失敗しない家づくりを実現するために
本体工事費・付帯工事費・外構工事・諸費用の全てを明細で確認したか?
「標準仕様」と「オプション」の範囲をすべてチェックしたか?
地盤調査・地盤改良・造成・解体など“別途”扱いの費用を見落としていないか?
ローン・保険・登記・引越し・家具家電など新生活にかかるコストも資金計画に含めたか?
住んでからの光熱費やメンテナンス費もシミュレーションしたか?
見積もり・実例は必ず複数社で比較・質問し、納得して選んだか?
「予備費」を全体予算の5〜10%程度見込んであるか?
家族で希望と現実をすり合わせて「本当に必要なもの」を整理できているか?
疑問や不安点は全て住宅会社や専門家に相談したか?
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