完全自由設計の落とし穴|予算オーバーやトラブルを防ぐポイント
- 見積もりバンク担当者

- 5月26日
- 読了時間: 14分
更新日:11月7日
更新日:2025年11月07日
「完全自由設計なら理想の家が実現できる!」そう考える方は多いですが、同時に予算オーバーや設計トラブルのリスクも潜んでいます。本記事では、完全自由設計のメリットと落とし穴を整理し、契約前に知っておくべき注意点、予算管理のコツ、成功・失敗事例まで徹底解説します。さらに、家族の要望を反映させるための工夫やアフターフォローの重要性も紹介。これから注文住宅を検討する方が「安心して理想の家づくり」を進められるよう、実体験やプロの視点を交えた実践的なアドバイスをお届けします。

目次
1-1: 完全自由設計とは?|基本的な理解
1-2: オーダーメイド住宅の契約前に知っておくべきこと
1-3: 完全自由設計 vs セミオーダー|それぞれのメリット
1-4: 完全自由設計の人気の理由|理想の家づくりを実現
1-5: トラブルが起こりやすいケースとは?
2-1: 完全自由設計における予算設定の重要性
2-2: シュミレーションで見える予算コントロール
2-3: 施工費用をリアルに把握する方法
2-4: 間取りやデザインが予算に与える影響
3-1: 細部までこだわる設計士の選び方
3-2: 建築チームとの効果的なヒアリング方法
3-3: こだわりを反映した自由設計のコツ
3-4: ローコストでも満足できる素材選び
4-1: 成功した自由設計の一軒家事例
4-2: 埼玉県内のオーダーメイド住宅事例
4-3: 実際の施工から学ぶ!トラブル事例
5-1: 完全自由設計がもたらすライフスタイルの変化
5-2: 家族の要望を反映させるための選択肢
5-3: 土地の選び方|理想の家ができるエリア
6-1: 完成後のアフターフォローを確認する
6-2: 設計後のライフスタイルの変化に備える
6-3: 住まいがもたらす安心感と暮らしの質

1-1: 完全自由設計とは?|基本的な理解
「完全自由設計」とは、間取り・デザイン・仕様を施主の希望に合わせてゼロから設計する方式のことです。規格住宅やセミオーダー住宅と異なり、間取りの制限や仕様の標準化がないため、世界に一つだけの理想の家を建てられる点が最大の特徴です。
しかし同時に、設計の自由度が高い分、打ち合わせ回数が増える・追加費用がかさむ・工期が延びるといったデメリットもあります。
👉 短い要約:完全自由設計=理想の家を追求できるが、自由度の高さゆえにリスクも大きい。
1-2: オーダーメイド住宅の契約前に知っておくべきこと
契約前に理解すべきは以下の3点です。
📌 契約前に確認するべきこと
設計士の力量と経験値(担当者によって完成度が変わる)
見積書の範囲(「一式」「別途工事」表記のチェック)
住宅ローンとの整合性(追加費用が融資に含まれないケースあり)
💡 実体験談
筆者が相談を受けた施主様は、契約時の見積もりに「外構費用」が含まれていなかったため、引渡し直前に300万円の追加が必要となりました。こうした見落としは珍しくありません。
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1-3: 完全自由設計 vs セミオーダー|それぞれのメリット
以下は、完全自由設計とセミオーダー住宅の比較表です。
項目 | 完全自由設計 | セミオーダー住宅 |
自由度 | ◎ 間取り・仕様を自由に選べる | ○ 標準プランをベースに一部変更可能 |
コスト管理 | △ 予算超過リスク大 | ◎ 価格が比較的明確 |
打合せ回数 | 多い(10回以上) | 少ない(3〜5回程度) |
工期 | 長い | 比較的短い |
満足度 | 理想を実現できるがリスクあり | コストと利便性のバランス良し |
👉 結論:こだわり重視なら完全自由設計、コストや工期重視ならセミオーダー。
1-4: 完全自由設計の人気の理由|理想の家づくりを実現
完全自由設計が選ばれる背景には、以下のニーズがあります。
「吹き抜けのリビングにしたい」など個別の要望を実現できる
将来の家族構成変化(2世帯住宅など)に柔軟に対応できる
「趣味部屋」「在宅ワークスペース」など生活スタイルを反映できる
📊 住宅金融支援機構の調査(2024年度)
注文住宅を建てた人のうち約42%が「自由設計」を選択しており、需要の高さがうかがえます。
1-5: トラブルが起こりやすいケースとは?
完全自由設計は理想を叶える一方で、以下のようなトラブルが頻発します。
追加オプションが積み重なり 予算オーバー
設計と実際の施工に差異が出て 仕上がりがイメージと違う
打ち合わせ不足で 家族間の意見がまとまらない
法規制・建築基準法の制約により 要望が反映できない
💬 プロ視点のアドバイス
「自由設計だからといって“何でもできる”わけではありません。建築基準法・斜線制限・防火規制など、土地ごとの制約を理解したうえでプランを練ることが失敗回避の第一歩です。」

2-1: 完全自由設計における予算設定の重要性
完全自由設計は、施主のこだわりを反映できる一方で、予算オーバーが最も多いトラブルです。規格住宅と違い「標準仕様」がないため、設計士との打ち合わせ次第で大幅に金額が上下します。
📌 予算設定の鉄則
建物費用だけでなく「諸費用(登記費用・引越し費用・外構費)」も含める
建物予算=全体資金の70%以内 を目安にする
家族で「必須」と「希望」を分けておく
💡実例
ある家庭では、当初3,000万円の予算でスタートしたものの、希望をすべて盛り込んだ結果、最終的に3,800万円まで増額。住宅ローン審査にも影響しました。
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2-2: シュミレーションで見える予算コントロール
予算を守るには、シミュレーションの活用が効果的です。
シミュレーション方法 | 内容 | メリット |
住宅ローン返済シミュレーション | 借入額と返済額を毎月計算 | 家計への負担を事前に把握 |
建築費用シミュレーション | 間取り・仕様を入力して概算費用を算出 | 設計段階でオーバー防止 |
光熱費シミュレーション | 断熱性能・設備による電気代を予測 | 将来のランニングコストまで計算 |
👉 ポイント:シミュレーションは1社だけでなく複数ツールを比較すること。数字に幅を持たせることでリスクヘッジになります。
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2-3: 施工費用をリアルに把握する方法
施工費用は見積書だけでは分かりにくく、「別途工事」や「一式」表記が落とし穴です。
📌 チェックするべき項目
地盤改良費(地盤調査後に追加されることが多い)
外構工事費(カーポートやフェンスが別見積もりになりやすい)
付帯工事費(水道・ガス・電気の引込)
💬 プロ視点のアドバイス
「“本体価格2,000万円”と表示されても、実際には2,500〜2,800万円かかるケースが多いです。必ず“総額ベース”で比較してください。」
2-4: 間取りやデザインが予算に与える影響
自由度が高い分、間取り・デザイン次第で費用が大きく変動します。
📊 コストを押し上げる要因
吹き抜けや大開口窓(構造補強費が増加)
複雑な屋根形状(施工コストUP)
特殊素材や輸入建材の使用(メンテナンス費も上昇)
👉 一方で、コストを抑える工夫も可能です。
✅ コストダウンの工夫
シンプルな総二階の形状にする
設備は「標準仕様+必要な部分だけオプション」
将来的にDIYで追加可能な部分は後回しにする
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🔍 まとめ(第2章)
完全自由設計は魅力的ですが、予算管理=家づくり成功のカギです。
総額で考える
シミュレーションを複数活用する
デザインの選択がコストに直結する
💡 実体験談
筆者が関わったお客様の中には「リビングに吹き抜けを入れるか」で悩み、最終的に採用を見送ることで約250万円の削減に成功したケースもあります。自由設計では“取捨選択の勇気”が必要です。

3-1: 細部までこだわる設計士の選び方
完全自由設計を成功させる最大のカギは、設計士(建築士)の力量と相性です。設計士によっては、施主の要望をただ聞くだけで提案力が乏しい場合や、逆にデザイン性に偏って生活導線を軽視する場合もあります。
📌 設計士選びのチェックリスト
過去の設計事例を必ず確認する
住み心地や生活導線を重視した提案をしてくれるか
コストバランスに配慮しているか
施主の要望に耳を傾けつつ、根拠を持って提案してくれるか
💡 実例
あるお客様は「おしゃれなデザイン」を優先した設計士に依頼したところ、収納が極端に少なく生活しにくい間取りに。設計段階で「暮らしの現実」を考慮できる設計士かどうかの見極めが重要です。
3-2: 建築チームとの効果的なヒアリング方法
トラブルの多くは「認識のすれ違い」から発生します。そのため、打ち合わせ時の記録と確認が欠かせません。
📌 効果的なヒアリングの進め方
打ち合わせ内容は議事録を必ず残す(メールやアプリ共有)
イメージは写真や雑誌の切り抜きで視覚的に伝える
「できること」「できないこと」を明確にしてもらう
👉 補足:曖昧なまま工事に入ると、「想像と違った」というトラブルに直結します。
3-3: こだわりを反映した自由設計のコツ
完全自由設計では、要望をすべて取り入れるのではなく、優先順位をつけて取捨選択することが大切です。
✅ こだわりを叶えるコツ
家族で「絶対に譲れない条件」を3つに絞る
設計士に「できるだけ費用を抑えたい項目」も伝える
将来のライフスタイル変化(子どもの成長・親との同居)を前提に考える
💡 実体験
施主様の要望で「土間収納」「在宅ワークスペース」「吹き抜け」を提案した際、最終的に吹き抜けは断念し、その分収納にコストを回した結果、長期的に住みやすい家となりました。
3-4: ローコストでも満足できる素材選び
素材や設備の選択も予算に直結する部分です。必ずしも「高い=良い」ではありません。
📊 素材選びの比較表
部位 | 高コスト素材 | コストを抑えた代替素材 | メリット/デメリット |
床材 | 無垢フローリング | 複合フローリング | 無垢は質感◎だが高額、複合は安価でメンテ容易 |
外壁 | タイル貼り | サイディング | タイルは耐久◎だがコストUP、サイディングは安価だが定期メンテ必要 |
キッチン | オーダーメイド | システムキッチン | オーダーは自由度◎だが高額、システムは標準化でコスパ良し |
👉 ポイント:すべて高級素材にするのではなく「見える部分は良い素材、見えない部分は標準仕様」とメリハリをつけるのが賢い方法です。
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🔍 まとめ(第3章)
トラブルを防ぐには、
設計士選びが重要
打ち合わせ内容を明確にする
優先順位をつけた要望整理
素材はメリハリをつけて選ぶ
💬 プロ視点のアドバイス
「完全自由設計は、理想と現実のバランスを取ることが成功のカギです。設計士に丸投げせず、自分たちの生活イメージを具体的に伝えることが、後悔しない住まいづくりにつながります。」

4-1: 成功した自由設計の一軒家事例
完全自由設計は「予算オーバーやトラブルの温床」と思われがちですが、成功事例も数多く存在します。
💡 事例:共働き夫婦+子ども2人の家(東京都内)
予算:3,500万円
ポイント:水回りを1階に集約、家事動線を短縮
工夫:吹き抜けを小さく抑え、コストを抑制
結果:子育て・家事効率が大幅に改善、光熱費も削減
👉 「全部欲しい!」ではなく「暮らしの中心は何か」を明確にしたことで、コストを抑えつつ満足度の高い住まいが完成しました。
4-2: 埼玉県内のオーダーメイド住宅事例
地域特性を活かすのも完全自由設計の強みです。
📌 埼玉県川越市の事例
土地:40坪
家族構成:夫婦+親世帯(2世帯住宅)
工夫:
玄関を2つに分けてプライバシー確保
中庭を配置し、光と風を共有
2階にセカンドリビングを設置
結果として、親世帯と子世帯の「程よい距離感」を実現。2世帯住宅でよくある「生活リズムの不一致」トラブルを回避できました。
4-3: 実際の施工から学ぶ!トラブル事例
一方で、完全自由設計の落とし穴に陥った事例も少なくありません。
⚠️ 事例:名古屋市の自由設計住宅
希望:大きな吹き抜け+輸入キッチン+屋上バルコニー
契約時予算:3,200万円 → 完成時:4,000万円超
問題点:
見積もり時に「別途工事」が多数含まれていた
打ち合わせ記録を残しておらず「言った言わない問題」が発生
最終的にローン増額と仕様変更で対応
👉 結果として施主は「理想は叶ったが、住宅ローンが家計を圧迫」と語っています。
🔍 まとめ(第4章)
成功の秘訣は「要望の優先順位づけ」と「コスト意識」
地域性を活かした設計は満足度が高い
トラブル事例から学ぶことでリスク回避が可能
💬 プロ視点のアドバイス
「成功事例だけでなく“失敗例”も知っておくことが大切です。完全自由設計では特に、見積書の読み解きと契約前の確認がトラブル回避の決め手になります。」

5-1: 完全自由設計がもたらすライフスタイルの変化
完全自由設計は「住む人の人生に合わせた家」を形にできるため、ライフスタイルに大きな影響を与えます。
📌 変化の一例
子育て世帯 → 広いリビング+家事動線の短縮でストレス軽減
共働き世帯 → ワークスペースを確保し在宅勤務に対応
趣味中心 → ガレージ・音楽室・アトリエなど「好き」を反映
💡 実体験談
「週末は必ず庭でバーベキューをする」という施主は、完全自由設計でウッドデッキ+屋外シンクを設置。結果、家族の交流時間が増え、生活満足度が飛躍的に高まりました。
5-2: 家族の要望を反映させるための選択肢
完全自由設計では「家族全員の意見を整理」することが成功のカギです。
✅ 要望反映のステップ
家族会議で「必須条件」と「希望条件」を分ける
世帯ごとに優先順位をリスト化
設計士に伝える際は「写真やイメージ資料」を活用
👉 チェックリスト(例)
子ども部屋の広さは?
将来間仕切りを作る可能性は?
在宅ワークのための静かな空間は必要?
老後のバリアフリー対応は?
こうした事前整理をしておくと、打ち合わせ時にスムーズに要望を伝えられます。
5-3: 土地の選び方|理想の家ができるエリア
家づくりは建物だけでなく 土地選び が非常に重要です。土地条件によって、完全自由設計でも制約が生まれることがあります。
📊 土地の選定ポイント
法規制:建ぺい率・容積率・用途地域
インフラ:上下水道・ガス・電気の整備状況
環境:日当たり・風通し・騒音・治安
将来性:駅や商業施設の開発予定
💡 実例
埼玉県の施主は、安価な土地を選んだが「高さ制限」で理想の吹き抜けが実現できず、結果的にプランを修正することに。土地と建物は必ずセットで検討する必要があります。
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🔍 まとめ(第5章)
完全自由設計はライフスタイルを大きく変える
家族全員の意見を整理して要望を反映することが必須
土地の制約は設計に直結するため「土地+建物」で考えるのが正解
💬 プロ視点のアドバイス
「土地は建物の自由度を左右する“舞台”です。安さや立地だけで判断せず、建築士と一緒に“理想の家が実現できるか”を必ず確認しましょう。」

6-1: 完成後のアフターフォローを確認する
家は建てて終わりではなく、住んでからの維持管理が重要です。完全自由設計の場合、独自の仕様や特殊な素材を使うことも多いため、アフターフォローの内容は特に注意が必要です。
📌 確認すべきアフターサービス
定期点検(半年・1年・2年・10年など)
構造躯体・防水保証の年数(10年〜30年が一般的)
設備機器の保証内容(メーカー保証+延長保証)
緊急トラブル対応(給排水・電気など)
💡実例
ある施主は「オーダーメイドの窓」を採用したが、施工会社が倒産後に不具合が発生。結果、修理費が全額自己負担となりました。契約時に第三者保証やアフター体制を必ず確認しましょう。
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6-2: 設計後のライフスタイルの変化に備える
家族の成長や社会の変化によって、ライフスタイルは必ず変わります。完全自由設計では、その変化を見越して設計しておくことが満足度を高めるコツです。
📌 将来を見据えた設計ポイント
子どもが独立した後も使える間取り
高齢になった際のバリアフリー対応
リモートワークや副業に使える多目的スペース
将来のリフォームを見据えた可変性のある設計
👉 「今の生活」だけでなく「10年後・20年後の暮らし」を想定してプランを作ると、後悔の少ない家になります。
6-3: 住まいがもたらす安心感と暮らしの質
完全自由設計で理想を反映できた家は、安心感と暮らしの質を大きく向上させます。
📊 住まいがもたらす効果
心理的安心:自分の要望が形になった達成感
経済的安心:将来のランニングコストを考えた設計
家族関係:居心地の良さが家族の交流を促進
💡 実体験談
「在宅ワーク用の書斎を設けたことで、仕事とプライベートをしっかり分けられるようになり、生活リズムが安定した」という声もあります。家は単なる建物ではなく、暮らしを支える基盤なのです。
🔍 まとめ(第6章)
完成後の満足度はアフターフォロー体制に左右される
将来のライフスタイル変化を見据えて設計することが重要
住まいは安心感と暮らしの質を高める「人生の資産」
💬 プロ視点のアドバイス
「完全自由設計は“建てて終わり”ではありません。暮らしに寄り添い続ける存在だからこそ、アフターサポートや将来の変化を前提に考えることが、長期的な満足度を決めるポイントです。」
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