top of page

注文住宅の材料費はどれくらい?2025年の価格動向と内訳を解説

  • 執筆者の写真: 見積もりバンク担当者
    見積もりバンク担当者
  • 10月10日
  • 読了時間: 18分

更新日:10月30日

更新日:2025年10月30日


2025年の注文住宅市場では、材料費の高騰が家づくりに大きな影響を与えています。木材・鉄骨・断熱材などの価格は数年前より10〜30%上昇しており、「同じ仕様でも総額が上がった」と感じる施主が増えています。しかし、住宅価格の上昇は避けられない一方で、“何にどれだけお金がかかっているのか”を正しく理解すれば、コストを抑えながら理想の家づくりは可能です。本記事では、注文住宅の材料費の内訳・相場・価格上昇の背景・予算計画の立て方を、最新データと実例をもとに徹底解説します。

注文住宅の材料費はどれくらい?2025年の価格動向と内訳を解説

目次

1-1. 注文住宅の「うわもの」とは?材料費と本体工事の関係

1-2. 材料費が住宅価格全体に占める割合と構造別の特徴

1-3. 原油価格高騰・円安・ウッドショック…材料費が上がった背景

2-1. 2025年の坪単価と建築資材費の平均相場

2-2. 建物2,000万円で家は建つ?土地あり/なしの比較

2-3. 地域・間取り別の材料費シミュレーション

2-4. 最低いくらで建てられる?コストを抑える工夫

3-1. 材料費の主な項目(木材・屋根・外壁・設備など)

3-2. 人件費・工事費・諸費用の違いとバランス

3-3. 本体工事費以外にかかる別途費用の注意点

4-1. コスト増加への対策と資金計画の立て方

4-2. 住宅ローン・補助金・制度の活用法

4-3. 安くても満足度の高い家を建てるコツ

5-1. 世界経済・資材不足による今後の価格予測

5-2. 建て時を見極めるための発注タイミングと判断基準

6-1. 材料費を理解する重要性

6-2. 理想の費用配分と満足度の関係

6-3. 将来を見据えた家づくり戦略

注文住宅の材料費とは?2025年の最新動向と基本知識

1-1. 注文住宅の「うわもの」とは何か|材料費と本体工事の関係

注文住宅の見積書において「うわもの」と呼ばれるのは、建物そのものにかかる本体工事費の部分です。ここに含まれるのが、**材料費(資材費)・人件費(労務費)・経費(工事管理費)**です。このうち、最も価格変動の影響を受けやすいのが材料費です。

2025年現在、住宅業界では以下のような資材が価格上昇の中心となっています。

材料カテゴリ

主な内容

価格変動率(2020→2025)

主な要因

木材(構造材・合板)

柱・梁・床下地など

約+25〜35%

ウッドショック・輸入材不足

鉄鋼製品

鉄筋・梁・金物・外構フェンスなど

約+20%

世界的な鉄鉱石高騰

断熱材

グラスウール・発泡ウレタン

約+15%

原油価格上昇・物流コスト

塗料・仕上材

外壁塗装材・クロス糊など

約+10〜12%

為替・化学製品コスト上昇

💡 ポイント

  • 一般的な注文住宅では、**材料費が本体工事費の約50〜60%**を占めるといわれています。残りの40〜50%は、人件費や管理経費、現場監督・営業コストなどです。




1-2. 材料費が住宅価格全体に占める割合と構造別の特徴

住宅の構造によって、材料費の比重は大きく変わります。木造・鉄骨・RC(鉄筋コンクリート)では、使用する資材が異なるため、費用構成も変化します。

構造タイプ

材料費割合

特徴

木造住宅

約55%

国産材や集成材の価格上昇が直撃。施工スピードは速い。

軽量鉄骨住宅

約60%

鉄材の価格変動が大きく、ハウスメーカーにより原価差が出る。

鉄筋コンクリート住宅(RC)

約65〜70%

型枠・鉄筋・コンクリートなど材料単価が高い。耐久性重視。

📌 参考データ

(住宅金融支援機構 住宅建設コスト調査 2024年)木造戸建住宅(35坪)の平均本体工事費は約2,100万円。このうち材料費は約1,150万円前後とされています。




1-3. 原油価格高騰・円安・ウッドショック…材料費が上がった原因を解説

2021〜2023年にかけて起きた「ウッドショック」を皮切りに、住宅材料費は急上昇を続けています。背景には複数の要因が複雑に絡み合っています。


主な価格上昇要因:

  • 🪵 ウッドショック(木材不足):新型コロナ禍による北米・東南アジアの製材工場の減産。 日本への輸入材が一時的に1/3まで減少。

  • 💱 円安(1ドル=150円台):輸入資材・エネルギーコストが上昇し、建築資材全般に波及。

  • ⛽ 原油価格高騰:塗料・断熱材・住宅設備のプラスチック部品など、原料コストを押し上げ。

  • 🚚 物流費・人件費上昇:建設業界の2024年問題(時間外労働規制)で配送・施工コストが増加。


🧩 補足解説

  • 「材料費の上昇=家が高くなる」とは限りません。ハウスメーカーや工務店は仕入れ契約やまとめ発注でコスト吸収を図るケースもあります。ただし中小工務店では仕入れ原価が直撃しやすく、地域差が拡大しています。


💬 プロ視点のアドバイス

材料費の高騰が続く今こそ、「本体価格だけでなく中身を確認」することが重要です。同じ総額2,000万円でも、使用材のグレード・断熱仕様・下地材の厚みなどで耐久性や快適性は大きく変わります。「見た目は同じ家でも、10年後の修繕コストが倍違う」──これが現場の実感です。

👉 あわせて読みたい関連記事




注文住宅の材料費はいくら?相場・目安・実例を紹介

2-1. 2025年の坪単価と平均的な建築資材費の相場

注文住宅の総額を決定づける最大の要素が「坪単価」です。この坪単価のうち、材料費(資材費)は**全体の約50〜60%**を占めるのが一般的です。

2025年現在、住宅価格は以下のように推移しています(国土交通省・住宅金融支援機構データより算出)。

構造タイプ

坪単価(平均)

材料費割合

坪あたり材料費(概算)

木造(在来工法)

約70〜90万円

約55%

約38〜50万円

木造(2×4・2×6)

約75〜95万円

約60%

約45〜57万円

軽量鉄骨造

約90〜110万円

約58%

約52〜64万円

鉄筋コンクリート造(RC)

約110〜140万円

約65%

約71〜91万円

例:延床面積35坪の注文住宅(木造)

  • 総額:約2,800万円

  • 材料費:約1,540万円(55%)

  • 人件費・管理費:約1,260万円


📌 まとめポイント

  • 坪単価が上昇しても、材料費と人件費の割合はほぼ固定。地域差(関東・関西・地方)による価格変動は±10%程度。2025年はウッドショック後の反動で木材価格が安定傾向だが、断熱材と金属建材が上昇中。


👉 あわせて読みたい関連記事




2-2. 建物2,000万円で家は建つ?土地あり/土地なし別のケース比較

「2,000万円で注文住宅は建つのか?」という質問は非常に多いです。結論から言えば、土地がある場合は可能、土地なしではやや厳しいというのが現実です。

条件

総予算

建物に充てられる金額

材料費の目安

備考

土地あり

約2,000万円

約1,900万円

約1,050万円前後

30〜33坪の木造住宅が目安

土地なし

約3,000〜3,500万円

約2,000万円

約1,100万円前後

土地購入費が別途必要

ローコスト系

約1,500万円

約1,400万円

約750万円前後

仕様や設備を大幅に絞る必要あり

🧩 補足

  • 「総額2,000万円以内」を目指すなら、延床面積を30坪以下に抑える設備グレードを標準クラスにする間取りをシンプルな総二階・長方形型にするといった工夫が必要になります。


👇 あわせて読みたい関連記事




2-3. 注文住宅 価格実例|間取りや地域別の材料費シミュレーション

以下は、実際に2024〜2025年に建築された注文住宅の材料費実例です。(データ元:全国ハウスメーカー協会調査)

地域

延床面積

構造

総額

材料費

特徴

広島県

34坪

木造2×4

2,750万円

約1,480万円

無垢床+外壁サイディング

岡山県

38坪

在来木造

3,000万円

約1,620万円

高断熱仕様(UA値0.48)

東京都

32坪

軽量鉄骨

3,400万円

約1,900万円

狭小地対応・高耐震構造

北海道

36坪

木造(断熱強化)

3,200万円

約1,800万円

高断熱・高気密仕様

福岡県

40坪

RC造

4,800万円

約3,000万円

デザイン住宅+RC外断熱

🏡 実例

分析材料費は「延床面積 × 45〜55万円」が平均値。特に寒冷地・都市部では断熱材・外装材の単価が1.2倍になりやすい傾向があります。

👉 あわせて読みたい関連記事




2-4. 最低いくらで家が建つ?お金がないのに家を建てる工夫・対策

「予算が限られているが、注文住宅を建てたい」──そんな人に向けた、コストダウンと品質維持の両立策を紹介します。


✅ コストを下げる工夫チェックリスト

コスト削減ポイント

内容

注意点

間取りをシンプルに

総二階・四角い形状が最も安価

凹凸の多い形は資材と施工費が増える

内装仕上げを標準仕様に

無垢→複合フローリングへ変更

メンテナンス性も比較検討

設備のグレードを調整

ハイグレードキッチン→中級へ

住宅性能は維持しつつ妥協ラインを設定

一括見積りで比較

2〜3社の価格・仕様を比較

安すぎる会社は注意

施工時期をずらす

需給期(春・秋)を避ける

繁忙期は人件費も上がる

💡 プロの実感

「本体価格を安く見せる見積もり」には注意。実際は付帯工事・諸経費・外構費などが抜けており、契約後に100〜300万円の追加費用が発生するケースも少なくありません。

💬 専門家アドバイス

材料費は上がっても、工夫次第で理想の家は建てられる。特に、図面を確定させてから見積もりを取る複数社の「仕様書付き見積もり」で比較金額ではなく「含まれる内容」を精査することで、コストのブレを防げます。



注文住宅の材料費の内訳と工事費・諸費用の関係

3-1. 材料費の主な項目と標準的な値段(木材・設備・外壁・屋根など)

注文住宅の材料費といっても、その中には多くの要素が含まれています。以下は、2025年時点での**一般的な木造住宅35坪(延床115㎡)**の標準的な内訳イメージです。

項目

内容

目安金額

構成比

構造材(柱・梁・合板)

建物の骨格を支える主要木材

約400〜500万円

約30%

外壁材・屋根材

サイディング・ガルバリウムなど

約180〜250万円

約15%

内装材

床・壁・天井・建具など

約200万円

約13%

断熱材・防湿材

グラスウール、発泡ウレタンなど

約100万円

約7%

サッシ・窓材

樹脂サッシ・Low-Eガラスなど

約80〜120万円

約8%

住宅設備

キッチン・浴室・トイレ・洗面化粧台

約250〜300万円

約20%

塗料・仕上げ・雑材

塗装材・下地材・金物

約50〜70万円

約5%

合計

約1,200〜1,400万円

100%

📌 補足

  • 構造で変わるコスト構成鉄骨住宅では鉄材コストが約30%高くなる傾向。RC住宅は型枠・鉄筋・コンクリートのコストが重く、同規模でも+800万円前後になる。


🧩 ポイント

  • 木材や建材はメーカー・流通ルートによっても差があり、地域工務店よりも大手ハウスメーカーの方が材料原価は安定しています。一方で、工務店は自由度が高く、無垢材や地元産材など“質重視”の施工がしやすい傾向です。




3-2. 人件費・工事費・諸費用との違いと全体コストのバランス

住宅建築の総額を構成するのは、主に以下の3つの費用です。

費用区分

主な内容

概算割合

備考

材料費

木材・建材・住宅設備・仕上材など

約50〜60%

為替・輸入コストで変動

人件費(労務費)

大工・電気・水道・左官・外構などの施工費

約25〜30%

地域・繁忙期で差が大きい

経費(管理・諸経費)

現場管理費・事務費・申請費など

約10〜15%

ハウスメーカーほど高め

💬 例

  • 総額3,000万円の注文住宅(木造35坪)

    材料費:約1,650万円

    人件費:約850万円

    諸経費:約500万円


バランスが取れた見積もりとは?

→ 材料費が極端に安い場合、「仕様のグレードダウン」や「施工品質の低下」が疑われます。逆に、人件費が高すぎる場合は「重複経費(下請けマージン)」が含まれている可能性もあります。




3-3. 本体工事費以外にかかる別途費用と最新注意点

見積書で見落とされがちなのが、**本体工事以外の“別途費用”**です。特に2025年以降は、省エネ基準義務化(住宅省エネ法改正)により、追加工事・認定費用が増加傾向にあります。


🧾 代表的な別途費用一覧

費用項目

内容

相場目安

外構工事費

駐車場・フェンス・門柱など

100〜250万円

地盤改良費

軟弱地盤補強工事

50〜150万円

設計申請費

設計・確認申請・各種図面作成費

30〜80万円

登記・火災保険・諸手数料

登記・保証料・印紙代など

40〜70万円

太陽光・蓄電池設備

5kW+蓄電12kWh

150〜300万円

長期優良住宅認定・BELS申請

省エネ認定関連

10〜30万円

⚠️ 注意

  • 「コミコミ価格」と言われる見積書でも、これらの外構・登記・保険費用が含まれていないケースが多いです。契約前に「本体工事以外の費用項目一覧」を確認しましょう。


💬 プロ視点のアドバイス

現場経験者コメント材料費は建物の品質を支える“骨格”です。「安いから」といって仕様を落とすと、見えない部分(構造材・断熱・下地)が劣化しやすくなることも。逆に、「価格が高い=高品質」とは限りません。大手メーカーの中には広告費・展示場費を上乗せしているケースもあるため、内容を比較できる“内訳表付き見積書”を必ず取り寄せましょう。

👉 あわせて読みたい関連記事




材料費高騰時代でも理想の家づくりを実現するための予算計画

4-1. 建築コスト増加への対策と効果的な資金計画の立て方

2025年時点で、注文住宅の平均総額は3,500万円前後(全国平均・延床35坪)まで上昇しています。これは、主に材料費と人件費の高騰が影響していますが、計画段階での工夫次第で100〜300万円の差を生むことも可能です。


✅ コスト増を抑える3つの基本戦略

対策

内容

効果

① 仕様の「必要十分化」

高グレード設備をすべて採用せず、生活導線重視で選ぶ

50〜100万円削減

② 設計段階でコスト管理

建築士と早期に仕様・形状・断熱レベルを確定

施工中の追加変更を防ぐ

③ 工事時期の見極め

4〜6月や10〜11月などの繁忙期を避ける

約5〜10%の人件費減少

💡 豆知識

「間取りがシンプル=安い」は事実。凹凸が多い家ほど外壁・屋根材の使用量が増え、材料費が10〜15%上昇します。

📋 資金計画の基本構成(35坪・総額3,500万円想定)

区分

金額目安

割合

本体工事費

約2,800万円

約80%

付帯工事・諸費用

約500万円

約15%

設計・登記・保険等

約200万円

約5%

🧮 ポイント

  • 材料費が上がった分は、外構やオプションで調整するのが現実的です。たとえば、外構を後回しにして建物性能を優先する施主も増えています。


👉 あわせて読みたい関連記事




4-2. 住宅ローン・補助金・制度の活用術と注意点

材料費の高騰を吸収するには、制度の賢い利用も重要です。2025年は、国や自治体による「住宅支援制度」が大きく拡充されています。


🏦 主な補助金・減税制度一覧(2025年度版)

制度名

内容

最大補助額・控除額

こどもエコすまい支援事業2025

高断熱・高効率設備導入で支援

最大100万円

ZEH支援事業

ZEH基準(一次エネ削減75%)達成で

最大70万円

住宅ローン減税(2025年)

認定住宅で控除期間13年

最大455万円

長期優良住宅化リフォーム補助金

性能向上リフォーム

最大200万円

地方自治体の独自補助

太陽光・蓄電池設置など

地域により10〜50万円

📌 注意点

  • 申請は「着工前」でなければ受けられない制度もあります。契約前に建築会社に「対象制度の申請サポートがあるか」確認を。


👉 あわせて読みたい関連記事




4-3. 安くても満足度の高い住まいを建てる工夫・失敗しない選び方

コストを抑えても、満足度を下げないためには「お金の使い方」に優先順位をつけることが大切です。


🏡 満足度を保ちながらコストを抑える3原則

優先順位

投資するポイント

理由

1️⃣

構造・断熱・耐震性能

将来の修繕費・光熱費を減らせる

2️⃣

導線・収納・採光設計

住みやすさ・快適性を左右する

3️⃣

設備・内装のグレード調整

10年後にリフォームで対応可能

✅ NGなコストダウン例

  • 「断熱材を薄くする」「基礎を簡略化」 → 将来的な修繕リスクが増大

  • 「格安業者で一括施工」 → 保証・品質トラブルの原因に

  • 「コミコミ価格の一式契約」 → 見積明細の不透明さに注意


💬 実体験コメント

「建築中にオプションを追加しすぎて予算が膨らんだ」「一式見積で安いと思ったら、外構と照明が含まれていなかった」——このような相談が非常に多い。材料費が高騰する今こそ、**“内訳と根拠を確認する力”**が問われます。

💬 プロ視点のアドバイス

材料費上昇期に家づくりを始めるなら、「契約前に図面・仕様を確定」してから見積もり依頼すること。契約後の変更は単価が高くなるため、事前確定が最も有効な節約策です。また、坪単価の安さより“含まれる範囲”を見ることが、後悔しない家づくりの鉄則です。



材料費の今後の動向と注文住宅価格への影響

5-1. 建築資材不足や世界経済の影響による今後の価格予想

住宅の材料費は、単に国内の建築需要だけでなく、世界的なサプライチェーンに左右されます。2025年時点では、ウッドショック後の供給回復が進む一方、鉄鋼・断熱材・仕上材は依然として高止まりの状況です。


📊 主な資材価格の動向(2020年→2025年比)

資材名

2020年比

主な原因

今後の見通し

木材(構造材)

+28%

北米輸出増・円安

緩やかに下落(2026〜)

鉄鋼製品

+22%

鉄鉱石価格・中国需要

高止まり(当面維持)

断熱材(発泡系)

+18%

原油高・輸送費上昇

横ばい〜微上昇

アルミサッシ

+14%

電気代・原材料費高

緩やかに上昇

セメント・外装材

+10%

人件費・燃料費上昇

横ばい

📌 補足:2025年の建築トレンド「脱炭素資材」へのシフト(低炭素コンクリート・国産材回帰)再エネ対応住宅の増加(太陽光・断熱材強化)国産材需要の拡大による地域木材市場の価格安定化


国土交通省の「建築資材価格指数」によれば、2024年末から2025年初にかけて、木材と鉄骨材がピークアウト傾向に入りましたが、住宅設備・仕上げ材は依然上昇基調です。


👉 あわせて読みたい関連記事




5-2. 良いタイミングとリスクを抑える注文住宅の計画・発注ポイント

材料費が上下するなかで、いつ建てるべきか──これは施主が最も悩むテーマです。建築コストの“タイミング戦略”を理解すれば、同じ家を100万円以上安く建てられることもあります。


✅ 建築タイミングの判断ポイント

タイミング

メリット

注意点

年度末(1〜3月)契約

工務店が決算割引を行う時期

着工が集中しやすい(人手不足)

夏以降(7〜9月)契約

材料供給が落ち着く時期

気候条件で工期が長引く場合あり

金利上昇前に契約

住宅ローン負担を抑えられる

値引き交渉は慎重に

補助金予算開始直後(4月頃)

申請競争が少なく確実に受給可能

制度変更の可能性に注意

💬 実務アドバイス

「建築コストが下がるのを待つ」は、あまり現実的ではありません。原材料が下がっても、人件費や法制度(省エネ義務化)によりトータルコストは横ばいになる傾向があります。それよりも、ローン金利・補助金制度・施工スケジュールの三要素を軸にタイミングを判断すべきです。

🧮 シミュレーション例(2025年〜2026年比較)

年度

総工費

材料費構成

金利負担(35年ローン)

実質コスト

2025年

3,400万円

約55%(1,870万円)

年1.2%

3,950万円

2026年

3,350万円

約54%(1,810万円)

年1.6%

4,050万円

→ 材料費が下がっても金利上昇で総支払額は増加。そのため、「金利が低い時期に早めに契約」する方が有利なケースが多いのです。


💬 プロ視点のまとめコメント

現場の声建築資材は「為替」「輸送」「人件費」「制度改正」の4要素で動くため、“安定したタイミング”は存在しません。だからこそ、見積書の中身を理解して交渉・判断できる施主が強いのです。材料費の内訳と市場動向を知ることは、最終的にコストコントロール能力につながります。



2025年 注文住宅の材料費と理想の住まいを実現するために

6-1. 材料費の理解が家づくり成功の第一歩

2025年の注文住宅は、“材料費が読める施主”が最も強い時代です。同じ3,000万円の家でも、内容を理解して選んだ人と、提示されたまま契約した人では、満足度と品質がまったく違います。


✅ 材料費理解で得られる3つのメリット

メリット

内容

① 適正価格を判断できる

見積書の根拠を理解できるようになる

② 無駄な費用を省ける

オプションや仕様を冷静に比較できる

③ 将来コストを抑えられる

断熱・耐久性重視で光熱費・修繕費が減る

💬 専門家の見解

「材料費を知る=節約」ではなく、「適正に払って後悔を防ぐ」ための知識。住宅会社任せにせず、自分で理解することが**“住宅トラブル回避の最強ツール”**です。



6-2. 理想の材料費バランスとは?

材料費は安ければいいわけでも、高ければ満足するわけでもありません。最も重要なのは、**“費用配分のバランス”**です。


🏡 理想的な費用配分の目安(3,000万円住宅の場合)

区分

理想配分

ポイント

構造材・断熱材

約25〜30%

耐震・省エネ性能の要。削減NG

外装・屋根・防水

約15%

メンテナンス費を左右

住宅設備(キッチン・浴室等)

約20%

標準グレードで十分満足できる

内装・仕上げ

約10〜15%

住みやすさ・デザイン性に直結

諸経費・設計費

約10〜15%

安全管理・保証費含む

⚖️ バランスの目安構造・断熱はケチらない見える部分(内装)は“将来リフォーム前提”で調整外構・太陽光などは後施工も選択肢




6-3. 将来を見据えた住宅計画のすすめ

家は「今」だけでなく、20年後の自分たちの暮らしを見据えて建てるべきです。材料費は変動しますが、建ててからの維持費や光熱費は“選んだ素材”に大きく影響します。


🌱 将来コストを左右する要素

項目

コストへの影響

対策

断熱性能

冷暖房費を年間5〜10万円削減

UA値0.6以下を目安に

屋根・外壁材

メンテ周期15年→30年でコスト半減

フッ素・ガルバ素材を選択

床材・建具

安価品は摩耗・変形リスク

無垢材 or 高耐久フロアに投資

💬 現場の声

「10年後のメンテ費用」まで見越して選ぶと、結果的に“トータルコストは安くなる”ケースが多い。材料費の“今の価格”にとらわれず、“長期での得”を考える発想が必要です。

💬 プロ視点の最終アドバイス

材料費は「削る」ではなく「理解して使う」が鉄則。見積書の“内訳と根拠”を読み解ければ、無駄も不安も激減する。家づくりの本質は「価格」ではなく「暮らしの質」。値上がりの時代だからこそ、“知識で守る家づくり”を意識しましょう。




bottom of page