注文住宅のなつなぎ融資とは?仕組みと注意点を徹底解説
- 見積もりバンク担当者

- 5月24日
- 読了時間: 15分
更新日:10月10日
更新日:2025年10月10日
「注文住宅を建てたいけれど、建築途中の支払いをどうすればいいの?」
この疑問に直面する人は少なくありません。実は、住宅ローンは完成後に実行される仕組みのため、土地代や着工金、中間金などの支払いに対応できないのです。そこで利用されるのが「つなぎ融資」。短期間の融資ですが、金利が高めに設定されており、知らずに契約すると余計なコストが膨らむリスクがあります。本記事では、「注文住宅 つなぎ融資」 をテーマに、仕組みや利用の流れ、金利や諸費用の相場、メリットとデメリット、さらにトラブルを避けるための注意点を徹底解説。最新データと実例を交え、安心して家づくりを進めるための知識をわかりやすく紹介します。

目次
1-1: つなぎ融資とは何か?住宅ローンとの違い
1-2: 注文住宅でつなぎ融資が必要になる理由
1-3: つなぎ融資が利用される主なタイミング
2-1: 土地代金支払い時のつなぎ融資
2-2: 着工金・中間金支払い時のつなぎ融資
2-3: 引き渡し時の住宅ローンへの切り替え
2-4: 実際の融資スケジュールと支払い例
3-1: 金利相場と支払利息の計算方法
3-2: 手数料・保証料などの諸費用
3-3: 住宅ローンと合わせた総返済額への影響
4-1: 頭金がなくても建築を進められるメリット
4-2: 二重金利・手数料などのデメリット
4-3: 銀行や金融機関による条件の違い
5-1: 金利タイプと返済方法を事前に確認する
5-2: 契約書や融資条件のチェックポイント
5-3: 工務店やハウスメーカーとの支払いスケジュール調整
5-4: つなぎ融資を避けるための代替手段
6-1: つなぎ融資はどの金融機関でも利用できる?
6-2: 借入額はいくらまで可能?
6-3: 頭金があればつなぎ融資は不要?
6-4: フラット35でもつなぎ融資は使える?
7-1: 注文住宅でつなぎ融資を理解する重要性
7-2: 家計を守るためのルール
7-3: 今後の家づくりに向けたアドバイス

1-1: つなぎ融資とは何か?住宅ローンとの違い
つなぎ融資とは、注文住宅の建築中に必要となる資金を一時的に借り入れるための融資のことです。通常の住宅ローンは「建物が完成して登記が済んだ時点」でしか融資が実行されません。しかし、注文住宅の場合、建築の途中段階で「土地代金」「着工金」「中間金」といった支払いが発生します。この期間に資金の空白が生じるため、その“橋渡し”として利用するのがつなぎ融資です。
📌 住宅ローンとの違い
住宅ローン → 完成した建物を担保に融資を受ける
つなぎ融資 → 建築中の段階で先行して資金を受けられる
つまり、つなぎ融資は「住宅ローンの前払い的な役割」を持つ特別なローンです。
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1-2: 注文住宅でつなぎ融資が必要になる理由
注文住宅では、工事が進むごとに複数回の支払いが必要です。建売住宅のように「完成後にまとめて支払う」わけではないため、自己資金だけで賄えないケースではつなぎ融資が不可欠になります。
🏠 主な理由
土地を先に購入しなければならない
工務店やハウスメーカーから着工金や中間金を請求される
建物が完成するまで住宅ローンが実行されない
💬 実体験談(広島県・30代夫婦)
「自己資金は300万円しかなく、土地代金と着工金で資金がショートしました。銀行からの住宅ローンは建物完成後の実行と聞き、つなぎ融資を利用しました。」
1-3: つなぎ融資が利用される主なタイミング
つなぎ融資は以下のタイミングで利用されます。
📊 つなぎ融資の支払い例
土地代金の支払い(契約後すぐ)
着工金(工事開始時:請負契約金の30%前後)
中間金(工事の進捗に応じて:30〜40%)
完成・引き渡し時(残金支払い、住宅ローンに切り替え)
このように、つなぎ融資は「住宅ローン実行までのつなぎ役」として何度か実行され、完成後に住宅ローンで一本化されます。
💡 プロ視点アドバイス
金融機関によって「つなぎ融資に対応しているか」が異なるため、住宅ローンを選ぶ前に必ず確認することが重要です。
つなぎ融資を利用しない場合は、多額の自己資金が必要になるため、資金計画の初期段階で「つなぎ融資ありき」か「自己資金で対応するか」を決める必要があります。

2-1: 土地代金支払い時のつなぎ融資
注文住宅を建てる場合、まず土地を購入する必要があります。土地代金は建物完成を待たずに「契約から数週間以内」に支払うのが一般的です。しかし、住宅ローンは建物完成後でないと実行されないため、この段階で資金不足が起こりやすいのです。
👉 つなぎ融資の役割
金融機関が土地代金を先行して貸し出し、売主へ直接支払う
建物完成後に住宅ローンが実行された際、その中から返済する
📌 注意点
土地代金は数千万円規模になるため、つなぎ融資の金利負担も大きくなりやすいです。土地契約の段階で、つなぎ融資の利用条件を確認しておくことが必須です。
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2-2: 着工金・中間金支払い時のつなぎ融資
工務店やハウスメーカーは、工事進行に応じて「着工金」「中間金」を請求するケースが多いです。
📊 支払いの一般的な割合
着工金:請負契約金額の30%前後
中間金:工事の進捗(上棟時など)で30〜40%
完成時:残りの30〜40%
つなぎ融資では、この着工金や中間金を金融機関が工務店へ直接支払います。施主は工事中も安心して進行を見守ることができ、自己資金を大きく減らさずに済みます。
2-3: 引き渡し時の住宅ローンへの切り替え
建物が完成し、登記が完了した時点で住宅ローンが実行されます。このとき、つなぎ融資で借り入れていた資金はすべて住宅ローンに一本化され、以降は通常の住宅ローン返済がスタートします。
👉 重要なのは、つなぎ融資は短期利用が前提であり、返済は「元金+利息」を住宅ローンに組み込む形で清算される点です。
2-4: 実際の融資スケジュールと支払い例
以下に一般的なスケジュールを示します。
📅 つなぎ融資利用の流れ(例:建築費用3,000万円、土地代1,500万円)
時期 | 支払い内容 | 支払額 | 融資方法 |
契約後 | 土地代金 | 1,500万円 | つなぎ融資① |
着工時 | 着工金 | 900万円(建築費の30%) | つなぎ融資② |
上棟時 | 中間金 | 1,200万円(建築費の40%) | つなぎ融資③ |
完成時 | 残金 | 900万円(建築費の30%) | つなぎ融資④ |
引渡時 | 住宅ローン実行 | 4,500万円 | つなぎ融資を精算 |
📌 ここで発生する利息や手数料は自己負担となるため、総返済額にどう影響するかを必ずシミュレーションする必要があります。
💡 プロ視点アドバイス
金融機関によって「つなぎ融資の回数制限」がある場合もあります(例:2回までしか利用できないなど)。
工務店の請求スケジュールと金融機関の融資条件が合わないとトラブルになるため、必ず両者を事前に調整しておくことが大切です。
早めに着工金・中間金の支払いスケジュールを提示してもらい、つなぎ融資の枠を確保しておきましょう。
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3-1: 金利相場と支払利息の計算方法
つなぎ融資の金利は、一般的な住宅ローンより高めに設定されています。
📊 金利相場(2025年時点)
住宅ローン:0.5〜1.5%(変動金利の場合)
つなぎ融資:2.0〜3.5%前後
利息は元金に対して日割り計算され、工事が長期化するほど負担が増えます。
🖋️ 計算例
借入金額:1,500万円
金利:3.0%
借入期間:6か月
利息=1,500万円 × 3.0% × 6/12=22.5万円
👉 建築期間が1年近くかかる場合、数十万円規模の利息が発生することもあるため、軽視できません。
3-2: 手数料・保証料などの諸費用
つなぎ融資では利息以外にもさまざまな諸費用がかかります。
📋 主な諸費用
融資手数料:3万〜5万円程度/回
事務手数料:数千円〜数万円
保証料:借入金額の0.2〜0.5%程度
火災保険・地震保険の加入を条件にされる場合もあり
👉 注意点
金融機関によっては「融資1回ごとに手数料が発生」するため、着工金・中間金・残金と3回利用すると、それぞれに費用がかかるケースもあります。
3-3: 住宅ローンと合わせた総返済額への影響
つなぎ融資は短期融資ですが、金利が高く、利息や手数料が積み重なると最終的な負担は小さくありません。
📊 シミュレーション例(概算)
借入総額:4,500万円
住宅ローン金利:1.0%(35年固定)
つなぎ融資金利:3.0%、利用期間合計9か月
諸費用(手数料・保証料など):合計約20万円
👉 総返済額に与える影響
住宅ローン返済総額:約5,700万円
つなぎ融資の利息・諸費用:約50〜70万円
トータルで約5,750万円前後に増加
つまり、つなぎ融資を利用すると総額で50万円以上負担が増える可能性が高いのです。
💡 プロ視点アドバイス
「どの銀行で住宅ローンを組むか」だけでなく、つなぎ融資の条件まで含めて比較することが大切です。
工務店やハウスメーカーによっては、つなぎ融資に対応している提携金融機関を紹介してくれる場合がありますが、必ず自分でも複数の銀行を調べて比較しましょう。
建築スケジュールが遅延すると利息が膨らむため、工期管理も実は金利対策の一部です。

4-1: 頭金がなくても建築を進められるメリット
注文住宅の最大の課題は、建物が完成するまでに「土地代・着工金・中間金」といった多額の支払いが必要になる点です。つなぎ融資を利用すれば、自己資金が十分でなくても計画を進められるため、若い世代や頭金を貯め切れていない家庭にとっては大きな安心材料になります。
📌 具体的なメリット
土地購入からスムーズに進行できる
着工金や中間金の支払いに困らない
資金不足で工事が中断するリスクを避けられる
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4-2: 二重金利・手数料などのデメリット
一方で、つなぎ融資には注意すべきデメリットも存在します。
📊 主なデメリット
住宅ローンと別に「高金利(2〜3%以上)」がかかる
融資ごとに手数料や保証料が発生
工期が延びると利息負担がさらに増える
🖋️ 例建築が予定より2か月遅れるだけで、利息が数万円増えることもあります。短期融資とはいえ、決して軽視できない金額です。
4-3: 銀行や金融機関による条件の違い
つなぎ融資の条件は金融機関によって大きく異なります。
📋 金融機関ごとの違いの例
金利:2.0%台〜3.5%台まで幅広い
融資回数の制限:2回まで、3回までなど銀行によって違う
事務手数料:数万円〜数十万円まで差がある
保証人や担保の有無:銀行によって条件が異なる
👉 このため、住宅ローンを選ぶ際は「金利の低さ」だけで決めず、つなぎ融資込みで総額を比較することが重要です。
💡 プロ視点アドバイス
金融機関の中には「つなぎ融資非対応」のところもあるため、申込前に必ず確認を。
工務店やハウスメーカーに「どのタイミングで、いくら必要になるのか」を詳細に確認しておくと、金融機関の選定がスムーズになります。
住宅ローン本審査と同時に、つなぎ融資の条件やシミュレーションを行うのがおすすめです。

5-1: 金利タイプと返済方法を事前に確認する
つなぎ融資は短期での利用を前提としていますが、金融機関によって金利タイプ(固定金利・変動金利)や利息の支払い方法が異なります。
📌 確認すべきポイント
利息は「毎月支払い」か「住宅ローン実行時に一括精算」か
固定金利か変動金利か(多くは固定金利が多い)
融資回数ごとに利息が加算されるのか
👉 例:利息を毎月支払う場合、建築期間が長いほど家計を圧迫します。事前に負担額を試算しておきましょう。
5-2: 契約書や融資条件のチェックポイント
つなぎ融資の契約時には、以下の点を特に確認する必要があります。
📋 契約時のチェックリスト
融資回数の上限は何回か?
融資手数料や保証料はいくらか?
工期が遅延した場合の追加利息の取り扱い
融資額の上限(建築費全額をカバーできるか)
工務店への支払いは金融機関から直接送金されるか
これらを確認せずに契約すると、「予定より支払いが遅れて利息が膨らんだ」「必要な回数分の融資を受けられなかった」などのトラブルにつながります。
5-3: 工務店やハウスメーカーとの支払いスケジュール調整
つなぎ融資を利用する上で最も大事なのは、工務店やハウスメーカーの請求スケジュールと融資実行のタイミングを一致させることです。
📊 よくあるトラブル
工務店:着工時に30%を請求
金融機関:融資は上棟時まで実行できない→ このズレにより、施主が一時的に自己資金を立て替える事態に。
👉 対策
契約前に「支払いスケジュール表」を工務店からもらう
金融機関に提示して調整可能か確認する
不一致が大きい場合は、つなぎ融資に柔軟な銀行を選ぶ
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5-4: つなぎ融資を避けるための代替手段
場合によっては、つなぎ融資を利用せずに家づくりを進める方法もあります。
📌 代替手段の例
自己資金で土地代や着工金を賄う→ 頭金を多めに用意できる家庭向き
親族から一時的に借りる(贈与非課税制度を利用)→ 教育資金贈与や住宅取得資金贈与を併用可能
工務店と交渉して支払い時期を後ろ倒しにする→ 柔軟な工務店であれば対応してもらえる場合あり
💬 実際に「親から一時的に資金を借り、住宅ローン実行後に返済した」というケースも少なくありません。
💡 プロ視点アドバイス
つなぎ融資は「便利だがコストがかかる」仕組みです。
特に若い世代や共働き世帯では利用するケースが多いですが、代替手段を含めて冷静に検討することが大切です。
工務店と金融機関、両方に確認と調整を行うことで、余計な利息やトラブルを防げます。

6-1: つなぎ融資はどの金融機関でも利用できる?
答え:いいえ、金融機関によって対応が異なります。大手都市銀行や地方銀行では対応しているケースが多いですが、ネット銀行の多くはつなぎ融資を扱っていません。そのため、金利の低さでネット銀行を選んだものの、結局「つなぎ融資が利用できない」という理由で断念する人も少なくありません。
📌 対策
事前に「つなぎ融資に対応しているか」を確認する
工務店やハウスメーカーの提携銀行を紹介してもらう
金利だけでなく「つなぎ融資の有無」まで含めて住宅ローンを比較
6-2: 借入額はいくらまで可能?
つなぎ融資の借入額は、最終的に組む住宅ローンの借入予定額を上限とするのが基本です。例として、住宅ローン4,500万円を予定している場合、つなぎ融資もその範囲内で実行されます。
👉 ただし、金融機関によっては「土地代+建物費用の合計額」すべてをカバーできないケースもあります。その場合は、自己資金や親族からの援助で補う必要があります。
6-3: 頭金があればつなぎ融資は不要?
部分的には正解です。頭金が十分にあれば、土地代や着工金を自己資金で支払い、つなぎ融資を使わずに進められる場合もあります。
しかし、多くの家庭では土地と建物の両方に数千万円規模の費用がかかるため、頭金だけで対応するのは現実的に難しいケースが多いです。
👉 結論として「頭金が多ければ不要になる可能性はあるが、一般的にはつなぎ融資を利用する方が多い」といえます。
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6-4: フラット35でもつなぎ融資は使える?
原則として、フラット35単体ではつなぎ融資は利用できません。フラット35は建物完成後に実行されるローンのため、建築中の支払いには対応していないのです。
👉 ただし、多くの金融機関では「フラット35+つなぎ融資のセット商品」を提供しています。例:土地代・着工金はつなぎ融資でカバーし、完成後にフラット35に切り替えて一本化する仕組み。
📌 注意点
フラット35対応の金融機関でも、つなぎ融資の条件(金利・回数)はそれぞれ違う
セット商品でも諸費用は別途発生する
💡 プロ視点アドバイス
「住宅ローン審査に通った=つなぎ融資もOK」ではありません。別審査が必要になるケースもあります。
つなぎ融資は金利が高めなので、借入額・利用期間を最小限にする工夫が家計を守るポイントです。
不安がある場合は、FP(ファイナンシャルプランナー)にシミュレーションを依頼すると安心です。

7-1: 注文住宅でつなぎ融資を理解する重要性
注文住宅は「土地代」「着工金」「中間金」「完成金」といった支払いが分割されるため、住宅ローンが実行される前に多額の資金が必要になります。その橋渡しをするのが「つなぎ融資」です。仕組みを知らずに契約を進めてしまうと、後から「支払いに間に合わない」「想定以上の利息負担がかかる」といった問題に直面することがあります。
👉 結論:つなぎ融資は注文住宅に欠かせない仕組みであり、正しい理解と準備が成功のカギです。
7-2: 家計を守るためのルール
つなぎ融資は便利ですが、利息や諸費用によるコスト増加が避けられません。だからこそ、以下のルールを意識することが大切です。
📋 3つのルール
金融機関を「住宅ローン+つなぎ融資」で総合的に比較する
工務店の請求スケジュールと融資実行日を必ず調整する
借入額や利用期間を最小限に抑える
これだけで、数十万円単位の差が生まれることもあります。
7-3: 今後の家づくりに向けたアドバイス
2025年以降、建築資材の価格高騰や人件費の上昇が続く中、住宅取得費用は増加傾向にあります。つなぎ融資の金利も景気変動に左右されるため、早めの情報収集と柔軟な計画が必要です。
💡 プロの視点からのアドバイス
「住宅ローンはネット銀行が安いから選ぶ」ではなく、つなぎ融資を含めた総負担額で判断しましょう。
頭金を多めに用意できる人は、つなぎ融資を減らすことで利息負担を軽減できます。
不安がある場合は、FP(ファイナンシャルプランナー)や住宅ローンアドバイザーに第三者チェックを依頼するのがおすすめです。
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利息や手数料の負担があるため、借入額・利用期間を最小限に抑える工夫が重要
工務店と金融機関のスケジュールを調整し、トラブルを未然に防ぐことが成功の秘訣
安心してマイホーム計画を進めるために、つなぎ融資を「リスク」ではなく「賢く使う道具」として活用しましょう。
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