連帯債務割合はどう決める?夫婦の負担と持分に影響する重要ポイントを解説
更新日:3 日前
【PR】更新日:2026年08月11日

「連帯債務で住宅ローンを組むけれど、割合ってどう決めればいいの?」
——夫婦で協力して家を買うとき、多くの人がここでつまずきます。適当に決めてしまうと、あとで贈与税がかかったり、住宅ローン控除を取りこぼしたりすることがあります。
連帯債務割合は、なんとなくで決めてはいけません。
大切なのは、「実際にお金を出す割合」と「登記する持分割合」を一致させることです。この基本を外すと、税務上のトラブルにつながります。
この記事では、連帯債務割合の決め方を3つのステップで整理します。負担割合と持分割合の関係、贈与税や住宅ローン控除への影響、計算例までわかりやすく解説します。読み終えるころには、自分たちの割合をどう決めればいいかが見えてきます。なお税務は個別性が高いため、最終判断は税理士など専門家への相談を前提にしてください。
この記事の結論
連帯債務割合は「実際の負担割合」で決めるのが基本
登記する持分割合は、負担割合と一致させる
負担と持分がずれると、差額が贈与とみなされることがある
住宅ローン控除は、負担割合に応じて夫婦それぞれ受けられる
負担割合は「頭金+ローンの実負担」で計算する
割合は登記前に決める。後からの変更は難しい
連帯債務割合はどう決める?【結論】

連帯債務割合は、夫婦が実際に負担する金額の割合(負担割合)で決めるのが基本です。そして、その負担割合に合わせて、登記する持分割合をそろえます。
なぜなら、負担割合と持分割合がずれると、その差が「贈与」とみなされ、贈与税の対象になることがあるからです。たとえば、お金は半分ずつ出しているのに持分を夫8:妻2で登記すると、差の分が妻から夫への贈与と扱われかねません。
つまり、連帯債務割合を決めるときの考え方はシンプルです。
夫婦それぞれが「いくら負担するか」を決める
その負担割合と同じ比率で、持分を登記する
この2つをそろえることが、余計な税金やトラブルを避ける最大のポイントです。
💡 プロ視点
割合を「なんとなく半分ずつ」で決めるのは危険です。頭金の出どころや年収が違えば、適切な割合も変わります。「実際に誰がいくら出すか」から逆算するのが、正しい順番です。
そもそも連帯債務とは?ペアローン・連帯保証との違い

連帯債務とは、1本の住宅ローンを夫婦2人が一緒に返していく借り方です。夫婦それぞれが「債務者」となり、全額について返済の責任を負います。
夫婦で組む住宅ローンには、主に3つの型があります。混同しやすいので、違いを整理しておきましょう。
借り方 | ローンの本数 | 住宅ローン控除 | 特徴 |
連帯債務 | 1本 | 夫婦2人とも受けられる | 2人で1つの借入を負担 |
ペアローン | 2本 | 夫婦2人とも受けられる | 別々に契約・手数料も2本分 |
連帯保証 | 1本 | 借りた本人のみ | 保証人は控除を受けられない |
連帯債務は、1本のローンを2人で負担するため、住宅ローン控除を夫婦それぞれが受けられるのが大きな特徴です。ここで登場するのが「負担割合」です。控除の額も、この割合に応じて決まります。
⚠️ ここは注意
「連帯保証」と「連帯債務」は名前が似ていますが、まったく違います。連帯保証の保証人は、住宅ローン控除を受けられません。どの型で組むかで、控除も持分も変わるため、最初に確認しましょう。
連帯債務割合の決め方【3ステップ】

連帯債務割合は、次の3ステップで決めると整理しやすくなります。順番が大切です。
ステップ①|負担割合を計算する
まず、夫婦それぞれが「実際にいくら負担するか」を出します。負担には、頭金とローンの返済分の両方が含まれます。
負担割合は、次の式で考えます。
各自の負担額 = 出した頭金 + 負担するローン返済分
負担割合 = 各自の負担額 ÷ 物件価格
ローンの返済分は、多くの場合、夫婦の収入割合で分けます。年収が夫700万円・妻300万円なら、7:3で負担するのが自然です。
ステップ②|持分割合を負担割合に合わせる
次に、登記する持分割合を、①で出した負担割合と同じ比率にそろえます。負担が7:3なら、持分も7:3で登記します。ここをそろえることが、贈与税を避ける鍵です。
ステップ③|控除と贈与税を確認する
最後に、住宅ローン控除の按分と、贈与税の心配がないかを確認します。負担と持分が一致していれば、原則として贈与の問題は起きにくくなります。ただし判断は個別性が高いため、専門家に確認すると安心です。
✅ 契約前に確認
「私たちの負担割合と持分割合は一致していますか?」この一言を、金融機関や司法書士、税理士に確認しておきましょう。登記前に確認すれば、後からの修正を避けられます。
計算例|負担割合と持分割合の出し方

具体的な数字で見てみましょう。物件価格5,000万円、頭金2,000万円、連帯債務で3,000万円を借りるケースです。
パターンA|頭金を収入割合で出す場合
夫の年収700万円・妻の年収300万円(収入割合7:3)とします。
項目 | 夫 | 妻 |
頭金(2,000万円を7:3) | 1,400万円 | 600万円 |
ローン負担(3,000万円を7:3) | 2,100万円 | 900万円 |
合計負担額 | 3,500万円 | 1,500万円 |
負担割合=持分割合 | 70% | 30% |
この場合、持分は夫70%・妻30%で登記します。負担と持分が一致しているため、贈与の問題は起きにくくなります。
パターンB|頭金を夫が多く出す場合
同じ物件で、頭金2,000万円のうち夫が1,500万円、妻が500万円を出したとします。ローン3,000万円は収入割合7:3で負担するとします。
項目 | 夫 | 妻 |
頭金 | 1,500万円 | 500万円 |
ローン負担(7:3) | 2,100万円 | 900万円 |
合計負担額 | 3,600万円 | 1,400万円 |
負担割合=持分割合 | 72% | 28% |
頭金の出し方が変われば、持分割合も変わります。「実際に出したお金」を正確に反映させることが大切です。
💡 プロ視点
持分割合は「1000分の◯」といった細かい端数でも登記できます。無理にきりのいい数字にせず、実際の負担に合わせるのが基本です。端数の扱いは、司法書士に相談すると正確に整理できます。
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なぜ負担割合と持分割合を一致させるのか

負担割合と持分割合を一致させる最大の理由は、贈与税を避けるためです。両者がずれると、その差額が夫婦間の贈与とみなされることがあります。
たとえば、実際は夫が100%お金を出したのに、持分を夫50%・妻50%で登記したとします。この場合、妻の持分50%分は「夫からもらった」と扱われ、贈与税の対象になり得ます。
贈与税には、年間110万円の基礎控除があります(暦年課税の場合)。差額がこの範囲に収まれば課税されないこともありますが、住宅は金額が大きいため、超えてしまうケースは珍しくありません。
状態 | 税務上の扱い |
負担割合=持分割合 | 原則、贈与の問題は起きにくい |
持分が負担より多い | 多い分が贈与とみなされることがある |
持分が負担より少ない | 控除を取りこぼす可能性がある |
⚠️ ここは注意
「夫婦だから半分ずつでいい」という思い込みは危険です。収入や頭金が違えば、半分ずつは負担割合と一致しません。実際の負担に合わせることが、結果的にいちばん安全です。
連帯債務割合が住宅ローン控除に与える影響

連帯債務では、住宅ローン控除を夫婦それぞれが受けられます。ただし、その額は負担割合に応じて按分されます。ここも割合の決め方が影響する重要なポイントです。
住宅ローン控除は、年末のローン残高に控除率(0.7%)をかけて計算します。連帯債務では、この残高を負担割合で分けて、各自が控除を受けます。
たとえば、年末残高が3,000万円で負担割合が夫7:妻3の場合は、次のようになります。
項目 | 夫 | 妻 |
負担割合 | 70% | 30% |
対象となる残高 | 2,100万円 | 900万円 |
控除額(×0.7%の目安) | 約14.7万円 | 約6.3万円 |
ここで注意したいのは、控除を活かすには「それぞれに十分な収入(納税額)」が必要な点です。控除は納めた税金から差し引く仕組みのため、収入が少ない側は、控除枠を使いきれないことがあります。
💡 プロ視点
妻の収入が少ない場合、妻の持分を大きくしても控除を使いきれないことがあります。逆に、育休などで一時的に収入が減る時期も影響します。「控除を最大化する割合」は、収入の見通しによって変わります。
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連帯債務・ペアローン・連帯保証、どれを選ぶ?

どの借り方が向いているかは、夫婦の収入や働き方によって変わります。すべての人に同じ正解はありません。判断材料として整理します。
重視すること | 向いている可能性がある型 |
手数料を抑えたい | 連帯債務(ローン1本) |
夫婦で控除を受けたい | 連帯債務・ペアローン |
借入額を最大化したい | ペアローン・連帯債務 |
片方の収入が少ない | 単独ローンも検討 |
団信を2人分つけたい | ペアローン(商品による) |
連帯債務は、1本のローンで手数料を抑えつつ、夫婦で控除を受けられるのが利点です。一方で、団体信用生命保険(団信)の扱いは商品によって異なります。片方に万一のことがあったとき、残債がどうなるかは、必ず事前に確認しましょう。
💬 金融機関に聞いてみよう
「この連帯債務では、団信はどちらに、どの範囲でつきますか?」「一方に万一のことがあった場合、残りのローンはどうなりますか?」
よくある失敗・注意点

連帯債務割合では、知らずにやってしまいがちな失敗があります。事前に知っておけば、多くは防げます。
よくある失敗 | 何が問題か |
半分ずつで登記した | 負担とずれて贈与とみなされることがある |
頭金の出どころを反映しなかった | 持分がずれ、贈与税の対象になり得る |
収入が少ない側の持分を大きくした | 住宅ローン控除を使いきれない |
登記後に間違いに気づいた | 修正が難しく、費用や手間がかかる |
特に多いのが、「夫婦だから半分ずつ」で登記してしまうケースです。悪気はなくても、実際の負担とずれると税務上の問題になります。割合は、登記の前に必ず整理しておきましょう。
⚠️ ここは注意
登記した持分割合は、後から簡単には直せません。修正には、追加の登記や費用がかかることがあります。「決めるのは登記前」と覚えておいてください。
モデルケース|「半分ずつ」で登記しかけたケース

具体的な例で、決め方の流れを見てみましょう。
モデルケース|頭金の差を反映して持分を決め直した話
30代の共働き夫婦。物件価格5,000万円の家を、連帯債務で購入します。頭金2,000万円のうち、夫が1,600万円、妻が400万円を出しました。ローン3,000万円は、収入割合の7:3で負担します。
当初、二人は「夫婦だから持分は半分ずつでいいよね」と考えていました。しかし、実際の負担額を計算すると、割合は大きく違っていました。
項目 | 夫 | 妻 |
頭金 | 1,600万円 | 400万円 |
ローン負担(7:3) | 2,100万円 | 900万円 |
合計負担額 | 3,700万円 | 1,300万円 |
実際の負担割合 | 74% | 26% |
もし半分ずつ(50:50)で登記していたら、妻の持分50%のうち、負担を超える約24%分が「夫からの贈与」とみなされる可能性がありました。金額にすると1,000万円を超え、贈与税が発生しかねません。
二人は登記の前に気づき、持分を負担割合に合わせて夫74%・妻26%で登記しました。
💡 プロ視点
「半分ずつ」は、負担も半分ずつのときだけ正解です。頭金や収入に差があるなら、その差を持分に反映させます。迷ったら、登記前に税理士や司法書士へ相談するのが安全です。
このケースから分かること
「半分ずつ」が正解とは限らない
頭金の出どころを持分に反映する
負担割合と持分割合をそろえる
ずれると贈与税の対象になり得る
割合は登記の前に確定させる
よくある質問(FAQ)

Q. 連帯債務割合はどうやって決めますか?
A. 夫婦それぞれの実際の負担額(頭金+ローン負担)の割合で決めます。その負担割合に合わせて、持分を登記するのが基本です。
Q. 持分割合は半分ずつではだめですか?
A. 負担も半分ずつなら問題ありません。ただ、頭金や収入に差があると、半分ずつは負担割合とずれ、贈与税の対象になることがあります。
Q. 負担割合と持分割合がずれるとどうなりますか?
A. 差額が夫婦間の贈与とみなされ、贈与税がかかる可能性があります。年110万円の基礎控除を超える場合は特に注意が必要です。
Q. 連帯債務でも住宅ローン控除は受けられますか?
A. はい、夫婦それぞれが受けられます。ただし控除額は負担割合で按分され、各自の納税額の範囲内でしか使えません。
Q. 連帯債務とペアローンの違いは?
A. 連帯債務はローン1本を2人で負担し、ペアローンは2本を別々に契約します。手数料や団信の扱いが異なります。
Q. 収入が少ない側の持分を大きくしてもいい?
A. 負担割合に合っていれば可能ですが、控除を使いきれないことがあります。収入の見通しを踏まえて決めるのが賢明です。
Q. 割合は後から変更できますか?
A. 登記後の変更は難しく、追加の登記や費用がかかることがあります。割合は登記の前に確定させましょう。
Q. 誰に相談すればいいですか?
A. 金融機関・司法書士に加え、税務は税理士に相談すると安心です。持分や贈与の判断は個別性が高いためです。
まとめ|連帯債務割合は「負担」と「持分」をそろえる

連帯債務割合は、夫婦が実際に負担する割合で決め、その割合に合わせて持分を登記するのが基本です。「負担割合=持分割合」
——この一致が、余計な税金やトラブルを避ける最大のポイントになります。
負担割合は、頭金とローンの実負担から計算します。「夫婦だから半分ずつ」ではなく、実際に出すお金を正確に反映させましょう。ずれると、差額が贈与とみなされたり、住宅ローン控除を取りこぼしたりします。
そして、割合は登記の前に確定させること。登記後の変更は難しく、手間も費用もかかります。判断に迷ったら、司法書士や税理士など専門家に相談してから進めるのが安全です。
資金計画全体に不安があるときは、住宅会社とは別の第三者に資金計画書を確認してもらう方法もあります。割合の考え方を正しく押さえて、納得のいく資金計画を組んでいきましょう。
この記事の執筆者
見積もりバンク 運営者
注文住宅の見積書・資金計画書を、住宅会社とは別の第三者の立場から確認しています。金額の高低だけでなく、費用の抜け漏れ、概算項目、別途工事、二重計上などを整理し、契約前の判断材料を提供しています。
対応内容:契約前見積もり診断/追加変更見積もり診断
運営者情報:見積もりバンク運営者ページ
参考文献・出典
本記事の税務・住宅ローンに関する説明は、以下の情報をもとに、第三者視点で整理・再構成しています。税制は改正される場合があるため、実際の判断時は最新情報をご確認ください。
※ 本記事は一般的な情報提供であり、個別の税務・法務の助言ではありません。持分割合・贈与税・住宅ローン控除の判断は個別事情により異なります。実際の手続きは、税理士・司法書士・金融機関にご確認ください。 ※ 贈与税の基礎控除額(年110万円)・住宅ローン控除率(0.7%)などの数値は本記事作成時点のものです。制度は改正される場合があるため、最新の内容を必ずご確認ください。






